最果ての航路 作:ばるむんく
流星部分最後しかないけど許して
四人はたまたま海の上で出会った。そもそも世界会議へ参加するそれぞれのリーダー移動中の護衛に選ばれたからいるだけで、別におかしい話ではないのだが、何故だか綾波は挨拶しなければいけない気分だった。
「あ、どうも。綾波です」
「え? じゃ、ジャベリンです」
「らふぃー」
「……え? な、何ですかその眼は? わ、私も挨拶しろって言うんですか!?」
「空気、読めない」
いきなり挨拶を始めた綾波に、困惑しながら名乗ったジャベリン、眠そうに名前だけ名乗ったラフィー、そして何故か挨拶しないことに空気が読めないとラフィーに言われて驚くことしかできないZ23がいた。
「Z23です……なんですかこれ。大体ジャベリンさんとラフィーさんは敵じゃないですか」
「ん……そうだね」
「あはは……ラフィーちゃんは相変わらず気ままだね」
「自己中心的と言うんですよこういうのは!?」
Z23の名前を聞いて何かを考え始める綾波と、自分勝手に欠伸をしながら頷くラフィーと、それを止めることもできずに愛想笑いを浮かべることしかできないジャベリン。そんな三人を見てZ23は頭を抱えそうになっていた。
「……みーちゃんです」
「はい?」
「Z23だからみーちゃん、です」
「ニーミでいいです!」
何かを考えていた綾波が、いきなり顔を上げたと思ったら名案が思い浮かんだとでも言わんばかりの顔をして変な渾名をZ23に突き付けた。普段仲間から呼ばれている渾名とは全く違う渾名で呼ばれたZ23は、みーちゃんなどと呼ばれるのが嫌で自分の渾名を教えることになってしまった。
「はぁ……個性が強すぎる……」
「にーみ……ニーミ……可愛い名前です」
「うん! よろしくね、ニーミちゃん!」
「同盟相手の綾波さん以外とよろしくしませんので」
「よろしく、ジャベリン、ラフィー」
「よろしくするんですか!?」
明確な敵意をぶつけながらジャベリンとラフィーを拒絶したZ23だったが、すぐに同盟相手である綾波はジャベリンとラフィーとよろしくしていた。
「自由ですか貴方達は!?」
「えー……だって、折角出会たんですし、仲良くしないと損ですよ」
「その通り、です。ニーミ……絶対友達少ないです」
「風評被害です!?」
明らか自分よりも社交的ではない綾波に言われてしまえば、Z23も黙っている訳にはいかなかった。すぐさま否定しようとして、先ほどから会話に参加してこないラフィーへと視線が向いた。
「ぐー……」
「ら、ラフィーちゃん! 寝ちゃダメですよ!」
海に突っ立ったまま寝ているラフィーに、Z23はもう何かを考えるのも無駄なのではないかと思考を捨てようとしていた。
「……嵐の気配です」
「はい? 嵐ですか?」
和気藹々と言える雰囲気を醸し出していた三人のうちの一人である綾波は、すぐさまなにかを感じ取って空を見上げた。機械のような耳がしきりにピコピコ動いているのを見て、Z23は重桜の獣としての勘が綾波に何かを告げているのだと理解した。
「嵐と言うのは比喩ですか? そのまま嵐ですか?」
「……天気じゃないです。嫌な予感がするのです」
「嫌な予感、ですか……それは一体――」
何が起こるのだろうかと予測しようとした瞬間に、戦艦の主砲が放たれた音が四人の耳に同時に入った。先ほどまで眠っていたラフィーは、すぐさまレーダーを展開して周囲の探知を行った。同時にジャベリンとZ23が艤装を展開して周囲に砲塔を向けて警戒を行い、綾波だけが水平線の彼方を見ていた。
「綾波、すぐに警戒態勢に」
「違うです、ニーミ。これは……鏡面海域です」
「何をっ!?」
この四人の中では綾波とラフィーが圧倒的に戦闘経験という意味で勝っていた。その中でも、綾波はラフィーよりも多くの回数鏡面海域を体験していた。だからこそ、鏡面海域が発する独特の気配を敏感に察知することができていた。
綾波の言葉に驚きながら反応しようとした瞬間に、海は一瞬で赤黒く染まり、空は漆黒の雲で覆われ、不思議と波が起きなくなり、綾波が見つめていた水平線の彼方から多数の艦影が確認できた。
「あれは……」
「量産型セイレーン艦隊です」
「ッ!?」
四人の目に映った量産型セイレーン艦隊は、数十で足りる数ではなかった。圧倒的な物量を前に歯を食いしばるZ23は、不意に世界会議が行われている会場の方へと視線を向けた。
「あれ、は……」
「会場がッ!?」
世界会議が行われていた会場の中心から黒い柱が天へと伸びていた。明らかな異常でありながら、全員が同時に理解した。この鏡面海域はあそこを中心に形成されていると言うことが。
「そんな……まさか、会議場にセイレーンがッ!?」
「いえ」
ジャベリンの悲鳴にも近い声に一番最初に反応したのは、Z23だった。さっきまでの焦ったようなこえは既に鳴りを潜め、再び明確な敵意をラフィーとジャベリンに向けていた。
「これは我らが皇帝の決断……アズールレーンをここで滅ぼすと言うことです」
「鉄血が……この会場で?」
「綾波さん。手を貸していただけますか? 貴女は鉄血の同盟である重桜の所属です。ここで敵対するのは重桜に歯向かうことです。理解できていますね」
「……」
Z23の言葉にジャベリンは悲痛そうな表情をし、Z23に砲塔を向けることも槍を向けることもできずに戸惑っていた。ラフィーはレーダーを出したまま全く敵意も困惑も無しにZ23も見ていた。
「……綾波は重桜の所属ですが、神代恭介指揮官の命令しか受けるつもりはない、です」
「成程、静観ですか。それもいいでしょう」
自らの指揮官にどこまでも忠実なのだろう、とZ23は綾波の目を見て感じ取った。先ほどまで話していたジャベリンやラフィーを撃つことに多少の躊躇いは生まれるだろうが、それでも最終的に綾波は撃つだろうことがZ23は理解できていた。
「さぁ、死にたくなければ武器を取りなさい!」
Z23は敵であるジャベリンとラフィーへ照準を定めた。心の奥で泣き叫ぶ自分を抑え込んだまま、Z23は鉄血の駆逐艦としてアズールレーンへと牙を剥いた。
「それでは、最後の議題ですが……」
「私と君の話し合いだ」
世界会議は既に最後の議題へと差しかかっていた。中立海域と放置されている海域は、どこの陣営も手が回らない現状であるために権利も何もなく保留という形で終わり、そのまま最後の議題へと向かっていた。最後の議題はアズールレーンとレッドアクシズの対話。実質的には鉄血皇帝とユニオン大統領の話し合いである。
「……何を話すと?」
「我々の戦争がいかに不毛かという話だ」
「大きく出たな……不毛とまで言われるとはな」
まるで戦争などしなくともアズールレーン側が勝利することなどわかりきっているだろう、と諭すかのような声に鉄血皇帝は鋭い視線を向けた。本当にユニオンとロイヤルが大勝することができるとしても、それを理由に鉄血のが舐められる訳にはいかないのが現状なのだ。
「考えてもみたまえ。我らアズールレーンはレッドアクシズよりも多くのセイレーンを相手にしながら、ここまで戦争を続けられているし、我らも主力は出していない。それに比べて、鉄血と重桜はセイレーンによる本土への被害があまりに大きい……我々が手を貸して助けてやろうと言っているのだ」
「断る。そんな見え見えの買収行為を我らが許容するとでも思ったのか? 大方失われた経済力を取り戻したい程度だろう」
議題が移ってすぐに始めった抜身の刀での斬り合いに、ロイヤル首相は小さく溜息を吐き、恭介は黙って目を閉じているままだった。
「サディアにしてもそうだ。我々が援助すれば、あっという間に地中海を取り戻せるだろう?」
「本当にそう思っているのならばお前を大統領に選んだユニオンの国民は無能と言わざるを得ないな。その程度で地中海を完全に取り戻せるのならば、とっくの昔に……セイレーン大戦でセイレーンを全て撃滅できている」
鉄血と重桜が立ち上げたレッドアクシズに後から参加したサディア帝国は、ユニオン大統領の言葉を鼻で笑いながら突っぱねた。
ユニオンがレッドアクシズに提案していることはただ単に植民地として支配してやれば、滅ぶこともないだろうと言うだけのことだった。既に国民の多くが疲弊している中でユニオンに下るなど、国民に後ろから暗殺されるのが目に見えていた。
「重桜はどうする?」
「……重桜は鉄血との同盟を守る。第一、お前たちユニオンが掲げる正義が本当にあるとも到底思えん」
「……ガキが」
腕を組んで目を閉じたまま、ユニオン大統領へ視線一つ向けずに突き放した恭介に、ユニオン大統領は青筋を浮かべていた。
「そういう訳だ。我らレッドアクシズがアズールレーンに下るなど言語道断。貴様らアズールレーンの欺瞞に嫌気がさして抜けたというのに、今更戻ると思っていたのか?」
「言葉を慎めよ。この場で一番権力を持っているのは私だ」
半立ちになりながら鉄血皇帝に指さしながら強い言葉を使うユニオン大統領に、ヴィシアの教皇は肩を竦めていた。
「中立である我らからすれば、関係のない話ではあるのですがね」
「お前も同じだ。レッドアクシズに下らないのは理解できるが、何故アズールレーンにも加盟しない」
「加盟したところで、アズールレーンでは何も成せないからですよ」
「面白いことを言いますね。ならばヴィシア単体なら何かがなせるとでも?」
ユニオン大統領へと反撃をするかのようにアズールレーンの無能さを暗に示すヴィシア教皇に、ロイヤル首相は皮肉のようなことを言った。しかし、それに対して反論する訳でもなくヴィシア教皇は薄く笑みを浮かべていた。
「……ユニオン大統領よ。我らが疲弊し、本当にユニオンにもロイヤルにも手も足も出ずに無様に負けるだけと判断するのは早計ではないか?」
「何が言いたい?」
「簡単なことだ。今ここで、確かめればいい!」
鉄血皇帝の後ろに立っていたグナイゼナウは、皇帝が手を挙げた瞬間に艤装を展開して会議場の天井へと砲弾を放った。すぐさま他の艦船も動き始めて全員が護衛対象の前へと出た。
「さぁ、戦争を始めようではないか……アズールレーン」
不気味な笑みを浮かべながら、鉄血皇帝はグナイゼナウから差し出された黒いメンタルキューブのようなものを手にして、それを戦艦の砲撃によって開けられた天井の穴に向けた。
別の部屋で待機していたはずのエンタープライズ、長門、ビスマルク、クイーン・エリザベスが砲撃音を聞いてやってきのか、艤装を展開したまま会議室に入り込んで、鉄血皇帝が掲げている黒いメンタルキューブから発せられている圧力に驚愕していた。
「ここがその戦場だ……ユニオン大統領が死亡する最期の戦場だッ!」
明らかに正気ではない様子で黒いメンタルキューブを掲げる鉄血皇帝の姿に、その場にいたほぼ全員が警戒心を高めていた。ユニオン大統領も驚愕の表情を浮かべて鉄血皇帝を見つめ、ロイヤル首相も苦虫を嚙み潰したような表情でそれを見ていた。サディアの皇帝も、東煌の指導者も、北連の主席も、ヴィシアの教皇も、アイリスの枢機卿であるリシュリューもみな驚きと警戒心が入り混じった表情で席から立ち上がって鉄血皇帝を見ていた。ただ、この部屋で一人未だに椅子に座りながら水を飲んでいた恭介は、ただ溜息を吐いていた。
「見るがいい……これが、鉄血の力だ!」
「これは……鏡面海域、だと? 馬鹿な……作り出したというのかっ!?」
黒いメンタルキューブから発せられる圧力が一瞬強くなったと思ったら、次の瞬間には黒いメンタルキューブから黒く光る柱が空へと向かって伸びた。そして、瞬く間に周囲の状況が変わっていく様に、ユニオン大統領は悲鳴のような声が聞こえた。
「諸共死ね! アズールレーン!」
鉄血皇帝の咆哮と共に、グナイゼナウは眉一つ動かさずに主砲をその場にいた艦船達に向けて放った。同盟相手である重桜とサディアの代表以外の全てに砲撃を放ったグナイゼナウだが、手応えを感じるはずもなくすべてが弾かれた。
「物騒ね」
「流石オールドレディ……一筋縄ではいきませんね」
それぞれの陣営の艦船へと放たれた砲弾は、全てがオールドレディ――ウォースパイトの一振りで弾き飛ばされて会議場の壁に爆発音を上げながら大きな穴を開けた。
「ビスマルク! 鉄血艦隊を指揮して敵を撃滅しろ!」
「……皇帝の御心のままに」
「ッ」
鉄血皇帝の命令を受けて、ビスマルクはすぐさま外へと飛び出した。皇帝の傀儡でしかないと自ら語るビスマルクのその姿に、エンタープライズは心底不愉快そうに顔を歪めていた。
「では、私も行きます」
ビスマルクの後を追いかけるように、グナイゼナウも牽制程度に副砲を放ちながら廊下の窓から外へと向かって飛び出した。
「奴らを一隻残らず沈めろッ! 鉄血はここで終焉を迎える!」
いつの間にか鉄血皇帝がいなくなっていることに気が付いたのか、顔が真っ赤になるほどに怒り狂っているユニオン大統領の言葉を受けて、エンタープライズとヨークタウンは視線を合わせてから同時に飛び出した。
「ウォースパイト、ベルファスト。貴方達もいきなさい……それに、ジャベリンが心配です」
「承りました」
「陛下はどうなさいますか?」
「行かないわよ。こっちでやるべきことがあるから」
「わかりました」
ウォースパイトの言葉にクイーン・エリザベスはそう返しながら、鉄血皇帝が座っていた椅子にどっかりと座りこんだ。クイーン・エリザベスが行かないと確認してから、ベルファストとウォースパイトも外へと向かって飛び出していった。
「……さて、茶番は終わりだな」
「茶番、ですか? 貴方はこれからどうするつもりですか? 重桜の神子」
サディア皇帝以外の目が突き刺さっている中、恭介は小さく笑っていた。
「既にセイレーン撃滅の為に一航戦が動いている。後は後詰だけだ」
「セイレーン撃滅? 鉄血との同盟は守るのでは?」
「当然、重桜は鉄血との同盟を守る。だが俺には遥か彼方に見えた艦影が量産型セイレーン艦隊にしか見えなくてな……友軍だったとしても敵の見た目をしていれば当然、沈められるだろう?」
「……やはり貴方は信じられません」
まるで未来を知っているかのような発言と指揮を行う軍人。重桜の特別な力を持つという神子。ユニオン大統領も警戒の色を滲ませながらその一挙一動を監視していた。
「同感だな。二枚舌で優雅を笠に敵を潰すだけのロイヤル首相とは、仲良くできなさそうだ」
暗にロイヤルの首相と仲良くなるつもりもなければ、信じてもらう必要もないと言う恭介に、ロイヤル首相の眉がピクリと動いて、ユニオン大統領が明らかに苛ついていた。
「待て! ビスマルク!」
エンタープライズは必死にビスマルクの背中を追いかけながら、その背中に声を掛け続けていた。
「お前はこれでいいのか! 鏡面海域を意図的に人間が創り出し、そこで艦船同士が戦う、そんなのは間違っている!」
「はーいそんなに声を荒げないの」
「ッ!? エンタープライズ!」
もう少しでビスマルクの背中に手が届きそうになった瞬間に、エンタープライズはヨークタウンによって後ろに引っ張られた。直後、エンタープライズの鼻先をかすめる程近くを一発の砲弾が通り過ぎた。
「オイゲン、持ち場はここではないはずよ」
「そうだけど、楽しそうなことしてるじゃない」
「……」
「ではその楽しそうなこと、我々も混ぜて貰おう」
エンタープライズの鼻先へと砲弾を放ったプリンツ・オイゲンは、エンタープライズ達の後ろから接近してきたウォースパイトとベルファストを見て心底面倒くさそうな顔をした。
「こいつらまで連れてきたの?」
「持ち場に戻りなさいオイゲン」
「言われなくても、こんな面倒くさいオールドレディとメイドの相手なんてしないわよ」
ビスマルクとプリンツ・オイゲンは、突然敵を前にして背中を向けて移動を始めた。当然その隙を狙わないはずがないのが、歴戦の艦船であるウォースパイトだった。しかし、すぐに構えていた主砲を下げて回避行動を取った。
「超長距離射撃ッ! グナイゼナウか!」
遥か彼方とも言える場所から放たれたグナイゼナウの砲弾は、ほぼ的確にウォースパイト達の立っていた場所の中心へと撃ち込まれた。『カンレキ』としてウォースパイトに勝るとも劣らない長距離射撃の逸話を持つグナイゼナウにとって、この程度の距離で正確な砲撃を撃つことなど児戯にも等しいことだった。
「量産型セイレーン艦隊を前にして、それぞれ私の指示通りに動きなさい」
「りょうかーい」
「はい」
「応とも」
ビスマルクの指示通りの場所に立ったプリンツ・オイゲンとグナイゼナウ、量産型セイレーン艦隊と共に現れたシャルンホルストはビスマルクの言葉に反応して艤装を構えた。
「さぁ、鉄血の力を見せる時よ」
「っ! ビスマルク!」
エンタープライズの悲痛な叫び声に、内心で謝りながらもビスマルクは鉄血艦船艦隊総指揮官としての役割を果たそうとしていた。
「敵を潰せ、鉄血の誇りにかけて!」
数百隻にも及ぶ量産型セイレーン艦隊の大艦隊を前に、エンタープライズとヨークタウン、ウォースパイトとベルファストは明らかな不利を悟っていた。しかもエンタープライズはほぼ戦意がないも等しい。
ビスマルクは鏡面海域を発生させることで生じた混乱に乗じて、量産型セイレーン艦隊の圧倒的な数で敵を押しつぶすことで勝利を確信していた。物量によって敵を押しつぶさんとしていた量産型セイレーン艦隊のど真ん中から、爆発音が鳴らなければ。
「っ、何が起きた」
「あらら……ビスマルク、余計なお客さんよ」
セイレーン艦が爆発した瞬間、プリンツ・オイゲンはその原因をこの目で確かに見ていた。赤と青、黒と白。プリンツ・オイゲンがセイレーン艦隊を爆破した者の名前を告げようとした瞬間に、空を覆っていた黒い雲の中から赤色と青色の流星群が降り注いだ。
「うふふ……セイレーン艦隊を従えているのなら、敵よね?」
「姉さま、あくまでセイレーン艦隊を潰すだけですよ」
「わかっているわ。全く……心配性なんだから」
エンタープライズ達の前に降り立った二つの影は、同時に手を振って赤と青の流星群を自由自在に操り始めた。
「重桜一航戦赤城。指揮官様の命を受けてセイレーンを撃滅いたしますわ」
「重桜一航戦加賀。推して参る!」
戦場を切り裂く流星群を操る二人の艦船が、セイレーンという敵を撃ち滅ぼすために鉄血の前に立ち塞がった。