「やったぁ! 一番乗り! 皐月だよっ! よろしくな!」
そう言って元気よく敬礼するのは睦月型5番艦・皐月。
輝いているように見える黄金の髪と瞳に紺色のセーラー服がトレードマークの、可愛らしい艦娘だ。
「うん、どうしたの司令官? ボクに何かついてる?」
そう言って首を傾げる皐月。小動物みたいで可愛い。実に可愛いんだが・・・・・・
「地平線・・・・・・地平線なんだよ・・・・・・」
「わっ! どうしたの司令官! ガチ泣きなんかして!」
「皐月ちゃん、提督は涙もろい人なんです」
違うよ。
迷い込んだ桃源郷で望んだ極楽とは違う世界が広がっているから、泣いているんだよ。
「へぇ~可愛いね!」
そう言うと皐月は俺の頭を撫でた。
何だか下に見られている気がするが、ここはガマンして次の艦娘を待とう。
確か皐月は対潜が強いから育てていた。だから出てきたんだ。そうに違いない。
そんな風に考えていると、扉が勢いよく開き、三人目の艦娘が入ってきた。
「長月だ。駆逐艦と侮るなよ。役に立つはずだ」
ビシっと敬礼したのは皐月と同じ紺色のセーラー服を着た少女だった。
新緑を思わせるエメラルドグリーンの長い髪と瞳に、凜々しい顔立ち。
皐月の妹で睦月型駆逐艦8番艦の長月に相違なかった。
「まさか・・・・・・睦月型二連発・・・・・・だと・・・・・・」
「どうした司令官。鳩が豆鉄砲喰らったような顔をして」
怪訝そうに長月は言うと、俺の顔を覗きこんでくる。
う・・・・・・あんまり使って無かったから分からなかったが、長月って凄え整った顔してるな。
少女らしい幼い顔立ちの中に、軍人としての精悍さが隠れていて・・・・・・
「ちょっと待ってくれ! メンバーおかしくないか!?」
6人中3人の面が割れたのに全員、貧乳・貧乳・貧乳じゃねえか!
おっぱい駆逐艦はどうした! 睦月型だったらここは如月だろう!
「何だ、司令官。私では不服か?」
「い、いや長月。そういうわけでは無いんだが・・・・・・」
長月は可愛い。とても可愛い。でも性的にくるモノはないんだよなあ。
「なあ五月雨。もっとこう・・・・・・さ、なんというかさ。そうだ。第十七駆逐隊所属だった艦娘がいるだろう?」
第十七駆逐隊は我が嫁の浜風・浦風。さらに磯風までいる巨乳駆逐艦のゴールデンチームだ。
すなわち、希望である。
頼む。いてくれ。
「ああ、はい! 確かに一人・・・・・・」
そこまで言った五月雨の言葉を遮るように、扉が派手な音を立てて開いた。
飛び込んでくる小さな影。
それはとても時代錯誤な格好をしていた。
編み笠と引き回し合羽を纏い、ご丁寧に脇差しまで腰に挿している。
端的に言えば、木枯らし紋次郎みたいな格好だ。
「第十七駆逐隊と聞いて、参上だぜぇ・・・・・・山椒は小粒でもピリリと辛い・・・・・・第十七駆の一番槍・谷風さんのご推参だぜ!」
芝居がかった口調で谷風はそう言うと、身につけていた江戸装束を勢いよく脱ぎ捨てた。
「・・・・・・・・・・・・」
「おう、どうしたんだい提督? 谷風さんのあまりの格好良さに声も出ないかい?」
「あんまりだ・・・・・・」
俺はその場に崩れ落ちた。
「ど、どうしました提督!」
五月雨が俺の狼狽ぶりに驚いたのか、駆け寄ってくる。
「だってだって・・・・・・普通第十七駆逐隊って言ったら・・・・・・浜風とか浦風とか・・・・・・パイオツカイデーでパイオツカイデーで・・・・・・なのによりによって谷風なんて・・・・・・うわああああ、あんまりだァァァァァァ!!」
「なんでいなんでい! そりゃあまりにも失礼ってもんじゃねえかい! 確かに谷風さんは浜風や浦風みたいにおっぱい大きくないのは確かだけどさ! だからって出会い頭にそんな風にいうなんて酷いじゃあねいかい!」
うっすらと目尻に涙を浮かべながら、谷風は抗議する。
「いや、すまなかったな谷風。俺も悪かった。でも、谷風は自分でそう言うほどじゃないぞ」
なんせゲームでキャラクターは把握しているからな。
「え・・・・・・」
谷風は目を丸くして俺を見上げた。
「元気があって笑顔が可愛くて明るくて・・・・・・とっても魅力的な女の子だ」
「そ、そうかい・・・・・・えへへ・・・・・・」
「だが! それと胸の大きさが暁の水平線であることとは別の問題でぐばっ!」
「かぁーっ! 結局胸かい! 胸なのかい! どうして男って奴は胸の事しか頭にないのかねえ!!」
喋っている途中で谷風に蹴りを入れられた。
少女とは言え、艦娘。威力は中々で俺は激痛を腹部に感じながら床をゴロゴロと転がった。
「司令官、さいてー」
「人として最低の発言だな」
皐月と長月も冷たい視線を向けてくる。
「て、提督。五月雨はむ・・・・・・胸は無いですが提督のお役にたてるように頑張りますからね!」
五月雨だけが俺に駆け寄って抱き起こしてくれた。
「すまないな五月雨」
「いえ、これが私達艦娘の勤めですから」
ええ娘や・・・・・・
思わず頭をポンポンと軽く撫でた。
「むー、何か司令官、五月雨にだけ優しくない?」
「谷風さんとは随分扱いが違うねえ」
「そ、そんなこと無いぞ」
「いえ、そんなことあります」
「うわっ!?」
横から突然、新たな声が聞こえてきた。
咄嗟に飛び退くと、すぐ横にいつの間にか横に不知火がいた。
不知火である。
陽炎型2番艦の。
まるで初めからそこにいたかのように、俺の横に端正な顔立ちのまま、恐ろしい程無表情で立っていた。
「・・・・・・不知火?」
「はい。不知火です」
「・・・・・・いつからそこに?」
「長月が自己紹介をした位からです」
「結構前じゃん」
「はい」
眉一つ動かさず不知火は言った。
「どうして名乗り出なかった?」
「長月が自己紹介していたので次が来るのは待っていましたが、その後すぐに谷風が入ってきたので、出るタイミングを逃しました」
「・・・・・・そうか」
また絡みづらいのが来たな・・・・・・いや、不知火自体は可愛いと思うんだけど。
「これで五人か・・・・・・残るこの鎮守府のメンバーはあと一人だっけ?」
「そうですね」
「・・・・・・・・・・・・」
待て、まだ慌てるときじゃない。
不知火を含めて五人。
全て駆逐艦、且つ巨乳では無い子達が集まった。
そして残りは一人。
さすがに一人くらい巨乳がいるだろう。そうだ。そうに違いない。
「不知火。最後の一人は一緒じゃないのか?」
「はい。ですが間もなく来ると思います」
「そうか、楽しみだなー・・・・・・ちなみにどんな娘なんだ?」
「そうですね、一言で言えば・・・・・・『レディー』ですかね」
「・・・・・・・・・・・・」
脳裏に一瞬、とある艦娘の姿が過ぎった。
が、俺は慌ててそれを打ち消した。
ハハハ、まさかね。
そんな安直なことはないだろう。
きっと最後に真打ちが登場し、その豊満なボディーをここで惜しげも無く晒してくれるはずだ。
すると部屋の外からパタパタと足音が聞こえてきた。その音はどんどんこちらに近づいてくる。
「あ、来たみたいだね」
皐月がのほほんと言った直後、扉が勢いよく開いた。
頼む・・・・・・っ!
最後の一人・・・・・・最後の一人くらい巨乳を・・・・・・おっぱいを! 俺に希望をくれ・・・・・・!
俺が神に祈る中、遂に最後の一人が姿を現わした。
「ようやく来たわね司令官! 暁よ! 一人前のレディーとして扱ってよね!」
入ってきたのはボンキュッボンからは正反対のつるぺたボディの駆逐艦だった。
「・・・・・・そこは・・・・・・」
「あれ、司令官どうしたの?」
「そこは・・・・・・捻ってほしかった・・・・・・!」
レディーの時点で薄々分かったけどさ、安直すぎるよ!
せめて一人くらいは巨乳の子がいたっていいじゃん!
「司令官、大丈夫? あ、暁が何かした?」
「心配するな。似たような事をさっきからずっとやっている」
「見てる分には面白いんだけどねー」
「なんていうかさぁ・・・・・・俗物だねえ」
「弱いのね」
「ああああ、提督! 早く起き上がってください!」
六人の駆逐艦たちに囲まれながら、俺は崩れ落ちた。
こうして俺の巨乳艦娘ハーレム生活の夢は、見事に砕け散ったのだった・・・・・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
こんなの絶対おかしいよ!
これからも自分のペースで書いていきますのでどうかよろしくお願いします
流刑鎮守府の艦娘たちが改二になるか否か
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改二になったほうがいい
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このままでいい