次元世界の魔導士は最弱の錬成師と仲間達共に行く   作:ウィングゼロ

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な、長かった…
オリジナルを入れると1週間もかかるとは…思わなかった。
此処から原作ブレイクします!どうぞ!!


11話

同時刻…オルクス大迷宮とある階層…

 

薄暗い明るさの中、凹凸が激しい岩肌をつたいながら彼女はゆっくりとした足取りで奥へと進んでいた。

時々彼女の歩く体勢が僅かに崩れることからかなり弱り切っていることも目に見える中…彼女はある場所へと向かっていた

 

「早く…伝えなければ…」

 

掠れた声だがその声質はどこか凄まじい気迫が込められていた。

彼女がどこに向かっているのか…その先に待つものを知るのは…あと少し…

 

 

 

オルクス大迷宮65階層にて…100を越えるトラウムソルジャーとパニック状態に陥った異世界転移組+αの乱戦が未だに起きている中、ベルカ式のラウンドシールドでベヒモスの突進を抑える正人。

だがその顔は何処か優れていなかった。

別に正人が抑えるのに必死になっているわけではない。

ただ単にこれからのことを正人は考えていた。

メルドから言われていたとおり、正人は本来使ってはいけない無詠唱で魔法を公に行使してしまった。その場は大事にはならないのだが後々めんどくさいことになることは明白だった。

しかし最早それ以外今、全員が生き残る術がない。

 

「天恵よ、遍く子らに癒しを 回天」

 

そんな正人がベヒモスを防ぐ中、少し離れたところにいる香織が回復魔法、回天を唱えメルドを始め近くに倒れている光輝達全員の怪我の治療を開始した。

回天は1人ではなく複数人を回復する魔法…倒れている仲間が複数人居る今この魔法は1番この状況に適していた。

香織の魔法で回復して次第に立ち上がるメルド達、そしてメルドはいち早く現状を改めて確認し正人が魔力操作を使っていることに目を大きくして驚いた。

 

「正人…お前…!」

 

あれだけ注意して、自分達がいなくなったときのことも任せていたというのにも関わらず、正人は力を使ってしまった。

しかしメルドはそんな正人を責めることはできなかった。彼がその力を使った理由は紛れもなく自分達にあるのだから

もう少し持ちこたえられればと自分達の実力を悔やむメルド、そして他の回復されていた面々も立ち上がれるほどに回復すると一同にベヒモスを防いでいる正人にメルドと同じく驚いた目で見ていた。

 

「な、なんだよあれ…」

「ま、正人?その力は一体」

 

龍太郎と雫が唖然とした声を上げる中、正人は意識をベヒモスに向けながらもメルド達に向けて話し始める。

 

「回復できたみたいだな…ならさっさと立って退路を確保!!ベヒモスは俺が抑えておく!」

 

早く!っと迷いのないその声に二人は頷き返事をしたがここに来ても彼は納得できなかった。

 

「そんなこと、できるはずがない!」

 

そういって正人に食ってかかったのは光輝だった。

それを見越していた正人も予測通りの言葉に少し頭を痛めるが予想していたことで直ぐに言葉返した。

 

「だから!そんな悠長なこと言っている場合か!坂上!雫!天之河…いやもう天之河(バカ勇者)でいい!力ずくでも良いから連れて行け!」

「バカとは何…は、離せ雫!龍太郎!俺は八坂に話が…」

「そんなこと言ってる場合!?さっさと行くわよ!」

「あっちもやばそうだし急ごうぜ」

 

わがままをいう光輝に正人は一切の慈悲もなく下した命令に龍太郎も雫もクラスメイトを助けるために正人の命令に素直に受け入れて二人がかりで光輝を下がらせるとメルド達もまた正人に頼むと一言だけ言って去って行き、そんな中、香織だけはまだ残っていた。

 

「香織、香織も早く…」

「正人くん…手見せて」

「…手?なんだよいき「いいからはやく!!」お、おう」

 

鬼気迫る、鬼の形相の香織の気迫に押され手を見せようとするが突き出している右手を戻せばシールドも解除されるために今はそれができなかった。

しかしこのまま見せないのも香織が納得するわけもないと少し頭の中でどうするかと考える正人は直ぐに次なる手を打った。

 

弓を持つ左手を使うため、一度弓を地面に落とし左手を使えるようにすると正人は左手の手の平に小さいベルカ式の術式を展開、すると前方のベヒモスに突如として出現した紺色の鎖により縛られる。

これにより先程から衝突していたシールドを維持することも無くなり右手を香織に向けて突き出すとようやく正人は香織がそこまで言っていたのかを理解する。

 

手の平を開けた右手は普通の肌色ではなく赤く染まっていた。

正確に言うと手の平に傷ついている傷から血が滲み出ている。

一体何故と傷ついていたことに気付いていなかった正人は少し思い返そうとするも直ぐに香織がその疑問を解消する。

 

「私達に怖い声で命令したときだよ。握り締めてたときに爪を立ててたんじゃないかな?天の息吹、満ち満ちて、聖浄と癒しをもたらさん 天恵

香織に指摘されると確かにと思い当たる節があった正人、無意識ながらもそんなことをしていたのかと自分で驚く中、香織は正人の手の平の傷を回復させる。

 

手の平に付着している血は採れるわけもないが傷を直ぐに塞がれて、正人はありがとうっと短くお礼を言い。そして視線をベヒモスの方に向け香織に光輝達の元に向かうように促すとやはり躊躇いもあるがこれ以上何も出来ないのも理解できていたために口惜しい気持ちを抑えながら、正人の元から離れていった。

 

「さて…アリサ達が退路を確保するまで時間稼ぎをしないとな」

 

そう意気込む正人は遂に砕け散ったバインドにより自由を取り戻したベヒモスを見て次なる一手を打ち出した。

 

そしてベヒモスに対して時間稼ぎをする正人の後方…光輝が来るまでの足止めをしているアリサ達

アリサ、すずか、ハジメ、そして正人が助けた優花の奔走の甲斐もあって、未だ死者は0

だが長期戦に縺れ込むに連れて地の利的にも物量的にも上のトラウムソルジャーの大群の方が有利になっていくのは目に見えていた。

 

「燃えさかれ! 火焼閃!!!」

 

アリサは短い詠唱をすると燃えさかる炎を纏った大剣を横に一閃しトラウムソルジャーを4体を一気に

切り裂く。

 

「きりがない!すずか!そっちは大丈夫!?」

「大丈夫!南雲くんは!?」

「僕も一応大丈夫だよ!」

 

アリサの近くにいるすずかとハジメに生存確認し眼前に見えるトラウムソルジャーの群れを見ながらきりがないと吐き捨てる。

3人とも死なない程度とはいえちらほらと衣服が切られて浅い切り傷もちらほら見えた。

ならば回復魔法が使えるすずかに治癒を頼めば良いのでは?っと思うがそう簡単にはいかない。

確かに才能があるすずかは使えるには使える。

だがしかし、現在乱戦もあり回復に魔力を割ける余裕などなく多少の怪我は我慢して戦うしかなかったのだ。

そんな満身創痍な状態が続くのかと思いきや直ぐに終わりが来た。

 

「万翔羽ばたき 天へと至れ 天翔閃!」

 

その声と共にトラウムソルジャーの大群をまかり通っていく曲線状の光の斬撃

それを目にしたハジメ達は直ぐに事態が好転しているのを理解した。

 

「皆!諦めるな!道は俺が切り開く!」

 

なんとも頼もしい言葉だろうか混乱に陥っていたクラスメイト達に活路切り開ける気力を湧き上がらせる光輝

そしてそれに続くようにメルドもまた頼もしい言葉と共に近づいたところにいるトラウムソルジャーを倒す。

 

「お前達!今まで何をやってきた!訓練を思い出せ! さっさと連携をとらんか!馬鹿者共が!」

 

メルドの叱咤でようやくクラスメイト達も冷静さを取り戻し、先ほどのパニック状態が嘘のように連携しだして、トラウムソルジャーの大群に波状攻撃で瞬く間に倒していく。

 

「皆!続け!階段前を確保するぞ!」

 

光輝に続くようにアリサや雫、龍太郎といった前衛メンバーがトラウムソルジャーの群れへと切り込んでいく。

瞬く間に階段前に確保したがこの時ハジメはあることに気付いた。

 

「あれ?正人くんは?」

 

辺りを見渡すハジメはその中に正人の姿がないことに漸く気付き、そしてメルドや騎士団が居ることに不自然さを覚える。

メルドや騎士団はベヒモスを抑えていたのを覚えていたために、じゃあ今は誰がっとベヒモスの方向を振り返えり、たった一人で抑えている正人の姿を目にしたのだ。

 

「ま、正人くん!!」

 

姿を見て思わず叫んだハジメ、そのハジメに釣られて他のクラスメイト達も後方の状況を漸く知ることになる。

 

 

「な、なんだよあれ?」

「鎖が巻き付いて、動けなくなってる?」

 

たった一人でしかも訓練にすらまともに受けておらず。自分達より格下と思っていた正人が余裕で抑え込んでいる姿にクラスメイト達に動揺が走る。

そんなクラスメイトにメルドは状況を知らせるために正人の作戦を話し始めた

 

「そうだ!今、正人が1人で、ベヒモスを抑えてくれている!前衛組トラウムソルジャーを近寄らせるな!後衛組は遠距離魔法の準備!正人が撤退するのを見計らって一斉射で足止めをするぞ!」

 

メルドの指示をクラスメイト達は早くこんな場所から逃げたい一心、しかし早くしろっと!メルドの叱咤にクラスメイト達は従うしかなかった。

 

正人の撤退支援の準備を行う中、自分では何も出来ない、ハジメは正人を見守ることしかできず。支援の準備を眺めているとふと不審な動きをする人物を捉える。

 

「…檜山くん?」

 

 

「…もうすぐ、準備が整うな」

 

自分の撤退する支援の準備が着実に行われているのは正人も確認できていた。

正人もバインドが壊れそうになればまた新しいバインドで固定するといった繰り返し作業を片手間にやっていて、クラスメイト達の準備ができ次第動くつもりでいた。

 

(魔力はまだ有り余ってるし、高速魔法を使えば直ぐの距離だが…これ以上手の内は晒したくないからな…)

 

内心では正人はこれからのことを考えていた。

既に公に魔力操作を使ってしまったために言い逃れはできない。

メルドも善意で正人の能力を隠し通していたがもう庇いきれないだろう。

だからこそ早めの行動をしようと正人は内心でこれからの方針を決め、後衛組の準備が完了したのを見計らってもう一度、バインドでベヒモスを縛ると直ぐさま階段へと駆け出した。

 

だが直ぐに状況が動く。

バインドで縛っていたベヒモスが動き出したからだ。

バインドを砕き遂に自由の身になったベヒモスは怒り狂った雄叫びを上げて縛り続けてた元凶(正人)を殺意が増しましで睨みつけている。

その当の本人は逃げることを優先してバインドの構築を甘くしすぎたことに舌打ちを打ち、逃げる速度を緩めずにもう一度迎撃するかと思考するが次の瞬間、メルドの号令が響き渡る。

 

「今だ!撃てぇ!!!」

 

その号令と共に放たれる無数の魔法。それは雨のようにベヒモスに目掛けて降り注ぎ、ベヒモスは動きを鈍らせ正人との相対距離を伸ばしていく。

 

(よし、これなら問題なく…!)

 

逃げ切れると確信する正人、他の全員もそれを確信していた…

だが此処で悪意は牙を向いたのだ。

 

「ここに焼撃を望む…」

 

その不自然さに気付いたのはその言葉を呟いた近くにいたハジメだった。

ハジメはどうしてと意味がわからない表情でその男…檜山を見ていた。

一般的に見ればただ単に正人の援護をしているだけと特に気にはしなかったが、問題点はそこではなく、使おうとしている魔法…火球だったことだ。

 

(どうして…適性の魔法を使わないの?)

 

檜山の適性属性は風…今、放とうとしている火属性ではない。

こんな緊急時に何をやっているんだとハジメは思うが直ぐに転移する前に正人達と話していたことを思いだした。

 

(「檜山達だ……感じた方向から大体は割り出した。ただ視線は一つだからその誰かまでは……」)

 

正人やハジメに殺意を向けていた話…正人はその視線と休憩していた位置から檜山達だということを割り出した。

そして今も不自然な行動をしているのもそのグループ…基、リーダー的な人物。

 

(もしかして、あの視線は檜山くん?)

 

そういった答えを導き出すのも自然だった。

そして今、檜山は不自然な行動に出ている。ハジメも嫌な予感がして注視して見ていると直ぐにそれは檜山の薄気味笑う表情を見て、これから起こるであろうことを直ぐに理解した。

 

「第二射!撃てぇ!!!」

 

「っ!!正人くん!避けて!!!」

 

ハジメは直ぐに正人に聞こえるように大声で叫んだ。しかしもう遅く、メルドの号令と共に二射目の一斉射が放たれたのだ。

その直後ハジメの大声で近くのクラスメイト達は騒然としたがハジメは既に動いていた。

大声と同時にこれ以上、正人にお粗末な悪意を向けられてたまるかと檜山を取り押さえようと駆け出していて檜山も大声に気付きハジメに振り返ったが完全に不意を突かれ、ハジメは全身全霊を使ったタックルで檜山を倒す。

 

「ぐほっ!?南雲!?」

「これ以上!正人くんの邪魔はさせない!!」

「っ!!アリサちゃん!!!」

 

タックルを受け転倒した檜山はハジメに怒りを覚え、周りはいきなりのことで呆然、だがハジメの言葉にすずかは檜山が悪意を持って何かを仕掛けたということを瞬時に理解すると階段前を抑えているアリサに大声で呼び、気付いたアリサも今の現状を見て直ぐに理解して前衛から離脱してハジメの加勢に向かう 。

 

(そうきたかよ!檜山!!)

 

そしてハジメの声は確りと正人の耳に届いていた。

二射目がベヒモスに向かう中、一つだけ不自然にコース変更し自分に目掛けて向かってきている火球が1つ。

正人からも檜山がハジメと取っ組み合いになっているのは見えていて悪意の正体が檜山であったことに気付く。

そしてその悪意の体現しているかのように火球をどう対処すべきか思考する。

高速魔法で避けるか?っと無難な対応をしようと考えたが後々の追求が怖いために保留…

ならばどうすれば良いか、正人は考え…頭の中で直ぐに纏めるともう火球は目の前までやってきていた。

 

「正人くん!!!」

 

後衛組と同じく魔法の準備をしていた香織が危機に瀕している正人に対して悲鳴のように叫ぶ。しかし、香織が想像する結末にはならなかった。

 

正人に向かってきた火球は正人が手を振るい当たっているのにも関わらず力尽くで火球の軌道を逸らし直撃を避けたからだ。

 

それを見ていた全員がまた唖然とする。

正人が何をしたかというと、手に小型のシールドを展開しそれで無理矢理軌道逸らしたのだ。

受けとめるバリア系では防ぐことは出来るが火球を爆発させて足を止めなければならないしフィールド系の魔法も身に纏う騎士甲冑ならさほど問題ないが防御もせずに突っ走ったとあればメルドやクラスメイトからの追及材料になりかねなかった。

故に正人は既に露見しているラウンドシールドの応用を使い檜山の悪意を退けたのだ。

 

そしてその直後、石の橋か遂に限界を向かえた。

ベヒモスの猛攻を耐え続けていた橋に亀裂が走り、橋は決壊

正人もそれに気付き、走り幅跳びの容量で高くジャンプする。

距離ももうそれほど離れていないのでジャンプで無事に足場に着地できそうであった。

 

もちろん、その光景は檜山とハジメも目にする。

檜山はありえないと自らの作戦が呆気なく失敗に終わったことに呆然とし、反対にハジメは正人が無事に生還できることに安堵した。

 

「正人くん、よかった」

 

そんな安堵の声を呟くハジメに今も取っ組み合いをしていた檜山がその呟きで正気へと戻る。

 

「おまえぇぇぇぇっ!!」

「ぐっ!」

 

邪魔をされたことでハジメに殺意を剥き出しで激情する檜山は自分の力を最大限発揮しハジメを押し切って逆にハジメの体に馬乗りとなりマウントを取る。

 

「お前さえ…おまえさえいなければぁ!!!」

 

完全に怒り狂った檜山は持っている曲刀を両手で持ち今にもハジメに振り落とそうとしており、ハジメも死の恐怖から思うように体が動けず周りのクラスメイトはそんな檜山の狂行に悲鳴を上げて愕然とし急いで向かっているアリサもまだハジメを助けるには距離が遠く、すずかも離れているためにハジメを助けられない。

メルドも事態に気付き止めろと声を荒げたが檜山を止めることは出来ない。

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

その掛け声とともに檜山はハジメに目掛けて曲刀を振り下ろす。

だがしかしそれは叶わなかった。

なぜなら檜山の曲刀を弾き飛ばしたからだ。

ハジメを助けたのは周りのクラスメイトでもなく駆けつけているすずかやアリサでもなく、監督者のメルドでもない。

 

檜山の曲刀を弾いたのは風を纏った1本の矢だった。

それが檜山の曲刀に当たりその重い衝撃で曲刀が檜山の手元から離れていく。

 

いきなりのことで訳もわからなかったが檜山やハジメは直ぐに理解した。

 

この中で矢を使う人間は一人しか居ない。

檜山は悍ましい顔でその邪魔者を見た。

その邪魔者は滞空しているのにも関わらず冷静に弓を檜山へと向けていた。

 

「八坂ぁぁぁぁっ!!!」

 

その人物は正人だった。

正人はただ単に奈落に落ちないように跳躍したわけではない。

檜山の狂行も正人の考えでは想定内でその狂刃が近く居るハジメに向けられているのも想定していた故にこちらから援護したかったが、走りながらだと弓の照準がぶれる。

その上橋の決壊まで起きて正人は跳躍して滞空状態で檜山の力を無力化するという考えに至ったのだ。

元々魔導士として空を飛び交い、滞空になれきっている正人にとってそんな射撃は朝飯前といってもいい。

 

だからこそ咄嗟に檜山の曲刀を弾き飛ばせたのだ。

そして檜山の狂行を止めるものも遂に檜山を間合いへと捉えた。

 

「うらあぁぁぁっ!!!」

「ぐぺぇ!?」

 

そんなアリサの掛け声とともに大剣は檜山に振るわれる。勿論殺さないように当てるところは刃ではなく剣の腹でだ。

フルパワーの力を使うアリサに剣の腹を叩きつけられた檜山は変な悲鳴とともに五メートル以上、吹き飛ばされ、直ぐにメルドも駆けつけて檜山を捕縛に取りかかる。

 

「南雲、大丈夫!?」

「う、うん、ありがとう」

 

捕縛される檜山を見て、ハジメの安否を確認するアリサはほっとし、滞空していた正人も無事に足場に着地して勢いを前転で殺して立ち上がり、ハジメの元へやってくる。

 

「危なかったなハジメ…全く無茶なことをする。」

「ご、ごめん…でも」

「ああ、ありがとな…檜山の狂行を教えてくれて」

 

少し、ハジメを注意したが助けてくれたハジメにお礼を言う正人、そんなやり取りがある中、正人は檜山を睨みつける。

 

「さてと…脱出前に…やることはやっておかないとな…」

 

そんな重い声で正人は捕縛されている檜山に向かって歩き始めた。

 

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