次元世界の魔導士は最弱の錬成師と仲間達共に行く 作:ウィングゼロ
1話
世界はいつだってこんなことじゃなかったbyクロノ
そうクロノは言っていた。
実質クロノの言うとおりなのだ。
世界の行く末なんて個人の思うように行くわけがない。
いつだって世界を変えるのは大きな力であった。
その力に人々は抗えず時代の波に流されていく。
そんな俺もまたそんな人のひとりでしかない
もっと力があればと何度も渇望した。
嘗て関わり魔法と次元世界という広大な世界を知ることが出来たジュエルシード事件。
親戚であったはやての身近にあった魔導書。闇の書の起動から始まった。闇の書事件。
その戦いを経て関わった俺以外のみんなは魔導士として時空管理局に入り、今もいくつもの世界を守るために尽力しているのだろう。
そんなみんなと違い俺は時空管理局には入らなかった。理由は力不足と描いていた理想と違う結果を見る恐怖。
当初みんなから驚かれたっけ…そんなこと無い!っと何度か説得されたが俺の意志は折れなかった。
「気が向いたらいつでも連絡して、即戦力で雇うから」っとリンディさんにぐいぐいと押されたが多分そんなことは無いだろう。
こうして俺の一生忘れない不思議な物語は終わった。あれから7年、はやて達とも色々と差を付けられ彼女達はエリートコースをまっしぐらにする中。俺は高校に入学して普通の生活をエンジョイしていた。
「ふあっあ~…まだ眠い」
普通の高校生らしいといえば呼べなくもないが今は通学途中で電車に乗って高校の最寄りへの駅へと向かっている。
しかも通勤ラッシュという朝の眠い人達にとっては嫌な時間。
電車は大勢の乗客で占めていて気を確り持っていないと他の乗客に迷惑をかけそうだ。
そんな俺もいつもならラッシュ時期に乗ることはなくもう少しすいた時間帯に乗るのだが…今回はいつもとは違った。
「ユーノと付き添ってあんなに時間かかるとは…」
俺のバイト先、時空管理局本局内にある全ての英知が眠る場所といわれる管理局のデータベース無限書庫の司書長でありユーノ・スクライアの趣味である遺跡探索に付き添ったのだ。
結果、中々仕掛けにこった遺跡で金曜の放課後に直行で支度してユーノの所に行き土日通して探索したのだ。因みに帰ってきたのは日曜の深夜。
疲れが物凄く残っており、体が重い。
一般の高校生には見えないハードスケジュールだ。
そんなことを考えていると最寄り駅に到着。此処からは徒歩だ。
疲れが蓄積した体でふらつかないように気を引き締めながら歩くこと15分ほど、俺の入学した高校にやってくる。
校門から見える時計で時間を見てみるとチャイムが鳴るギリギリ、校門前には遅刻者を取り締まろうと生活指導の先生が身嗜みをチェックしていた。
俺も少し緩んでいるためについこの前衣替えで冬制服を整えて、出せる力で早めに教室へと向かう。
階段を上り1年生の教室が並ぶ通路を歩いていると見慣れた男子生徒を発見。
「おはよう、ハジメ」
「あっ、正人くんおはよう」
この黒髪の少年は南雲ハジメ。高校に入ってから友達になったクラスメイト。
引っ込み思案でアニメやゲームを愛するオタク。
だが他人を思いやる優しい男でもある。
ハジメとあったのは中学の頃、幼馴染みに連れられ(幼馴染みにとってはデート)町を歩いていたとき、柄の悪い男達に公衆の面前で子供とお婆ちゃんのために土下座していたのがハジメとの出会いだ。
あんな劇的な出会い恐らく二度もないだろうと思えるそれは今も正確に思い出す。
そんなハジメを見て俺も黙っておらず。柄の悪い男達を優しく護身術でねじ伏せ鎮圧してハジメを助けた。
あの時お礼を言われ。もう会うことはないだろうと思えば…この高校の合格発表の時にまさかの再会。
ハジメも俺のことを覚えており。偶然の再会に笑みを浮かべ入学前なのに数少ない高校の友達になったのだ。
「正人くん、眠そうだけど…実家の手伝いで疲れてるの?」
「いや、小学校の友達の趣味に付き添ってな2日ぶっ通しのアドベンチャーをしてきたところだ」
「あはは、なにそれ」
「そういうお前も目に隈できてるぞ。大方両親の仕事の手伝いか?」
「ああ、わかる?」
ハジメの両親は父親がゲーム会社の社長。母親が少女漫画の作者と結構凄い家庭でオタクのなんたるかは父親から叩き込まれたらしい。
そんな両親の仕事のバイトをしているハジメは将来その手の分野で有能。既に未来設計を充実させて不測の事態に陥らない限りは生涯安泰だろう。
因みに俺の実家は海鳴市で神社を営んでいる。初詣や七夕などはかなり人が来て繁盛していて、あまり公言も出来ないが山の中には千年以上生きている妖狐の久遠も居たりする。
ハジメと雑談を交わしながら教室に到着し中に入ると俺達を視認した殆どのクラスメイトから良く思われない嫌な視線を向けられる。
俺はかなり馴れているがハジメはやはりあまり馴れないのだろう乾いた笑みを浮かべている。
俺とハジメはあまりクラスメイトから良い印象を持たれていない。
ハジメはオタクということを隠していないことからそういうオタク=キモイという印象を持たれ。俺はそのハジメの友人だということからハジメほどではないがあまり印象をもたれない。
しかもそんなハジメを目の敵にする奴もいる
「よぉ、キモオタ! また、徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」
「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」
ギャハハッと笑い出す男子生徒。
このクラス小悪党…檜山とその取り巻きだ。
あいつら何かとハジメに対してああ言った誹謗中傷を言う。
しかもハジメに当たるのは俺への当てつけ、直接しないのは俺に敵わないとわかっているからだ。
「正人くん!南雲くんもおはよう!今日も遅かったね!」
「おはよう、白崎さん」
「香織おはよう。にしても相変わらずの人気だな…全く気付いてないが」
「ふぇ?」
白崎香織、俺の小学校前からの幼馴染みで付き合いが1番長い。容姿端麗で面倒見が良い、このクラスのマドンナみたいな立場で男子からの人気も凄まじい。
そんな香織はなにをいっているのかわからず首を傾げる。香織とやり取りをしていると男子生徒の殺意が倍増。ハジメはビクッと体を震わせるが幾度の戦いを生き残った俺にはその程度の殺気全然動じない。
ようは香織に馴れ馴れしい俺達を目の敵にしているのだ。
呆れた男子どものしっとはさておき香織が来るならやってくる何時もの3人も来た。
「正人、南雲くん、おはよう、いつも大変ね」
「香織、また彼の世話を焼いているのか? 全く、本当に香織は優しいな」
「全くだぜ、よく遅刻寸前に来る二人に何を言っても無駄と思うけどなぁ」
「雫、いつものことだ気にしてない、天之河、お前の目は節穴か?坂上…は言い返す言葉がない」
「言い返さないの!?」
ハジメのツッコミをさておき……黒髪をポニーテールで纏め、実家で剣術を学び剣道の全国優勝を果たしゴシップから現代の剣道小町称され男女問わず多くの人気を誇る。八重樫雫
文武両道、容姿端麗、カリスマ性もあり、完璧超人に見えるが実は自己解釈とご都合主義の化身である天之河光輝。
高校一年だというのに190㎝の巨体で努力と根性が信条の坂上龍太郎
幼馴染みの香織の幼馴染みだ。俺は別の学校で知り合ったのも闇の書事件後、あった当初で天之河とは犬猿の仲だ。
「節穴?八坂は俺の何処が節穴だって言うんだ?ただ俺はいつまでも香織に頼って居てはいけないと言っているんだ」
「はぁ、まあ天之河に言っても無駄なのは知ってるからもう良い。それじゃあそろそろチャイムなるから……席に行かせてもらうからな」
それじゃあっと手を上げてふらふらと振り自身の机へそして直ぐさま意識がフェードアウト。
端的に目覚めては眠りを繰り返し昼休み。既に購買組や学食組は教室から出て行っており。教室には居ない顔を起こし辺りを見ると10秒チャージのあれを飲むハジメを発見。いつも屋上にいるハジメにしては珍しかった。
そんなことを考えていると香織がやってくる。何故か弁当袋を二つ持って
「あっ、正人くん授業中は眠っちゃ駄目だよ。一緒にお昼食べるよね?いいよね?」
「別に構わないけど……ふあっあ…そのもう一つの弁当は何だ?」
「実は正人くんの分作ってきたんだ」
えへへと笑みを浮かべながら恥ずかしげに言う香織。それにより周りの男どもの嫉妬がバーストしたのは言うまでもない。
だが俺が弁当を持参しているのは香織も知っているはずだ。なのに何故?っと俺は鞄の中身をあさるがすぐにあるものがないのを気付く。
寝ぼけていたから弁当を持ってきていなかった。
何やってるんだ俺っと心の中で悔やむ中、香織の顔を覗う。
まだえへへと笑っているがちょっとベロを出して悪戯をした子供のようにも捉えられた時俺は全てを察した。
完全に嵌められた!!
間違いなく母さんもグルだと悟り、頭を抑える。
どういう風の吹き回しだ?っと思っていると香織は俺の前に弁当を置き、その直後教室内に入ってくる人影が二人……金髪と紫色の髪の少女が一目散に俺と香織の元へ
「ヤッホー!正人に香織、来たわよ!」
「正人くんも香織ちゃんもおはよう」
金髪で活発な少女はアリサ・バニングスに紫のおっとりした少女、月村すずか。
小学校からの付き合いで香織とも俺との繋がりで親友だ。たまにこうやって別のクラスだがやってくるのだ。
「アリサちゃん、すずかちゃんもこっちだよ」
「香織ちゃん、もしかして正人くんに作ってきたの?」
「うん、頑張って作ってきたんだ」
「へえ、正人、あんた本当に幸せ者よね」
このこのっと俺の肘で脇をつつくアリサ、そんなアリサに止めろっと軽く言い、すずかと香織は苦笑いの笑みを浮かべる。
仲睦まじい空気を他所に外部は殺気の嵐で吹き荒れていて。その矛先は俺に集中、蚊帳の外のハジメは乾いた笑みでこっちを見ていた。
かなりカオスな空気の中、そんなもの気にしないとあの男はこちらに近づいていく。
「香織。こっちで一緒に食べよう。八坂はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」
本当にお前…空気読めないよな……
本当にそう思えずには居られなかった。
アリサとすずかに目配せで同じことを思っていることを意思疎通した後。
香織も天然が発動した。
「え? なんで光輝くんの許しがいるの?」
その言葉に俺は体制を崩し机に頭を激突、よく見れば雫の奴も口から吹き出してるし……天然って恐ろしいとしみじみと思った。
しかしそれでも天之河には通じない。あれやこれやと言っているが香織にとっては効果などあまりない。
そんな光景を他所に俺は窓から空を眺める。
これが今の俺だ。
完全に一線から引いてのどかな生活を送っている。
この先もしかしたらミッドに移住するかもしれないが…こういった平穏は続くのだろう。
そんなことを思いくすりと笑みを浮かべる。
しかしそんな時間はすく間に終わりを向かえた。
「正人!」
「アリサ、どうし……っ!?」
外を見ているとアリサの大声が響く。振り返り見ると俺も絶句した。
魔法陣だ。
しかも見たこともない術式。その魔法陣が天之河の足元に展開している。
勿論幻ではない。現にクラスにいる全員がそれを凝視して固まっているのだから。
しかもその魔法陣は教室全体まで拡大し生徒の短い悲鳴が上がると、生徒と話して残っていた畑山先生が大声で教室から出るように叫ぶ。
しかしそれではもう遅かった。
その直後、魔法は発動クラス内は光に包まれ、何度も感じた感覚…転移の感覚に体を任せるしかなかった。