彼らは今までセクロス以外なにしてたの?というお話。
名前並んでも、久しぶりすぎて何こいつらって感ありますからね。
(というか登場時も別に名前出してなかった!)
書き終わってみるとグロい話になったので、ご注意ください。
■“闘鬼”ゼロ
(王都事変の数日後)
八本指、警備部門の長、“闘鬼”ゼロ……か。
最高の精鋭、アダマンタイト級冒険者に比肩する六腕……。
ははは……笑わせるよな。
もう、ずいぶん昔の話に思えるぜ。
いや、昔だったことにしたいんだ……なにもかもよ。
最初の失敗は、あのクソ王子への顔見せにコッコドールの裏娼館に行ったことだな。
胸糞悪ぃ店だから、いつもサキュロントの野郎に任せてたのによ。
王族と顔をつないどきゃ、将来の戦士長もありうるなんて、アホらしい皮算用してたのさ。
密輸部門と麻薬部門――特にあのヒルマが来ないってのを、もっと真剣に考えてりゃ……あんな地獄を見ず、味わうこともなく済んだんだろうぜ。
畜生、あいつらは賢かったよ!
……そして俺はバカだった。
油断も慢心もねぇとかうそぶいて、しっかり調子に乗ってたんだ。
クソ王子――バルブロは、本当にクズでな。
愛馬にも娼婦をあてがってやるとか言って、まだ見れる娼婦に馬の相手をさせやがった。
裏娼館の中に無理矢理、馬を引っ張り込んできやがったんだぜ?
アホだろ。
女を抱かせてやれって言われたコッコドールが、なんとか説得しようとしてたんだが。突き抜けたバカは、どうしようもねぇ。ガキといっしょで、反対されりゃ駄々こねるんだよ。
呼ばれた馬丁なんて、泣きそうだったぜ。
王城付きの、ちゃんとした馬丁だったろうにな。
あの夜、あんなことに付き合わされたせいであんな……うげぇっ。
す、すまねぇ。
思い出すだけで吐き気が……。
あれが次の王だってんなら、この国は長くねぇなって思ったよ。
思った時点で、さっさと出て行きゃよかったのに……。
クソッ!
ああ、そんなわけで俺たちゃ呆れて、クソ王子のご機嫌取りはやめたんだ。
傍にいちゃ、何を命令されるかわかったもんじゃねぇ。
部屋の外で警護しとくっつって、離れといたよ。
ロビーじゃ他部門の似たような連中が、たむろしてた。王子のおつきもいたから、あからさまに陰口を言えなかったが……まあ、目を合わせりゃわかる。そいつらも含めてみんな、言いたいことありげな顔してたぜ。
きっと裏娼館まで来る道中も、クソ王子はろくでもねぇ命令してやがったんだろうさ。
さっさと黒粉で薬漬けにしちまわねぇとなって、みんな目で言っててよ。頷き合ったりもしたんだ。
そうして、俺たちがロビーに来てすぐ……クレマンティーヌさんが来たんだ。
正面から堂々と入って来たもんでな、てっきり他部門の伝令かと思ったよ。
あの人は、一瞬で転移したみてぇにロビーの奥まで踏み込んでな。
次の瞬間にゃ、ほぼ全員が倒れた。
いや死んでねぇんだ。
全員、しっかり顎を砕かれ、頭揺らされて気絶したのさ。
あいつらも俺らも、あれで死ねてりゃよかったのにな……。
俺?
ああ、俺もやられたが……首の筋肉のおかげで、意識は刈り取られなかった。今ならわかるが、ザコだけ無力化するよう、手加減してくれてたんだろうさ。
ペシュリアンは全身甲冑で攻撃されず。
サキュロントとマルムヴィストは扉が開いた時、いつもの習慣で物陰に入ってた。
エドストレームは……あの場じゃ唯一の女で、あの格好だ。娼婦と思われたんだろな。
問題はデイバーノックだった。あいつ、クレマンティーヌさんを見た途端……寝返ったんだよ。自分より格上のアンデッドだって、さっさと気づいたらしい。
全員倒れた後で気づいたが、入り口に……入り口に……ニニャさんも、い、いた。
お、おう、わ、わ、悪い。
あの人を、思い出すと、震えが、と、止まらねぇんだ。
酒か、あ、ありがてぇ。
……ぷはぁ。
そ、そう。
そんで、デイバーノックが寝返っても、5人いるから勝てるって思ったんだよな。
ああ、身の程知らずはしっかり教えられたよ。
俺たちも、あいつに倣ってさっさと土下座でもしときゃよかったんだ……本当にあの夜についちゃ、後悔しかねぇよ。あの日の俺に会えるなら、裏娼館に行かないようにするためだけでも……ぶちのめしてぇ。
お、おい、それを聞くのかよ……クソ、まあいいさ。
アンタしか今の俺たちに、仲間はいねぇんだからよ。
あの冒険者どもか?
あ、あれはお前、ニニャさんの仲間だぞ。
下手なこと言って、ニニャさんに目をつけられたら……。
あ、ああ……大丈夫だ。
そりゃ直接戦えば勝てるかもしれねぇ。
でもダメだ、ニニャさんの前に立つなんてできねぇ。
クレマンティーヌさんの拷問は正直、俺たちもよくやるような、やられる覚悟もある類だったさ。そりゃ痛そうだなって思うがそれだけだ。修行の中でも、似たような目にあう機会なんざ、いくらでもある。アンタだってわかるだろ?
けどよ、ニニャさんのは違うんだよ。
後で話、聞いてわかったけどよ。
あの人、姉が連れ去られてからずっと、貴族をどう痛めつけるかばっか考えてたんだぜ。
拷問を実践してるだけの奴と、考え方も在り様も違うんだよ。
ほ、本気で苦しめに、いや壊しに……あああ、思い出したくねぇ!
忘れてぇ!
頼むから、他の奴に聞いてくれよブレイン!
■“踊る
(ツアー来訪中の頃)
はぁ? 男はもうこれ以上、面倒見切れないんだけど?
え、違う?
はぁ、前にゼロとそんな話したんだ。それであたしに?
まあ、デイバーノックは、カジットとかいう
ゼロ以外の三人だって、言いたくないでしょうし……。
え? あたしは、たいしたことされてないもの。
そりゃ、クレマンティーヌさんに手の爪全部剥がされたりしたけどね。
十分に拷問だって?
そうね……普通だとそうなんだけど。
この村に連れて来られたら、すぐエンリさんが治してくれたわ。
もう跡もないし、次の日にはあなたと模擬戦だってしてたでしょ? あいつらは寝込んでたけどね。
ニニャさんは……あたしが女だからって理由で、見逃してくれたの。本当、あれほど女に生まれてよかったって思うことはないわ。
他の連中を横で見てたら……うん、ラクさせてもらって悪いなって気分よ。
夜にあいつら四人の相手してやってるのも、アレを見た同情みたいなものね。
心の傷が深すぎて、あたしがいないとダメになっちゃったもの。
満更でもなさそう?
そうね。
前と違って、泣きついてきてる子供みたいなものだし。
あっ、あいつらには言わないでよ?
あたしに借りを作ってると思ってくれなきゃ困るわ。
ともあれ、あたしたちはクレマンティーヌさんにあっさり倒されてね。
武装解除されて、ニニャさんとデイバーノックに見張られてたの。
大量の護衛と付き人が全員動けなくなるトコ、しっかり見せられたのよ。
おかげで歯向かっても無駄って、よーくわかったわ。
あたしもニニャさんの拷問っていうか……虐待をちょっと見たら、さっさと知ってること吐いて。クレマンティーヌさんの拷問からも解放された。だから後は、見てただけよ。見るに堪えない地獄だったけれどね。
ええ、拷問なんかじゃないわ。
ひたすら痛めつけてたの。
えっ? どんなことしてたか聞きたいって?
やめた方がいいと思うけど……。
とりあえず、クソ王子と貴族どもは、八本指の男連中に輪姦されたわ。
貴族連中は顎も砕かれなかったから、盛大に悲鳴をあげてたわよ。
コッコドール――奴隷部門の長も並べられてたっけ。
ええ、ゼロたちもさせられたの。
あの四人はみんなして第一王子様の穴兄弟ってこと。
知ってる? 王子っても美少年でも美形でもないのよ。
中身はガキで、体はゴリラ。そいつを無理やり掘らされるの。他の貴族もろくなもんじゃないわ。そいつらを、無理やり掘らされるわけ。
しかもナニにフォークやらヤスリやら、添え木されるのよ。
そんなので……するから、貴族連中は尻から盛大に血を噴き出してた。
もちろん、する方だって嫌がってたのよ。
ゼロなんて特にそうね。で、あんまり歯向かうから、ニニャさんにお尻からスティレットねじこまれて。無理やり芯入りにされてたわ。そんなの見たら、嫌でもするしかないじゃない。
おかげで、ゼロは今でもあたしを抱きながら最中に思い出して、悲鳴上げながら泣きだしちゃうのよ。
そんなわけで掘られて裂けて流し込まれて……貴族連中は次々とまあ……尻から本来出るモノを出しちゃうじゃない?
そしたらニニャさん、向きを変えさせて……臭いから食えって言うのよ。
吐いたら、それも食わされるし。
途中で気絶した下っ端なんか、あっさり
その後で、いろいろ出した後の穴を舐めさせられたりもしてた……。
他にも、男の人が聞きたくないこと、いろいろさせてたわ。
普通の拷問でするようなことも、並行してやってたし。
実際、途中で壊れて、頭がおかしくなってる奴もいたわよ。
聞いてて気分悪くなってきたでしょ?
実際にやらされたあいつらは、そりゃ思い出したくもないわよ。
アンデッドのデイバーノックにも同情されてたんだもの。
とはいえ、あいつがクレマンティーヌさんに陳情してくれたおかげで、それでもゼロ達はまだマシだったんだけど……。
ニニャさん、仕上げは貴族連中の広がった穴に〈
人が一撃で死ぬような呪文じゃないけど……尻の中に打ち込まれたらどうなるかわかる?
腹の中が焼けて溶けて、延々ともがき苦しむの。
丁寧に、打ち込んだ後は栓までしてた。
見てるだけで、あたし自身の指の痛みなんて、忘れるほどだったわ。
悲鳴のあげすぎ、吐きすぎで潰れた喉から、一斉に殺してくれって叫ぶのよ。
貴族連中全員、ニニャさんに土下座しながら殺してくれって懇願するの。
ニニャさんの姉さんを、馬でアレしようとしてた王子はどうなったかわかる?
馬は出す量多いからね、女を犯させて見世物にする時だって……出す寸前に、調教師が抜くものよ。
中であんなの出されたら、腹が破裂するわ。
そう、王子は愛馬に中出しされたせいで臓腑を破裂させて……貴族連中以上にもがき苦しんでたわ。
それを見てるニニャさんの顔がね……うん、あれはあたしも、夢に見る。
それ以上に他の四人が、毎晩誰かしら悲鳴あげて飛び起きてるけどね……。
とにかく怖いのよ。
クレマンティーヌさんの強さとか、女神様の凄さとは違って。
ニニャさんは、とにかく怖いの。
頭の中にある責めを躊躇なく、嬉々として実行するのよ。
クレマンティーヌさんみたいに“喜ぶ”んじゃないの。
“嬉しい”って顔で、際限なく心の底まで痛めつけるのよ。
一晩で何人にしてたかわかる?
合計したら100人近くいたのよ?
それを念入りに全員、ニニャさんは一晩中素早く動き続けて……!
犯罪組織にいたから……拷問なんて見慣れてるつもりだったけど。
あんなのは見たことなかった。
違うわね……行為の結果だけなら似たようなのも知ってる。
でも普通、拷問って作業よ?
淡々と、する側がおかしくならないようセーブしてするものよ?
たまにおかしい奴もいるけど、そういうのはやりすぎてすぐ殺しちゃうじゃない。
あの裏娼館で最後に“使い潰す”時も、そういうのにあてがってたそうだし……。
なのにニニャさんは……念入りに苦しめて壊すのを“嬉しい”って感じるのよ。
愉しいとか、欲を満たすとか、そんなのじゃないの。
止まらずに殺さず痛めつけることを……悪意をぶつけ続けることを、嬉々としてできるの。
それが本当に怖い……。
明け方、クレマンティーヌさんがトドメを刺して、全員
全員、クレマンティーヌさんに感謝してた。
あのまま放置してたら、まだ一日か……悪くすると数日、もがき苦しんで死ぬんだから。
王都でのその後は……先日からいるリグリットとかいうお婆さんに聞いたんじゃない?
■“幻魔”サキュロント
(モモンガとツアーの会談翌日)
ブレインさん、俺たちもやっとここから離れる算段が出てきましたよ。
ととと、違いますって!
脱走とか怖いコト言わないでくださいよ!
に、ニニャさんに聞かれたらどうしてくれんですか!
デイバーノックを通じて、八本指の残りの情報を売れるトコに売るだけですよ!
女神様は、帝国の皇帝陛下と懇意にしてらっしゃるんでしょう?
そうそう。
帝都や皇帝をずいぶんと褒めてらっしゃったじゃないですか。
連れてきたワーカーとも、ちと話をしましてね。
ええ、あのヘッケランって戦士です。
なかなか世慣れた奴で、こっちの事情を話したら、相談に乗ってくれたんですよ。
デイバーノックは、ニグンさんからも信用されてますし。
俺たちの残ってる手札は、古巣の情報くらいですからね。
帝国にゃ、そこそこ末端組織も……おっと、これ以上はさすがに言えませんや。
その対処に俺たちを売り込もうってことでさ。
クレマンティーヌさんはまだ、王国内の掃除もあるでしょうし。
事情をわかってる俺たちが行った方が、仕事もしやすいはずでさ。
なんでこんな話をって?
そりゃ、ブレインさんもどうですかって話で。
アンデッドがいりゃ、この村に俺たちみたいな戦士はいらんでしょう。
特に俺は対人特化で、魔獣なんかの相手じゃ三流もいいとこですからね。
村人の訓練だって、ペテルやヘッケランで十分でしょう。
集団戦術なら、ニグンさんがいりゃいい。
実質、農作業以外じゃブレインさんの修行相手してるばっかでしたからね。
俺たち、この村じゃあんまり役に立ってないじゃないっすか。
そうですか。
いや、ブレインさんが来てくれりゃ心強いと思いましたが。
確かに御前試合での因縁も解決してませんでしたっけ。
俺たち五人で行くつもりで、動いときますよ。
ブレインさんが心変わりする時にゃ、帝国四騎士が九騎士になってるかもしれませんがね。
はは……。
わかってますよ。
よっぽどうまくいかなきゃ、そもそも帝都に送り出してもらえないのは。
けど……こうして妄想でも前向きに考えてないと……。に、ニニャさんが同じ村にいるって思うだけで……壊れちまいそうなんですよ。
俺たち……限界なんです。
いっそアンデッドに変えてもらったら、ラクになれるんじゃないかってくらいで。
マルムヴィストなんざ、時々真剣な顔で毒を見てますしね。
俺だって毒を持ってるあいつを、羨ましいって思ったりもするんです。いざって時の逃げ道があるんですからね……。
ニニャさんの目がなきゃ、俺たちゃ生きてても酒に溺れるか……もっとヤバイ薬に手を出して、逃げ出してたでしょうよ。
実際、エドストレームに慰めてもらって、甘えてますし……。
と、とにかく、村に残るならニニャさんを怒らせちゃいけませんぜ。
エンリさんなら一思いに殺してくれるし。
クレマンティーヌさんなら、痛いだけで済みますからね……。
六腕の皆さんがどう過ごしてたか……という話を書き始めたはずが。
ニニャさんがいかに恐ろしいかという話になってしまった……。
六腕のトラウマ。
こんな話を聞かされたブレインさんも、ニニャさんを恐れ始めます。
恐怖は……伝染する……!
共通のトラウマゆえに、六腕の四人は原作八本指幹部のようなシンパシーを持ってます。
まあうなされたり、自殺を考えたりする程度ですから、原作恐怖公のアレに比べれば軽傷です。ニニャさんは常時見張るような手段も持ってませんしね。
クレマン先輩も、後輩の拷問について、ぽかーんと見てました。
ベクトルが違うので真似しようとは思いませんが、先輩ながらニニャさんには一定のリスペクトを抱いてます。
原作アインズさんが隠蔽の指輪を外した途端、フォーサイトがやべぇ!ってなってましたから、ナシだと圧倒的強者のオーラはだだ漏れなんだろうなと思ってます。
本作クレマンと同じアンデッドのデイバーノックさんは、アンデッド本能的にヤバすぎる!といち早く察知して、寝返りました。クレマンさんとしてもアンデッドを滅ぼさずに捕縛するのめんどくさいし。ガンつけて言うこと聞いてくれなら、そっちの方がラクかなと。
ニニャさんは今、姉から受けて来た虐待を聞いて、まだまだ憎悪を燃やしてます。
アルシェからフルト家の話聞いて、ヤバイ顔になったりもしてます。
帝国貴族粛清はしないと聞いて、内心で舌打ちしたりもしてます。
(邪神教団狩りするなら、喜んでクレマン先輩についてきました)