プロの仮面ライダー   作:晩舞龍

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第二話

 ゴングと歓声が響き渡り、二人は試合を開始する。

 早速二人は勝利の鍵であるカードをそれぞれの召喚機に読み込ませる。

「スピンベント」

 インペラーのもとにツインドリル型の武器・ガゼルスタップが飛んでくる。彼はそれを腕に装着し、構えを取った。

「ストライクベント」

 シザースは腕に巨大な鋏を装着。そのままインペラーに向かって突っ込んでくる。鋏の攻撃をインペラーはドリルで防御。そしてキックを相手の腹部に叩き込み、ダメージを与える。体制を崩したシザースに、すかさず回し蹴りを喰らわせ、場外方向へと飛ばす。

「ガードベント」

 カニの甲羅型の盾を装備し、シザースは次の攻撃に備える。

「アドベント」

 モンスターを召喚したインペラーは、シザースを襲わせ、相手が防御姿勢を崩したところでとどめに入る。

「ファイナルベント」

 モンスター・ギガゼールを利用したジャンプからの足技・ドライブディバイダーでシザースを場外まで蹴り飛ばした。

「勝負あり! 勝者、新崎新!」

 

 

 二回戦で仮面ライダーベルデ、三回戦で仮面ライダーガイを倒した新崎は、順調に決勝戦に勝ち上がっていた。決勝での対戦相手は、先日新崎と会話をした努井だった。

 

 

 リングに上がり、お互い変身する。

「「変身」」

 努井は虎の力を有するライダー・タイガに変身し、召喚機である斧を構えた。

 素手での対決が不利だと判断したインペラーは、カードでガゼルスタップを召喚し、向かってきたタイガに対抗しようとする。だが、インペラーの不意をついてタイガは召喚機にカードを装填。

「フリーズベント」

 突如、インペラーの体が凍結! 

 スピンベントの効果もなくなってしまう。

「ストライクベント」

 そこに畳みかけるように、巨大な爪・デストクローを装備したタイガが走り寄る。

 絶体絶命! しかし、インペラーには策があった。

 タイガの攻撃で氷結した脚部が削れる。そこにカードをすかさず装填! 

「アドベント」

 隙を見逃さず、レイヨウ型モンスターのギガゼールを召喚。

 タイガはストライクベントで打ち払う、しかしそこに、もう一体のモンスター・メガゼールも出現。

 タイガは自身のアドベントで虎型モンスター・デストワイルダーを召喚して戦わせる。

 そうしているうちに、オメガゼール、マガゼールとレイヨウ型モンスターは次々に出現。

 そう、インペラーのアドベントはレイヨウ型モンスターを複数召喚できるのだ。

 モンスターに囲まれ身動きできないタイガに上空からインペラーのファイナルベントが炸裂! 

 タイガはダメージの蓄積により変身解除に追い込まれた。

 

 

「ナイスゲームだったぜ」

 新崎は努井の手を取り立ち上がらせる。

 試合終了。優勝した新崎は、ささやかな賞金と上位大会への挑戦権を手に入れた。

「俺は勝ち上がって、そして……最強の仮面ライダーになってやる!」

 彼はプロの仮面ライダーとしての第一歩を歩み始めたのだった……

 金のために。

 


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