姉様とスクールアイドルをやると決めた数時間後、姉様はママに説教を喰らっていた。忙しかったのに、部屋にずっと引きこもっていたから仕方がないと思うけど。
「聖良は罰として晩御飯の時間まで正座してなさい!!」
とママに言われたため、『私は仕事をサボりました』と書かれたプレートを首からぶら下げながら、姉様は晩御飯の時間まで廊下で正座していた。
理亞「姉様、大丈夫?」
私は姉様に声をかける。流石に高校3年生にもなって、廊下で正座させられるのは身体的にも精神的にも厳しいものがあるだろう。悪いのは、ほぼ姉様だが、何か力になってあげたい。
聖良「いえ、むしろ何か目覚めそうな気がしました。もっと、この屈辱的な時間が続けばいいのに……みたいな」
理亞「ごめん、姉様。出来ればその感情はずっと目覚めないで!!」
Mに目覚めた姉様なんて想像もしたくない。絶対に自分の部屋とかで全身縛ってそうな気がするもん。そんな姉様、見たくないわ。
夕食を家族全員で食べたあと(何故か、姉様はプレートをずっと首に下げたままだった)、風呂を終えてから早速スクールアイドルについて話し合おうと姉様の部屋に入る。
理亞「姉様、入るよ?」
聖良「どーぞ♪」
部屋に入ると、姉様はベットの上で漫画(呪術○戦)を読んでいた。しかも、未だにプレートをぶら下げたままで。いい加減、外して?
理亞「姉様、そろそろプレートを………って、え?」
プレートのことについて姉様に注意しようとしたら、なんと姉様の近くに伊吹がいた。伊吹は体操座りしたまま漫画(終末のワル○ューレ)を読んでいて、私の方に視線を移す。
私は驚きのあまり、伊吹に向かって声を出した。
理亞「どどどど、どーして伊吹がここに!?」
伊吹『部屋で宿題してたら、光に負けない位の速さで聖良姉さんに拉致されてここまで連れてこられた。』
理亞「姉様!?一体、どういうこと!?」
私が姉様に言葉を出すと、姉様はドヤ顔をしたまま胸を張り、
聖良「伊吹にも協力してもらおうと思いまして!!」
理亞「えぇ!?」
姉様の発言に、私は驚愕の声を上げる。そして、同時に私は今更ながら気付いてしまった。
伊吹に…………スクールアイドルをやっている私を見られてしまうということに。
理亞「ーーーーーーッッ!!??」
それが分かった途端、凄く身体が熱くなるのを感じる。あの時は、ライブ映像や姉様の熱さでスクールアイドルをやるって決めたけど、伊吹がそれを見るとなったら、それはまた話が変わってくる。
そんなの……見せられる訳ないじゃん!!無理無理無理無理!!恥ずかしくて死ねる自信しかない!!
今すぐに、姉様にやっぱりやめるように言おう!!恐らく、まだ姉様は私達がスクールアイドルを始めようとしてる事を伊吹に伝えていないはず!!手遅れになる前に言うんだ!
理亞「あの、姉さm…………」
聖良「伊吹!実は私、理亞と2人でスクールアイドルを始めることにしました!!」
理亞「姉様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
おい、こら姉様ぁ!!やっていい事と悪い事の区別も分からなくなったかぁぁぁぁぁ!!!
はい、もう無理乙〜。私、死んだ〜。想い人にスクールアイドルやることバレた〜。これから先、どう過ごせばいいのよ。もう、伊吹と目を合わせるのも恥ずかしさと、気まずさでキツイんだけど。
聖良「理亞、急に大声出してどうしたんですか?もしかして、今日は女の子の日?」
生理じゃないわ!!ほとんど、姉様のせいだよ!?もう、嫌ぁ………。この場から消えてなくなりたいよぉ…………。
ちなみに、私たちがスクールアイドルを始めるのを聞いた伊吹はというと………
伊吹『スクール………アイドル?』
首を傾げて、手話で告げた。どうやら、スクールアイドルのことを知らないみたいだ。ほっ……。よし!このまま何も無かったかのように振る舞えば………
聖良「私が説明してあげましょう!」
と、思ったら無理でした。新米教師が着てそうな真っ黒なスーツを華麗に着こなし、丸メガネを装着した姉様がドヤ顔をしながらホワイトボードを持ってきた。え、どっから持ってきた?
聖良「スクールアイドルとは名称通り、学生がアイドル活動をすることを指します!!簡単に言えば部活みたいなものだと思えばいいです!!"ラブライブ"と呼ばれる全国大会が存在するぐらい今では有名で話題があるものなんですよ!」
伊吹『ほへー』
姉様が分かりやすく伊吹にスクールアイドルについて説明を行う。それにしても、いつ調べたんだろう?この人、今日スクールアイドルについて認知したはずだよね?すごく熟知してる雰囲気出すじゃん
聖良「私と理亞はスクールアイドルを結成して、そのラブライブで頂点をとるつもりでいます!しかし、私達2人でもいけるのは思うんですけど、そのうち限界を感じると思うんです!だから、伊吹。貴方に手伝って貰いたいんです」
それって、もしかして伊吹に………
聖良「もし、嫌じゃなかったら……私たちのマネージャーになってくれませんか?」
伊吹『マネージャー?』
聖良「はい!マネージャーです!」
やっぱり………。確かにスクールアイドルとして活動していくなら、少なくとも1人はサポートしてくれる人がいると非常に助かると思う。それが伊吹となったら尚更だ。
姉様とスクールアイドルをやりたいというこの気持ちは嘘じゃない。本気だ。だけど、やっぱり恥ずかしいという気持ちが勝ってしまう。
………やっぱり、やめよう。こんな自分勝手で生半可な気持ちでやったら、姉様に失礼だ。スクールアイドルをやれなくなってしまうのは悔しいけど、私以外にも姉様と一緒に活動できる相応しい人物がいるはずだ。人脈が私と違って幅広くある姉様なら、すぐに見つけられる。
理亞「姉様、やっぱり私……」
伊吹『そのスクールアイドルっていうの、理亞ちゃんもやるの?』
理亞「え?」
伊吹が私の声を遮りるように、目の前にやってきて手話で、私にメッセージを送る。どうして、そんなことを私に聞くのだろうか。
伊吹『………』
理亞「………」
伊吹の相変わらず酷く濁った瞳がじっと私を見つめてくる。少し不気味だと思いつつ、私はゆっくりと……
理亞「もし………やるって言ったら??」
まるで伊吹を試すような言葉を掛けてしまった。そんなつもりなかったのに。
私の言葉に対して、伊吹は……
伊吹『…………』ビュンビュンビュン
理亞「………え?」
伊吹はすごい速さで手を動かすが、早すぎて何て言ったか分からなかった。
理亞「今、なんてーーー」
伊吹『姉さん、マネージャーの件。引き受けるよ』
聖良・理亞「ーーーッッ!!」
今度はいつも通りの早さで手を動かし、マネージャーの件を了承した。
伊吹『やれることは限られてくるけど、やれるだけやってみるよ』
聖良「伊吹ー!ありがとうございます!お礼に今日、背中洗ってあげますよー!!」
理亞「なっ!?」
伊吹『いや、大丈夫です。』
聖良「どうしてですか!?私に背中を拭いてもらうなんて、ほとんどの男の人が喜びで悲鳴を挙げるというのに!!」
理亞「姉様!これ以上は黙って!!」
そりゃあ、あんなナイスボディな姉様に背中拭いてもらうなんて男の人からしたら、至福そのものでしょうね!!そんなこと、私が許可しないけど!!
………そういえば、さっき伊吹は何を伝えたかったんだろう。
私は未だにギャーギャー騒ぐ姉様を引きずりながら、そう思うのであった。
♤♤♤♤♤
ちなみに、あの時伊吹が高速手話で伝えたのは………
伊吹『………絶対に似合うと思うよ』ビュンビュンビュン
聖良(………伊吹も男の子なんですね♪)
ちゃっかり、聖良はあの高速手話を解読しており、心の中でニヤニヤしてたとか………。
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姉様のポンコツ具合
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現状維持
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控えめ
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いいぞ。もっとやれ