超絶☆マイクラン 〜心の底からお前を見ている〜   作:エクセレント☆アックア

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10話 竪琴の節その3 新たなる絶望

 

 

 休日だ。

 

 今節末には盗賊退治が待っている。だがしかし、俺は休む。何故なら俺はレベルがクラスの中で1番高いからだ。

 

 因みにステータスもレベル相応のものである。ここまで言うと、なんで休むか不思議に感じる人もいるだろう。

 

 他の人の経験値を取らないように? それもあるけど違う。

 

 違うんだ。俺は……………命中の神になる!!

 

 

 

 俺はさくっと仕事を片付け、とある男を探していた。

 

 その男は、地形の不利もなんのその、威力こそ心もとないが、命中力はガルグ=マクでトップクラスの男。その名も……

 

 「イグナーーーーーーツ!!!」

 

 「な、何ですかスティーブ君」

 

 イグナーーーーーーツは、おとなしめの男だ。しかし、コイツの個人スキル審美眼は命中力を20もアップさせる力を持つ。ちなみに俺の個人スキルは、命中率を含めた諸々を半額セールにする。激安です。

 

 個人スキルはその人のものであり、伝授してもらえる訳ではないが、俺はイグナーーーーーーツの真似をする事によって、命中率をどうしても上げたかったのだ。

 

 現在イグナーーーーーーツは食堂で1人ランチをしていた。隣の席から肉汁の痕跡を発見できた為、恐らくラファエルと2人ランチを取っていたに違いないが、イグナーーーーーーツは食が細いので、早く食べ終わったラファエルは「筋肉を育てるぞ」とか言って先に行ってしまったのだろう。

 

 「スティーブ君は確か、ベレト先生のクラスでしたよね?」

 

 「ああ、そうだイグナーーーーーーツ!! 今日はお前に頼みがあって来た!!」

 

 イグナーーーーーーツは、ポリポリと頬を掻くと、

 

 「え、頼みですか? 僕役に立てるかな」

 

 何弱気な事を言っているんだ。お前は自分の目、命中率に自信を持って良いんだ。

 

 俺が必死にイグナーーーーーーツを口説いていると、そこに沢山の食べ物を持った大男が近付いてきた。

 

 「おう、イグナーツお前もおかわり要るか?」

 

 その大男の学生服ボタンは「む、むりでしゅ」と、いつでも弾け飛ぶ準備が出来ている。

 

 その男の名はラファエル。家族思いの良い兄貴である。

 

 「お? お前はよく壁に張り付いている………誰だっけ?」

 

 「ラファエル君! スティーブ君ですよ!」

 

 イグナーーーーーーツのサポートにより、俺の名前を思い出したラファエル(今知った訳じゃないよな?)はイグナーーーーーーツの隣の席につくと、ランチを楽しみ始めた。

 

 「で、スティーブ。イグナーツに何の用なんだ?」

 

 かくかくしかじか。俺は自身のスキルにより低下してしまう命中率を鍛えたくて、イグナーーーーーーツの弟子入りしたいと言う事を伝えた。

 

 「つまり、イグナーツの筋肉の使い方を学びたいって事だな」

 

 「そうだ! イグナーーーーーーツ! 俺を命中率100の男にしてくれ!!」

 

 イグナーーーーーーツは考え込んでいる。そりゃそうだ。今までロクに話したこともない男、しかも包帯で素顔が分からない、に対してハイ分かりましたとすんなり事か進む訳が無い。

 

 「僕でいいなら喜んで!」

 

 「イグナーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーツ!! ありがとう!!!」

 

 「オデも手伝うぞ」

 

 こうして、俺の命中率アップの修行が始まった。

 

 

 

 

 俺は今節、授業時間以外ほぼ全てを修行に費やした。

 

 ある時は、

 

 「スティーブ君、この美術品は……」

 

 「ZZZ」

 

 「ZZZ」

 

 人がものに込める魂を知り。

 

 

 またある時は、

 

 「スティーブ君、この本に載っている建築物は……」

 

 「ZZZ」

 

    「ZZZ」

 

 建物が過ごしてきた歴史の重みを感じた。

 

 

 

 

 そして……

 

 「スティーブ! 命中しているぞ!!」

 

 「やりましたね! スティーブ君」

 

 俺達は訓練所で戦闘訓練をしていた。俺は、俺の命中率は向上した。時には仕事をサボり、毎日毎日イグナーーーーーーツの難易度ルナティックな修行を見事やりきった。

 

 ちなみに、ルナティックとはファイアーエムブレムの最高難易度のことで、玄人も唸らせる事で有名だ。

 

 「見てください! 弓100本打ち、最初は50本が平均でしたが…今回はなんと………」

 

 なんと…

 

 なんと……

 

 なんと………

 

 「55本だぞ!!」

 

 いやったーーーーーー。上がった!! 5%分も上がった!!! 

 

 俺達は、涙を流しながら抱き合った。これが…成長か。

 

 

 

 ん? 誰だ今ショボって思ったやつ………ぶっ殺すぞ!!

 

 

 

 「スティーブ君、僕が教えるべき事は全て伝えました。後は君自身が自分で見つけるしか無いのです!!」

 

 「ありがとうございます師匠! 俺はこれからも修行を続け、必ずや命中率を100にしてみせます!!!」

 

 「俺もあと100パーセント筋肉を増やすぞ!!」

 

 いや、それやったらただの筋肉ダルマになるぞ。

 

 

 

 

 

 俺は青獅子の学級のメンバーが盗賊退治に精を出している間。先生から貰った俺に関するメモを必死にチェックしていた。

 

 「ナニナニ、剣術は…苦手。槍術も、苦手。」

 

ーー雑魚だな。

 

 「うるせぇ、槍はマイクランお前に任せる」

 

 何かしら得意なものがあるだろ。

 

 「ええと、斧術は…苦手。弓術は、普通!!」

 

ーーお前、弓が得意じゃないなら、一体何が得意なんだ?

 

 「ぐぬぬ」 

 

まだだ。まだ、技能は半分以上ある!!

 

 「よし、信仰は…普通!! 理学は…クソ苦手!?」

 

ーーお前が魔法を使う事は無さそうだな。

 

 「うがぁ、でも…俺には信仰がある! 神様! レア様! ソティス様!!」

 

 ここからは一気に進める。

 

 「重装は…苦手。騎馬は…苦手。飛行は…苦手!!」

 

ーービックリマークで誤魔化しても苦手は苦手のままだぞ。

  

 くそがああああああ!! なんで得意なものが一つも無いんだよ! 俺は絶望した。俺は…俺は…逆イングリットだ。

 

 説明しよう。イングリットはなんと…苦手技能が存在しないのだ。

 

ーーまだ続きがある

 

 続き? あ、そうか俺には壁がある。原作には存在しないが、俺は特殊技能を持っていた!! これは強いぞきっと。

 

 「壁は…普通!?」

 

ーーそれも普通なのか………

 

 普通か、まあ…そうだよな。普通……だよな…俺。

 

 諦めかけたその時、壁の下にもう一つ欄がある事に気がついた。

 

 「盾……………得意!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

 

 

 

 その日の午後、青獅子のクラスメート達とベレト先生がボロボロの状態でガルグ=マク大修道院に帰還した。

 

 俺は空気を読まずに、疲れ気味の先生のもとへ盾の技能について質問しに行った。

 

 「先生!」

 

 ベレト先生は疲労困憊で、フラフラだった。そんな難しかったっけ最初の盗賊退治?

 

 先生は、俺に訳を話してくれた。

 

 「え、なになに……盗賊がすり抜けて来たり、アーチャーが矢に毒を仕込んでいたですって!!!!!!!!」

 

 これは…これは……冗談抜きで不味いかもしれない。

 

ーーどうした?

 

 俺の動揺がマイクランまで伝わってしまった。それほどに俺は深い絶望を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 「この世界は……………………………………難易度ルナティックだ……」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以前予告とか言って色々書きましたが、今回消費できなかった為、残りは来節以降になりました。
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