鬼滅のPAR 作:ノーマンくん
めっちゃ便利な血鬼術を使って楽をしたい主人公、しかし、生まれた分身たちは本体の思考をトレースした劣化影分身で思い思いに原作改変をし始めた。
その場その場で守るために倒れる分身、知らぬうちに上がる好感度。
ちなみに気づいていないが思考が本体に似通ってるため偽名が殆ど一緒だったり一文字違い、または本名だったりと隠す気あるの?って感じで広まってるぞ。
何人かは勘づき始めてるので注意が必要だぞ!
鬼舞辻無惨は目の前の男に邪魔者以外の感情を抱いていなかった。
いつもの目障りな邪魔者、そう思っていたが―――。
(なにっ!?)
姿が掻き消えたと共に首をはねとばされた。それに気付いたのは視点が自分の意識と無関係に反転してからであった。
あり得ない、首と胴体を繋げ再び男を見ると切っ先と共にその姿が目の前にあった。
―――動きが尋常ではなく速い。
頭を傾け、その刃を避ける。
そう、刃は首から離れている、だというのに―――自身の首から紅い血が吹き出した。
(どういうことだ、また首を―――っ!?)
避けたはずだというのに首が斬られた。
見ている刃先と実際の間合いがあっていない。
何らかの技術、いや技なのか。
たが、これは、この現象は鬼殺どもの呼吸や剣技ではもはや説明がつかない。なにより自身がいた場所より後ろにあった樹木が綺麗な切断面を見せている。
やはり刃先よりも間合いが長いのだ。
(まさか血鬼術か?いや、―――それはないだろうがこれは……)
おかしいのはその間合いの計れぬ剣技と異常な速度で動き回れるその身体的能力。そして、その相手の格好を見れば、
(日輪刀を持っているということは鬼殺の剣士ではあるのだろうが隊服は着ていない、非番の者だったということか? しかし、柱にしては些か圧がない…… )
見れば見るほど疑念が浮かび上がる、歳はまだ20程だろうか。
この年でここまで出来るならば柱といっても過言ではないのだがどうにも一手一手に隙がある。
どうにも何かを迷っている節があるような―――。
だが、そんな考えも一変する。
この男の刀身が赤く染まると同時に細胞一つ一つが恐怖に震え出した。
あの時、私を追い詰めたあの剣士、そいつが持っていた刀身にそっくりだと気付いた時、私は―――コイツを殺さねばと確信した。
▲
鬼舞辻無惨の顔色が変わった。
余程ぶちギレたのか顔中血管が浮き出て、目がクワッとなったんだけどクワッて、おまけに血の形を変えて攻撃してたのが今度は肉の繭にえげつない口がついた触腕に変わった。
なるなる、これはボス戦でいう第二形態だわ。
でもやっぱり戦闘経験値が未だに足りてないなぁ。
今も大振りの攻撃をかなり距離をとって避けてるし、攻撃も攻撃範囲6倍に任せて遠距離攻撃や範囲攻撃で凌いでいる。
それに、何度か油断してる鬼舞辻無惨の首を翔ばしてるけど一向にダメージどころか疲弊した様子もない。
長い夜になるかな、ただただひたすらに避けて斬擊を浴びせる、それの繰り返しだ。
お互いに段々とフラストレーションが溜まる、だが勝つのは此方だ。
そう思っていたけど―――。
(くそっ、雪が深い……)
運がなかった、もう朝方になるというのに雪が降っていて日が射してこない。
「ククククククッ、残念だったな。
このままいけば貴様は体力が尽きて避けられなくなる。
だが私は違う、鬼の体力は無尽蔵、貴様に私は斬れない!」
今までムカ着火ファイヤーだった無惨様が水を得た魚みたいに語りだした。
そして告げてくる、二つの選択肢をやると。
鬼になるか、それともここで無惨に屍を晒すかと。
自分の名前を掛けた渾身のギャグ勧誘だろうか?
勿論、断るつもりだ。
というか自分の正体がバレたら只でさえ睨まれてるのに余計に執着されてしまう。
どうやら、ここで鬼滅の刃【完】にしなければいけないようだ。
俺は意識を集中する、頭のなかに浮かんだ攻撃範囲1246倍のコードをチェックし、上空の雪雲を見据えた。
「鬼舞辻無惨、貴様に俺の絶技を見せてやろう」
名前も今、適当に決めた。
「見るがいい、我が断空剣を―――」
こらそこ、ダンクーガのパクりやんけとか言ってはいけない。
▲
結論から言うと俺はラスボス撃退戦に勝利した。
いやぁ、凄い戦いでしたねとかいった感じではなかったけど。
過程はこうだ、俺の断空剣は確かに空を切り裂いた。だが、よく考えてもらいたい。
雲とはいっても厚みはあるし、広さもある。
そんなものに多少切り込みをいれたからなんだと言うのか?
実際、微妙に日差しがさしたくらいにしかならなかったし、鬼舞辻無惨からはめっちゃ離れていた。
俺の必殺技発言に先に攻撃して出鼻を挫こうとして失敗した無惨さまも一安心だろう。
俺?、俺はめっちゃ恥ずかしい。
いやっ、まだだから。終わってないから。今本当の必殺技だすから。
かといってもそんなぽいぽい出せるはずもない。
なんかこう関連付けなければこう、なんか―――。
そう言えば雲を切って日光を浴びせようとしたんだっけか。
……あっ、切らなくても別に良かったやんけ。
ポチっとな。
▲
「日の呼吸、百八の型―――日輪太陽」
日輪なのか太陽なのかどっちかにしろよ、ってか意味同じじゃね?
とか思わないでもないし百八って何個あんだよ、テニスかっ!?
と思わないでもないがとにかく格好よく決めておく。
「これが俺の絶技、貴様を討つ鬼殺の技だっ!」
嘘である、勢いに任せた嘘である。
やったことと言えば天候変更コードで晴天に変えただけである。
「おのれぇぇぇええっ、貴様ぁぁあぁああ!!」
ただ効果は抜群だ、相手は倒れ―――「べべんっ」
およよよ?
▲
そういえば瞬間移動の血鬼術もっているのがいましたねぇ。
そんな風に思い出していると誰かが呼ぶ声が聞こえた。
あぁ、炭治郎君か、もしかしたら心配で見に来たのかも知れない。
まぁ間違って炭治郎君鬼ルートが始まるかもしれなかったので良かったのかも―――あっ。
今更だけど原作どうするんだよ……。
「大丈夫ですかっ!? 近くの人達に助けを呼んできたんです」
大丈夫だよ、もう終わったよ。
お互い怪我がなくて良かったね。
でっ、呼んできたんですって誰を―――き、鬼殺隊ではないか……。
次回予告
そこにいたのは只の鬼殺隊員ではなかった。
その名は柱、なんてことだ、しかも富岡さん一人ではなかった。
彼等はいう、自分達はあるひとつの書に導かれたのだと。
次回『鬼殺の刃』これが本当のリスペクト! いや、違うから本当に。