超絶☆マイクラン 〜心の底からお前を見ている〜 作:エクセレント☆アックア
みんなはマイクランという男を知っているだろうか?
そう、俺のことなんだが、コイツは紋章と呼ばれる神からのギフト的なものを持たなかったため、不貞腐れ、紋章を持っている弟に嫌がらせをしまくり、とうとう家から追い出されてしまったどうしようもない男である。
そして俺(精神)は、気づいたらこの男の体に入っていたのだ。因みにマイクラン本人も心の底にいる。
俺の持ち物は鉄の槍一本だけ。これでイノシシでも狩れってか?
俺は今現在どこかわからない森にいる。出来ればゴーティエ家へ戻り、土下座作戦でもしようかと考えていたところ、心の底にいるマイクランがイヤイヤと首をふるので、諦めて家とは真逆の方向に進んでいる。
ぐー、とお腹が鳴る。
「なあマイクラン、帰ろう」
俺が振り向こうとすると、謎の力によって体か固まり動けなくなる。ああ、本当にイヤなのね。心の底にいるマイクランが怒っている。
ごめんよ、でも、まだ間に合うのでは? まあ、マイクランの気持ちもわからないわけではないけれど、でもなー。
これを百回ぐらい繰り返しながら進んでいるうちに、森の奥の方からぼんやり明かりが見えた。
「お、やった村だ」
俺は喜んで駆け出した。草や木の枝が進行の邪魔をするけどそんなのを無視してダッシュダッシュ。村から騒がしげな音が聞こえてくる。お祭りかもしれない。
ふと、心の底のマイクランが注意するように言ってきた。何でだよ。俺は腹がへっているんだぞ。
仕方がないので注意して村の様子をみてみると、あの明かりは村の家々の明かりではなく、村を襲う炎の光だった。
「やばいぞマイクラン。どうすればいいんだよ」
俺はマイクランに聞いた。しかし、マイクランは答えない。家に帰らないこと以外は俺の自由にしてイイらしい。
村の端でうろうろしていると、盗賊の一人に見つかった。
「おめえ村のもんか? なんでもいいがぶっ殺す」
そういうや否や俺に向かって斧を突き出した。俺は咄嗟に槍を構えるが、足はプルプル振るえている。
「うわあああ」
頭が真っ白になり、盗賊に突っ込む。しかし足を挫いてすっころんでしまった。そのお陰で横に振られた斧を辛うじて交わすことに成功したものの、あとは死ぬのみ。
ーー右上に思いっきり槍を突き刺せ。
心の中のマイクランが語りかけてくる。俺は無我夢中で言われた通りに槍をぶっ刺した。
「うごあああ」
盗賊を倒すことができた。が、今の悲鳴によって続々と盗賊が集まってきた。俺は相変わらず足をプルプルさせながら、マイクランの言う通りに槍を刺したり振ったり刺したり投げたりしながら戦った。
新たな盗賊が現れなくなった頃、村は落ち着きを取り戻していた。
へとへとになった俺はマイクランにお礼を言った。
「ありがとう死ぬところだったよ」
心の中のマイクランは照れ臭そうにしていたが、すぐに少し不機嫌そうな感じに戻った。
ふと、何かの集団が近づいてきた。
「盗賊はどこだ」
なにやら騎士が村にやって来たようだ。
俺は安心して気を失った。