鬼滅のPAR   作:ノーマンくん

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PAR使用者の誤算

―――俺が貰った転生特典は一枚の円盤と大量の数列が載った本だった。

 

 

 何でもこれさえあれば何でも出来るとだけ告げられて俺はこの見たこともない白い部屋を追い出された。

 気がつけば誰かの手に抱えられていた。

成る程、どうやら赤ん坊からのスタートらしい。

 

 

 

 

 

 

 色々とあったがようやく十一になった。

思っていたよりも時が経つのは早く、そして十二分な時間だった。

 そう、特典の理解、習熟に実に―――。

 

 自分が渡されたこの特典、要するに数値の変更を加えて、本来出来ないことやないものを出したり、成長を早くする、行動力や身体的能力を異常成長させるといった使い方をするものでその打ち込んだ数列で現実を改変するものらしい。

 ―――うん、PARだこれ。

うわっ、めっちゃ懐かしい。

昔よくこれで遊んだものである。

今じゃあ姿形も見えないがどうなったのか…。

いやいやこの時代にあるはずないか。

だって明らかにおかしいもの。

 着物をきたひとに洋服きたひと、令和を生きた自分じゃ見逃しちゃうね。

 こいつは異世界転生でないことは確定的に明らか、黄金の鉄の塊で出来た騎士じゃなくても見逃さないね。

 

 あっ、遅くなりましたがそういえば自分、どうも過去に転生したみたいです。 

 

 

 

 うぅむ、とりあえずよく分からないが早速この数列、『コード』を有効化(チェック)する。

 このコードは結構種類があって所持金MAXとか経験値MAX、アイテム減ったら999とか後は攻撃範囲n倍とかもある。

 n倍ってなんだって?

 打ち込む数字とかで違うよ、124倍とかあるけどね。

まぁそれは置いとくけど見れば見るほど唸りたくなる。

 …この鬼のデメリット無しってなんだ?

種族鬼、って―――どういうことだってばよ?

血鬼術?日輪刀?…あれ?

 まさかここ鬼滅の刃の世界なの?

 

 

 

 

 また日付が変わった。

その間自分はコードの有効化を為し、鬼狩りを始めた。

確認も含めて始めた作業だが、これが良くも悪くも功を成している。

 特によく使う血鬼術の習熟にはかなり便利だ。特に分身を作るやつは情報収集、人力作業、事務処理と暇がないほどに使い込んでいる。

 少々本体の自分よりは能力が落ちるがあまり気にならない。

PARによる能力の上昇はもはや人外の域にあるし、もはやスーパーコンピューターを超えた計算処理能力を持っていると自負しているほどだ。

 後は呼吸、主に使うのは日の呼吸なのだが鬼のからだに最高峰の習熟度ではあるがキツい。

 これ過呼吸なんじゃないだろうか?

本当にこれ大丈夫なの? いきなり脳の血管ぷっつりいったりしない?

 そんな不安を胸にしながら俺は修行?の日々を過ごした。

 

 ……なんか分身が死ぬはずだった主要キャラ助けていたんですがどうすればいいんでしょうか。

 

 

 

 

 分身はやられないと記憶、経験の継承が出来ず、本体も起きていないと直ぐには知覚出来ないらしい。

 まじかよ、影分身じゃねぇか。

 しかも、なんで消える間際に鬼擬きなんて独自設定作って最後の一言残して消えてんの!?

 

 

 おまっ、貴女を愛していますっておまっ、まじ待てよ……。

 

 

 ―――いや、こんなことしたのは本当にコイツだけか?

 

 

 急いで確認しなくては……。

 

 

 

 

 結論からしてこの血鬼術は改良して使うことが決定した。

 

 というより原作キャラに接触しまくってた。

 

 死んだと思った次の日に同じ顔の別人が現れるとかヤバいでしょうが……。

もうヤバヤバですよ、特に主人公一家に接触したら駄目でしょうよ。

 

 というか炭治郎くん、禰豆子ちゃんならまだしも竈門家と仲良いってどゆこと?

 

 あぁ~、微笑んだ禰豆子ちゃんかわいいんじゃあ~(現実逃避)

 

 

 

 

 『とある長男の話』

 

 

 「さぁどうぞ、日頃の御礼だよ」 

 

 

 そう言って、この人はきらびやかな紅い花の描かれた着物や基本的に口には出来ない高価な西洋の菓子、弟妹たちの玩具を持って来てくれる。

 兄がいればこんな感じなんだろうか。

 そんな温かさをくれる人だった。

第一印象は胡散臭い怪しい人、最初は薬売りとして俺達の家にやって来た。

 俺や禰豆子に視線を向けて驚いた目をしながらどこか悲しみの匂いをさせて。

 父さんの体調を三日間に一回は見に来てくれて、更にはお土産までくれる。

 申し訳ない気持ちでいっぱいだけどこの人はそんなことは気にしなくていいと言ってくれて俺達はそれに甘えさせてもらってる。

 ただ、父さんと話すときだけあの人は険しい匂いを放ち、奥の方へといってしまう。

 聞かれたくない話なんだと思う、お金の話ではないらしいけどやっぱり心配だ。

 

 禰豆子もあの人の事を信頼している。

もしかしたら家族になることだってあるかもしれない。

 ただその事をさりげなく聞いてみると逆に「君が長男何だから早くイイ人を見つけて家族を安心させてあげないとね―――」そう言って頭を撫でられて言い返されてしまった。

 みんなに笑われて思わず言葉に詰まってしまったけどこれは脈があると見ていいんだろうか?

 

 この人がいて、隣に禰豆子がいて―――そんな想像をしてしまう。

 もう数年、この人と会ってから経っている。

 不思議なところもあるけれど優しくて決して悪い人じゃないことは知っている。

 

 

 (禰豆子、兄ちゃん応援してるからな!!)

 

だから、俺は気づかなかった。

 この人がどうしてこんなに俺達に優しいのか。

 どうして時折、悲しい匂いをさせるのか。

 

 この時の俺は何も知らなかった、何も、……知らなかったんだ。

 

 

 ―――大失敗だった。

 

 俺は自重するべきだった。

 

 竈門一家を助けようなんてどうして考えたのか?

 

 なんで原作通りに進めなかったのか?

 

 そんなツケを今、払わされている。

 

 

 「最近やけに鬼の数が減っていると思い辺りを探れば山に藤の香が焚かれている。

 それで少し見に来て見れば貴様のような小僧が私の邪魔をしていたとは……」

 

 

 忌々しげにこちらを睨み付け、男は口にする。

 白一色のスーツでこの険しい山に居る場違いな青年の姿、―――どうしよう、ラスボス来ちゃったよ!

 

 

 

 

 

 

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