最果ての航路 作:ばるむんく
動くと決めた以上迅速果断に物事を進めようとする恭介は、まず手始めに瑞鶴の元を訪れることを決めていた。何をするにもまず人手が足りていない今の状態では、求めることも満足にできなかった。
「瑞鶴は、いないか……」
「あら指揮官。何か瑞鶴に御用ですか?」
瑞鶴が普段から刀を振っている場所として、重桜の神木から少し離れた場所に位置する桜の咲き乱れる公園があった。季節が春で固定されているかのように年中咲き乱れる桜は、一種の不気味さを醸し出しているように見えるらしく、人の気配の少ない場所であり、尚且つ公園と言われるだけのスペースが存在する為に、瑞鶴がよく訓練だと言って桜吹雪の中で刀を振っていることを恭介は知っていた。
恭介が訪れた時間帯は、いつも通りならば瑞鶴が神速とも言える速度で剣を振るっているはずだが、夕方の時刻に普段はいない翔鶴が一人笛を奏でていた。
「翔鶴か。どうした、こんなところで」
「瑞鶴なら飲み物が欲しい、と言って買いに行きましたからすぐに帰ってきますよ」
「……人の質問に答える気は?」
「無いですね」
何故か瑞鶴と恭介の仲がいいことをあまり快く思っていない翔鶴は、にっこりと微笑みながらも全く目が笑っていなかった。赤城からは普段から腹黒いと言われていることを知っている恭介も、しっかりと向き合うのは初めてだったが、ここまで目が据わっている笑みを浮かべる艦船が赤城以外にもいたのかとしみじみ感じていた。
「全く……まぁ瑞鶴に用事があるのは事実だが、お前に聞いて欲しいことではあった」
「そうですか。では先にどうぞ」
「……改めて向き合うと敵意マシマシだな」
翔鶴から向けられてくる敵意に苦笑している恭介は、よく今まで何も気が付かずに翔鶴を従えていたなとぼんやりと考えていた。しかし、翔鶴としては行動一つ一つに苦笑したり、呆れたりと言った感情が見え隠れする恭介に困惑していた。翔鶴とて恭介のことが憎い訳でも苦手な訳でもないが、瑞鶴とだけ仲が良い理由がどうしても理解できない為に、以前から瑞鶴関連の話題にだけ敵意を向けている。
「私にも関わるようにしたんですか?」
「まぁ……心境の変化、かな」
感情の見えない機械のようだと以前から思っていた恭介が、以前まで瑞鶴にしか見せていなかった感情をいきなり見せてきたことに対して翔鶴は困惑していた。そもそも翔鶴は悩みがあるから、と言ってこの広場へと瑞鶴に連れてこられていた。その悩みの種であろう恭介が自らやってきて、しかも瑞鶴だけではなく翔鶴にも用事があると言うのだから驚きもするだろう。
「それで、用件を聞かせてください」
「……重桜を裏切って俺と来てくれるか?」
「……は?」
瑞鶴よりも先に用件を聞いてその危険性を図ろうとしていた翔鶴は、恭介の口から出た言葉を正確に理解できなかった。そもそも重桜のトップであり、全ての権力が集中しているとも言える恭介が重桜を裏切ると口にするのは余りにもおかしいことだった。何故ならば、彼は本来であれば重桜の全権を握っていなければいけない立場なのだから。
「な、にを言っているんですか? 貴方が重桜そのものではないのですか?」
「……今の話は聞かなかったことにしろ。お前はついてくるな」
翔鶴の反応を見て、恭介は全てを理解した。現在の世界の内情を理解しきれていない翔鶴では、これから先にどんなことが起きても味方で居続けてくれるという確信が持てないと判断した恭介は、早々に話を切り上げて瑞鶴を待つことにした。
呆然としたまま何も喋らない翔鶴を放置して、恭介はベンチに座って桜吹雪に手を伸ばした。
「今の、本気?」
「……聞いてたのか?」
手の中に舞い込んだ桜の花弁を握りしめたと同時に、恭介の首に鞘に納められたままの刀が当てられた。後ろを振り返ることも無くそれが誰であるかを理解した恭介は、ため息を吐いた。
「翔鶴はついてこない。それでもお前は俺と来るか?」
「どうしようかな。正直に言って翔鶴姉が心配だから、あんまり乗り気じゃないかも」
「そうか。俺はお前達の意見を尊重するからな……どう判断しようがそちらの勝手だ」
首に向けて鞘を押し付け続ける瑞鶴は、いつも以上に真剣な顔をしていた。重桜に対して懐疑心を持っていないと言ってしまえば嘘になってしまうが、それでも自分がずっと暮らしてきた土地の人々を裏切ることは簡単に決心できる話ではなかった。
「私、ようやく天城さんが言ってたことが分かった気がする」
「ず、瑞鶴?」
恭介に向けていた刀を腰に戻し、買ってきた水を飲んでから恭介の真正面に移動した瑞鶴は笑みを浮かべていた。瑞鶴がこれから何を言おうとしているのか理解してしまった翔鶴は、震える声で懇願する様に名前を呼んだ。
「ごめんね、翔鶴姉。私はやっぱり、私が正しいと思う道を行くよ」
「それが例え姉と決別する道だとしてもか?」
「……うん。悲しいけど、それは人間が歩んできた道だからね」
花弁を握りしめている恭介の手をそっと包み込んだ瑞鶴は、微笑みながら確かな覚悟を決めていた。陣営を裏切らせてしまうと言う罪悪感を持っていた恭介を安心させるように微笑む瑞鶴は、翔鶴が今まで見てきた中で一番美しいと思える姿だった。
「神代、恭介ッ」
だからこそ、一人世界に取り残された翔鶴の心の内から、恭介に対して醜くどこまでも黒い感情を持ってしまった。
「天城入るぞ?」
「はい。用件も理解していますわ」
瑞鶴を伴って天城が普段から生活している屋敷に顔を出した恭介は、一人で将棋盤を前に茶を飲んでいる天城の姿に疑問符を浮かべていた。天城側が既に詰ませた状態のまま放置されている盤面を見て、相手側の駒の動かし方から相手が誰だったのかを大体理解していた。
「加賀が来ていたのか」
「よくわかりましたね」
「最近はかなり大人しくなったが、無茶な攻勢に転じようとするのは加賀の悪い所だ」
将棋盤を指差しながらそう言う恭介に、天城は苦笑を浮かべていた。
「それで、理解していると言っていたが」
「三笠様から話は伺っています。私としては、何の問題もないかと」
「あ、あっさり……」
瑞鶴としてはかなりの覚悟で決断した選択だったのだが、天城はあっさりと重桜から離反することを選んだ。まるで重桜のことを何とも思っていないかとも思える程の簡単さに、瑞鶴は驚くと同時に警戒もしていた。
「そうか。そもそもお前が戦えなくなったのも、言ってしまえば今の重桜が招いたようなものだしな」
「あの事件などなくとも、私は戦えなくなっていたと思いますが」
「それは、そうだな」
そもそもリュウコツに不具合を持って生まれてしまった天城は、どちらにせよ長い時間艦船として戦えることなどないことを恭介も、天城自身も理解していた。
「離反することに反対はしませんが……現状の戦力は?」
「……」
天城の戦力との言葉に反応した恭介は、首を動かして隣の瑞鶴を見た。その行動だけで全てを察した天城は、呆れた様にため息を吐いてから何かを思案してから紙に幾つかの名前を記した。
「味方になってくれそうな者の名を連ねました。尋ねて来て下さい」
「……分かった。頼むぞ軍師殿」
「あら、ではしっかりと王たる貴方様に忠言していかなければなりませんね」
冗談交じりの言葉を交わしてから、恭介は受け取った紙に書かれている名前を見て固まった。明らかに不自然な反応をした恭介を見て、瑞鶴は横から天城が渡した紙に書かれている名前を見た。
「えーっと……隼鷹、飛鷹、大鳳、鈴谷、鳥海、綾波……色物が、多いね」
瑞鶴の色物という言葉はとても的確な表現だった。はっきりと言ってしまえば、普段から艦船と関わることが少ないはずの恭介に対して愛が重すぎる艦船の名前が三人ほど綴られていた。狂愛とも呼ぶべき愛を持つ者は、合理的な思考で考えてしまえば恭介についてくるのはとても理にかなっていることだろう。
「これ、俺が纏めるんだよな?」
「今までもしてきたではありませんか」
「絶対無い」
こんな面倒くさい性格をした艦船を今まで屍の様に生きていた自分が、しっかりと操ってきたと言う事実が恭介本人が理解できていなかった。
「取り敢えず戦力は必要だから、ね?」
「……わかった」
戦力が必要なことは理解できているが、それが扱えなかったら意味が無いのではないだろうかと考えながらも、天城の中では彼は既に彼女達を御しきることを前提としているらしく、相変わらず身体の弱さとは真反対の強引さに深々とため息を吐いた。
「はぁ……後は鳥海と綾波か」
数日後、自室で疲れ切った顔をして布団に横たわる恭介は、天城から貰った紙に書かれている鈴谷の名前を線で消す。会話が成り立っていたかは微妙ではあったが、何とか仲間に引き入れることができた大鳳と隼鷹と鈴谷を思い出して、恭介は再びため息を吐いた。
「指揮官、いるかしら?」
取り敢えず今日は寝てしまおうかと考えていた恭介は、自室の扉がノックされたことに気が付いて疲労困憊の身体に鞭打って立ち上がり、相手が誰かも確認せずに扉を開けた。
「はいはい」
「あら、随分と疲れているわね。お姉さんが癒してあげた方がいい?」
「……勘弁してください」
扉を開けて先に立っていた愛宕の言葉に、恭介は一瞬気が遠くなる感覚を持って懇願する様に言葉を吐いた。
何故か急に訪ねてきた愛宕を無碍にする訳にもいかず、せめてお茶ぐらいは出してやるかと考えてお湯を沸かし始めた。自然な動作で愛宕を部屋に入れてお茶を出そうとする姿は、やはり以前の恭介からは考えられないことだったのか、愛宕は少しだけ驚いたような顔をしてお茶の準備をする恭介を見つめていた。
「どうぞ。それで、何の用だ?」
「うーん……セイレーンに何を言われたのか気になってね? それで、指揮官が落ち込んでるんじゃないかと思って」
「……まぁ……そうだな」
実際、吹っ切れたと言ってもオブザーバーに言われたこと全てを受け入れ切れた訳ではない恭介としては、愛宕の言っている落ち込んでいるというのは合っていることではあった。
「何を言われたのかは聞かないけど……今指揮官が何かに悩んでいるなら力になりたいわ」
「いやー……」
力になりたいと言われて、じゃあと簡単に頼める状況ではない故に伝えようか誤魔化そうか迷って視線を右往左往させている恭介を見て、愛宕は随分と人間性が出たことを理解して微笑んだ。以前の超然たる恭介も嫌いではなかったが、やはりどこか自分とは違う存在なのだと言う距離感を愛宕を感じていたが、今の恭介はそれを感じさせなかった。
「えい」
迷い続けている恭介に、愛宕はいきなり正面から抱き着いた。突然のことに恭介は思考を停止させ、その間に愛宕は素早くその頭を自分の谷間に押し付けて頭を撫で始めた。
「ふふふ……指揮官は頑張ってるのね。お姉さんに何でも言って?」
「……取り敢えず苦しい」
「そっか……残念」
自分が今何に押しつぶされそうになっているのか理解しながらも、恭介は取り敢えず急に息苦しくなったことを抗議した。恭介が胸を押し付けられて慌てることも無くそう言ったことに、愛宕は本当に残念そうに言いながら抱きしめる手を緩めた。
「指揮官……もしかして性欲無いの?」
「無い訳ではないと思うんだが…………自分でも別に感じたことないから不安になってきた」
「え!? け、結構大変ことじゃないのかしら?」
「さぁ?」
人間であった頃の記憶が殆ど擦れ切ってしまっている恭介は、メンタルキューブを取り込んでから一度も性欲というものを感じたことがなかった。人間の三大欲求とも言える性欲が薄いと聞いて、愛宕は純粋に指揮官である恭介の身を案じていた。
「指揮官が性欲無かったら、いっぱい子供はできないわね」
「待て、何の話だ」
「え? だって指揮官は艦船ハーレムを――」
「――作らないからな! 風評被害だ!」
そもそも艦船と人間の間に子供ができるかもわからないのにそんなことを言われても、恭介にはどうすることもできなかった。
「はぁ……分かった。全部は話せないけど、取り敢えずやろうとしていることだけは教える」
「それでいいわ」
話すまでこの無駄なやり取りが続くことを理解した恭介は、ため息を吐きながら事情を説明することにした。簡単に恭介の身体の事情をぼかしながらも、重桜にこれ以上縛られることをやめようとしていること、それぞれの陣営の協力者と共にアズールレーンの敵となること。
「ふーん……でもそれって逆賊、ってことでしょう?」
「そうなるな。まぁ、俺からしてみれば人間に害を為そうとするアズールレーンの方が敵だと思うがな」
「それで、普通の人間じゃないから決断したってことね」
「そうだな」
普通の人間じゃないどころか艦船の様なものなのだが、敢えてそれを言葉にする必要はないと考えた恭介は、そのままスルーした。
「……指揮官は人間に絶望しちゃった? 見限るのかしら」
「いや、まだ大丈夫だ。人間はそこまで落ちぶれていない」
先程までの話を統括すると、今の人間などこれ以上信頼できないと言っているも同然だと思っていた愛宕は、恭介の力強い否定に僅かながらも驚きを見せた。
「じゃあお姉さんも指揮官について行くわ」
「は? いや、高雄は?」
「高雄ちゃんは大丈夫よ。そのうち勝手に指揮官側に来るわ」
翔鶴とは全く違う姉妹への対応に、恭介は呆れた様な顔をしてそのまま項垂れた。
愛宕としては高雄や摩耶よりも、指揮官である恭介の方が優先されるべき問題だった。人間に心底失望して、既に人から離れようとしているのならばついていくことなどせずに敵対する道を選んでいただろうが、人の可能性を恭介が信じている限りは追従する覚悟を決めていた。
「摩耶は……怒るかもしれないけど」
「そりゃあ……そうだろうな」
「ね?」
言ってしまえば単純で後先考えずに突っ走ってしまう性格の摩耶は、愛宕と恭介のこと行動に怒り心頭で襲い掛かってくることは明白だった。
「よし! 高雄型重巡洋艦二番艦愛宕、これより神代恭介の指揮下に入ります」
「あぁ。期待している」
「ふふ! じゃあまた明日ね!」
楽しそうに笑いながらスキップ交じりで部屋から出ていった愛宕の背中を見て、恭介はため息を吐いた。決して愛宕が操り難いだとか、役に立たないだとかの問題ではないが、簡単に口を割ってしまう自分自身にため息を吐いていた。
「俺、弱くなったのかな……」
周囲に頼ることが一概に弱い訳ではないことは理解しているつもりだが、それでもこうして簡単に事情を話してしまう自分の意志の弱さが、少し前までの自分とは大違いだったので困惑することしかできなかった。
「考えるのは明日にするか」
一人でぼやきながら、思考を放棄した恭介は飛び込むように布団へと倒れこんでから泥の様に眠った。
「かなりの人数が集まったが……どうするか」
「そう問題がある訳でもあるまい」
数日後、これからどう動くかの方針を決める為に集まった恭介達は、三笠が普段から過ごしていると言う屋敷へとやってきていた。
恭介を指揮官として、長門、三笠、天城、瑞鶴、江風、綾波、愛宕、鳥海、飛鷹、隼鷹、大鳳が今の戦力だった。
「俺と長門は勿論として、綾波と瑞鶴は今の重桜の主力とも言える艦だから動くことはできないから……必然的に三笠さんと天城に動いてもらうことになるが」
「問題あるまい。どちらにせよ今の状況ではできることも限られてくる」
ついてくる選択をした艦船が当初よりも多かったことは、恭介にとって嬉しい誤算であると言えるが、それでも足りない物まだ数多く存在した。そもそも艦船を動かす為には物資も戦力も情報すらも足りていない状況では、勝てる戦も勝てない。
「では当面は拠点となる場所の確保、だな」
「聖域はどうですか?」
「安定して使えそうな聖域は見つからなかった。そも、あれはセイレーンの力によって発生するバグの様な物である以上、そう簡単には見つからん」
現在ではセイレーンの力である「ミズホの神秘」を制御できるようなった艦船が増えてきている。それに伴って、何故か神木は力を衰退させ、聖域の数も規模も縮小してきている。
「……俺は、鉄血に力を借りるべきだと思う」
「鉄血に? でも、鉄血とは世界会議でやり合った直後じゃん」
重桜としては鉄血の宣戦布告に対して反対することはないと言いながらも、恭介が世界会議の場で下した判断は敵として鉄血が扱っていたセイレーンを撃ち滅ぼすことだった。鉄血への敵対行動とも取れる戦いを行った後に鉄血から力を借りると言うのが瑞鶴には理解できなかった。
「まぁそうなんだが……はっきり言ってアズールレーン、レッドアクシズ、セイレーンの目をかいくぐって行動するには鉄血の技術力が必要だ。それこそ……移動拠点となる船、とかな」
「船、か……確かにセイレーンに制海権を奪われている今だからこそできる方法だな」
恭介の言葉にいち早く頷いたのは三笠だった。艦船は艤装を船としての形で港に置き、それを整備しながら戦闘時に艤装として纏うことで力を発揮する。逆に言ってしまえば、艤装を纏える大きさまで縮小できるという意味でもある為、人間用の移動拠点をそのまま扱うことができる。
「当然だが移動拠点を扱う以上、活動拠点も必要ではあるが……」
「太平洋は現在無人の島も多く、前時代の軍事基地が放棄されている場所も多くある、ですか?」
「そうだ。前にユニオンと戦闘をした前衛拠点は放棄してしまったが、重桜の南方面ならば油田も多く重桜が建設した前時代の軍事基地も多く放棄されている」
「イレギュラーが発生するかもしれない聖域よりは現実的ではありますね」
恭介と天城の言葉を聞きながら、三笠は部屋の端に置いてあった世界地図を取り出した部屋の中心に広げ、全員でそれを囲む形で覗き込んだ。
「取り敢えず、綾波と瑞鶴と三笠さん以外で鉄血に行ってもらう必要があるが……」
「しばらくは鉄血へと渡る予定はないですね……ユニオンも対重桜に本腰を入れてきたそうですし」
鉄血へと協力を要請する場合、誰かしらが鉄血本土へと赴く必要性があった。しかし、ユニオンの動向を気にしている重桜上層部は、既に多くの艦船を警戒に使っていた。そのうちの一人でもある鳥海は、少し残念そうに項垂れていた。
「飛鷹と隼鷹は何かあった……な」
「龍鳳の面倒を見なくてはいけないからな」
「うーん……そもそも私達じゃ鉄血まで行くのに時間がかかり過ぎると思うわ」
「駆逐艦がいいよな……」
「綾波は無理、です」
どうしても上手く物事が動かないことに全員が頭を働かせ、そんな状況を見て瑞鶴はとても嬉しそうに微笑んだ。彼女が望んだ重桜の仲間達の姿がそこにはあった。