次元世界の魔導士は最弱の錬成師と仲間達共に行く   作:ウィングゼロ

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33話

 

「八方塞がりね」

「うん、完全に手詰まりだもんね」

 

お手上げと息を吐きながら項垂れるアリサ。

それを見て苦い笑みを浮かべるすずか。

 

フウという少女に勧められて、オルクス大迷宮の最下層にたどり着いたものの、待ち構えていたボスは倒されていて、進む道もない。あるとすれば、壁に埋め込まれている市販では見られないレアな鉱石と、奥の方にある祭壇と、その前にある起動していない転移陣ぐらいだろう。

終着点なのだからもう少しあっても良いだろうと、来た当初はアリサもそう叫んだが、祭壇の石碑に書かれている文字を見て、その心境も一変する。

 

〝他の大迷宮を制した証を示せ、さすれば真なる迷宮は開かれん〟

 

この言葉を意味するものは、他の六大迷宮の内一つでも攻略して、攻略すると手に入れられる証というものをここで使えば、先に進めるということ。

つまりはここから続きが存在するという、残されている古い記述とは異なる内容に、嘘でしょ?と鳩が豆鉄砲を喰らったように唖然とした。

 

現状、これ以上は進めないことから、ここに留まっても時間を浪費するだけなのだが、ある理由でここに一日だけ留まっていた。

 

「南雲くん。いっくよ~えい!」

そんな軽い声を出しながら、この空間を揺らすレベルで、両手に持つハジメ特製のピッケルを壁に打ち付ける香織。

壁に罅が入り、鉱石が取れると、ヒャッハーと奇声を上げながら鉱石をかき集めるハジメ。

 

ここに留まっている理由、それはハジメがここでしか取れない希少な鉱石に目を奪われ、大量に採取しているからである。

ハジメが扱う、拳銃の元になっている鉱石、タウル鉱石が一面に広がっていることに気がついたときは、普段のハジメから考えても想像できない歓喜の雄叫びを上げたのは、アリサ達の脳裏に鮮明に覚えている。

 

それから様々な鉱石をリソースも考えずに乱獲していたことで、ここに一日ほど留まることになった。

 

「でも、まあ……もう良いでしょう……南雲!香織も!休憩したら……地上に戻るわよ!」

 

「うん。そうだね……南雲くんもこれだけあれば充分だよね?」

「うーん……当分は問題ないかな?」

 

このままだと一生をここで永住しそうなハジメに帰ることを言うと、山のように積み上げられている鉱石を横目に渋々といった表情で了承し、ハジメは指に付けられた指輪を鉱石に向けて突き出すと、鉱石の山がその場から姿を消す。

 

「本当に凄いわね……その宝物庫っていうアーティファクトは……」

「そうだよね。これで大量の物資を幾らでも収納できるから、持ち運びが楽だもんね」

 

填めている指輪……宝物庫を見ながら、その備えられている能力に感謝しつつ、喉を潤すために水を口をするハジメ

 

この宝物庫と呼ばれるアーティファクトはこの最下層の石碑に埋め込まれていて、ご丁寧なことに取り扱い方も書かれていたことから直ぐに扱うことが出来た。

これで、持ってきた食料や素材などをバックなどで詰めて背負って体力を消耗しなくて良いと喜び、武器や最低限のアイテム以外は全て宝物庫に収納した。

「それにしても……本当に僕がこのアーティファクト持ってて良いの?」

「当たり前じゃない。どう考えても素材とか消耗品を扱う南雲に渡した方が適任なわけだし」

 

こんな凄いアーティファクトを僕なんかがと、ハジメは受け取っている今でも引け目を感じて、それをアリサはハジメが持っていることが適任と断言する。

ハジメに宝物庫を持たせることは他の香織やすずかも同意で、トントン拍子でハジメが所持することになったが、当のハジメは未だに自分の力を過小評価していることから、宝物庫を持つに見合ってないと思っている。

宝物庫の所持者云々の話が少し続いた後、そろそろ行きましょうかというアリサの声と共に、上層へと上がる階段を上がっていく。

 

「あ、そういえば……」

「どうしたのよ。すずか?」

「10日前に一度地上に戻ったときに聞いたんだけど、雫ちゃん達、もうここに来て迷宮で訓練をしているって話」

「雫ちゃん達が?」

「……なんでかしら。その件に教会が絡んでるような気がするんだけど」

 

アイテム補充のためにホルアドに戻っていた際に聞いた、勇者一行がオルクス大迷宮に再び訓練で遠征に来ているという情報をアリサ達に話すと、アリサはその行動の裏に教会が絡んでいるのではないのかと、嫌な表情を浮かべるのであった。

 

 

 

 

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