プロの仮面ライダー   作:晩舞龍

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第五話

 伊武は、仮面ライダーギンガと化した新崎の勧誘に失敗。バイクで逃走し、自分の隠れ家に戻っていた。そこには、彼女が開発を行っていたラボから持ち出した機材があふれかえっていた。怪しい光に照らされた機械。ゴミや不気味な色に変色した果実が転がっているそこを通り抜け、伊武は次の準備に取り掛かる。

 

「よっしゃ」

 過去にライダーシステムの研究に携わっていた伊武は、今や追い出され研究費も開発を行う施設も無い。しかし、彼女の手には既に完成していたシステムの試作品があった。

「しょうがない、これで乗り込むか」

 

 

 翌朝。

 日曜日にもかかわらず社員たちが次々に入っていくそこは、国に認可されたライダーバトルシステム開発の最大手『RBSコーポレーション』。

 都心のオフィスビル群に堂々と立つその会社の入り口に、警備を突っ切り物凄い勢いでバイクが突撃する。

「どけどけぇ──っ!!」

 そのままガラス窓をぶち破り、広いエントランスにやってきたのは伊武だった。彼女は開発した試作システムの武器を取り出す。剣の柄部分に銃口が取り付けられたそれを上に向け、発砲。

 ロックの掛けられていないそれは、スポーツとしてのライダーバトル用のパワーの調整が全く行われていない。大きな音とともに、悲鳴と怒号が飛び交う。

 

「いいね。でも、邪魔だからどいてほしいな」

 逃げ惑う人々に銃口を向ける伊武。そこに、警備員が数人現れる。

「取り押さえろ!」

 その掛け声とともに、巻いていたベルトを操作。

「変身!」

 警備員たちはRBSコーポレーションが開発した警備システム・ライオトルーパーに変身する。

 銃剣を構えて、伊武を取り囲む。

「わたしは社長に用事があるんだよ! どけ!」

 トランクの中から取り出されたベルトを装着し、その手には錠前。かたどられたレリーフは……毒林檎。

「変身」

 頭上から降り落ちる巨大な毒林檎が、ライオトルーパー達の攻撃を弾きながら彼女の体のアーマーを形成していく。

 仮面ライダー邪武 ダークネスアームズ。先ほどから使っていた剣・無双セイバーに加えて、短剣・ダーク大橙丸を取り出し、ライオトルーパー達に向かっていく。

 

 

 その戦力差は一目瞭然であった。片や悪用防止のため能力をセーブされたシステム、片や試作品で力を調整されていないモンスターシステム。数人がかりで取り押さえに行ったライオトルーパー達は全員薙ぎ払われ、変身を解除されてしまった。

「じゃあね~」

 そんな彼らを一瞥し、伊武はエレベーターで最上階へ。

 

 

 到着すると、そこには社長のオフィスが広がっている。

「やれやれ。行儀の悪い野犬は始末するしかないな」

「!」

 伊武の頭上からライダーがとびかかる。その弓型武器・ソニックアローによる斬撃を伊武は無双セイバーで受け流した。

「わたしの開発したやつ! 返せよ!」

「こいつは採算が取れない……ですが、戦闘能力はピカイチだ。社長のボディーガードにはピッタリでしょう?」

 そう言って攻撃を仕掛けてくる男は、RBSコーポレーションの社長の秘書兼ボディーガードの竜宮(たつみや)(りゅう)

 伊武がこの会社で開発を行っていたころ、仮面ライダー邪武と共に没になったシステム・仮面ライダータイラント ドラゴンエナジーアームズ。伊武の襲撃を受け、竜宮は変身し待ち構えていたのだ。

 

「社長の元へは行かせません!」

「開発者のわたしにそれで挑むのは失敗だったね。そいつの弱点はわたしが一番知ってる!」

 伊武はダーク大橙丸と無双セイバーを合体し、薙刀モードへ。ドライバーのブレードを下ろし技を発動させる。

「ダークネススパーキング!」

 負けじと竜宮も弓型武器ソニックアローを構え、ドライバーのレバーを引き絞る。

「ドラゴンエナジースパーキング!」

 ぶつかる剣と弓。双方がお互いの武器を弾きあう。その瞬間、伊武はダーク大橙丸を分離。無双セイバーを放り、床に突き刺さったダーク大橙丸をすぐさまつかんでタイラントのボディに突き刺す。

「わたしのほうが一枚上手だったね」

「貴方は……狂ってる」

「発明家には、それ誉め言葉ね」

 変身を解除され血まみれで倒れる竜宮を踏み付け、伊武は社長の元へ向かった。

 

「あのゲネシスドライバーももっと改良したいなぁ」

 そう呟きながら。

 




新規登場人物

邪武 武部伊武
タイラント 竜宮竜

ライオトルーパー 警備員
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