超絶☆マイクラン 〜心の底からお前を見ている〜 作:エクセレント☆アックア
この世界についてわかったことがある。この世界はブレスオブザワイルドだ。
ブレスオブザワイルドとはゼルダの伝説最新作で、謎解きを主としてきた前作までとは違い、オープンワールドで見えるところどこでも行けるのが特徴のゲームだ。
最初この世界に来たとき、feキャラのマイクランの体に入ったと気づいた時やガルグ=マク大修道院とかのワードを聞いたときには、ああ、風花雪月かぁ終わった。死ぬしかねぇとか思ったものだけど違った。
何故なら、ガルグ=マク大修道院は無いのだ。だって全然着かないもの!
このヒゲ! いい加減にしろ! なーにーが騎士だ!
この2年間ずーと迷子だ俺達。まともな食事を食べたのあの村で最後なんじゃないの?
俺はマイクランの体の影響で槍が得意っぽいんだけど、いかんせん足がプルプルしちゃうから戦闘ではお荷物。マイクランもあれから助けてくれなくなった。
食事は野生動物をヒゲが弓で射抜き、それを食べていた。ある時弓を持っても足がプルプルしないことが判明したため、ヒゲに使い方を教わり、今では油断している野生動物なら狩れる程度になった。
せっかく買った包帯も人がいないなら身バレの心配もないため、今はつけてない。あーー、いつになったら人間がいる場所に行けるんだ。
「おーいはやくしろー」
と、ヒゲが崖の上から呼んでいる。クソッタレ、祠のクエスト全然やってないから頑張りゲージ足りねーんだよ。
崖を登ると、緑が一面に広がっていた。こういうもの最初は感動したが、何度も見てるとそれも薄くなる。ん?
「おい、ヒゲ! 煙だ! 人がいるかもしれねぇ」
俺はヒゲに呼びかけ、急いで煙の元へ向かった。
なれたもので、崖を滑り、木の枝を避け、大岩を飛び越える。今の俺は頑張りゲージ(やる気)が尽きない限り誰にも止められねぇ。
煙の出どころはいつかみたいに村からだった。ん、よく見たら誰が戦っている。
俺はヒゲを待つしかできない。槍はダメだし、弓は対象が止まっているなら当てられるが、動いているなら無理だ。
よく見ると村を背に戦っている方のにーちゃんが押されている。2対1では分が悪そうだ。もっと奥では馬に乗ったおっさんが盗賊たち複数相手に無双している。早く
にーちゃんを助けてやってくれー。
そうこうしているうちににーちゃんがどんどん追い詰められていく。仕方がない。
俺は大声を上げた。
「援軍だあああああああ」
奇声を上げながら盗賊二人がこっちを向くまでガンダッシュ。こっち見ろ!
戦闘中の3人が俺を見た。そしてその瞬間ににーちゃんが2人を切り捨てる。
しかしながら盗賊はまだ居た。村の遠方から様子を見ていたのだ。そいつが俺に向かって来ている。俺は弓で応戦するものの、かすりもしない。命中率ゼロだ。
もう終わりだと思った瞬間に盗賊の頭を弓が射抜く。ヒゲだ。
ヒゲの弓は決して外れない。
村の片付けを手伝ったあと、俺は暇だったので村をフラフラしていた。もちろん片付けの前に包帯とフードは装備しておいた。
ふと、誰かが俺を付けていることに気がついた。
振り向くと、さっきのにーちゃんだった。にーちゃんは無表情に話しかけてきた。
「さっきは助かった」
「お、おう」
ヒゲ意外と言葉を交わしたのはいつぶりか。言葉が出てこない。
「ヒーゲンが探していたぞ」
「ヒーゲンって誰?」
俺はにーちゃんに連れられてヒーゲン? の元へ向かった。
驚くべきことに、ヒゲのフルネームはヒーゲン・ノビスンギだった。ヒゲの髭はあんま長くないけどな。
さらに、馬に乗って無双していたおっさん、ジェラルトとも知り合いらしい。え、ジェラルド!?
さっきは気が付かなかったけど、よく見たらジェラルトだ。やっぱ、目の前で見るのと、ゲーム越しに見るのではオーラとか雰囲気とかがわからないから、全然違うわ。てことはさっきのにーちゃんはベレト!?
椅子に座っているおっさん達が俺をジロリと睨みつける。ヒゲは睨みつけんな!
「そっちの怪しいやつは誰だ」
とジェラルト。
「ワシの弟子じゃ」
とヒゲ。
するとおっさん2人はゲラゲラ笑い出した。
「お前はいつも変なのを弟子にしているなヒーゲン」
「いやいや、今回は弟子になってから変になったんじゃ」
おっさんたちは何やら昔話をしたり、最近の話をしたりしていた。俺はつまらなくなってベレトに話しかけたりしたが、ベレトが振ってくる話題がクソ過ぎて盛り上がらなくてお茶を飲み続けた。
ジェラルドはベレトを部屋に返したあと、俺たち二人に地図をくれた。何でも、地図がないとヒーゲン(ヒゲ)は必ず目的地に着けないらしい。ヒゲは弟子に修行をつけておっただけじゃとか言いながらジェラルドから地図を引ったくった。
それから俺達は目的地であるガルグ=マク大修道院に向かった。別れ際にジェラルトが、そろそろ潮時かとか言ってた気がするがなんだろう。
それにしてもやっとか、そしてこの世界は風花雪月で間違いなさそうだ。でも、俺は生き残れるだろうか、この世界で。
あの時から使ってない鉄のやりは、俺の背中で錆びついていた。