「君も、プロライダー試験に合格したのかい」
大きな体育館の男性用更衣室。一人の男が隣の青年に話しかける。
「もちろんさ、君もだろう」
「ああ」
ここはプロの仮面ライダーを目指すものが集う試験会場。試験は先ほど終了し、各々が帰り支度をしているところだ。
先に声をかけた男が名乗る。
「俺は新崎新。よろしくな」
「僕は努井努。こちらこそよろしく」
二人を含めた合格者は今日、体力と知力のテストを突破し、晴れてプロの仮面ライダーとなった。
仮面ライダーとは、別名を仮面騎士と呼ぶ鎧の戦士である。そのアーマーによって強化された肉体は、レスラーに勝る強靭さやスプリンターを凌駕するスピード、そして様々な特殊能力を併せ持つ。
新人にまず与えられるのは、初心者用のカードデッキだ。ライダーへの変身はもちろんのこと、カードによる特殊能力の発動ができる扱いやすいアイテムだ。
プロの仮面ライダーは『ライダーバトル』を行い勝負をすることになっている。
・格闘や特殊能力を駆使し、相手を規定のエリア外に出す
・ダメージ量の蓄積で相手の変身を解除させる
・相手が敗北を認め降参する
のいずれかが勝利条件だ。エリアは試合や大会によって異なる。
彼らプロの仮面ライダーは、このようにライダーシステムを利用したスポーツによって賞金を稼ぐのだ。
一週間後──某市体育館
新崎と努井、それに先日合格したほかのメンバーは再び試験会場に集められた。
ここでプロとして初めての試合が行われるのだ。
仮面ライダーの力を行使できる特設リングが用意されている。変身はこのリングの中でしか適用されないのだ。
今回は16人によるトーナメント方式で試合が進められる。一回戦に出場するため控室に待機する新崎。彼は大会を運営する協会のホームページで対戦相手の情報をチェックしていた。
基本情報を事前に入手することはもちろん認められている。いきなり努井と対決というわけではなさそうだ。
今日の大会で良い成績を残せばランキングの上昇や上位大会への挑戦も見えてくる。
イメージトレーニングを続けていると、試合に呼ばれた。
会場に入ると、歓声が響いた。それなりに観客が入っている。リングに上がると、対戦相手が既にリングで構えていた。
相手は
「「変身」」
デッキをベルトに装着すると、鎧がベルトと同様に自動で装着される。仮面ライダーへの変身が完了した。
新崎が変身を遂げたのはレイヨウの力をもつ仮面ライダーインペラー。
一方、堤はカニの力を持つライダー・シザースに変身。