ゴングと歓声が響き渡り、二人は試合を開始する。
早速二人は勝利の鍵であるカードをそれぞれの召喚機に読み込ませる。
「スピンベント」
インペラーのもとにツインドリル型の武器・ガゼルスタップが飛んでくる。彼はそれを腕に装着し、構えを取った。
「ストライクベント」
シザースは腕に巨大な鋏を装着。そのままインペラーに向かって突っ込んでくる。鋏の攻撃をインペラーはドリルで防御。そしてキックを相手の腹部に叩き込み、ダメージを与える。体制を崩したシザースに、すかさず回し蹴りを喰らわせ、場外方向へと飛ばす。
「ガードベント」
カニの甲羅型の盾を装備し、シザースは次の攻撃に備える。
「アドベント」
モンスターを召喚したインペラーは、シザースを襲わせ、相手が防御姿勢を崩したところでとどめに入る。
「ファイナルベント」
モンスター・ギガゼールを利用したジャンプからの足技・ドライブディバイダーでシザースを場外まで蹴り飛ばした。
「勝負あり! 勝者、新崎新!」
二回戦で仮面ライダーベルデ、三回戦で仮面ライダーガイを倒した新崎は、順調に決勝戦に勝ち上がっていた。決勝での対戦相手は、先日新崎と会話をした努井だった。
リングに上がり、お互い変身する。
「「変身」」
努井は虎の力を有するライダー・タイガに変身し、召喚機である斧を構えた。
素手での対決が不利だと判断したインペラーは、カードでガゼルスタップを召喚し、向かってきたタイガに対抗しようとする。だが、インペラーの不意をついてタイガは召喚機にカードを装填。
「フリーズベント」
突如、インペラーの体が凍結!
スピンベントの効果もなくなってしまう。
「ストライクベント」
そこに畳みかけるように、巨大な爪・デストクローを装備したタイガが走り寄る。
絶体絶命! しかし、インペラーには策があった。
タイガの攻撃で氷結した脚部が削れる。そこにカードをすかさず装填!
「アドベント」
隙を見逃さず、レイヨウ型モンスターのギガゼールを召喚。
タイガはストライクベントで打ち払う、しかしそこに、もう一体のモンスター・メガゼールも出現。
タイガは自身のアドベントで虎型モンスター・デストワイルダーを召喚して戦わせる。
そうしているうちに、オメガゼール、マガゼールとレイヨウ型モンスターは次々に出現。
そう、インペラーのアドベントはレイヨウ型モンスターを複数召喚できるのだ。
モンスターに囲まれ身動きできないタイガに上空からインペラーのファイナルベントが炸裂!
タイガはダメージの蓄積により変身解除に追い込まれた。
「ナイスゲームだったぜ」
新崎は努井の手を取り立ち上がらせる。
試合終了。優勝した新崎は、ささやかな賞金と上位大会への挑戦権を手に入れた。
「俺は勝ち上がって、そして……最強の仮面ライダーになってやる!」
彼はプロの仮面ライダーとしての第一歩を歩み始めたのだった……
金のために。