ディザスター・ア・ライブ 〜Returns of Missing〜 作:ふぇるみん
狂三ちゃんパワーで加速してます
・・・・【ラタトスク】空中艦【フラクシナス】
フラクシナスの内部司令部は重苦しい空気に包まれていた。
「・・・・・何なの、貴方達!!!」
「・・・・姿だけ見てもわからないか。まあいいや、私達は海運業者【アクシズ】・・・・・まあ貴方達なら知らない名だとは思うけどね?」
目の前にいる紅い少女に琴里は歯軋りする。琴里だってアクシズの名を知らぬとは言えなかった。
ーーーーー海運業者【アクシズ】
30年前から続く老舗の海運業者でその安全性は抜群とまで言われた唯一無二の運送業者。
だが、その裏の顔は誰もが見た顔。37年前に起きた戦争を単独で止めた世界の英雄【アクシズ】。彼女達がその戦争を止め、現在まで生きていようとは誰も思っていなかったのである。
「・・・ま、いいわ。名前は教えてあげる。私の名前は惑星国家【アクシズ】本部付き副司令の【アンネローゼ・ローゼンハイン】。貴方達で言うところの英雄かしら?」
「・・・・で、そのアクシズの副司令様が何の御用かしら?生憎此方も忙しいの。」
琴里は事務的な対応をするが、対するアンネローゼは今操縦している機体.....【クィン・マンサ】のファンネルと大型サーベルを展開する。
「単刀直入に言うわ。隊長達の邪魔をしないでちょうだい。」
「・・・・・どう言うことかしら?」
「今、隊長達は自らの意思で精霊・・・・いや、妹をを救助しにいってる。隊長達を止めようものなら私たち【アクシズ機動制圧艦隊】が全力で御相手するよ?」
「・・・・分かった。でもこの騒ぎが終わったら全部話してもらうわよ?」
琴里はそう言って観測プログラムの電源を閉じる。
「話のわかる子で助かったわ。お礼といっちゃなんだけど少しいいことを教えてあげるわ。」
「何よ?」
「・・・・・・・・【アクシズ】は今数えるだけでも200を越える精霊と手を組んでいるわ。まあほんとにこれが本当の情報のなのかは定かじゃないけどね。私にも詳しいことはわからないけど。」
「えっ、ちょっと待ちなさい!?200以上って・・・!?」
「・・・あーこれ以上バラすと後で隊長に反撃されるから詳しいことはまた今度ね?それじゃ、今度会うときはアクシズの本部で......。」
そう言うとアンネローゼは自身の機体を後退させていった。やがて姿が見えなくなると琴里は静かにさっき消した観測システムを再起動させた。
「・・・・アクシズ.....暴かせてもらうわよ・・・!!!」
DEM社空域
日本支部がおかれている空域は地獄と化していた。空は狂三の分身体が蹂躙し、地上はレーベ達による飽和砲撃、そして真正面はかつての英雄による殺戮劇。これを地獄と呼ばないでなんと呼べばいいのだろうか。
「・・・行かせない!!全機、あれを止めなさい!!!」
とある隊長からの指示を受けた隊員達が一斉に正面を突っ切るクロエと束、そしてヴィンセントに対して銃撃戦を仕掛けていた。だがその手は彼らにとっては悪手だった。
「・・・・舐められたものだ、博士、ここを頼みます。俺とクロエでクーを救出してきます。何、5分あれば十分です。」
「分かった、けどくれぐれも無理はしないでよ?クーを助けられても二人がいなくなったら元も子も無いんだから。」
「自分達の調子は一番わかっていると思ってます、......クロエ、いくぞ。」
「分かったよ、ヴィンス!」
クロエとヴィンスはこの場を任せると颯爽と上を飛び越して社内に突入していく。それを見た束はこれで遠慮なしにできるといった表情で隠し持っていた拡張領域からハンドガンと銃身を切り詰めたスナイパーライフルを取り出す。
「・・・・さぉて、華々しく初陣を飾っちゃおうっかな!!【刻々帝・騎士団】!!!」
束の目がいつもの色から空色の背景の時計模様に染められると同時に狂三よりは小さいが古い模様の時計が空に浮かぶ。そして何よりいつもおちゃらけた服装からかつてアクシズの指導者が纏っていたマントを着込む。
「【TypeA】、チャージ、ファイヤ!!」
そうして束の持つスナイパーライフルから放たれた銃弾は夜空を真っ赤に染める。
・・・クロエはいつからああなってしまったのだろうか。最初は記憶喪失でなつくだけだったがいつからか妹として接するようになり、ここに降りてから本当の兄妹として暮らすことになったときには今までの行いがようやく報われたのかと感じる。だが、最近その妹が遠くにいっているような感じがしてきた。クーも精霊となってしまい、もっと遠くになってしまった気がする。
【・・・・・なら、君も二人と近しい....いや、同じ存在になるか?】
ならない。
【即答!?】
クロエはクロエだからな。それに俺やクロエには黄泉の加護がある。精霊よりずっと信頼できる仲間がな。
【黄泉・・・・・ヨハネの黙示録か、随分とロマンチックな仲間だことだ。自分が作った子達も今やどこにいるかもわからない存在。けど一人だけ存在はつかめている。】
・・・・狂三か。
【彼女は....元気か?】
ああ、今はあんたを殺すことに躍起になってるよ。
【おお、怖い怖い....】
それで、俺に接触してきた目的はなんだ....【ファントム】
クロエが一足先に向かっている途中にゆっくり周囲を索敵していたヴィンセントは謎のノイズに絡まれていた。もっとも、そのノイズはHADESでくっきりと聞こえるし、見えているのはここだけの秘密だったりする。
【勿論、君達を精霊にする......と言いたかったけど君たちのその姿、周囲の私たちの子を見ているとどうやらその必要は無さそうだからね。】
なんだそりゃ.....まあいい、お前がそうするなら俺は気にしない....もし、また俺たちの前に出てくるのなら、その時は【アクシズ地上本部総司令】としてお相手しよう。
【それは嬉しい。では、お暇することとするよ....願わくばまたこの地に出逢わんことを....】
そしてそれっきりそのノイズが聞こえることはなくなった。ヴィンセントはそれを確認すると現状を把握すべく周囲を見渡す。後ろは地獄絵図と化した戦場、正面にはDEM社の正面玄関とプロトタイプ・アトミックバズーカを両肩に抱えたクロエ。・・・・・・・アトミックバズーカを抱えたクロエ!?!?
「クロエ!?おま、それは!?」
「どうせ潰すなら跡形も無くって言うでしょ!それが私たち【アクシズ】のやり方でしょ?」
「・・・・そうだったな、昔からクロエはこんなんだったな....。」
「さぁて、派手にやっちゃうよ!【HADESTypeZ.ModeABZ】!!」
クロエの纏うISが黄色く光る。バイザーは紅く光り肩に担がれたバズーカは白く輝く。
「いっけぇぇぇぇ!!!!!」
両肩から放たれたそれは正面を強く照らすと衝撃で正面玄関を消し飛ばす。二人はもちろんシールドで防ぐ。
「さあ、最終段階と行きますか!!!」
クロエが真っ先に消し飛んだ玄関に滑り込む。ヴィンセントも見失わないように間髪いれずに滑り込む。戦況は山場を迎えようとしていた。
しかし、本部でモニターしていた二人は知ってしまった。
「・・・・・不味いです、ええ。」
「どうしたんだ、ティーレ?」
「・・・・二人のエネルギー残量、残り10%を切りました....!!」
「んな!?」
「ええ、非常に不味いです、ええ。」
あまりにも狂三と蓮が無双しすぎたせいでやることがなかった故の弊害か。モニターしていた二人の正体は.....運悪くクロエとヴィンセントの二人だった......。
To be continued......
次回、いよいよクーちゃんが救えるのか、それとも撤退してしまうのか!?
※ファントムはアクシズと深い関わりを持っています。