次元世界の魔導士は最弱の錬成師と仲間達共に行く   作:ウィングゼロ

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26話

正人の言葉が終えるとそこに待っていたのは更に部屋の空気が重くなった事実だった。

正人が残した遺言は部屋にいるすずか達の心を締め付ける

  

《正人……やはりお前は過去に囚われているのだな》

 

そんな静粛な部屋の中、通信越しでアインスが呟く。

 

「過去って…その、正人が贖罪って言っていることに何か関係が?」

 

アインスの呟きにたいして雫が憶測で先程の再生されたときの正人の言葉が繋がっていると予想し訪ねると、アインスは間を開けて口を開けた。

 

《正人が偽りの主として戦っていたのは以前話していたな……当時正人は闇の書の完成と同時に主を飲み込み暴走することを知らなかった。》

「確かそんなこと言ってたっけ……でもありえるの?」

《改変されてかなりの年月が経ち守護騎士達の記憶にも欠落が大きかった。あの当時夜天の主側に真実を知るものは少なくとも私だけ…そしてその私も魔導書の中から出ることが叶わず伝えることすら出来なかった…だが正人は心優しい少年だ…闇の書に蝕まれる主を見過ごすことなど出来るはずもなかった》

 

重々しい口調で当時のことを振り返るアインス…破滅へ近づくことを誰も知らなかったのか改めて優花は訪ねると嘗ての夜天の書の状況を知るアインスは当時は自分1人しか知らなかったと断言する。

その後、アインスが向こう側で何か操作しているのか押している電子音が響く中、電子音が鳴り止むと徐にアインスが口を開ける

 

《……当時の映像がある》

「リィンフォースさん、それは本当なの!?」

《ああ、魔導書に残っていた記録…色々と断片的だが見せることが出来るだろう話すより見て貰った方が早い…どうする?》

見るか見ないか、どっちにするか訪ねるアインスに雫や優花、ハジメはすずかに向けて頷き、それ意志を組み取るとすずかは意を決して口を開けた。

 

「お願いします。」

《わかった、多少なりに私なりに補足する》

 

そう、言うとアインスは向こう側で再び操作すると投影されているホロウィンドウに映像が流れる。

 

どことなくノイズが入るが次第に修まっていき映しだかれたのは何処かのビルの屋上で空は夜だということがわかる。

 

「此処って海鳴市の何処かだよね?」

 

そういう優花を尻目に映像は流れていく。

 

“…来たか”

 

その響いた声は凜とした女の声だった。

映像の視線が動くと近くに桃色の髪をポニーテールで纏め上げた女性が映る。

そのうつり出した女性を見て雫は目を丸くして声を上げる

 

「えっ!?この人って…確か」

「知ってるの?雫?」

「ええ、昔だけど偶に私の道場に顔を見せてくれてお父さんやお爺ちゃんと互角に渡り合っていたから物凄く印象に残ってるのよ。確か名前は」

「シグナム…さん」

 

掠れた声で香織が呟く…正人の幼なじみである彼女にとっても覚えのある人物だった。

 

《彼女はシグナム…夜天の魔導書の守護騎士プログラム、烈火の将と呼ばれるヴォルゲンリッターのリーダーだ》

「っ!?」

 

アインスの補足に雫は大いに驚く、まさか昔通ってくれていたシグナムがアインスと同じプログラムという衝撃の事実に更に衝撃を覚える。

更に映像が続くとシグナムの視線の先にゆっくりと近づく三体

赤髪の三つ編みの少女に優しそうな金髪の女性、そして青い髪の大型犬?

その3人ともシグナムと同じく強い意志があるのか瞳には一切の迷いがない。

 

《鉄槌の騎士ヴィータ、風の癒し手シャマル、楯の守護獣ザフィーラ…彼女達もまたシグナムと同じくヴォルゲンリッターの守護騎士であり、今彼女達は1つの目的のために動こうとしていた》

「そん…な、それじゃあ…」

《ああ、彼女達ヴォルゲンリッターの主…夜天の魔導書に選ばれた少女…それは君の知っている八神はやてという少女だ》

「えっ!?はやてが夜天の主!?」

「園部さん知ってるの?」

「う、うん、私の小学校と中学生が八坂やアリサ達と一緒でね…確かすずか達と仲良かったわよね?」

「うん、この時はまだあってなかったけど」

《主は生まれながら原因不明の神経麻痺で足が不自由だった。だからこそ学校なども通うことが出来なかったのだ》

「えっと、もしかしてその神経麻痺って魔導書の副作用ってこと?」

《鋭いな、その通りだ。主は夜天の書が起動し魔法のことを知ってもなお、魔力の蒐集を望まなかった。それ故の反動で当時の魔導書は主を蝕み始めた。それを知った騎士達は今主の約束を破り独自で蒐集を行おうとしているのだ。そして彼も》

アインスそういうと同時にまた1人シグナム達の元へやってくる人影、それはホロウィンドウを見る彼女達にとって見慣れた顔をした少年だった。

 

“お前も…来てしまったんだな八坂…私達を止めに来たか?”

“…俺一人じゃ止められるわけないだろ?……シグナム改めて聞くけど……はやての病気の正体は未完成の闇の書が原因なんだよな”

“ああ、その通りだ。そして我が主を助けることが出来る方法は闇の書を完全な物にし闇の書の主として覚醒させる”

“……そっか、なら人手は多い方が良い。俺も加わるよ”

 

そういって不敵な笑みを浮かべシグナム達の元へ歩み寄る正人、その手には弓形のデバイスが握り締められていてシグナム達と同じ決意の目をしていた。

 

“……正気か?私達に与すれば……下手をすればお前は”

“もうまっとうな方法じゃはやては救えない……はやては俺にとって従兄弟であり家族なんだ……だからはやてが死ぬことを俺もみすみす見過ごすわけにはいかないんだよ……!”

“迷いはないんだな”

“ああ、俺は家族のために……世界を敵に回す…!”

 

《こうして、正人とヴォルゲンリッターは主はやての意思を無視して闇の書の完成のため動き出した。正人の加入により自らを闇の書の主と呼称し管理局の目を主に向けないための情報攪乱も兼ねられていて……主の正体が露見する運命の日までバレることもなかった》

 

「……正人くん、世界を敵に回したんだ」

《ああ、たった1人の少女のために世界を敵に回す。言葉で言うことは簡単かも知れないがそれを行動に移すのは並大抵なことではない……》

 

ハジメは呟くとアインスもあの時のことを思い浮かべているのか懐かしげに語り、映像が切り替わると今度は真夜中の違和感を覚える空間の中、町中を飛び回る光がいくつもあり…その中にはヴィータとシグナム、ザフィーラが各々の敵と相対していた。

 

“さてっと、あの白い子からなんとか魔力を蒐集出来れば良いんだけど”

“シャマル、待たせた”

“あっ正人くん…忙しいなら来なくても良かったのよ”

“そうも言ってられない…っで海鳴で高魔力保持者を見つけたって”

“ヴィータちゃんが倒したけど…別の子が現れて今、シグナムとザフィーラも参戦して迎撃中”

“……フェイト、ユーノ、アルフか……シャマルの言う白い子っていうのは、なのはか”

“もしかして知り合い?”

“ああ、一緒に戦ったことがある…あの3人が来てるってことは管理局も直ぐ近くに来てるかも……シャマル蒐集したら早々に引き上げる準備を今後はそう簡単に集まらないと考えた方がいいな”

“わかったわ。でも大丈夫?”

“問題ないよ…別に殺すわけじゃない……いつかはこうなることも考えていたさ!”

 

そういいながらシャマルの横に立っていた正人も光が飛び交う戦闘地域に飛んでいく。そんな様子をシャマルは複雑な表情で見てから自分のやるべきことをやり始める。

 

《12月の上旬だろう……遂に正人とヴォルゲンリッターは彼女達とぶつかった。この戦いは彼女達の惨敗で終わるがその後新しい力を手にし正人達と何度も激闘を繰り広げることになる》

 

「正人にとって知り合いが敵になってるんだよね……知ってる人と戦うってどれだけ辛かったんだろう……」

「………」

「………」

「えっと、八重樫さん?」

「優花ちゃん?」

 

知り合いのなのはたちと戦うことになったことを知り、どれだけの覚悟を胸に秘めていたのか実感するハジメを他所に雫と優花は映像を見た後黙りしていて気になったハジメとすずかが訪ねると2人は我に返って何でもないと言い切る。

 

《そして運命の日……主の死期が迫る中ついに主の存在がバレ、少女達と正人達はお互い退けない戦いをする……その末に闇の書は完成し主を取り込み形で私は姿を現し地球を滅ぼそうとしたのだ。》

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