機動戦士ガンダム0081 赤い刃と金の流星   作:T K

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初投稿作品です。ちなみにこの作品は二人で一つの小説を書くという手法を用いているため、少し話が噛み合わなかったり、ブレたりするかもしれませんが、温かい目で見ていただければ幸いです。


第一話 分かたれる力

人の声が聞こえる。

それを音で表すとガヤガヤ、と言ったものが適切だろう。

ここはカテナ基地。

密林の付近に存在するこの基地の格納庫は何やら慌ただしい空気を帯びていた。

現在、一機の改造機、一機の試作機が配備されていた。

その二機の名はリヴァーレと、ズィーガーという名を持っているガンダムタイプの機体だ。

リヴァーレという名のガンダムは白をメインカラーに胴や肩が青といった白き悪魔と恐れられたガンダムを受け継いだようなカラーに所々赤の塗装を施されている。

かたや、その左隣に存在するズィーガーと名付けられたガンダムは黒の塗装を主に、そして両肩を紅色に塗装してある。体格は比較するとリヴァーレより一回り以上も大きくなっている。

 

「トロトロするな、邪魔だっ!」

 

その二機を見上げていた眼鏡をかけた金髪の青年が他機のパイロットであろう男に肩を当てられ、よろめいた。

青年はその勢いで落ちてしまった眼鏡を拾い、再び掛け直す。

青年は整備士の服とキャップをかぶってオドオドとした雰囲気を醸し出していた。

 

「あ、おいリチャード!リチャード・オッド!」

 

リチャードと言うらしい青年は同じ整備士の男に呼び止められると、ビクッと肩を反応させた。

 

「おいおい、何してるんだよこんなところで、お前自分の持ち場はどうした?」

「あ、ぁあ、いえ、この二機がどうにも気になって…」

 

リチャードはリヴァーレとズィーガーの二機を見上げ、それに続いて整備士の男も二機を見上げた。

リチャードが不安そうな顔をしていたのに気づき、男は尋ねた。

 

「なんか変なとこでも見つけたか?」

「い、いえ、そんな大きなことじゃなくて多分大丈夫なんでしょうけど不安で…」

 

もじもじと尻すぼみになりつつもそういうリチャード。

そのハッキリとしない態度に腹をたたせたのか、整備士の男は強くいった。

 

「だったら見てこい!それで気が済むのなら何度でも見てこい!!」

「…は、はいっ!!」

 

男に強く言われ、また肩をびくつかせてリチャードはズィーガーのコックピットブロックへ走っていった。

 

「………くくっ」

 

その去り際にリチャードと呼ばれし青年は口角を吊り上げて軽く、誰にも聞こえないように笑っていた。

 

 

同じ頃、黒髪の青年が格納庫に続く廊下を走っていた。

その青年はぶつぶつと何かを呟いている。焦っているような感じが見てとれた。彼はいわゆるニュータイプであり、その能力故になにかを感じたのだろう。

 

「なんだ、この嫌な感じは…」

 

そう呟きながら格納庫に走り込む、連邦の軍服を見にまとった青年、レイ・カトルフ。

レイが格納庫を見渡すと、あるところで目が止まった。

 

「…!!」

 

そこにはリヴァーレとズィーガーそれぞれのコックピットブロックへとほぼ同時に向かっている二人の人間。

服装から整備士と分かるのだが、レイの感じる嫌な感覚は、彼らが怪しいと騒ぎたてている。

レイは咄嗟にリヴァーレの方向へと駆けた。

リヴァーレに近づこうとしていた整備士がちょうどコックピット手前に着いた所でレイも整備士に追い付く。

 

「…っ、はっ…はぁっ…!」

 

息も絶え絶えになり、肩で息をしながらレイは整備士を見る。

その整備士は遠くからは分からなかったが性は女性で、十代後半辺りの顔つきをしており、ライトグリーンの髪と目をしていた。それは彼が覚えているリヴァーレの整備士リストにはない顔であった。レイの疑惑は確信へと変わった。

女性整備士は急にレイが走りよってきたことに驚いたのか、目を大きく見開き、コックピットに触れようとしたままで固まっている。

 

知らぬ人間がリヴァーレに触れようとしている

 

その光景を見た途端、レイの中に抑えられない感情が流れ、間もなく溢れだした。

 

「貴様っ!リヴァーレから離れろ!」

 

怒りと言う名の感情に身をまかせたまま叫ぶレイ。

 

「え!?あ、ぁあ!もう!」

 

整備士はというと、レイの怒号に一瞬肩を浮かせて反応すると、何処からか小型のナイフを取りだしレイに向ける。

ナイフを向けられるという明確な敵意を表現されたことにより、レイの怒りが更に増幅された。

 

「オリャッ!!」

 

整備士はあまりこういう場合の緊急時の訓練を受けていなかったのか、それとも油断をしていたことにより動揺しているのか、間の抜けた掛け声と共にあまり速くもないナイフによる攻撃をする、という愚を行った。

 

「…っ!!」

 

整備士が放った突きはレイに当たることなどなく、軽くかわされ――

 

「…えっ!?ウソ!?」

 

突きが空を切った途端、整備士は驚きの声をあげ、レイがその突きを放った腕を掴む。

そして――

 

「はああっ!!」

 

そのまま、背負い投げを行った。整備士は背中から床に叩きつけられ、鈍い音が響く。

レイには類いまれなる近接格闘術の才能があり、その前ではナイフ等による咄嗟の対応などは意味を持たない。

その後、そのまま拘束に掛かろうとしたレイ。

だが、今度驚くのはレイの番であった。

 

「いったぁぁああ!!」

「…なっ!?」

 

拘束の為に投げ飛ばした相手に近づいた途端、その相手から衝撃を受けた痛みを知らせる、それなりに余裕のある声が発せられた。

その声を聞いたレイは、

「(この女、鋼鉄で出来てるのか!?)」

とわりと本気で思った。

だが、実際そんなわけはなく、見てくれは生身の人間そのものだった。

レイは自分の近接格闘術には自信があり、先程のように綺麗に技が決まれば、最低でも気を失ってくれると思っていた。それは決してレイの力の過信などではなかった。

それ故にこの女の頑丈さにレイは驚愕したのだった。

我に帰ったレイはなんとか拘束を行おうとする。だが、それは又も妨げられた。

女が起き上がった訳ではない。

実はナイフをもう一本持っており、それで刺されたという訳でもない。

レイは拘束を行おうとした体を止め、その方向を見た。

その顔には驚愕の色があった。そこには――

 

動き出す黒いガンダム、ズィーガー。

ズィーガーは目を金色に光らせ、起動が完了していることを知らせている。

 

周りのパイロット、基地役員、整備士等の人々は

「な、なんだ!?」「なぜ動いてる!?」

「誰が乗っている!」「止めろ!!」

と口々に動揺を露にした。

それを見たレイは「くそっ!」と自分に悪態をつく。

最初に見かけた整備士は二人、ここにいる奴がリヴァーレに、そしてもう一人はズィーガーへ向かったのだ。

レイはそれを理解していた。

だが、この女に気を取られてしまっていた。

そう思った瞬間、今度はズィーガーに気を取られ、拘束の手が緩んでしまっていたのか、レイの拘束を女は振りほどいた。

 

「…しまっ!」

 

そう声に発した時には遅く、女は走り出しており、

 

『乗れっ!じゃじゃ馬娘!!』

 

そうスピーカーから発された声の発信源、ズィーガーのコックピットへ飛び乗った。

コックピットハッチを閉じるズィーガーは、近くにあった壁へと進み、サーベルを取りだして切り裂いた。

基地の壁はまるでチーズのように斬り裂かれ、そこから現れた外への道へズィーガーは消えていく。

 

「くそっ!!逃がすかよ!!」

 

それを見終える前に、レイは自分の機体であるリヴァーレのコックピットに飛び乗った。ズィーガーの後を追い、強奪を阻止するために




次回はついにバトルシーンを投稿します。文字数もかなり増えるので、どうぞお楽しみに。
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