伊吹がマネージャーとして参加することが決まってから次の日の夜。私と伊吹は夕食後に姉様に呼ばれたため、姉様の部屋へと訪れていた。
聖良「今後の予定を決めていきたいと思います!!」
バン!と、またしてもいつの間にか用意していたホワイトボードを叩きながら姉様は声を出す。それに合わせて、私と伊吹はパチパチと手をたたく。
スクールアイドルとして活動を始めるには、まず段取りを決めて、それらを実行しなければならない。やることは沢山だ。
聖良「まずは部活の申請をしなくては、ですね。これを行わないとまず何ひとつ始めれません」
姉様の言う通り、スクールアイドルは部活の一環であるため、始めるには学校内で部活を立ち上げる必要がある。
理亞「部活を立ち上げるために必要なものってなんなのかしら?」
伊吹『んー、そこは生徒会にお願いするとかじゃないかな?』
聖良「流石、伊吹、その通りです。部活を創立させるためにはまず、生徒会に行って書類を貰う必要があります!」
どうして、そんなに詳しいの?って一瞬、思ったけど、確か姉様は生徒会のお手伝いを過去に色々としているんだっけ?なら、そこら辺は知ってて当然なのかもしれない。
聖良「そして、書類を貰ったらそこに最低3人の生徒の名前と顧問の先生の名前を書いて再び生徒会に提出します。無事に会議等で通れば部活を立ち上げることができるんです!」
理亞「へぇ〜」
てことは、メンバーに関してはもう姉様と私と伊吹がいるから大丈夫ってことよね?あとは顧問の先生か………。
聖良「うーん、顧問の先生だったら数学担当の赤星
いや、待って?姉様が口にした先生の名前がどれもキラキラネーム過ぎて話の内容が頭に入ってこなかったんだけど!?
聖良「でも、ダンスとかもやるって考えたら体育担当の葛飾
また、出てきたよ!!え、何!?うちの学校の先生、キラキラネーム多い系なの!?
伊吹『ちなみにうちのクラスの担任の名前は紅
あんたのとこもかい!!もう、驚きを通り越して恐怖なんだけど!?
聖良「関係ない話ですけど、理亞の名前を決める時に理亞か
伊吹『………』ハッ
この流れで何かボケが思い浮かんだかもしれないけど、やらせないわよ!?伊吹までそっち側に回ったら私の身がもたない!!
私はゼーゼーと呼吸を荒くする。息を吐くかのようにボケまくる姉様たちのせいで、話の路線がだいぶズレてしまった。
えーっと、何の話だったっけ?………あ、そうだ。顧問の先生の話だったわ。本当にどうしよう………??
……………あ!!
理亞「………いる」
姉様「理亞?」
理亞「いるわ、姉様!顧問を引き受けてくれそうな先生が!!」
どうして、気づかなかったんだろう……。あの学校に通う先生でスクールアイドルの顧問の先生に相応しい人物がいるじゃないか。あの人なら、是非ともと顧問の先生を引き受けてくれるかもしれない!!
伊吹『もしかして…………花咲先生?』
理亞「そう!」
聖良「……あぁ、今年からきたあの先生ですね」
今年からうちの学校に赴任してきて、私の担任になった花咲 聖那先生。自己紹介のときにスクールアイドルが大好きだと口にしてたし、なんなら、やって欲しいとも言っていた気がする。しかも、来たばかりだから、まだ他に部活の顧問を引き受けてないと思う。
聖良「確かに、やってもらうならスクールアイドルの事を知っている人の方がいいかもしれませんね。」
理亞「早速、明日お願いしようよ!!」
伊吹『そうだね。早くしないと他の顧問やらされるかもしれないしね』
理亞「分かりました!では、明日の朝、3人でお願いしにいきましょう!」
理亞・伊吹「『おー!』」
これで、ひとまず顧問については大丈夫だろう。次に決めなくてはいけないのは
聖良「私たちのグループ名……ですね」
スクールアイドルをやるに至って重要なもの。それはグループ名だ。グループ名を決めないと、私達を象徴させることはできない。
過去でいうとこの、A‐RISEやμ's。どれも凄く良いグループ名で凝ってると思う。
聖良「思いつき次第、どんどん言っていきましょう♪」カキカキ
と、姉様は言いながらホワイトボードにどんどんとグループ名の候補を書いていく。前から何個か候補を考えていたのかな?なんて書いてあるんだろう………。
『Yukkin’Patty』
『Sweet grow』
『White☃︎Palettes』
『Azalea』
理亞「ちょっと待って、姉様。なんか、どれも見覚えのあるグループ名なんだけど!?」
聖良「はて………、何のことでしょうか?」
何のことでしょうか?じゃないのよ、姉様。どれもブシ〇ードさんがプロデュースしてるあの某人気バンド作品のグループ名なのよ。惚けてもダメ!!
伊吹『………』カキカキ
姉様が、消したスペースに今度は伊吹がペンでグループ名を書いていく。まぁ、伊吹のことだ。姉様みたいにふざけることはないな。
『CRASH SISTERS!!!』
『SMART TRIGGER STAFF』
『Anzai Posse』
『天地鹿』
理亞「待てーい!!!」
アンタもか!!またしても見覚えのあるグループ名なんだけど!!某人気ラップバドル作品に出てくるグループ名にそっくりなんだが!?
聖良「少しふざけすぎてしまいましたね。ここからは真面目にやりましょう、伊吹」
伊吹『………』コクリ
そう言って、2人はゴニョコニョと手話を交えながら会話を行いホワイトボードに文字を書き出す。見た感じ、真剣に会話しているように見える。私も2人の会話に入ってグループ名を考えなければ。
理亞「2人とも、私も考えるわ!」
そう思って、2人のところに訪れると
『寿限無寿限無アズキ投げ機3日前の理亞ちゃんのスポーツブラ理亞の人生バルマンク=ゴッドリオンノウズザック=ジャクソン四分の一の純愛な感情の残った三分の二はさかむけが気になる感情裏切りは僕の名前をしっているようでしらないのを僕はしっている留守スルメめだかかずのここえだめめだか…このめだかはさっきと違う奴だからブラックリムっていう高級なめだかの方だからラー油ゆうていみやおうきむこうぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ茶房菊泉』カキカキ
理亞「ちょっと待って?」
いや、姉様達、さっき自分で言った言葉忘れた?真面目にやるって言ってからまだ1分も経ってないよ?普通にふざけてるじゃない!!
どうして、そんなにふざけるの?私は真剣に考えてるのに!!
理亞「2人ともふざけてばっか!!私、もう知らない!!」ダッ
聖良「理亞!」
伊吹『ッッ!!』
やってられない、と頭に血が登り、そう思った私は姉様の部屋を出て、そのまま家からも飛び出すように出て行ってしまった。
姉様から誘ってきたというのに、どうしてあんなにふざけるの?あんなことされると、姉様が真剣なのか、どうかが分からないよ。
理亞「はぁ……」
気づけば、少し離れた公園までやって来ていたため、公園の中に入り、そこにあるベンチへと腰をおろす。
何回か深呼吸し、心を落ち着かせる。頭の血が引いたところで私も私でどうでもいいところで叫んじゃったことに後悔をする。
うわぁ、これ。帰る時にすっごい気まずい雰囲気になるやつじゃん。自分で勝手に家を出ておいて、少し経ったら何事も無かったかのように家に帰ってきて気まずい時間を暫くの間、過ごすことになるやつじゃん!!(作者談)
けど……. 、やってしまったことは仕方がない。ここは時間を置いてから家に戻ることに……
理亞「あ……」
伊吹『………』ブラブラ
下にあった視線を上に上げると、伊吹がこちらを見ながらブランコに乗っていた。え、いつからそこに??そして、どうしてブランコに乗ってんの?意味わからないんだけど。
伊吹はブランコから降りて、私の方へと近づいていく。
理亞「…………何よ、こんな所までやって来て」
伊吹『謝りに来た。ふざけて過ぎてごめん。』
伊吹は手話でそう伝えて頭を深く下げる。表情は相変わらず真顔だが、明らかに反省してるオーラが全身から漂わせているのが分かる。
理亞「別にいいわよ、謝らなくて。私も怒鳴りながら部屋から出てっちゃったしお互い様よ」
これを機に、もう少しだけその場限りの感情だけで行動するのは控えることにしようと決意した。
理亞「帰ろっか。」
伊吹『そうだね』
そろそろ帰ろうとベンチから腰を上げ、公園から出ようとした瞬間に頭の上に何か冷たいものが落ちてきたのを感じた。何だろう、と思い上を見てみると
理亞「………雪?」
空から白い雪がゆらゆらと降っていた。確かに、今日は4月にしてはやけに冷え込むと思っていたけど、まさか雪まで降るなんてね。これは珍しいな。
つい、数ヶ月前までは当たり前のように降っていて、当たり前のように目にしていた雪だったが、こうして久しぶりに見てみると綺麗に見えてくるな。
理亞「………」
伊吹『………』
暫く、私と伊吹はその場から立ち止まったまま、降り続く雪を眺めていた。
伊吹『なんだか……懐かしいね』
理亞「何が?」
伊吹が雪を見ながら手話で私に話しかける。懐かしい?なんかあったっけ?
伊吹『まだ、僕がここに来てから間もない頃にさ、よく聖良姉さんが僕と理亞ちゃんを無理やり外に連れ出して雪降ってる中、遊んだよね』
理亞「あぁ、そんなことあったわね。」
それは確かに懐かしい。今でも覚えてる。伊吹が私たちの家に居候するようになって間もない頃…………、まだ私が伊吹に対して嫌悪な感情を持っていた時の話だ。
雪が降っている中、姉様がよく外に遊びに行こうと私と伊吹に言っていた。伊吹は伊吹でまだ馴染めないからか、遠慮して、私は私で普通に伊吹と関わるのは嫌だったから同じく断っていたけど、それでも無理やり姉様に連れ出されてたっけ。それで全身が雪まみれになるまで遊んでびしょびしょになったまま家に帰ってママに怒られてたな。
本当に………本当に懐かしい。多分、それがきっかけで伊吹も馴染めるようになったし、私も伊吹と関わることでそこまで嫌だと思わなくなった。
そう思うと、何もかもの始まりは姉様からなんだな。やっぱり、あの人は凄い。
理亞・伊吹「『あ!!』」
ビビッと、頭の中で1つのグループ名の候補が思い浮かんだ。伊吹も思い浮かんだのか、少しだけ嬉しそうな表情を浮かばせている。
………多分、私と同じグループ名のような気がする。確証はないけど、そんな気がする。
理亞「伊吹」
伊吹『うん、分かってる。』
伊吹に声をかけると、伊吹は頷きながらサムズアップする。そして、せーのという声をかけてから、私と伊吹は同時に思い浮かんだグループ名を一緒に明かす。
理亞・伊吹「『Saint Snow!!!!』」
想像通り、私と伊吹は同じグループ名を思い浮かんでいたようだ。まるで奇跡のような出来事だ。
このグループ名の由来は、私と伊吹との関係をつくるきっかけを作ってくれた姉様の名前と、私たち3人の思い出から構成したものとなっている。私としてはよく考えたものだ。
伊吹『早速、聖良姉さんに伝えに行こう』
理亞「そうね………くしゅん!」
伊吹『理亞ちゃん?』
理亞「あぁ。なんでもないわよ」
そういえば、そんなに着込むことなく出てっちゃったから、今更だけど寒く感じる。そのせいで、伊吹の前でくしゃみしちゃった。恥ずかしい………。
ーーーガシッ
理亞「え?」
唐突に伊吹が私の手を握り始める。私は驚きで顔を赤くさせてしまう。
伊吹『ごめん、何かあったら良かったんだけど、何も無いからこうすることしか出来ないや。』
伊吹は申し訳なさそうに片手を動かして私にそう伝える。
……………馬鹿。それだけでも私は嬉しいというのに。
…………ありがとう。
理亞「早く帰っか」
伊吹『そうだね』
私と伊吹は互いにしっかりと手を握りながら、自分の家へと戻った。
余談だけど、家に帰ったら姉様が発狂しながら切腹しようとしていたため、家族総出で全力でそれを阻止しました。
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姉様のポンコツ具合
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現状維持
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控えめ
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いいぞ。もっとやれ