次元世界の魔導士は最弱の錬成師と仲間達共に行く   作:ウィングゼロ

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3話

 

 

大広場でトータスについて話し終わった後、俺達の身を教会と親密な関係のあるハイリヒ王国に置くことになった。

流石に戦闘訓練なしで最前線ということはなかった。流石にそれでは何にも意味がないから。

そういうわけでイシュタルが先導で教会の通路を歩いている俺達クラス一行だが、俺の周りには誰もいない

天之河を初め、殆どの生徒は俺を歪な者を見る目で見て避けている。

そんな中、俺のことを心配しているのは俺のそこらへんの事情を知るアリサとすずか、ハジメやそして香織…

幼馴染みの見たこともない顔を見たからか困惑している表情で頭の処理が追いついていないのであろう。

後は生徒の身の安全を考える畑山先生と……どっちか分からないが微妙なのが雫か

どちらにしても今の俺は周囲から危険人物扱い。そうなると分かっていながらだが……致し方ないことだった。

 

長い廊下を歩き、教会の外に出ると見えてきたのは雲海の海

この教会どうやら雲より上に造られていて、普通に生活することも困難といえるのにそれが平然なのは魔法で空気を整えているからだろう。

他は雲海などに見とれていたが直ぐにイシュタルの後を追い、円形の大きな白い台座、中央には魔法陣も刻まれていてぱっと見てで俺の知るどの術式にもあてはまない。

未知の術式……隅々まで調べたい…

……… 

……

はっ!?つい、未知の探究心を湧き出してしまった。

うっかりしていた気を確りもちクラスメイトはほぼ全員、中央に固まり俺はというと外周の柵にもたれながら雲海を眺める。

 

「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん 天道」

 

イシュタルは魔法詠唱を唱えると白い台座が動き出しロープウェイのように雲海の中へと降下し始める。

クラスメイト達が魔法を見てはしゃぐ中動き始めた瞬間俺は膝を曲げて手を地面をつける。

 

「おいおい、見ろよ、突然動いたのにびびって膝曲げてやがるぜ。ギャハハッ!」

 

そんな俺を見て檜山が馬鹿にしてきて、周りの奴らも一部を除いて見栄張った手前であれとはと馬鹿にしているようだ。

そんな光景に香織むっとなって抗議しようとしたが雫に止められ、アリサとすずかが体制を崩さないように俺の元へとやってくる。

 

「正人、あんた大丈夫?疲れてるんだったら…ああ…」

「そういうことなんだね…」

 

心配して俺に声を掛けたアリサだが途中であることに気付きじと目で俺を見て、すずかも苦笑いの笑みを浮かべる。

俺は単に体制を崩したわけではない。ただ単に…

 

「この術式、やっぱり術者の詠唱で発動するタイプか、この魔法も恐らく物体をマーキングされている位置まで操作する魔法…この世界の魔法はモーションパターンはないのか?だとすると詠唱を省略や破棄する方法も……」

 

と地面に描かれている術式に没頭していて小声で呟く。

そんな俺に近づいたアリサ達が呆れたのは言うまでもない。

そうこうしているうちにハイリヒ王国の王都へと到着した俺達は台座から降りて王城の玉座の間へと真っ直ぐ向かう。

煌びやかな内装の長い廊下を歩きながら、中世の騎士や内務の文官、使用人であるメイドなどにすれ違っては期待された目で会釈している。

恐らく、俺達が来るのを知っていたからだろう。

俺は最後尾ハジメの後ろを少し離しながら進むと玉座の間の扉前まで到着。

警備の近衛兵か二人が俺達の到着をこの先にいる王に大声で叫ぶと返事を待たずして玉座の間の扉を開門する。

国の王だろうと内心眉をひそめて玉座の間に入るとこの国の王と思われる初老の男が玉座に座っておらず立って待っていた。

それだけじゃない、隣に控えている王妃や王女、王子など他にもそれなりの地位にいる武官や文官まで佇んでいるのだ。

「…この世界では国より宗教ってことか」

そう思わざるをえない光景に歯を食いしばる。

そしてイシュタルが王の隣へと行きおもむろに手を差し出すと王はその手の甲にキスをした。

 

それからこの国の王や王族、重鎮達の紹介が終えた後、神の使徒が降臨したことによる晩餐会が開かれた。

イシュタルやハイリヒ王の言葉によれば親睦を深めるようにとのことだ。

だが、どうやらイシュタル辺りに俺が戦争に反対というのは聞いているのか既に何人か俺に向けている感情は良くないものというのが分かる。

そんな視線に溜め息を吐きながらも俺は虹色の液体を飲む。

色合いはあれだが美味だ。

辺りを見渡し生徒達の様子を見るがみんな何処か楽しそうで自分達が戦争をするという自覚はあまりないように見受けられ

そんなことを考えながら辺りを見ていると香織が幼い子供に言い寄られている姿があった。

確かあの子供はランデル王子…大方香織に一目惚れでもして熱烈なアピールをしているのだろう。それなアピールにも気付かず香織は確りと受け答えする。

 

あれは多分弟とかそんな感じに思ってるんだろうな…

遠くでそんな光景を少しにやけて見ているとアリサとすずかがやってくる。

 

「正人、そんな部屋の隅で、あんまり食べてないじゃない」

「啖呵を切ったとしても、ちゃんとおもてなしは受けなきゃ駄目だよ。」

 

俺が晩餐会の持てなしに消極的なのを見て、注意してくる。

 

「良いんだよ、何人かは俺を警戒してるし、寧ろ施しを受けたら図々しくも見える。」

 

だからこそ施しは最低限にっと留めており。それを聞いたアリサは気にしすぎよっとまた俺に注意した。

 

「多分明日からは座学と訓練が始まるわ」 

「だろうな」

 

やろうとしているのは戦争だ。戦況は刻々と変化するし追い込まれればすぐさま戦力を投下するという苦渋も強いられることになるかもしれない。

だからこそ時間は有限で明日から始まるのは当たり前と俺は思った。

俺はアリサとすずかの顔を見ると無理矢理を強いられるというのに満更な顔でなかったのに気付き首を傾げる。

 

「……どうした?」

「実はいうと羨ましかったのよ。正人やなのはたちが」

「うん、私達、正人くん達みたいに魔法が使えなかったから……でもこの世界に来て力が使えるのなら正人くんと一緒に戦うことだって出来るよね?」

 

そう微笑みながら自分達の心中を口にするアリサ達

意外…ではなくやっぱりと長年親友をやっていることからアリサ達が抱えていた俺達に対する気持ちが少し晴れたことに嬉しく思うが今の現状も相まって素直には喜べなかった。

 

「安心しなさい。戦争なんてまっぴらごめんだから。あくまで力を付けるのは自衛のためよ。」

「うん、何がおきるか分からないしそれぐらいは付けないとね」

良いよね?と言って不安気に見つめるすずかに俺は短く別に良いっと言葉を返すとやったっと素直に喜び合う二人。

この二人なら力を持つことの意味を直ぐ理解できるだろうから問題ない。

それにアリサ達なら無闇に力を振りかざさないと信用もできるし安心も出来た。

そんなことを思っている他所に香織がその光景をこちらを見ていたのは俺は知らない。

その後晩餐会は何事もなく終了、王宮で衣食住を過ごすことになっているために使用人達に案内され部屋へとやってくる。

 

一人1室で天蓋付きベッドなど庶民にはお目にかかることもない高級感に少し気を引ける。

 

「さて、早速はじめますか」

疲れから寝てしまいたいのは山々だがそうもいかないっと気を引き締め。早速、部屋の中をあさり始める。

先ずは盗聴及び盗撮が無いか見つけるため。

神の使徒と讃えられているとはいえ何があるかは検討もつかないために何もないことを確認した後、漸くほっと出来るだろう。

壁や天井、本棚や机など至るところを調べ、最後に魔法的な術式や物がないか調べた後、漸く落ち着き椅子に座ると制服の懐から取り出すのは電子辞書レベルの大きさの平らな機器

機器の側面のスイッチを押すと俺の目の前に空中に浮かぶウインドウとパネルが現れる。

これは俺が管理局に緊急用と用意してくれていた電子端末。 

空中投写型でスペックも並の据え置きPC以上、電力ではなく、魔力で稼動するので空気中の魔素さえあれば機器に内蔵されている魔素を吸収するバッテリーでこんな異世界でも使うことが簡単な端末だ。

 

「さてと、先ずは今日のことを報告書に纏めておかないと…」

 

そう呟いた後、空中に浮かぶパネルを手慣れたタイピングで打ち込んでいく。

すらすらと今日あった出来事や俺の独自の見解と予想。今、分かる世界なことなど分かることを余すことなく打ち込んでいく。

そんな中、並行で通信機能を使いオープンチャンネルでSOSを発信。これで見つけてくれて救助してくれたら助かる。

来たら来たで天之河辺りがだだこねそうだけど物理的に黙らせて、全員にトータスに関する記憶と知識に記憶閉鎖をかけて、親族やメディアには管理局の力を借りよう。

気の早い救出後のプランを立てを頭の中でたて、月が真上に昇り傾き始めたぐらいの位置になったとき俺はベッドに横になり目を閉じ、疲れから直ぐに意識は眠りに落ちていった。

 

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