最果ての航路   作:ばるむんく

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前回とサブタイトルがほぼ同じ意味ですね


前奏

「じゃあ、鉄血への協力要請はいっそのこと通信で行うとか?」

「まぁ……いいかもしれないが、リスクを考えると正直やり辛いことではあるな」

 

 三十分程度地図を広げて色々なことを話し合っていた中でも、結局鉄血へと渡る方法も言葉を伝える方法も具体的な物が一つも出なかった。

 

「正直、もうユニオンに頼むしかないと思うぞ」

「同意見ですね。グレイゴーストがどこまでユニオン内で味方を作っているかですが……」

 

 重桜内だけではもうどうしようもないと判断した恭介は、お手上げだと言わんばかりに後ろに倒れこんで天井を見つめていた。天城は恭介の言葉に同意しながらエンタープライズがどれだけの仲間を引き入れることができるのかを考え始めた。

 

「いや、グレイゴーストは無理でしょ」

「あぁ。絶対に無理だ」

 

 実際に会話をする機会が多かった瑞鶴と恭介は、頭の中にエンタープライズの顔を思い浮かべながら同時に断言した。そもそも神代恭介に出会うまで艦船として戦うことに全く疑問も持たなかった様な艦船が、明らかに口が下手そうで背中でしか物事を語れなさそうなエンタープライズが、誰かを言葉で懐柔して仲間にすることなど到底考えられなかった。

 

「ふーん……グレイゴースト、ですか」

「大鳳は直接相対したことないか」

「はい。一航戦の先輩方がよく相手していますから」

 

 瑞鶴を除いた空母組である飛鷹、隼鷹、大鳳は同じ戦場にいたことは幾度もあるが、直接相対したことはなかった。エンタープライズがユニオンの主戦力であるように、重桜も主戦力である一航戦をぶつけることが必然的に多くなるからである。

 

「……よし。一回整理するぞ」

 

 起き上がった恭介は地図に青色で塗られた凸状の兵棋を置いた。恭介、天城、三笠、長門、江風を除いた味方艦船の数である八個。

 

「まず綾波と瑞鶴は基本動けないが、綾波が哨戒として外海に出ることができる。飛鷹と隼鷹は龍鳳の訓練を見る必要があるから、しばらくは動けない」

 

 青兵棋を二つ重桜に置いてから片方をユニオン方面の外海へと動かし、飛鷹と隼鷹となる兵棋を二つ北方向の泊地へと移動させた。

 

「やらなければならないことは主に三つ。一つ目にどうにかして鉄血、と言うかビスマルクに連絡を取ること。二つ目にエンタープライズと接触すること。そして三つ目に、南の島々の中で放棄されたままの基地を見つけることだ」

 

 エンタープライズと合流しなければそもそも成り立たず、ビスマルクに連絡を取れなければ何もすることもできず、放棄されたままの軍事基地を発見できなければまともに戦うことすらできない。全ての条件を達成しなければ新生アズールレーンは動き出すことができない状態だった。

 

「でもユニオンとはすぐに戦闘になると思うよ?」

「それはそうだろうな。ユニオンは今重桜に向かわせる戦力と、ロイヤルに支援を送る戦力で二分されているはずだ」

「では誰が南に?」

 

 主力として戦っている瑞鶴には、既にユニオンが動き始めている情報が幾つも舞い込んできている状態だった。そして、恭介は過去の数度の戦争においても一度も負けたことが無いユニオンならば、必ず物量を用いて鉄血と重桜の両方同時に攻撃を仕掛けてくることを予測していた。ユニオンが戦力を二分した場合に、鉄血と比べて航空戦力が強大である重桜に対してエンタープライズがぶつけられることは想像に難くなかった。

 ユニオンが重桜に対してどう動くかは理解できたが、それに対して南に行ける艦船が余りにも少ないことに気が付いた鈴谷は首を捻って恭介を見た。

 

「南には鳥海と愛宕、それと大鳳に行ってもらう」

「大鳳が、ですか?」

「装甲空母の大鳳ならそう傷を負うこともないだろうし、ユニオンとの戦いが始まっても最初の内は小競り合いになると思うから、艦載機で索敵を行いながら鳥海と愛宕を支えてやってくれ」

「まぁ……指揮官様がそうおっしゃるなら」

 

 何に言い淀んでいるのか大体察しながらも、恭介は敢えて無視して三つの兵棋を南の島々へと移動させた。

 

「本格的に動き出すのはいつ、ですか?」

「ユニオンが大きく動いた時だな」

「必ずグレイゴーストが出てくる、時ですか」

 

 綾波の言葉に返した恭介に続くように、天城は口に手を当てて作戦とも呼べない不確定要素だらけの地図を見た。

 

「私は?」

「鈴谷は俺達と一緒にいれくれ。長門、江風、天城、そして鈴谷と俺は一緒に動くことにする」

「了解しました」

「ん? 我は?」

「瑞鶴でも鍛えといてください」

「私と三笠さんの扱い適当じゃない!?」

 

 恭介の言葉を受けてわざわざ大袈裟に頭を下げた鈴谷に対して、適当な扱いをされた三笠と瑞鶴は膝立ちになって抗議の声を上げるが、耳に人差し指を差し込んでから目を閉じた恭介には関係のない話だった。

 

「それじゃあ五月蠅い二人は放っておいて、鳥海、愛宕、大鳳。頼むぞ」

「お任せください!」

「お姉さん、頑張るわね」

「指揮官様からの命令は必ず完遂致しますわ」

 

 解散の流れに移行しつつあることを理解した艦船達は、それぞれ立ち上がって部屋から出ていった。残った長門、天城、三笠、瑞鶴、江風、綾波は、座り込んだままの恭介へと視線を向けた。

 

「……ふぅ」

 

 赤と青それぞれの兵棋を投げては掴み取り、投げては掴み取りを繰り返してから、赤の兵棋をユニオン側から太平洋に向かって移動させ、重桜の東南方向に存在する島々へと向かわせ、逆に青い兵棋を重桜から移動させて同じく東南方向の島々へと向かわせる。

 

「一ヶ月、ぐらいだと思うな」

「もう少し早い可能性もあるかと。鉄血の動向次第とも言えます」

 

 今からどれくらいの時期に、ユニオンと重桜の大規模戦闘が起きるかを考えていた恭介は、長く見積もって一月で戦闘が始まると考えていた。ただし、ユニオン国民が今一番求めているのは鉄血への制裁である以上は、鉄血が早く動けばそれだけ戦闘も早まることが予測された。

 

「どちらにせよ、戦場で会わなければ意味も無いがな」

「そこは……まぁ、会えるよ」

 

 前回は真正面から一対一で戦った瑞鶴だからこそ、エンタープライズがどれだけ恭介のことを想っているのかが大体理解できていた。実際に想っているのかどうかは知らなくとも、次戦闘になれば必ずまた恭介の目の間に現れることは容易に想像できた。

 

「取り敢えずもう一人仲間を増やす必要がある」

「え? 誰?」

 

 これ以上の戦力をどうやって確保するのか。そもそもそれ自体が課題だったはずなのに、簡単に仲間を増やすと言う恭介に瑞鶴と綾波が首を傾げた。

 

「明石だよ」

 

 恭介の口から出たある意味重桜にとって最も重要な存在である明石の名前が出たことに、天城も完全に思考の外にいたが故に部屋にいた全員が納得して頷いた。

 

 


 

 

「それで? どうしてこんな怪我をしたの?」

「いや、演習に身が入り過ぎてしまってな……」

 

 病室と言うよりも学校の保健室とでも言うべき小さな部屋で、エンタープライズはヴェスタルに絆創膏を張られながら苦笑していた。弓を引き絞り過ぎて弦で人差し指の関節部分を切ったエンタープライズは、クリーブランドに呆れられながらヴェスタルの元へと訪れていた。艦船であるエンタープライズが弦で指を切るなど、相当な力で引き絞った以外にあり得なかった。

 

「何でそんなに演習ばかり?」

「それは……まぁ、重桜とのこともあるしな」

「それは嘘が下手すぎないか?」

 

 エンタープライズが適当に誤魔化す様な言葉を口にした瞬間に、隣で雑誌を読み耽っていたクリーブランドがため息を吐き、その言葉を聞いてヴェスタルはにっこりと笑顔のままエンタープライズの指を握った。

 

「ゆ、指が外れそうなんだが」

「そんな加減が下手そうに見えますか?」

 

 全身から威圧を発しながらエンタープライズへと笑顔を向けるヴェスタルを見て、クリーブランドは肩を竦めて雑誌をベットへ放り投げた。

 彼女達が演習に精を出しているのは、新生アズールレーンが動き出す日が近いと確信していたからだった。恭介が予測した通り、一ヶ月後に大規模戦闘を行う予定で対空火力に秀でた海上騎士であるクリーブランドと、主戦力の空母であるエンタープライズが重桜方面へと進軍することが決まっていた。その戦闘を恭介達の答えを聞く最初にして最後の機会だと考えたエンタープライズとクリーブランドは、その時に向けてひたすら自分を鍛えることしかすることが無かった。

 

「もう。でも私はちゃんと知ってるんですからね?」

「……そう言えばヴェスタルは手紙を読んだことがあったな」

「そうなのか? なら最初から勧誘なりすればよかっただろ」

「勧誘、か。考えたことも無かった」

 

 クリーブランドの言葉を受けて、一瞬考えるような仕草をした後に小さな声で全く考えたことも無かったことを告げられて、ヴェスタルとクリーブランドは項垂れた。今まで自分の存在に戦闘以外の価値を見出してこなかったエンタープライズは、無菌室で育った子供の様に覚束ない所だ多いと言える。エンタープライズが自分の考えを持って動くことがあっても、仲間を作ることなどできないだろうと判断した恭介と瑞鶴は真実を正確に把握していたと言えるだろう。

 

「取り敢えずヴェスタルにも事情は話すとして、誰が味方になってくれそうだと思う?」

「さぁ? はっきりと言ってしまうが、私は戦うこと以外をしたことがないからな。誰が信頼できるとかはさっぱりだ」

「……色んな意味で私を味方につけたのは正解だったな」

 

 エンタープライズの言葉に再び項垂れたクリーブランドは、当初のエンタープライズの無茶すぎる計画を考えて何もかも投げだしたい気持ちになっていた。そもそも彼女の頭には神代恭介と合流することしか頭になく、いつも通りに無理やり解決しようとするのだから質が悪い。

 

「ボルチモア、とか?」

「クリーブランドが言うならそうなんだろう。話してみるか」

「もうちょっと疑ってみるとかさぁ!?」

「よくわからないが……クリーブランドは信用できるからでは、ダメなのか?」

 

 三度項垂れたクリーブランドに、ヴェスタルは同情してあげることしかできなかった。

 

「やっぱりユニオンのリーダーがエンタープライズかって言ったら微妙だな」

「それは……そうだろう。私よりもよっぽど向いている人は沢山いると思うぞ」

「でも一番強いのはエンタープライズだろ?」

「それは文明人の思考ではないさ」

 

 トップとして、重桜の神代恭介もロイヤルのクイーン・エリザベスも鉄血のビスマルクも、割と懐疑的な部分が多い人物と言える。少なくとも、クリーブランドが見た神代恭介は懐疑的で、リーダー足り得る人物なのだろうと理解できた。純真無垢とも言える程騙されやすそうなエンタープライズは、クリーブランドの中ではリーダーではなく切り込み隊長にしか見えなかった。

 

「じゃあ取り敢えず私に教えてちょうだい」

「そうだな……何処から説明すればいいのか……かなり複雑なことになっているんだ」

 

 ボルチモアに説明して良いか悪いかを判断する頭が二つから三つに増えるだけでも得ではないか、と言うヴェスタルにクリーブランドは一理ある、と頷いた。

 エンタープライズは、セイレーンによって世界の陣営全てが手の平の上で転がされていることを知っているヴェスタルに、長門とビスマルクとクイーン・エリザベスと共に話した新生アズールレーンのこと。もしかしたら神代恭介が自分達の味方として共に戦ってくれるかもしれないということ。その為に次の戦闘時には必ず重桜の艦隊に出会わなければいけないということ。

 全てを話し終えたエンタープライズは、一息吐いてヴェスタルの顔を見た。

 

「んー……つまり、エンタープライズちゃんが指揮官のこと大好きってことね?」

「何故そうなるッ!?」

 

 笑顔を浮かべながら言うヴェスタルに対して、エンタープライズは顔を赤くしながら勢いよく立ち上がった。首を傾げることも無く、顔を真っ赤にしてすぐに立ち上がる当たり自覚があるのだろうなと思ったクリーブランドは何回か頷いていた。

 

「だって指揮官が味方になってくれるかもしれないって言ってる時が一番熱が入ってたし、すごく必死そうだったから」

「そ、それは……神代恭介が重桜の人間だから、信じて貰えるようにと思って」

「自分の指揮官が敵じゃないって教えたかったのよね?」

「……そ、そうだな」

 

 ヴェスタルの言っていることは色恋沙汰を除けば正しいことではあった為、エンタープライズは顔を手で覆いながら再び椅子に座った。ニヤニヤと言うよりはニコニコとしているヴェスタルの顔に、クリーブランドは苦笑していた。

 

「多分だけど、ボルチモアはちゃんとわかってくれると思うわ」

「まぁ、彼女は聡明だからな」

 

 エンタープライズはヴェスタルの言っていることを理解していた。確かに彼女の言う通りボルチモアは聡明で、基本的に何事もそつなくこなす天才肌であり、上の命令をそのまま無条件で受け入れるタイプではない。故に今の状況に明確な疑問を持っていなくとも、ボルチモアなら既にアズールレーン自体に疑惑の目を向けている可能性は大いにある。

 

「なら今すぐボルチモアに会いに行こう」

「今すぐか?」

「勿論。重桜のことわざだが『時は金なり』だ!」

「ふふ……わかった」

 

 即断即決を心掛けるクリーブランドは、すぐに立ち上がってエンタープライズに手を差し伸べた。それに対して、無駄に時間をかけることを嫌うエンタープライズもまた笑みを浮かべながら手を握って立ち上がった。

 

「じゃあ作戦開始したら教えてちょうだいね」

「あぁ。必ず迎えに行く」

 

 エンタープライズにとって姉であるヨークタウンや、指揮官である神代恭介よりも信頼できると言えるかもしれない相手であるヴェスタルを、味方に引き入れる為なら何でもするつもりだった。

 

「よし! 取り敢えずボルチモアの所へ出発!」

 

 拳を突き上げて大きな声で言うクリーブランドに、エンタープライズは優しい笑みを浮かべながらもその背中を追いかけて歩き始めた。

 

 


 

 

「あら、もう仕事?」

「……そこまで深い傷ではないわ。むしろ貴女の方が重傷よ、オイゲン」

「いいじゃない。病室なんて退屈で仕方ないわ」

 

 淡々と事務処理をしていたビスマルクは、またもやふらふらと病室から抜け出して現れたプリンツ・オイゲンにため息吐いて手に持っていた資料を机に投げた。何も考えないようにと始めた書類処理だったが、既に太陽が中点まで来ているのを見てビスマルクはその光に目を細めた。

 

「何の用かしら?」

「面白い話と、面倒くさい話があるわよ」

「……面倒くさい方から聞くわ」

 

 プリンツ・オイゲンの言う面倒くさい話は本当に面倒くさい場合が多く、面白い話と言うのはビスマルクとしては全く笑い話にならないことが多いので、面倒くさいと思える方から聞くことにした。

 

「じゃあ面倒くさい方ね。ユニオンとロイヤルが動き出したことは知ってるでしょう?」

「えぇ。それは分かっているわ」

「北連にも動きがあったわ」

「……そう、遂に」

 

 ロイヤルの母港へとユニオンの艦隊が送られていることは既に軍内でも回っている情報だったが、プリンツ・オイゲンの口から出てきた北連が動き出したという情報に対して、ビスマルクは顔を顰めた。

 

「北の『王冠』はどうしたのかしら」

「さぁ? ただ、北にいるティルピッツからの情報だから嘘ではないと思うわ」

「ッ!? ティルピッツは北にいるの!?」

 

 プリンツ・オイゲンの口から出たティルピッツの名前に、ビスマルクは声を荒げて立ち上がった。そんなビスマルクの様子を見て、プリンツ・オイゲンは自分が失言をしたことに気が付いて肩を竦めた。

 

「ずっと居場所が分からなかった……まさか北にいるなんて」

「迎えには行けないわよ。あんたに言わなかった理由は当然、口止めされてたから」

「……ティルピッツは既に艤装を持って戦える状態ということね」

「そうよ」

 

 一度致命傷を受けた時の後遺症によって両足が上手く動かないと聞かされていたが、それは全く偽情報だったことを理解したビスマルクは苛立たしさをぶつけるように数センチまで積み上げられていた書類の山を叩いて机の上に近海が描かれた地図を広げた。

 開けられた窓から吹き抜ける風によって宙に舞っていた書類が更に部屋中に飛び散って行くのを横目に、プリンツ・オイゲンも机の前まで歩いてやってきた。

 

「……鉄血が擁する北の母港で、尚且つティルピッツの艤装を開発することができる規模の科学力が備えられているのは、ここだけ」

「正解。どうするのかしら?」

「場所が分かればやりようは幾らでもあるわ」

 

 一秒でも時間が惜しいと感じ始めたビスマルクは、すぐに立ち上がって部屋から出ていこうとした。

 

「あー、面白い話だけど――」

「そんなものを聞いている余裕はないわ」

「――神代恭介が動き出したわ」

 

 プリンツ・オイゲンの言葉など関係ないと言わんばかりに無視してドアノブに手をかけた瞬間、神代恭介の名前を聞いてその手を止めた。

 

「あの人が、何故今動くの?」

「さぁ? 何故かなんて本人に聞かなきゃわからないでしょ」

「……」

 

 世界会議の場では顔を合わせることも無く、言葉を交わすことも無く終わってしまった神代恭介を思い浮かべたビスマルクは、長門とエンタープライズの話していた新生アズールレーンの存在を思い返していた。

 

「まさか……」

 

 戦争を嫌っている長門、自身を導いて欲しいと言っていたエンタープライズ、その両者に共通する人物として浮かび上がる人間こそが神代恭介だった。世界会議の場で鉄血の操るセイレーン艦隊を撃ち滅ぼしながらも、鉄血に対して敵対するつもりはないと声明を出した重桜。あらゆる情報がビスマルクの頭を巡りながら、一つの結論へと到達する。

 

「本当に、神代恭介を味方につけたの?」

「何か心当たりがあるみたいね」

 

 目を見開いて自分が出した結論が到底あり得るはずの無い程馬鹿なことに気が付いて頭を振るビスマルクに、プリンツ・オイゲンは笑みを浮かべながらソファに座った。

 

「さ、情報交換と行きましょう。私ならティルピッツを救えるわ」

「……いいわ。貴女には聞きたいことが沢山あるもの」

 

 全てプリンツ・オイゲンの計画通りに進んでいることを悟ったビスマルクは、心を落ち着かせるために息を吐いて向かいに座った。

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