中学に入学してから数週間が経過し、綺麗だった桜の花びらも散って、新たな芽が芽生えてきた。
数週間も経てば、お互い初対面でぎこちなかったあの雰囲気が嘘のようになくなり、ワイワイと賑わっていた。
「ねぇ、ねぇ。今日、放課後タピろうよ。」
「うん!!タピろう!!」
「今日の宿題見せてくんね??」
「嫌だよ。1人でやってろ」
「そんな〜」
「バスケ部の吉田先輩、鹿角先輩に告白したんだって!!」
「嘘!?どうだったの!?」
「『私にはウェンディがいるので………』と言いながら馬に乗って吉田先輩の前から爽快に去ってったらしい!!」
「何だよ、それ!!」
私が机に伏せていると、周りから色んな会話が耳に入ってくる。
最後に男子から、色々とツッコミところが満載な内容が聞こえてきたが、聞かなかったことにしよう。
と、まぁ…………、こんな感じで私は基本、学校では1人で過ごしている。
どうして??と、聞かれても、私は基本的にはあまり関わったことがない誰かと一緒にいるというのが苦手だ。
私みたいな面白いことを何一つ話せないし出来ない、あと口調が少しだけキツい奴なんかと……………他の皆は関わりたくないに決まってる。
寂しくないか、と言われて寂しくないと言ったら正直に言って嘘になる。少しだけ、羨ましいな、と思う気持ちはある。
たけど、そこまで気にしてはいない。小学校の頃もこんな感じだったし、
何より、私には姉様と…………
伊吹『ねぇ、理亞ちゃん。部活、何部に入るか決めた??』
この男、天草 伊吹がいる。だから、1人でいることに対しては気にはしない。
ちとせ「えぇ、お前ら。今週中に入る部活を決めておくように。初めから言っておくが、この学校には帰宅部はないから、ちゃんと入部するんだぞ。幽霊部員なんて以ての外だ。」
帰りのホームルームで、ちとせんは私たちに部活動が載っているプリントを配り、部活動についての説明を行う。
ちとせ「この学校は他の学校に比べて数が豊富だからな。自分にピッタリな部活を決めるように!!ちなみに、私はレスリング部の顧問してるから興味ある奴は歓迎するぞ!!では、解散!!」
ちとせんは、そう言って教室から出ていく。
すると、既に入部する部活を決めてあるのか、何人かの男女はすぐ様、ちとせんの後を追うように教室から出て行った。
私は、渡されたプリントに目を通し、なんの部活があるのかを調べる。先生が言っていた通り、部活の種類は豊富で色んなのがあった。
どれに入ろうかな…………。
「理亞ぁぁぁぁ!!」バァン!!!
理亞「わぁ!?」
プリントを眺めていると、突如、目の前にある教室の扉が吹き飛び、そこから1人の女性と白い馬がクラスに乱入してくる。
犯人は姉様と、姉様の相棒であるウェンディだ。
「わわ、何だ!?」
「馬!?馬が乱入してきた!?」
「何何!?どゆこと!?」
当然ながら、教室にいるクラスメイトはパニックへと陥る。急に、扉を突き飛ばされたと思ったら、馬が乱入してくるんだもん。驚くのも無理はない。
聖良「理亞!!今日から部活動体験が始まるみたいですね!!」
ヒヒンと鳴くウェンディに乗りながら嬉しそうに言葉を出す姉様。どうやら、自分がやらかしたことを理解していないようだ。
理亞「あの、姉さm…………」
聖良「是非、馬術部に来てください!!理亞なら、絶対に全国に行くことが出来ます!!理亞にピッタリなお馬さんもいますよ!!皆、やる気があって可愛いんです!!更に………」
お願いだから、人の話を聞いて!?ヤバい、この人。妹を馬術部に勧誘するのに必死過ぎて話を聞いてくれない!!
「こらー!!聖良ぁ!!またやらかしてぇ!!」
「鹿角ぉ!!またか!!また、お前なのかぁ!!馬に乗ったまま、学校内入るなっていつも言ってるだろぉぉぉぉぉぉ!!!」
姉様が熱く馬術部について語ってる中、廊下から見覚えのある女性とジャージを着た男の人が血相を変えてこっちに向かってくる。
聖良「どうしましょう………。部長と顧問の先生が来てしまいました!!ウェンディ!!ここは一先ず、引きましょう!!」
ウェンディ「ヒヒーン!!」
2人を見て、姉様は焦りながら教室から出ようとする。
聖良「理亞、私はいつでも待ってますからね。………ハイヤー!!」
姉様はウィンクしながら私に向かってそう言ったあと、ウェンディと共に去って行った。
伊吹『僕がトイレ行ってる間に、そんなことが………。色々と大変だったんだね』
理亞「本当よ!!そのおかげで、何故か私まで先生に怒られたじゃない!!」
私はプンスカと怒りながら珍しく姉様の愚痴を零す。それを聞きながら、伊吹は罰として課された外れた扉を直してくれていた。
ーーーガタン
伊吹『…………っと、こんなもんかな』
扉をはめ直した伊吹は何度も確認として扉を開閉する。どうやら、特に問題なく直ったようだ。
理亞「ありがとう、伊吹。助かったわ。私、こういう作業………苦手なのよね」
伊吹『大丈夫だよ。気にしないで』
伊吹は意外にも器用で何でもできる。この前も、台風の影響で壊れてしまった壁を数時間で元通りにしていた。家に1人は欲しいんじゃないか、と思ってしまうほど伊吹は何でも出来てしまう。
理亞「伊吹は入る部活は決めた??」
伊吹『まだ、迷い中かな。何個かには絞ってるんだけど………』
理亞「佐藤とか田中に誘われてたよね??入らないの??」
伊吹は手先器用の他に、運動神経もずば抜けて凄い。この間の体育のバスケでは、1人で50点以上入れてしまうほど活躍していた。
試合の最後の最後に決めたダンクは、とても鮮やかでクラス中の女子が騒いでいた。ちなみに、私もちょっとだけドキッとしてしまった。………本当にちょっとだけなんだからね!!
それがあってか、中学でバスケをやっていた佐藤と田中に、一緒にバスケ部に入らないか、と誘われていた。
伊吹『うーん………、2人には申し訳ないけど、バスケは興味ないかな』
理亞「………へぇ。」
あっさりと、否定した伊吹。彼なら、本当にインターハイを狙えると思うんだけど。
理亞「じゃあ、今のところ候補に何部があるのよ」
伊吹『んー、家庭科部か園芸部、天文部とかかな……』
まさかの文化部なのね………。てっきり、運動神経の良い伊吹なら運動部に入ると思ってたのに…………。
伊吹『あと、馬術部』
理亞「馬術部だけは辞めて。絶対に!!」
姉様に振り回される伊吹がすぐに頭の中に思い浮かんでしまった。
それから、色々と部活動見学や体験をした結果、私はダンス部で伊吹は家庭科部へと入部した。
天草 伊吹…………家庭科部に入ったことにより、裁縫に目覚める。無口ながらも、先生や数少ない先輩、同期と仲良く部活動に励む
鹿角 理亞…………元々、ダンスには興味があったので入部。そこから、伊吹以外にも知り合いは少しだけ増えた。ダンスの才能はあるらしく、今度のダンスコンクールでは早速出場が決定。案外、楽しんでいる。
鹿角 聖良…………普段は美人でしっかり者なのに、家族に関するとポンコツ化とし、あとの事を考えずに暴走する。理亞と伊吹が馬術部に入らなかったため、1週間ほど拗ねていた。
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こんな感じで、しばらくやっていこうかな……と思います。
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姉様のポンコツ具合
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現状維持
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控えめ
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いいぞ。もっとやれ