衛宮士郎で逃亡者   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

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入院→退院→コロナ→復活→妻コロナ→妻復活→いまここ

漸く落ち着いたっぽいので初投稿です。




さらば愛しき魔術師たちよ……そして故郷へ……前編

「アニムスフィアさん」

「…………」

「アニムスフィアさん」

「………………」

「えっと、マリーさ「なにかしらシロウ」

「喰い気味……いや、えっと、そろそろオレ、帰国しようかと思うんですが」

「ダメよ。貴方は今やこのアニムスフィア家の執事なのよ? つまりこの私の傍に常にいなければならないの」

「えっと、その、確かに執事? にはなりましたが、それは何というか期間限定と言いますか、お仕事が終わるまでと言う契約だったかと」

「終わってない」

「えっと、ゲーティア? とかいうの倒しましたよね? 変な神父とか狐とかも退治しましたし……一応ドクターやダヴィンチちゃん的にもOK的な言質貰いましたし」

「終わってません。お仕事とはロンドンに帰るまでを指します。それがプロの執事です」

「えっと、はい、なので一応時計塔? にカルデア首脳陣は帰還ですよね。なのでオレはそのままヒースローからお暇しとうか「ダメ」あ、はい」

「ねえシロウ」

「はいマリーさん」

「さんなんて付けないで。ね、シロウ、捨てるの? 私を捨てて消えるの?」

「いや捨てるとかじゃなくて「捨てるじゃないっ! ねえ捨てるんでしょっ!? あ、あああ、す、捨てすてすて捨てられられ……レフには騙されシロウには見捨てられっ……あわっ、あわわわわ……」

「ちょ、待って、とりあえずその煌びやかな謎の短剣から手を離してっ落ち着いてマリー、あっかんコレ、リツカちゃん、マシュ、ドクター来てくれー!!!」

「す、すすす、捨てるなんて許さないからっ! へ、へへっ、捨てるなら私を殺してから行くことね! へへへへっシロウは私の執事だもん。おはようからおやすみまでいないとダメなんだもんっ!!!」

「やばっ、はい、マリー、抱っこしたげるよー! ほらおいでー?!」

「ふぇっ!? うん! 抱っこするー! えへへへシロウすきー♡ もう絶対離さないから……逃げたら追いかけて殺して私も死ぬんだから♡

「え? なんて? ぃてっ」

「なんでもないの。えへへ、シロウ、ぎゅー♡」

 

 そうしてオレは目が血走った銀髪美少女を抱きしめた。

 ついでにムツ〇ロウさんみたいにヨーシヨーシと撫でつつ。

 まあその最中のどさくさに、オレの脇腹に短剣が刺さってたけど些細な事だ。

 

 ははっ、いつになったら桜の所、帰られるんだろうなぁ……。

 思えば随分と時間が経ったが、オレ……すっかり汚れちまったよ……。

 

 そもそも東京にいた時点で、オレの持つ力が強い説は崩れ去っている。

 もちろんバトル的な意味で誰にも後れを取るつもりはない。

 実際、実績と言う意味でも、その後襲い来る修羅場をこうして無難に通り過ぎているのだから、それは間違いない。

 

 けれどだ。

 こと日常の中でと言う意味ではクソの役にもたたん。

 特に女性と書いて魔性と読む生命体の前では……。

 

 なんつーかオレはどこまで行っても根は小市民なの。

 だから目の前で可哀想な人とか見ると、放ってはおけんのよ。

 つい、大丈夫? って声を掛けちゃう。

 

 それは正義感かと言われれば違うと即答するけど。

 言うなれば限りなく偽善の善意と言うか。

 もしコイツを放置して、後にそいつがさらに酷い目に遭っていたって判明したら罪悪感ひどくね?

 多分そういうのが無意識に働くのが小市民なんだわ。

 変な目で見られたくないって感じ?

 

 嗚呼、そんな事より冬木に帰りたいです……。

 でもさ、今のオレ、南極にいるんだよなぁ……。

 わかる? 南極。

 

 南半球の一番下にある大陸。

 どこかの国には属していない場所で、各国がこぞって観測基地を置いているあそこ。

 そこの山脈のどこかにここ、カルデアはある……らしい。

 

 そもそもここに来るときもさ、どこかで飛行機に乗せられ、南米に連れていかれ、そこから軍用機に乗せられて南極入りしたからね?

 マリーも守秘義務云々で言わねーし。その時点でのオレと彼女ってそこまで親密じゃなかったしさ。

 

 んじゃこれまでの流れをざっくりと説明しよう。

 そもそもなんでオレがこの南極くんだりまで逃亡したのか。

 それは偏に魔術師の巣窟である時計塔のせいであり、ついでに遠坂のせいだ。

 

 今やすっかりと健康体となった(秘孔をついたせいか、メディアおばさんが何かやったかはわからない。その説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるから割愛ぞ)イリヤ姉との家族計画の為に超進学校に通う……という「てい」で関東に逃げ出したオレ。

 

 その後順調に受験生生活を続け……られることは無く、逃亡した事への因果応報とばかりに、デザイン事務所と言う欺瞞を掲げた悪の魔術師とメンヘラ殺人鬼に絡まれ、「嗚呼……オレはこのままここでパシられ続けるのか……」と泣き崩れたところに、トーコサマの妹を名乗るトーコサマ以上の傍若無人な女が現れ、事務所の奥に隠してあるトーコサマの作った色々な便利アイテムを強奪。

 ビームとルーンが飛び交う大戦争に発展し、オレはせめてコクトーパイセンは守護らねば……と姉妹の間に飛び込み「ガ、ガイアッッッ!?」され、哀れ士郎は爆発四散。

 

 まあどうにか北斗神拳を駆使して事なきを得たが、その妹にロックオンされ、これ以上ここにいては死ぬよりも酷い目に遭うかもしれないという直感が働き、着の身着のままでさらなる逃亡を開始。

 もはやこうなれば形振りなんか構っていられない。

 

 でもだ、日本国内はもうダメかもわからんね……って事で、ベタではあるが海外逃亡を決めた。

 だがしかし、現在のオレは未成年だ。

 一応は親父の遺産も残っているし、決して金が無い訳じゃない。

 だが現在の状況的に、なぜ受験生として進学校に通っているはずがパスポートが必要なのか……そう言われると例の弁護士や藤ねえ経由でも許可を貰うのも無理。

 例えそう出来たとしても、待っている間に桜や藤ねえがこっちに来てしまう……。

 

 結果、密航しかない……この士郎、とうとうガチ犯罪者の仲間入りですわ。

 それでも命に関わる問題であり、しかし魔術だのなんだの、警察に駆け込めないオカルト案件……やむを得ないよなぁ……。

 

 そしてオレは横須賀にある港湾区に潜伏し、ヤクザのフロント企業みたいな胡散臭い倉庫街で日雇い労働をしながら機会を待った。

 その際に芭月*1って同年代のやつと知り合い、彼が巻き込まれていた騒動に手を貸す代わりに寝床を借りるという関係になったが、その後あいつはどうなったのか……。

 一緒に中国に密航したまでは一緒だったが……元気だと良いな。

 

 そうやって大陸に渡ったオレ。

 こうなるともう、ゴールなんて無い。

 無作為に飛び出しただけだもの。

 

 とは言え北斗神拳が備わっているからか、数日で大陸の言葉も理解できて、特に旅では苦労しなかったな。

 行く先々で小間使いみたいな事をして路銀を稼ぎ、とにかく西へ西へ。

 でもなぁ……なんつーか罪悪感で死にたくなるのよ。

 

 逃げたつったってさ。

 イリヤ姉や桜になーんも告げずにだし。

 そこまで悪人にゃなれんて……元々一般人だもの。

 いや今でもそのつもりだけど……と言うかそうじゃないって認めた瞬間、色々終わりそうでな……。

 

 結局開き直ったオレは、驚異の身体能力を十全に使い旅をつづけた。

 東南アジアから中東エリアは政治的にも不安定な地区が多い。

 だから旅先で気軽に話しかけられるとヤバい……ってインドで知り合った日本人から聞いたから、とにかく移動は夜だけとし、国境線はゲートがあるような場所を避けて横断した。

 

 だからガチの砂漠を越えないとダメなルートもあって、初見で砂漠に挑んだが死ぬかと思ったぜ。

 だって昼間はクソ暑いのに、夜は冬かよって位寒いんだもの……。

 アラブ人に気さくに話しかけて砂漠越えの極意を学んで、装いをマネしなきゃ死んでたわ。

 

 それでもイタリア辺りまでは観光気分もあったんだけどな……。

 だってさ、野営してるとヒマだし星空とか眺めるんだけど、東京みたいな不夜城なんか無いから、星なんか7等星くらいまで見えんじゃね? って位なんだよ。絶景だわ。

 

 そのイタリアのローマでさ、せっかくだしバチカンを見たい! とか思ってさ。

 その頃は丁度路銀も尽きててさ、あかん今夜の寝床ないやんと途方に暮れた結果でもある。

 

 そこでオレは露店をする事にした。

 これは今までもちょくちょくやってんだ。

 どこの街も少なからず闇市みたいな地区ってあるからね。

 こっそり売ればそこそこ稼げる。

 

 これまでの旅の中で、オレのバックパックには色々なアイテムを詰め込んである。

 特にキャンプ系のギアは豊富にな。

 そりゃパクられたら即御用の身分だもの。

 大陸に密航して以降、野営も多かったから……。

 

 でだ。

 東南アジアからトルコ位までに通って来た地域ってのは実はスパイス王国だらけなんだよね。

 どこいっても何かしらのスパイスが売っている。

 やはり熱帯だったり砂漠の乾いた気候だったりするから、食事で肉体を活性化させるんやみたいな思想があると思うんだ。

 

 そんでオレは料理は割と得意。

 高級フレンチみたいなのは作れんけどさ。

 いまある食材をアレンジして、それなりに食える物を作るってのは出来るんよ。

 

 だから露店をするときはおおむねカレーだ。

 カレーってのは要はスパイスを良い感じに調合した料理の事。

 まあ根底にあるのは日本のカレーだから、味はそれに寄せてるけどさ。

 

 そうやって旅の中で覚えたカレー作りを活かし、カレーを作って売るんよ。

 日本円で300円くらいで。

 まー売れる売れる。

 米もナンもどっちも選べるよ。

 

 米つってもインディカ米だからこっちは。

 なんせ安価で買えるからね。

 300円で売っても利益は200円くらい出るんじゃない?

 数日も露店をやれば、次の国に行く資金は出来る。

 

 ああ、日本じゃタイ米とか言われてイメージ悪いけどさ、それ調理法が間違ってるからマズいだけだからね。

 日本の米はぬめりと粘りが強いけど、こっちのは吹きこぼしてぬめりを取る方が正解。

 それでもきちんと炊けるし、カレースープとコネコネして食べる際には逆に日本の米の方が合わないんだぜ。

 まあいい。

 

 けどさぁ……なんなのあの女。

 ローマの裏通りで露店やってたらさ、現地人も気に入ってくれたのか、2日目以降はローマっ子のリピーターが来たほどだ。

 だからオレも必死でカレーを作ったさ。

 

 なんつーか想定以上の客がきてな。

 けどこっちは生粋の日本人だ。

 せっかく来てくれたのに手ぶらで帰すとかありえない。

 だから日に300食分くらいつくったんじゃね?

 

 けどさ、3日目か4日目に変な眼鏡のシスターが来たんだよ。

 小奇麗な感じで、清楚? 薄いブルーの髪が似合っている感じで。

 

 オレは丁度仕込みをしてる所だった。

 まだ午前中だしな。

 そしたらそのシスターがさ、オレがカレー用の皿を丸太から削り出している隙に、勝手に鍋あけてカレーを食ってやがる。

 

 無銭飲食どころのレベルじゃねえが、こっちも密入国な上に無許可営業。

 大きい声で騒ぐ訳もイカン。

 なのでやんわり咎めたんだが無視。完全スルーですわ……。

 

 いくらオレが仏の士郎(自称)であっても、これは流石に我慢ならねえ。

 シスターやぞ。聖職者やんけ。

 いいんか、こんな事していいんか!

 オレは憤り、そいつの皿をひったくった。

 

 そしたらまさかの逆ギレですよ……。

 言葉遣いは丁寧なんだけど、ある種の開き直り?

 ならお金を払えばいいんですよねみたいな。

 全部買います、この3つの鍋でおいくらですか? だってよ。

 

 ふざけんな! こっちはさあ、路銀稼ぎはもう十分なんだけど、地元の人との触れ合い?

 そういうさー旅の醍醐味みたいなもんを重視してるんよ。

 大量に作ったカレーはお前みたいな大食い女に食わせる為につくってねーの!

 

 だいたいオレね、大食い自慢の奴とか大っ嫌いなんだよなあ。

 あれって食い物への冒涜だよ。

 人間一人の一日の消費カロリーなんてたかが知れてる。

 アスリートじゃなけりゃ、基本的に普通の量を三度三度喰ってりゃ事足りるわな。

 

 けど大食いの連中ってさ、不必要な食事をしてるわけじゃん。

 喰い方もきたねえしさ……。

 偏見もあるだろうけど、あれっていわば自分だけの自慰行為やろ?

 食わんでいいのに喰ってるんだから。

 

 それを飲食店とかでやられたら迷惑なんだよな……。

 他の客は純粋にそこの料理を食べたくて来てるのに、そういう奴のせいで割りを食うのは納得いかん。

 カレー女もそんな感じで、一瞬でオレの敵認定よ。

 けどシスター相手に北斗神拳は使えぬ……。

 結果、軽く秘孔をついて意識を奪い、教会に担いでいって悪事をばらしてやることにした!

 

 が、駄目……っ!

 

 首筋の秘孔をトンとしようとした瞬間、その女はひらりと躱し、あまつさえ反逆してきやがった。

 なるほど、お前もそっち側の人間かよ。

 オレはなあ……あの姉妹との絡み辺りから宗旨替えしたんだ。

 こっち側の女には躊躇しないってな。

 じゃなけりゃ死ぬ。もうね、世界は変わらず前世と一緒……とかいう幻想、今のオレには無いんや。

 そんな普通の日本っぽい「ガワ」のファンタジー世界じゃここはっ!

 

 かと言って全力の本気は出せなかったが、オレはカレー女と派手なバトルを噛まし、当然周囲に人が集まった所で無想転生で逃亡した。きちんと荷物も回収してな。

 あ、逃亡じゃない。戦略的撤退である(大本営発表)

 

 まあ逃げる際にな、「凶悪なシスターに殺されるぅ! 誰か助けて~!」って大声で叫んだからな。

 そしたらギャラリーが「ざわ……ざわ……」ってなってたわ。

 その後どうなったんだろうなあ?(ゲス顔)

 

 まあそうして面倒もあったが、オレは無事にさらに西へと向かった。

 次の目的地はパリだ。

 イタリアの食文化や芸術に触れたんだ。

 なら同じく芸能や食の歴史があるフランスは外せないだろ。

 地続きで移動が楽だし。

 

 けど流石に人目があるルートは取れない。

 なんでローマから北上してトリノを経由してさらに北に。

 綺麗な山を眺めながら森の中を移動したんだ。

 

 そしたらお前……何をどう間違ったのか、到着したのがルーマニア。

 どこだよルーマニアって。

 あれか、ドラキュラのとこか?

 

 まあでも街並みとかは綺麗だしな。

 丁度その辺で路銀も尽きたしカレーでも作るかなと。

 そしたら変な戦いに巻き込まれてなぁ……。

 

 いやー廃墟っぽいボロ屋を見つけてな。

 ここで一泊するかーと思ったらさ、変な露出狂の子供に襲われてな。

 最初はお嬢ちゃんこんなんしたらアカンで言うて説得したんよ。

 けどおかあさんおかあさん言いながらお目目グルグルでさ。

 つかそのパンツはあかんやろ……。幼女の癖に変態とかこれもうわかんねぇなぁ?

 

 結局交渉決裂でぼっこぼこにしたわ……。

 戦ってるうちに理解したけどこのメスガキも、冬木のさーばんとみたいな奴だわ……。

 だったらこの士郎、容赦せんッ! ヤベー奴だけどまだ辛うじて人間の例の姉妹は例外だが、さーばんと相手は油断したらダメ。

 

 つか身体に見合わないクソデカナイフで殺しにくるもんで。

 遠慮はいらんよな?

 だからまあ、霧で消えながら奇襲してこようが関係ない。

 

 ここはあえて北斗ではなく南斗でいく。

 南斗白鷺拳、そう仁星の男シュウの使う流派だ。

 何故か。向こうが霧に紛れて戦うのならシュウほど適切な男はいないのだ。

 

 何せ彼は視力がない。

 その上で五感を研ぎ澄ませ、見えている以上に周囲を細かに察知する。

 視えない相手とやるなら、これほどに適した男もいないだろう。

 

 そうやって手刀とカウンター的な足技で翻弄し、メスガキをわからせた所で乱入してきたのが全身革のバイカーファッションのオッサンに平たい胸族のガイジンの女。

 なんか「お前、協会からの応援か?」みたいな事を言ってるから、適当に話を合わせてたら赤の陣営? とかいう連中の仲間になっていた……どういうことなの……。

 

 まあその後色々あったが、胡散臭い奴がいたんだ。

 シロウ・コトミネとかいう白髪で浅黒い肌の青年。

 赤の陣営にいたんだが、聞けば言峰神父の養子だとかなんとか。

 既に死んでるから今はここにいるとか。

 へえ……そうなんだぁ……。

 

 セイバーの聖属性攻撃で昇天したから確かにあの胡散臭い男は死んでいる。

 横で見てたしな。

 けどさ、こんなデカい養子がいたらあの騒動の中で出てこないって変だよなあ?

 聖堂教会がいらん事したつって、遠坂がブチ切れて、教会のお偉いさんに抗議してたしさ。

 

 そりゃそうだ。

 監督役の人間が参加しながら場を引っ掻き回したんだ。

 ルール的にもアウトやろ。

 なので聖杯をどうするかって事でロンドンから前回の勝者がやってきて色々調査とかしたんだけど、その際に教会も大量に人を送って来たっていうし。

 まあ協会と教会、本来は相いれない組織っていうし。

 

 とは言えこの顛末もさ、イリヤ姉との定期連絡で聞いた話でしかないけど。

 関東に居た時は毎週電話してたしな。

 その辺突っ込んでたら横にいたおばさんに逆ギレされて草生えたわ。

 まあなんだかよくわからないが、クソみたいな一族がヤベー事をしてるみたいで、それをどうにかするために赤の陣営はいるらしい。

 なんにせよこれが本来の聖杯戦争ってやつかーって漸く理解したわな。

 

 冬木のアレはまあ……よくわからん間に終わっちまったし。

 結局、赤だの黒だの言ってるけど、どうやら遠坂の留学先と悪の魔術師の対立みたい。

 バイカーおじさんが色々言ってたけどポカンですわ……。

 まあ結局、なんやかや言ってる間におじさんとははぐれちまい、襲ってきた連中を返り討ちにしていたら全部終わってたわ……。

 

 途中で変なガキを拾ってな。

 金髪女と一緒に。

 こいつもイリヤ姉と同じくホモなんとかみたい。

 なんや心臓貰ったからちょっと丈夫になった言うてたけども。

 なんでせっかく知り合ったしってんで、健康になる秘孔をあらかた突いておいたわ。

 なんか力がモリモリ沸いてくるって大騒ぎしてたわ。横のパツキンもほっこりして……いやまて、野獣の眼光で見てないか? よそう、余計な詮索は……。

 

 まあそうして静かになった街で無事露店を出して終了。

 ちなみにさー両軍入り乱れてた時に、顔が白い幸薄そうな全身タイツのニーチャンがいてさ。

 ちょうど腹減ってカレー作ってたら、じーっとみてくるわけ。

 

 あれだな。

 腹減ってるときにカレーの匂いは麻薬よな。

 食うか? 言うたらうんうん言うてはるから。

 山盛りにしてやったらにっこにこで草ですわ。

 あのニーチャン無事だろうか? また会ったら食わしてやるかね。

 

 それでまあ……当初の目的であるパリに向かうわな。

 そもそもさールーマニアってな、元々いたイタリアより東なんだよな。

 トリノから西に向かったはずが東に行っていたというマヌケさに涙もでねえよ……。

 

 そしたら例のおっさんは流石賞金稼ぎを生業としているだけあってさ、西に向かう後ろ暗いトラックに渡りを付けてくれて、オレは無事に荷台に積まれてフランス入りした…………と、思うじゃん?

 

 オッサンさぁ……ついたら運転手が教えてくれるからそれまで勝手に外出るなよとかいう訳。

 ほらきっとね、バレたらヤベー何かを積荷にしてんだろ。

 こっちはもうね、密入国常習者だからさ、うんうんわかるよ、いう事聞くよって感じよ。

 

 そしたらお前、おいガキついたぜって起こされたらさードーバー海峡渡ってんじゃんアゼルバイジャン……。

 世界最高のメシマズの国、ゆないてっどきんぐだむにいたわ。

 しかもなんかこう……古臭い建物の倉庫みたいなとこでさ。

 

 なんじゃコレ思ってたら、変なオッサン連中に囲まれてなあ……。

 なんとここが時計塔らしい。

 聞けばあのバイカーおっさんの仕業よ。

 事情聴取的な。

 

 逃亡ではあっても、過酷な旅路を続けて成長したこの士郎の目をもってしてもオッサンの策略は見抜けなかったわ……。

 

 

 後半へつづく

 

*1
*1 シェンムー イキカエレイキカエレ…




コロナ渦でバタバタしてきた1年前後 空の境界編、つまり前話の続きのテキストがどこかに消えていました。
怒りに打ち震えるも、プロットから無い訳で、当時のテンションで続き掛けなくなりました。

結果、色々すっとばして、なんやかやあってFGO編に突入です。

続きは1週間以内。
 
ぶっちゃけ全部かけてるけど、思いついたら加筆を繰り返した結果、あちこち手直しと推敲が必須なので、もう暫くお待ち下さい。
おそらく1週間以内には後編だします。

粗品程度の作品なんでお願いします(;・∀・)
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