超絶☆マイクラン 〜心の底からお前を見ている〜   作:エクセレント☆アックア

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9話 竪琴の節その2  スティーブの個人スキル!? ○○の○○

 

 「えぇえええええ!!」

 

 あの激闘から数時間後、俺は訓練所にいた。

 

 「各学級から1人しかエントリー出来ないんですかぁああ!!」

 

 そんな事があっていいのか。そういえば、全員スカウトした時の訓練場は無名のモブ兵士ばかりになっていたような? 

 

 俺はがっくりと肩を落とす。これじゃあどうやってシルヴァンと戦うんだよ…。

 

 もし、仮にエントリー出来たとしても問題はまだ残っている。マイクランの要望だ。

 

 マイクランは、なぜか俺を助けて勝負自体を切り上げてしまった。そして、体の自由も前と同じ様に俺に譲っている。今は多分寝ている。

 

 それと、マイクランの要望だが、シルヴァンを倒すにしても、殺すにしても、ゴーティエ家の家宝である槍ごと倒したいと言っていた。俺が言うのも何だけど、ハードル上げすぎてね? てかその槍お前が盗んでないからまだ自宅(ゴーティエ家)にあるだろ。

 

 とまあ、このようにシルヴァン+家宝の槍との対決をご所望だ。訓練場での戦いは決まった武器、つまり、訓練用の武器しか使うことが許されていないので結局のところ俺の無駄足だったというわけだ。とほほ。

 

 俺が訓練場から去ろうとすると、俺が勝手に同類(ガルグ=マク大修道院コスプレ同好会のメンバーで仮面担当)だと思いこんでいるイエリッツァ先生が登場した。この人はベレト先生と死合したがっている危険な人だ。

 

 「おはようございます!」

 

 「……ああ」

 

 そして俺には興味無さそうだ。俺からすると、顔を隠している者同士仲良くしたいし、シンパシーも感じる。でも、仲良くなりすぎて「この後死合でもしないか?」とか、「強いやつと戦うと逸楽を感じるんだ」とかカミングアウトされても困る。死合をしたら絶対に俺が死ぬ。これくらいの距離感がちょうど良さそう。

 

 闘技場を出ると、ツィリルが荷物を運んでいるのが見えた。お疲れさん。

 

 今日のやる事か全部終わったため、まぶたが重い。

 

 昨日のアレのせいで物凄く眠い。そのため仕事も、授業も休みを貰っておいたのだ。だから今は完全なる自由時間。何でも出来る。

 

 だけど、さっきも言った通りクソ眠いので、いい昼寝スポットを捜索しているところだ。

 

 俺は闘技場の兵士のおっさんに「お前は鍛錬が足りん」とむりやり手渡された訓練用の槍を杖代わりに、安眠の地を探し回った。

 

 橋の下が良さそうだな。大広間と大聖堂とを繋ぐ橋の下がなんとなく惰眠を貪るのに適していると回らない頭で考えた結果、俺は建物にへばりつき、下を目指した。

 

 兵士達も俺が壁を這うのに完全に慣れている様で、何事もなく目的地へ到着。

 

 するとそこには先客がいた。

 

 「ふあぁ、君は……スティーブだね」

 

 リンハルトだ。コイツは赤のクラス。つまり黒鷲の学級(アドラークラッセ)所属だ。コイツも休みか?

 

 リンハルトは草の生えた斜面に寝転がっていた。

 

 恥ずかしげも無く大口を開けて欠伸をした後に、リンハルトから寝息が聞こえ始めた。寝るの早。

 

 俺ももう限界なので、隣で心地よい風を浴びながらウトウトしていたら、ヒステリックな声が橋の上から聞こえてきた。

 

 「リンハルト、早く教室に来なさい! 隣の貴方も早く仕事に戻りなさい!」

 

 そう言い放つのは、アドラステア帝国の第4皇女エーテルガルト様である。様づけの理由は特に無い。

 

 俺はくるくると転がり彼女の死角へと入った。そしてリンハルトもくるくると転がり俺の隣へ来た。

 

 「っ……そっちがそのつもりなら私にも考えがあるわ」

 

 不吉な予感がするものの。眠気には勝てませんお休みなさーい。

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 ガッと体が中に浮く。ナニか物凄い力でに持ち上げられている様だ。恐る恐る目を開くと隣にはまだ眠ったままのリンハルトがいた。

 

 で、俺達を運ぶ馬鹿力の持ち主は誰かと思ったら、フレスベルグの少女こと、エーテルガルド様だった。

 

 俺が目覚めた事に気がついたエーテルガルト様は、

 

 「朝っぱらからサボりとは、いい御身分ね」

 

 なぜだろう。彼女の頭に真っ赤な血管マーク(#)が見える。

 

 しかし、俺は冤罪なので、

 

 「俺、今日休みなんで降ろしてもらって良いですか?」

 

 と伝えると、エーテルガルド様は怒りに任せて俺を放り投げる…なんて事は無く、極めて紳士的に地面に置いてくれた。

 

 「自分に非がないなら、もっと堂々と寝ていなさい」

 

 いやいや、怖すぎたんですもの貴方。隠れたくもなりますよ。ってかリンハルトの巻き添えをくらっただけじゃね俺。

 

 そんなリンハルトはまだ寝ている。いやお前、そこまでいったら凄いけどさ…。

 

 2人は教室へ帰っていった。リンハルト、少しの間だったが楽しかったよ。さらばだ。

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 太陽が「じゃ、そろそろ行くわ」と言いたげな時間になった頃、ベレト先生と遭遇した。俺は青獅子の学級にスカウトされたものの、この日は昨日の疲れもあって、休みにしてもらっていたのだ。だから今日初めて先生と出会った。

 

 すると先生は、

 

 「お前の攻撃が当たらない理由が分かった」

 

 と言って生徒の情報がメモられたノートの、俺のページを開いて見せた。

 

 個人スキル欄を見ろだって? 個人スキルとは、一部のキャラが持っているオリジナルスキルで、同じものは無いのだ。似たような物なら色々あるけど。

 

 俺の個人スキルを見ると、野生の息吹と書かれている。は? …………は? え、……は?

 

 このノートって先生が書いているものだよな。普通の人が野生の息吹なんて単語を思いつくものなのか? よくよく考えると、先生は普通の人では無かった事を思い出した。

 

 「先生なら…あり得るか?」

 

 俺の言葉を無視して、先生は続けた。何でもこのスキル、移動に関するステータスが上昇する代わりに、力、魔力、速さ、防御、魔防、これら全てのステータスが戦闘中のみ半減するというものだった。あと、スキル名は閃いたらしい。

 

 ゴミスキルじゃんそんなの。鍵を持たせて宝箱を開ける担当にしかならないやつじゃん。

 

 俺は期待していた。野生の息吹と言う名のスキルに。だってブレスオブザワイルドだろそれ! しかし現実は、へんてこスキル……。どう足掻いても戦闘はクソカス。もう、引きこもって良いですか?

 

 キャラがロストした時のBGMが流れ始めて、俺がとぼとぼ家に帰ろうとしたその時、先生がページをめくり、驚くべき事を教えてくれた。それを聞いた瞬間、俺の周りで蠢いていたどんよりとした空気が先生の後光により浄化されていった。

 

 そして俺は先生の発言を繰り返した。

 

 「壁と弓の技能を上げることによって『野生の勇者』になれるんですか!!!!!」

 

 

 




ここまでこれたなら、怒涛のオリジナル設定にも耐えられるはず………
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