流刑鎮守府異常なし   作:あとん

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後編です。

僕はDB、ピッコロ大魔王編とサイヤ人編が好きですが、映画だとボージャックが一番好きです。


色々ギリギリ! ぶっちぎりの艦娘達

「皐月ーっ! 早く来てくれーっ!!」

 

 俺の絶叫が響き渡る頃、演習場では生き残った流刑鎮守府のメンバーがじりじりと夕立に追い詰められていた。

 

「ま、まさか・・・・・・奴は不死身か・・・・・・?」

 

「そ・・・・・・そんな・・・・・・暁姉さんまで・・・・・・ひどい・・・・・・悪夢だよ・・・・・・」

 

「うふふ、また一人倒したっぽい・・・・・・提督さん、褒めてくれるかな?」

 

 そう言いながら夕立は残りの流刑メンバーをじっと見渡した。次の標的を探しているのかもしれない。

 

「どうするの、長月・・・・・・」

 

「通常の砲撃戦では勝てん・・・・・・一度、白兵戦に持ち込んでみるしか無いな・・・・・・」

 

 不知火と長月は小声で五月雨とグレカーレに聞こえるように言った。

 

「まず不知火が囮になり、その隙に私が夕立の間合いに飛び込む。そして私と不知火で夕立を倒す。そこまで接近してるなら敵も援護射撃は出来んだろう」

 

「で、でも勝てなかったら・・・・・・」

 

「その時は私達ごと撃て。いいな・・・・・・」

 

 長月の言葉に五月雨とグレカーレはコクンと頷いた。

 

「さ、次は誰の番かしら?」

 

 夕立は余裕たっぷりに言いつつも、主砲に弾を装填している。抜け目の無い艦娘である。

 それを確認した直後、不知火は一気に加速した。

 

「いきなり突っ込んできたっぽい!」

 

「何か作戦を考えたようだね」

 

 遠くでコトを見守っていた時雨が呟いた。

 

「はっ!」

 

 不知火はそのまま一直線に夕立の方へ向かって突っ込むと、直前で主砲を眼前の水面に向かって撃ち抜いた。

 

「ぽいっ!?」

 

 目の前で突然水飛沫が上がり、夕立の視界が白い霧に覆われた瞬間であった。

 

「いまだっ!」

 

 不知火を囮にして密かに進んでいた長月が一気に夕立に肉薄した。

 

「よ、よし・・・・・・」

 

 それを見てグレカーレと五月雨が主砲を構え、不知火も迂回しながら夕立に突っ込もうとした瞬間だった。

 

「ぽいっ!」

 

 そんな声と共に、鈍い音が聞こえてきた。

 

「が・・・・・・」

 

 見ると不知火のしなやかな足が、長月の腹部に突き刺さっていた。

 

「なっ・・・・・・」

 

 慌てて不知火がブレーキをかける。

 

「ば、馬鹿な・・・・・・」

 

 長月はそう言いながら、ゆっくりと崩れ落ちていく。

 大破はしていないが、虫の息だ。

 

「・・・・・・ふふふ、計算違いだったね。夕立は白兵戦でにも秀でているのさ」

 

 時雨の言う通り、夕立は一撃で長月をダウンさせた。そしてそのまま長月に主砲を向けていく。

 

「これでまた一人倒したっぽ・・・・・・」

 

「はっ!」

 

 が、直後に不知火の主砲が火を噴き、夕立を側面から襲った。

 

「むっ・・・・・・ぽいぽいぽーいっ!」

 

 しかし流石は夕立、体勢を崩しながらもすぐに不知火へと反撃する。

 

「ぐうっ・・・・・・」

 

 咄嗟に身体を庇い、不知火はそのまま後方へと吹き飛んだ。

 そこへ夕立は主砲を向けた。

 

「これでトドメっぽっ!」

 

「やぁーっ! たぁーっ!」

 

 五月雨がかけ声と共に主砲を放ち、夕立の土手っ腹に直撃した。

 

「ぬぅうううっ・・・・・・これで・・・・・・どうっ!」

 

 すぐに夕立は反撃に移った。主砲を構え、五月雨のいる方へと向けて放っていく。

 

「っ・・・・・・まだまだこれからです!」

 

 だが、五月雨も一気に後方へと引き、夕立の砲撃を紙一重で回避していく。

 

「へえ、動きだけはたいしたもんだ」

 

 それを見た時雨が感嘆の声をあげる。

 

「・・・・・・けど夕立には敵わないな」

 

 が、瞬時に時雨は口角をニヤリと上げた。

 

「きょ、挟叉!」

 

「その通りっぽい!」

 

 砲弾によって挟まれた五月雨に、照準が向かう。

 

「きゃあっ!!」

 

 中破し、後方へと五月雨が吹き飛んでいく。そんな彼女に夕立の主砲が向いた。

 

「これでおしまいっぽい!」

 

「はっ!」

 

 瞬間、背後からそんな声が聞こえると共に、夕立の背中に主砲が被弾した。

 

「ぽ・・・・・・い・・・・・・」

 

 夕立が慌てて振り返ると、そこにはボロボロになりながらも主砲を構えた長月の姿があった。

 

「む・・・・・・もう起きちゃったぽい・・・・・・」

 

「はーはっはっは! 随分と手こずっているようだね、夕立!」

 

「・・・・・・流刑を・・・・・・舐めるなよ・・・・・・」

 

 笑う時雨に拳を握りしめながら長月は言った。だが彼女の決死の攻撃も夕立を倒すまでには至らなかった。

 満身創痍の長月に、同じくボロボロの不知火と五月雨。

 なんとか無事なグレカーレも、夕立のあまりのタフネスっぷりに攻めあぐねている状態であった。

 そんな時。

 

「な、なんだこの気配は・・・・・・」

 

「何となく懐かしい気分・・・・・・近づいてくる・・・・・・」

 

 長月と五月雨が天を仰いだ。

 

「・・・・・・朝潮」

 

「あっ・・・・・・はい、確かにこの海域に機影が一つ、近づいてきます」

 

 何かを感じたらしい時雨も、索敵担当であった朝潮に尋ねた。

 

「成程・・・・・・真打ち登場って訳か・・・・・・」

 

「んんんん・・・・・・確かに感じるっぽい・・・・・・新しい子がここに向かってきてる・・・・・・」

 

 夕立も野生的勘でここに何かが近づいてくることを悟ったらしい。

 そしてにっこりと笑うと、生き残っている流刑メンバーに視線を向けた。

 

「・・・・・・だったらその子が来る前に、皆倒しちゃうっぽい?」

 

 ――ゾクッ!

 

 長月達の背筋に冷たいモノが走った。

 実際、ほとんどが手負いの状態であるがそれでも夕立に勝てるとは思えないのが現状である。

 そんな中、一人だけまだ被弾していないグレカーレは、密かに主砲に弾を入れ始めた。

 

「み、皆さん休んでて・・・・・・皐月さんが来るまでアタシが食い止めるよ・・・・・・皐月さんと力を合わせればきっと夕立さんを倒せると思うから・・・・・・」

 

 グレカーレは最年少でありながら、未だに無傷である自身に後ろめたさを感じていたようであった。 

 五月雨を追い越し、じっくりと前に出て行く。

 

「いくっぽい!」

 

 そして夕立が再び動いた。

 標的は近くにいる長月か。それとも不知火か。否、彼女の次の標的は、五体満足のグレカーレであった。

 

「いくわよっ・・・・・・」

 

 夕立も構えた瞬間であった。

 

「・・・・・・だっ!」

 

 グレカーレは瞬時に、横へとずれると、自身に向けられた狙いをずらした。

 そして夕立の初弾を回避すると、そのまま主砲を砲撃のあった方向へと放った。

 

「ぽ、ぽいっ!?」

 

 夕立もそれを見て避けようとした。が、回避しようと動いた方向へとグレカーレは放っていたのである。

 これには夕立も予想外であったのか、被弾してそのまま体勢を崩した。

 

「ちゅ、中破だ・・・・・・」

 

 遂に夕立を中破まで追い込んだのである。

 だがその代償はあまりにも大きかった。

 

「・・・・・・ぽい。これまでよ・・・・・・」

 

 すぐに体勢を立て直した夕立はその真紅の瞳を、真っ直ぐにグレカーレに向けた。

 

「あ、ああ・・・・・・」

 

 まるで蛇に睨まれた蛙のようになってしまったグレカーレに、夕立は狙いを定めた。

 

「ソロモンの悪夢・・・・・・見せたげるっ!」

 

 主砲一閃。

 直近にいたグレカーレは避けられない。はずだった。

 両手で己を庇うように丸まったグレカーレだったが、その視界に一瞬だけ影が現れた。

 

「え・・・・・・」

 

 グレカーレを庇った小さな影。その正体を理解した直後に、閃光が視界を覆い尽くした。

 

「不知火さんっ・・・・・・」

 

 耳をつんざくような爆音が響き、当たりが黒煙に包まれた。

 やがてその煙が晴れていくと、そこには満身創痍の不知火の姿があった。

 

「・・・・・・に、逃げなさい・・・・・・グレカーレ・・・・・・」

 

 絞り出すように言うと、不知火は崩れ落ちた。

 

「し、不知火さん・・・・・・あ、あたしを庇って・・・・・・な、なんで・・・・・・」

 

「に、にげろと言ったでしょう・・・・・・い、一旦、体勢を立て直すのよ・・・・・・早く・・・・・・なさい」

 

 不知火は大破した状態で虫の息であった。

 

「な、情けない話だわ・・・・・・貴方を、か、庇って負けるなんて・・・・・・でもね、グレカーレ・・・・・・鎮守府で貴方と馬鹿をやるのは、不思議と心地が良かった・・・・・・」

 

「し、不知火さん、しゃべらないで・・・・・・もうすぐ皐月さんが来てくれるよ・・・・・・」

 

 必死でそういうグレカーレに、不知火はふっと優しく微笑んだ。

 

「貴方と過ごした数ヶ月・・・・・・わ・・・・・・悪く無かったわ・・・・・・」

 

「不知火さん・・・・・・」

 

「負けないで・・・・・・グレ・・・・・・カーレ・・・・・・」

 

 そこまで言って、不知火はガクンと頭を垂れた。

 

「うわぁああああああああああああああああああああっ!!」

 

 悲しみに満ちた絶叫が海域に響いた。

 悲痛な叫び声をあげたグレカーレは、涙の溜まった両目で夕立を睨むと主砲を彼女へと向けた。

 

「Fuocoーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

 

 凄まじい轟音と共に、一筋の閃光が夕立へと迫った。

 

「うおおおおおおおおおっ、ぽいっ!!」

 

 が、夕立はその砲撃を右手に力を込めて思いっきり弾き飛ばした。

 

「・・・・・・ぽい。凄い攻撃だったぽい・・・・・・ちょっと腕が痺れちゃった・・・・・・」

 

 震える右手を庇いながら、夕立は不敵に笑った。

 

「そ、そんな・・・・・・グレカーレちゃんの全てを込めた一撃だったのに・・・・・・」

 

「つ、強い・・・・・・あまりにも強すぎる・・・・・・」

 

 五月雨と長月も戦慄する中、グレカーレはその場でへなへなと尻餅をついた。

 

「・・・・・・ゴメン、不知火さん。カタキ、とれなかった・・・・・・」

 

 もはや立ち上がる気力も無いのか、グレカーレは諦めたような笑顔を見せる。

 そんな彼女の頭上で、夕立は主砲をゆっくりと向けていく。

 

「これでまた一人、撃墜っぽい!」

 

 夕立の指が引き金を引こうとした瞬間であった。

 

「・・・・・・ぽい?」

 

 夕立が何かに気づいたように上を向いた。

 孤島鎮守府のメンバーも何かに気が付いたのか、しきりに周囲を見渡している。

 瞬間、水平線の彼方から一筋の光が現れ、一気に夕立へと肉薄した。

 

「ぽいっ!」

 

「遂に現れたね・・・・・・」

 

 現れた一つの影。

 それは流刑鎮守府の皆が待ち望んだ艦娘であった。

 

「皐月・・・・・・」

 

 怒りで拳を振るわせながら黄金の髪を靡かせて、一人の艦娘が戦場に現れた。

 

「ぽい、わざわざ何をしに来たっぽい? まさか夕立達を倒すためなどという下らんジョークをいいにきたんじゃないでしょう?」

 

 夕立はそう言ったが、皐月はそれを無視すると倒れている不知火へと手を伸ばした。

 

「不知火・・・・・・」

 

「不知火さんはあたしを庇って、やられたんだよ・・・・・・」

 

 皐月は不知火の状態を確認すると、その視線をゆっくりと移していく。

 

「暁・・・・・・」

 

 力尽き倒れた暁の姿、そしてさらに皐月の視線は奥へと動いていく。

 

「た、谷風・・・・・・」

 

「へっへっへ・・・・・・皆、リタイアしてショックですか? そういえばもう一人、夕雲型がいましたねぇ!」

 

「あんた・・・・・・いい加減にしないと、色んな方面から本気で怒られるわよ・・・・・・」

 

 悪ノリが過ぎる漣を曙が窘める中、皐月は夕立を鋭い視線で睨み付けた。

 

「そうか、清霜まで……ゆるさんぞ・・・・・・きさまら~っ!!」

 

 皐月の静かな怒りが爆発する。

 今、正に。

 流刑鎮守府の大逆襲が始まろうとしていた!

 

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 

「という訳で演習お疲れ様! かんぱーいっ!」

 

『かんぱーいっ!!』

 

 俺の乾杯の音頭に駆逐艦達が・・・・・・正確に言うと流刑鎮守府のメンバーと孤島鎮守府の漣、夕立、雷といったノリのいい艦娘が杯を重ねた。

 

「ちょ、ちょっと何でいきなり仕切ってるんですか・・・・・・」

 

「何を言ってるんですか孤島さん! 戦いが終わったら宴会! 麦わらの一味だってやってるでしょう!」

 

「そ、それは漫画の話で・・・・・・それにウチはアルコール禁止なんですよ・・・・・・」

 

「今日限りは無礼講! 無礼講ですよ!」

 

「そうですよご主人様! 折角遠方からはるばる来て下さったんですから、ここは無礼講で行きましょうぞ!」

 

「さすが孤島の秘書艦! わかってるー!」

 

「イエーイっ! 皐月ちゃんカンパーイっ!」

 

 すっかり意気投合したのか皐月と漣が杯を交わしていた。

 

「しかし、タイムアップとはな」

 

「まぁね。準備に時間かかっちゃったし」

 

 皐月はあっけからんと言った。

 満を持して現場に登場した彼女だったが、そこで無念の時間切れ。流刑鎮守府の敗北であった。

 

「ちなみに時間があれば勝てたのか?」

 

「ああ無理無理。夕立を倒したとしても、まだ時雨たちが控えているからね」

 

 皐月がハッキリと断言した。まあ実際、皐月以外満身創痍だったし、あっちは夕立以外無傷だったからな。多勢に無勢であろう。

 

「ねえねえ提督さん! 夕立頑張ったっぽい! 褒めて褒めて~」

 

「ああ・・・・・・うん頑張ったっていうか・・・・・・無双してたな・・・・・・」

 

 膝に飛び乗って甘えてくる夕立の頭を撫でながら、孤島の提督は苦笑していた。

 

「望月、お前何もしなかったな」

 

「いいじゃん。ていうか長月が動きすぎなんだよ」

 

「清霜、グレカーレ! 欲しい物はある? お代わりは? うふふ、もっと私に頼っていいのよ!」

 

「雷お姉様・・・・・・」

 

「雷姉さん・・・・・・」

 

「ちょ、ちょっと雷! 二人は暁の妹分なのよ!」

 

 流刑と孤島のメンバーも何だかんだ仲良くしているようだ。

 

「夕立ちゃん強すぎじゃない?」

 

「うん・・・・・・まぁ、同じ白露型でも大分違うよね・・・・・・」

 

「何言ってんだい、五月雨。君だって夕立に攻撃を当てたんだ。胸を張りなよ」

 

「ううううう・・・・・・時雨ちゃん」

 

 同じく白露型であるが五月雨は夕立や時雨と違って、そこまで強くは無い。

 そのことを気にしているのか五月雨は肩を落とし、時雨に慰められていた。

 

「島風さん、あのスピードはどうやって維持しているんですか?」

 

「んーと、兎に角、速く動けば大丈夫だよ?」

 

 島風に強さの秘密を尋ねる不知火や。

 

「雪風~ここは姉妹艦同士無礼講と行こうじゃないかい!」

 

「えへへ、無礼講だね、谷風ちゃん!」

 

 姉妹艦同士で旧交を温める者たち。

 

「流刑さん、どうぞ!」

 

「ああ、ありがとう朝潮さん。いやぁ孤島さん。良い子が多くてこの鎮守府も安泰ですね!」

 

「ええ、まぁ・・・・・・」

 

 皆、何だかんだで和やかに過ごしていた。

 俺も朝潮ちゃんにお酒を注いで貰って満足である。

 しかし孤島鎮守府は素直でいい子が多い。ウチの問題児共はちょっと彼女達を見習って欲しい・・・・・・

 

「孤島さん、杯が空になってますよ」

 

「え、ああ。すいません」

 

 俺はそう指摘すると漣さんが目ざとく動いた。

 

「ほら、ぼのたん! ご主人様にもお代わりを注いであげないと!」

 

「ちょ・・・・・・やめなさいよ! 何で私がクソ提督になんて・・・・・・」

 

 すると漣に背中を押された曙がこちらへやって来た。

 どうやら孤島鎮守府の杯が空になったので、おかわりを注いでくれるみたいだ。

 

「まあ、曙にわざわざ注いで貰わなくても自分で入れるから大丈夫だよ」

 

「このクソ提督! ふんっ! もういいわよ!」

 

 だが孤島の提督は変に気を使ってしまい、曙さんは怒って離れて行ってしまった。

 

「全く、ご主人様は本当にこういう所、駄目駄目ですね」

 

「君も大変だな」

 

「ええ。全く。提督になる人っていうのは皆、どうして鈍感なんでしょうねぇ」

 

 ビールを呷りながら漣さんは言った。

 確かに彼女の言う通り、孤島の提督は俺でも今見ただけで大体把握できた曙さんの好意を気づいていないらしい。

 

「漣さ、あんたも大変だね」

 

「いえいえ皐月ちゃんこそ」

 

 いつの間にか現れた皐月と漣さんが意味深げに杯を交わしていた。

 しかし孤島鎮守府の提督はある意味大変だな。見たところ、所属している艦娘たちが異性として好意を持ってるっぽいし・・・・・・

 

「頑張って下さい、孤島さん」

 

「え? 何が・・・・・・」

 

「まぁ、飲みましょう飲みましょう」

 

 孤島提督に曙さんの代わりにビールを注いでいく。

 滅多に無い鎮守府同士の交流会だ。今日くらいは飲み明かしても、お天道様は許してくれるだろう。

 

「さぁ、燃料が入ってきた所で一曲、いってみようか!」

 

いつの間にかほろ酔いとなった皐月がどこから取り出したのか、マイクを持って言った。

 

「おっ! なら俺も十八番の『お富さん』、行くしかないな!」

 

「ちょっと流刑さん、流石に羽目を外し過ぎでは……」

 

「ご主人様! ここで乗るのが、出来る大人ってもんですよ!」

 

「ボクもそう思うな! 孤島司令官の歌も聞いてみたいし!」

 

ここぞというときに手を組んだ漣と皐月が便乗してきた。

 

「そんなこと急に言われてもな……」

 

「提督。僕、尾崎豊の『I Love You』が聞きたいな」

 

「時雨の提案は置いておくとして……というか俺、その曲知らないし」

 

「では孤島さん! ここは二人で『兄弟船』といきましょう!」

 

「さっきからやたら古くないですか!?」

 

孤島さんに突っ込まれながらも、一夜限りの大宴会は続いていった。

次に会えるのはいつの日か分からないからこそ、盛大に楽しまなければならない。普段は交わらない2つの鎮守府。今夜限りは飲み明かそう。

 

いつかまた再会することを誓い合いながら、二人の男と17人の艦娘達は杯を重ね合うのであった。

 




画面の向こう先生、ありがとうございました!

流刑鎮守府の艦娘たちが改二になるか否か

  • 改二になったほうがいい
  • このままでいい
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