Saint Snowと無口の居候。   作:七宮 梅雨

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ミスったので再投稿しました


32話「4倍弱点」

理亞「ファーストライブ……」

 

 姉様の宣言に無意識に生唾を飲んでしまう自分がいた。こんなに心が滾ることが過去にあっただろうか。

 

 SaintSnowの記念すべきファーストライブで伊吹の存在価値の認知させる……これほど素晴らしい方法があるだろうか。いや、ない。流石は姉様だ。

 

聖良「とは言っても、ライブをやるに至っての段階の踏み方はまだ分かりません。調べながら……にはなりますが、私たちにはそんな時間はありません。」

 

 確かに………。ライブをするとなったら、当然だけど準備が必要だ。ライブを行う場所に歌う曲にダンス………、今だとこれぐらいだろうか。もっと他にあるかもしれないけど……。

 

聖良「時間は有効かつ効率的に使っていきましょう。まずは…………」

 

 ♠️♠️♠️♠️♠️

 

 「それで、私のところに来たって訳ね」

 

聖良「はい。スクールアイドルについて熟知してる花咲先生であればライブについて色々と教えて頂けれると思いまして………」

 

 私たちが来たのは職員室であり、目的の人物はスクールアイドル部の顧問を引き受けてくださった花咲先生だ。スクールアイドルオタクの先生なら、姉様が言った通りライブについて色々と教えて貰えると思ったからだ。

 

 生徒会であったやり取りや、SaintSnowのファーストライブについて先生に話した。

 

 「………………」

 

伊吹『……………??』

 

理亞「先生?」

 

 「い、いや。なんでも。大変だったわね。」

 

 一通りの話を聞いた先生は、何も言わずにジッと伊吹を見つめていた。見つめられている伊吹は首を傾げ、私が思わず声をかけると先生は少し慌てながらも反応をみせた。

 

 「天草くんのことは私にも耳が入ってたけど……ここまでいくとは思ってなかったのよ。」

 

 当然ながら伊吹のテスト生の反対勢力がいることは花咲先生も認知していたようだった。

 

 「ライブの件は私も大賛成。分からないことがあればなんでも言って。私も出来ることはできる限りサポートするわ」

 

聖良「ありがとうございます。助かります」

 

 やった。花咲先生の協力も得ることに成功した。彼女がいれば百人力だ。

 

 「あともう少しで今やってる仕事が落ち着くから………はい、これ。2階の空き教室の鍵ね。ここで待って貰っても良い?終わり次第、すぐに向かうから」

 

聖良「分かりました。」

 

 花咲先生から鍵を貰った私たちは職員室から出ようとする。そうよね、先生だって自分の仕事があるわよね……。こればかりは仕方がない

 

 「ねぇ、なんか生徒会室の壁が凹んでるみたいだけどなんか知ってる?」

 

 「知ってる訳ないでしょ。そんなゴリラみたいな生徒、うちにいる?」

 

 「早急に業者呼ぶかぁ………」

 

 なんか職員室にいる1部の教員たちがざわざわとしていた。少なくとも私が生徒会室から出るまでは壁なんて凹んでなかったはず……。まさか………

 

 チラッと姉様の顔を伺う。すると、姉様は私の気持ちが察したのか、普段通りの笑顔で答えた。

 

 「私は知りませんよ。私、あそこで架純さんとヒードランごっこしかしてませんので。」

 

 とりあえず、聞かなかったことにした。

 

 ♠️♠️♠️♠️♠️

 

 花咲先生に指定された空き教室に到着した私たちは先生が来るまで、ざっくりと今後のことについて話し合うことにした。時間は有効に使わなきゃだもんね。

 

 「お待たせお待たせ。」

 

 少しすると、花咲先生も来てくれた。メンバーが揃ったため、ライブについて話し合う。

 

 「私が来るまでなんか話してた?」

 

聖良「はい。ライブでやる場所や曲の方向性を少し………」

 

 「ふむふむ。んで?」

 

聖良「場所は校内の講堂辺りをどうだろうって。あそこならステージも広いですし、見に来てくれる人も多く入れることができます。」

 

 「確かに。ライブをするならあそこはもってこいの場所ね。使用許可については私の方から上に確認してみるわ。」

 

聖良・理亞「ありがとうございます」

 

聖良「曲は私や理亞はロック系を良く聞くので、そっち方向で作詞作曲をしていければ、と話してました。」

 

 「へぇ….、意外。ロックとか聞くんだ。GL○Yとか聞いたりするの?」

 

聖良「そうですね、G○AYも好きですけど………私はマキシマム○ホルモンとかよく聞きますね」

 

 「本当に好きなんだね………」

 

 まさか、と言わんばかりに花咲先生は驚いた表情を見せる。まぁ、確かに見た目は清楚そうな姉様がガチガチのロック系が好きなのは意外かもしれない。興奮するとよくヘドバンしたりするし…………。ちなみに、私はビー○ルズ派です。

 

 「でも、ロックかぁ……。私もよく聞いたりするからアリだけど……、ここにいる生徒に受けるかどうか難しいわね」

 

 先生は顎に手を当てて悩む動作みせる。私たちが通う函館聖泉女子高等学院は周りの高校に比べてもトップレベルの学力を誇り、なおかつ音楽にも力を入れている学校だ。しかし、音楽といっても聖歌隊のような神聖的な音楽活動を勧めていくことが多いため、ロックといった激しい音楽を好む生徒が少ないかもしれないということ。

 

 もしも、ライブにてロックでいってしまった場合、場違い感が激しく出てしまう可能が大いにありえるということ。これを花咲先生は懸念しているようにみえる。

 

 となると、ここはぐっ!と我慢して聖歌隊のような神聖のイメージのある曲にして、観に来てくれた人の第一印象を良くして評価を得る方向にした方が……

 

伊吹『先生』

 

 「ん?」

 

伊吹が手にしていた落書き帳で文字を綴り、先生に呼びかける。

 

伊吹『心配しなくても大丈夫です。聖良姉さんと理亞ちゃんの歌うロックは…………ロックの知らない人達を魅力しちゃうぐらいの力がありますので』

 

 

 「…………その根拠は?」

 

 

 ーーーゾワッッ

 

 

理亞・聖良「……………ッッ!?」

 

 なんだろう……。花咲先生の静かに発した、たった一言で背筋が凍ったように感じた。姉様も同じように感じたのだろうか。珍しく少し顔が️青く感じる。

 

 

 

伊吹『彼女たちと出会って、今まで聞いてきたこの耳です。』

 

 

 

 だが、しかし。伊吹は花咲先生の威圧に屈することなく、正々堂々と答えを出した。

 

 

 「……………」

 

伊吹『……………』

 

 それから伊吹と花咲先生は言葉を発することなく互いの目と目を見つめ合う。この2人が一体、どんな感情を抱いているのか全く分からなかった。

 

 

 「君は……良い家族に出会ったんだね」

 

 

 ふっ、と花咲先生はそう言い、まるでさっきの表情が嘘みたいに笑った。

 

 「2人も意地悪な反応してごめんねー。君たちの覚悟がどんなものなのか試したくて。でも、ダメだよー。こんなので臆してるようじゃ。世界には色んなスクールアイドルがいるんだぜ☆」

 

 うぇいうぇい、と私の脇を両指でつつきながら花咲先生は声を掛ける。いや、あんなとんでもない威圧を出すスクールアイドルなんていてたまるかっつーの!!

 

 ちょっかいをかけてくる先生に対して私が辞めるように反論している中で姉様は険しい顔をしながら考えるような仕草をしていた。

 

聖良「……………………」

 

理亞「ね、姉様?大丈夫?」

 

聖良「え、……えぇ。私のヒードランのモノマネに対して氷タイプにしかみえないお前にとって4倍弱点じゃねぇか!!ふざけるな!!っていう話ですね」

 

理亞「いや、全然違うけど。え、なに。誰かにそれ言われた?」

 

 こうして、私たち、Saint Snowのファーストライブはロックをテーマに作詞作曲、ダンスを考える方向性に決まった。

 

 これから2週間……とても忙しくなるな。けど、伊吹の為に頑張らくちゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖良(あの威圧………どっかで見覚えが………。)

姉様のポンコツ具合

  • 現状維持
  • 控えめ
  • いいぞ。もっとやれ
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