目が覚めたら赤ん坊だった。意味がわからないって?安心してくれ、俺にもわからん。
しかも目の前にはハゲたおっさんと綺麗な女性がいる。この人らが俺の両親だろうか。というか何故かこんな状況に陥っているというのにすごく落ち着いている。何故だろうか…
「こいつの名前はディオだ。ディオ・ブランドー。見ろ!この髪色!!お前にそっくりじゃあねえか!!?」
「そうだねぇ…アタイにそっくりだ。この耳のホクロはアンタと同じだねえ…」
…は!?ディオ・ブランドー!!?聞き間違いだよな!!?というかさっきから泣き声がうるさい。いや、自分の泣き声なんだけどさ…
ディオってあのURRRYとかWRRRY叫ぶ吸血鬼だよな!!?冗談じゃねえぜ!!!俺ジョースターの一族に殺されるじゃねえか!!
いや待て、素数を数えて落ち着くんだ…!1、2、3、5、7… 1って素数じゃあなかったな…
よし落ち着いた。
そうだ、名前が同じだけで別人の可能性もある!同一人物だとしても悪行をしなければいいだけじゃあないか!!
そうと決まれば…グゥ…ZZZ…
赤ん坊の頭はオーバーヒートしディオは夢の世界へと飛び立った。
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あれから6年が経った。飛ばし過ぎだと?そんなこと知るか!!俺はディオ様だぜ?
突然だが良いニュースと悪いニュースがある。
まずは良いニュースからだ。
はい、俺はジョジョのディオだったよ…父さんの名前がダリオ・ブランドーだったし…耳に3つのホクロがあるし…しかもイギリスに住んでるし…だが安心してくれ!!ここはジョジョの世界じゃあなかった!現在2005年だ!!
やったぜ!!確かジョジョやディオの生まれた西暦は1868年だった筈だ。
これで俺が吸血鬼になって死なないということが証明された!!
そして悪いニュースがこれだ。
父さんの経営していた店が多額の借金を負い倒産した。ダジャレじゃあねえぞ?ダジャレだったらよかったんだが…
そのせいで父さんが荒れた。自暴自棄というやつだ。家で働かずに昼間から酒を飲み、完全にダメ人間と化した。
母さんはそんな父さんから俺を連れて家を出た。向かう先は日本にある母さんの実家、つまり俺の祖父母の家だ。
言い忘れていたが俺には日本人の血が流れている。母親が日本人とイギリス人のハーフ、それで俺は所謂クォーターというやつだ。
こうして日本に来たものの母さんが僅か一週間で過労で倒れ死んでしまった。
どうやらイギリスで子供の俺と自暴自棄になった父さんを養うために無茶しすぎてしまったのだろう。
俺は泣いた。初めてこの世界で心から泣き、悲しんだ日だった。
これが悪いニュースだ。現在はジイちゃんとバアちゃんと俺で暮している。
近場の小学校に通い普通の学園生活を送った。
前世?と違うのはモテるということだ。何たってディオ様の容姿だからな。ロールプレイングしてるし。
クォーターでキリッとした顔立ちの中に幼い子特有の可愛いさが残っている。しかもクール(多分)!!モテる!!実にモテるぞ!!最高にハイッてヤツだ!!フハハハハッ!!!
なんて言ったものの相手は小学生だぜ?俺はロリコンじゃあねぇんでな。別にモテて嬉しいとかそんなのはないんだからねッ!!
まあそんな訳でモテまくってるんだよね!これを見ているみんなに質問しよう。同じクラスにモテモテな奴がいたらどうする?勿論嫉妬する。
しかも相手は小学生。はい、始まりましたイジメ。
朝、机に死ねだの馬鹿だの消えろ等、いろいろと悪口が書かれていた。oh…
女子達は犯人がわかっているらしくガキ大将チックな風貌をしたタカキ君を責めている。「ちょっとタカキー!」って。
タカキくんは悪びれもせずに面倒くさそうに聞き流す。
まあこういう行為を行うのは相手が嫌がる姿を見て楽しむのが主なイジメの典型だと思う。
なのでこういうのは無視に限る。
イジメは一年後に無くなった。
理由はディオを呼び出したタカキくんとその取り巻き5人がディオ1人にボコボコに打ちのめされたからだ。
その時のディオのセリフ抜粋。「正当防衛だ。法的にはやってしまっても構わないのだろう?」
タカキくんは痛い目に合った。