Saint Snowと無口の居候。   作:七宮 梅雨

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番外編です。

最近の仮面ライダーゼロワン面白いですよね♪

時間軸は既に高校生になっていて、Saint Snowを結成し、東京のイベントのあととなっています。

よろしくお願いします。


番外編
Saint Snow、特撮デビューするってよ。


理亞「おはよう…………姉様、伊吹」ファァ

 

聖良「おはようございます」

 

伊吹『おはよう。』

 

 ある日の日曜日の朝、私はウトウトとし、目を擦りながらリビングへ向かうと姉様と伊吹が先に朝食を食べていた。

 

聖良「いくら休日でも、少し起きるのが遅いですよ、理亞。せっかく作った朝ご飯が冷めてしまいました…………。」

 

 姉様が可愛らしくプンプンとさせながら、私に注意し、恐らく冷めてしまったであろう、姉様手作り朝ご飯(目玉焼きwithたこさんウインナー)を手に取って電子レンジへと入れる。

 

理亞「ごめんなさい、姉様。」

 

 起きるのが遅くなった理由は、夜遅くまで新曲の振付を練習していたからだ。

 

 姉様と伊吹(マネージャー)の3人で結成したスクールアイドル、Saint Snowが本格的に活動し始めて早数ヶ月が経過した。

 

 ありがたいことに、徐々に私達のことが認知されるようになり、最近では東京のイベントにも招待して貰えれるようになるまでにはなった。

 

 しかし、その東京のイベントでは結果は9位で入賞を逃すことになってしまった。それ故に、私は悔しくて、つい浦の星女学院のスクールアイドルのメンバーに強く当たってしまった。それが理由で、伊吹と喧嘩してしまったのも今となってはいい思い出だ。

 

 しかし、本当に悔しかったのも事実。私が、もう少し立派にしていれば、もっと上に立てたかもしれない。姉様や伊吹は気にしないで、と励ますように言ってくれるが、私の気持ちが晴れることは無かった。

 

 だからこそ、今度、配信予定の新曲は前以上に完璧なものへと仕上げたかった。その想いが大きすぎたせいか、昨晩は寝れなくなって…………夜遅くまで、庭で練習した結果がこのザマ。情けないわね、私。

 

聖良「次回からは気を付けるように。はい、朝ご飯ですよ」

 

 姉様は温め直してくれた朝ご飯を私の目の前にコトンと置いてくれた。

 

理亞「ありがと、姉様。」

 

 私はそう言って、朝ご飯に手をつける。うん、やっぱり姉様の朝ご飯は美味しい。

 

聖良「あ、そろそろ時間ですね。伊吹、リモコンを!!」

 

伊吹『…………』コクリ

 

 壁に設置されている時計を見て、姉様は嬉しそうに伊吹に言葉をかける。伊吹はコクリと頷いたあとに、手前に置いてあったリモコンを手に取ってテレビをつける。

 

 最近、私達の中でハマっているものがある。それは…………

 

 

 『仮面ライダーゼロワン、このあとすぐ!!』

 

 

聖良「きました!!楽しみですね。」

 

伊吹『……………』ワクワク

 

 そう、特撮番組の1つである仮面ライダーである。

 

 伊吹が元々、特撮番組が大好きだってことは3年前から発覚していたが、その後、すぐに姉様にバレることになった。

 

 本来ならば、基本的には中学生にもなって未だに仮面ライダーに大好きとなれば少し痛い目で見るけれど…………

 

聖良『伊吹が好きな物は是非とも共有したいです!!理亞、私達も見てみましょう!!』

 

 相変わらず、頭の中がお花畑である姉様はそう言ったあと、すぐにTSU〇AYAで平成仮面ライダーシリーズ(クウガ〜)のDVDを全巻借りてきて、無理やり私を隣に置いて見せられた。

 

 その結果、どうなったか…………。

 

 はい、見事に私達も仮面ライダーにハマりました。俗に言う大きなお友達………というやつかしら。

 

 今まで、批判的だった私ですら、ハマってしまった。悔しいけれど………、シナリオが面白いのよね。

 

 ちびっ子が見る番組だから、それに沿ってるのかなって思ってたけど、実際はそうでも無かった。なんなのよ、あれ。何で、人を救うヒーローが殺し合いなんてしてんのよ。何で、最終話で親友と戦わなきゃいけないのよ。何で、変身する度に自分の存在を忘れられるのよ。何で、何で、何で。

 

 もう………、色々と衝撃を受けた。改めて、脚本家は凄いということを身を持って学んだ。

 

 あと、姉様に至っては、仮面ライダーにハマりすぎて伊吹と同じく玩具に手を出すようになった。

 

 DXから食玩、ガシャポン、更にCSMやプレバン限定といった玩具をココ最近は購入するようになった。

 

 そのお陰で、姉様の部屋は仮面ライダーの玩具で埋め尽くされている。両親は姉様のお金で買ってるから、という理由で特に何も口に出すことは無いけど、それでも苦笑いはする。

 

 ほら、姉様は今でも楽しそうにしながら腰に現在、放送されている仮面ライダーのベルトを装着して、番組が始まるのを待っている。………高校3年生だよね?姉様。『jumping♪』とか、笑顔で鳴らさなくていいから。

 

 そして、時間になり、OPが始まると………

 

聖良「♪ゼロワン、ゼロワン、ゼロワン、ゼロワン、ゼロワン〜……広大なアーカイブ、アクセスして〜♪」

 

 姉様は楽しそうにOPの歌詞を歌い始める。これも、いつもの事だ。姉様の歌唱力はとんでもないから、聞いてて、こっちが原曲なのでは??と思ってしまう。

 

 その後、OPが終わり本編が始まるのであった。

 

 

 ♠♠♠♠♠

 

 

聖良「いやぁ、今回の話もとても面白かったですね。」

 

伊吹『…………』コクリコクリ

 

理亞「…………そうね。」

 

 本編が終わったあと、私たちは伊吹が淹れてくれたお茶を飲みながら、今回の話の感想を述べ合う。

 

 今回の話も面白かった。個人的には不破さん推し。カッコイイし、面白い。

 

聖良「あ」

 

 15分ぐらい感想を述べ合ったあと、姉様は何か思い出したかのように衝撃の言葉をサラッと呟いた。

 

 

 

聖良「あ、今度の日曜日、私たち、ゼロワンに出演することが決まったので、予定空けといてくださいね。」

 

 

 

 

理亞・伊吹「『は??』」

 

 

 ここで、暫く沈黙の時間が流れる。

 

 

 私は持ってる湯飲みをぷるぷると震わせながら、姉様に声をかける。

 

理亞「あの、姉様………。い、今、なんて??」

 

聖良「いや、ですから今度の日曜日にゼロワンの撮影があるので予定を…………」

 

 あ、どうやら私の聞き間違いでは無かったみたい。

 

理亞「それ…………、いつから知ってたの?」

 

聖良「2週間ぐらい前からですね。オファーがき…………。」

 

 

理亞「なんで、その時に言わないのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

 

聖良「………え??」

 

 思わず、私は大声をあげてしまった。でも、こればかりは仕方が無いと思う。唐突に、仮面ライダーに出演するから予定を空けて、と言われても困惑するだけだ。

 

聖良「え、だってサプライズにした方がいいかなって。」

 

 サプライズの限度が遥かに高いよ、姉様!!ドッキリメインの番組でもそんなことはしないよ!!

 

聖良「ほ、ほら。♪Surprise〜、世界中がDrive〜♪………ってね。」

 

 ってね。じゃない!!唐突にドライブのOPのサビを歌わないで!!

 

伊吹『……………』ブゥンブゥン

 

 ほらぁ、あれを見てよ、姉様。伊吹なんか驚きすぎて、真顔で激しいスクワットし始めちゃったよ。

 

聖良「スクワットしたいほど、嬉しかったんですね。」

 

 いや、違うから。あれは嬉しさよりも、どっちかと言うと困惑ゆえの行動だから。歓喜の感情なんて多分、一切ないわよ、あれは。

 

聖良「まぁ、詳しくはこの予定表。………、あ、台本もついでに渡しておきますね。」

 

理亞「台本!?なんで!?」

 

 姉様は2枚の神と少し分厚い冊子2冊を取り出して、私たちの前に置く。冊子を見てみると、『仮面ライダーゼロワン ○話 台本』と書かれていた。

 

聖良「何言ってるんですか。そりゃあ、出演するんですから、台本あるに決まっているでしょう。」

 

理亞「確かに………そうだけど。てか、マジな話だったのね。」

 

聖良「はい、当然、嘘じゃありませんよ。今度の撮影は函館で行われるみたいなんです。」

 

 私は台本を手にして、とりあえずパラパラとページをめくる。

 

 まぁ、ある程度は予想は付いてたけど、今回、私達が出演するらしき話は今さっき放送された内容よりも少しだけ進んだ内容だから、主演やヒロインの台詞を見てみても繋がりが全く分からない。

 

 しかし、台本を読んで分かったことがある。

 

理亞「なるほど、この話はスクールアイドルに関しての内容なのね。」

 

聖良「その通りです。恐らく、それが理由でオファーが来たんだと思います。」

 

 そう。この台本の内容はスクールアイドルが関わっている話だった。

 

 今回の仮面ライダーは人工知能搭載型人型ロボット、『ヒューマギア』という…………簡単に言えばAIがメインとなる世界観となっている。

 

 それ故に、私達が出演する役はその『ヒューマギア』でスクールアイドルをやっている女子高校生の役だった。

 

 姉様が言った通り、多分、それが理由でSaint Snowである私たちに声が掛かったのだろう。他の女優さんや新人さんを出演させれば良かったのに………、という気持ちもあるが、テレビ主演となれば更に私達の知名度が上がることは間違いなしだ。ならば、この機を逃す訳にはいかない。

 

 全力で挑むことにしよう。

 

理亞「それでも………こういう、役者的なことは始めてだから不安かも」

 

聖良「理亞なら、心配いりませんよ。ほら、中の人だって少女☆歌劇で活躍してるじゃないですか!!」

 

理亞「中の人とか言わないでくれる!?」

 

 姉様、それメタ発言だからね!!

 

伊吹『……………………』ブゥンブゥン

 

 アンタもいい加減、スクワットやめなさい!!

 

 

 ♠♠♠♠♠

 

 

 という訳で、遂に撮影日がやってきました。

 

 今はメイクさん達に化粧やら髪型をセットして貰っている。

 

 今回は悪魔で番組内のスクールアイドルの設定のため、普段、私達がやっているような髪型やメイク、服装ではない。

 

 いつもはツインテールにしている私はポニーテール、そしていつもはサイドテールにしている姉様は三つ編みだった。

 

聖良「ポニーテールの理亞、とっても可愛いですよ。」

 

理亞「姉様だって、素敵だわ。」

 

 メイクが終了し、近くに置いてある椅子に腰を下ろした私たちは向かい合って褒め合う。いや、だって三つ編みの姉様、めちゃくちゃ可愛いんだもん。スマホのホーム画面にしたい………。

 

 「鹿角聖良さーん。少しいいですか??」

 

聖良「はい、大丈夫です。理亞、スタッフさんに呼ばれたので席外しますね。」

 

理亞「分かった」

 

 スタッフに呼ばれて、姉様は楽屋から出ていく。その間、私は改めて台本を読むことにした。

 

 この話の内容をざっくりと説明するならば……

 

 私達がやるスクールアイドルのライブを見に、主人公や各メインキャラクターが函館へと遊びにやって来る。

 

 しかし、そのライブではあまり上手くいかず、私と姉様の関係が悪化(番組内の話ね。)し、ギクシャクする。

 

 その時、敵である滅亡迅雷.netという敵キャラが現れ、標的にされた姉様は暴走してしまう。

 

 暴走した姉様を主人公達が倒し、その後に和解した私達は再びライブを行って大成功する…………っていう感じだ。

 

 あれ??伊吹は??と思う人がいるかもしれないけど、あいつは一応、通行人として出演する。まぁ、声が出せないから当然な話か。

 

 本人は、番組に出演することができるだけで、満足しているから別に心配する必要はないけれとも。

 

 「鹿角理亞さん。そろそろ、時間ですので撮影場所に向かってください」

 

理亞「分かりました。」

 

 声がかかり、私も楽屋から出ていく。

 

 緊張するけど…………、これもSaint Snowのため。頑張ろう。

 

 

 ♠♠♠♠♠

 

 「はい、OKです。これで、今日の撮影は終了です。ありがとうございました。」

 

 「「「ありがとうございました!!」」」

 

 監督さんの言葉で、撮影が終了したことを告げられる。

 

 早朝からずっと撮影を行い、日が暮れる直前までぶっ通しでやっていたから、体力に自信がある私ですら疲労が溜まっていた。

 

 本当に疲れた。今なら、横になったらすぐに寝れる気がする。

 

聖良「お疲れ様でした、理亞」

 

 ぐてーってなっているところ、腰に暴走する敵のベルトを装着した姉様が私に声をかける。見た感じ、疲れてなさそうに見えるんだけど………。私以上に台詞を言ったり、動いたりしてるはずなんだけど。

 

理亞「お疲れ様、姉様。」

 

聖良「伊吹は??」

 

理亞「役者さん達にサイン貰いに行ってる。ほら」

 

 私が指をさした方向には、大量の色紙とペンを持った伊吹が役者さん達にサインをお願いしていた。その時の伊吹の表情は本当に嬉しそうで、あまり見れない顔だ。あんなの、学校の子達が見たら発狂するでしょうね。いい意味で。

 

聖良「伊吹らしいですね。私も後ほど、お願いすることにします。」

 

理亞「あ、姉様も貰うのね」

 

聖良「当たり前じゃないですか。お店に飾ったら映えそうですしね♪」

 

理亞「あ、そう………。」

 

 姉様って、たまに商売魂みたいなものがあるわよね。流石は将来、店を継ぐ気でいることはある。私も頑張らなくちゃ。

 

伊吹『……………』ワクワク

 

 姉様と会話していると、まるで夢が叶った少年のような顔つきで大量の色紙を抱えた伊吹が戻ってきた。

 

 それに合わせて、今度は姉様が色紙と玩具を持って役者さん達の方へと向かった。伊吹ですら色紙だけだったのに………。玩具までサイン求めるとか、どんだけファンなのよ。

 

伊吹『理亞ちゃん、お疲れ様』

 

理亞「お疲れ。アンタも頑張ってたわね」

 

伊吹『言うても、走っただけだけどね。画面に映るかどうかも分からないよ』

 

 通行人役だった伊吹は、撮影時、暴走した姉様から逃げるように走っていた。ただ、それは伊吹だけでなく、他のエキストラの役者さん達もいるのでその場面が放送されるかどうかは分からないという。

 

理亞「そっか………。」

 

 画面に映っている伊吹を少しは見たいと思っていた私は少しだけ寂しい気持ちとなる。

 

伊吹『けど……….、楽しかった。憧れの作品にまさか出られるなんて思ってもいなかったから。これも、理亞ちゃん達と会えたおかげだね』

 

理亞「ッッ……….」

 

 どうして、こいつは。そんなことを平然と言うのよ。恥ずかしくなるじゃない。

 

 それに、その笑顔は反則だ。普段はそんな顔しない癖に…………。

 

 そんなの、見せられたら私は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 ますますアンタの事が………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亞「……………き」ボソッ

 

伊吹『ん??何か言った??』

 

理亞「…………何も言ってないわよ、ばーか!!!」

 

 

 こうして、奇跡に等しいSaint Snowが仮面ライダーに出演するという夢のような出来事は終了を告げた。

 

 

 

 

 この後、私達が出演した内容が放送されたのだが、スクールアイドル内の順位が爆上げし、認知度が予想以上に上がった。それに、何故かテレビ番組の主演オファーも多くなった。まぁ、これから忙しくなるから姉様と話し合って受けないことになったけれども。

 

 

 あと、最後に伊吹が全力ダッシュして逃げるシーンがドアップで映っていたので、私は姉様や伊吹に内緒で、その場面だけを切り取ってスマホに保存しておいた。

 

 

 それを見て、ニヤニヤしてる私を見た姉様はその姿をカメラに収めてSNSに投稿しようとしていたので、私は全力でそれを阻止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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姉様のポンコツ具合

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