俺達は何故“天国”へ向かおうとしているんだ?
それが私達が“運命”を覆す唯一の方法だからだ。
“運命”?
そうだ…我々、生命あるものは全て『運命の奴隷』なのだ。
“運命”とは、この世に生まれ落ちた瞬間から『決定されている未来』であり、また『人と人との出会い』のことだ。“運命”は必然であり偶然ではない。全て理由がある。
例えば…君とハジメの出会いなんかがそうだろう。
あの時君がラノベじゃあなく、他の本棚にいればハジメに会うことはなかっただろう。彼との縁は奈落へ落ちた今でも続いている。
そして、決してその“運命”を変えることは出来ない。それは私達のような生物を超越した者でも…だ。
人間を辞めた私も最後は“運命”により敗北した。
それじゃあお前はどうやって“運命”を覆そうとしているんだ?
私達は『運命の奴隷』だ。それを、私達を解き放つことが出来るのが“天国”へと到達することだ。
“天国”へ到達した者は“運命”という鎖に縛られない。そのような特別な立ち位置に立てる。
“天国”へ行く…か…それはあの天国地獄の“天国”か?
それは違う。私の言っている“天国”とは“精神”に関わる事だよ。
精神の向かうところ……死ねってことじゃあない。精神の『力』も進化するはずだ。
そしてそれの行き着くところって意味さ。
意味がわからない…一体お前は…!!
おっと、すまない…そろそろ時間のようだ。君が今わからないのも無理はない…しかし…君はいつか、私やかつての友のように、この“天国”を理解出来る日が来るだろう…
あと、私達の裸体を容易に晒すんじゃあない!
待てッ!!?待てッ!!クソッ…!!
「待ちやがれッ!!!」
俺は目を覚ますと、手を上に掲げて大声で叫んでいた。
何故叫んだのだろう…何も思い出せない。何か大切なことを話していたような気がする…
たしか…俺の裸体がどうやらこうたら…
まぁそんなことは置いといて、俺がこのオスカーの住処に辿り着いてから約二ヶ月経ちました。
その間、三人で特訓しまくり、ステータスは右肩上がりだ。ハジメがだけど。俺の無いから強くなってるかわからん。
因みに、手に入れた神代魔法『生成魔法』の適性はそこそこだった。
錬金術師のハジメには勝てなかったよ…
この魔法めちゃ使える。その効果はなんと、都合の良い鉱石を創り出すことが出来るという効果だ!!ハジメと俺が三週間程、寝る間も惜しんで共同開発したのがこちら!!
テッテレー!『衣服自動修復装置〜(ダミ声』
効果は名前の通り、見た目はDIOに合わせて、緑色のハートのサークレットだ。一応これが壊れた時用に両膝に予備を付けている。
皆さん気になる見た目は勿論DIO様フォームよ。
黄色の上着に黒いインナーを着用し、ズボンも黄色、しっかり股間の社会の窓も開けている。
もう魔物の毛皮で服を作る必要はなくなったのだ…!!
うん、本当にハジメには悪い事したと思ってる。反省するよ…多分。
そしてハジメの持つ『宝物庫』という便利アイテムの複製を作った。これが何なのかと聞かれれば四次元ポケットと答えよう。元々はオスカーの遺体の指に付いていた物らしく、それをハジメが頂戴したようだ。
俺とハジメはそれを解析し、本物にはまだ及ばないが、『宝物庫』の複製の製造に成功したのだ!いずれはあの世界最古の王みたいにするのさ!
形状は、オリジナルの指輪とは違うベルト型にしておいた。しっかり緑色のハートだ。
そしてハジメのステータスはこちら!
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???
天職:錬成師
筋力:13256
体力:15368
耐性:10862
敏捷:14568
魔力:15832
魔耐:14786
技能:錬成・その他諸々
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こんな感じだ。うん?技能が適当だって?
しょうがないじゃあないか。ハジメの技能多すぎるのが悪い。技能数26+派生技能20だ。こんなにやるのは面倒だぜ。
しかも魔物を喰いすぎてる為、レベルはバグっている…チーターや!!
さらにユエとできていた。奈落に落ちてからいつも強気のハジメが受け身になってるところを見て思わず吹き出してしまい、バレて十時間程追いかけられた…
まぁそんなこんなで二ヶ月の猛特訓を終え、ステータスだけでは無く、技術もかなり上昇した。
例えばハジメ、彼は『宝物庫』から弾丸を空中に転送し、そのまま装填するという人間離れした技術を手に入れていた。あと、魔力駆動二輪、四輪を製造していた。バイクと車だな。
ハジメの蒸発した目については、魔眼石とか作って目に填めていた。完全なる厨二病である。
俺もかなりの力と技術を手に入れたつもりだ。そう易々と地上の敵に負けはしないだろう。ハジメとユエにもまだ負けたこと無いし。
最後にスタンドだが、全体像を出せるようになった。止められる時間はまだ3秒だが、これから伸びていくだろう。いずれは1分、1時間、制限なしになる可能性もある!!
あと、このザ・ワールドはハジメやユエにも見えるらしい。まったくスタンドはスタンド使いにしか見えないというルールはどうなってんだ。仕事しろ!
しかしユエが言うには、このザ・ワールドは魔力の塊で出来ており、技能に“魔力操作”を持つものにしか見えないのだとか。魔物はみんな持ってるな、うん…
ハジメ曰く明日にはもう地上へ戻るそうだ。俺も住処から出る準備は終えてるし後は眠るだけだ。
俺は最後に、復活した最下層の魔物の血を飲み干し眠りについた。
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DIO・Brando 17歳 男 レベル:???
天職:吸血鬼
筋力:38215
体力:25096
耐性:13941
敏捷:32009
魔力:11231
魔耐:10013
技能:吸血・自動回復・不老不死・肉体操作・異常状態無効・痛覚軽減・豪力・豪運・五感強化・日光耐性・幽波紋【ザ・ワールド[+時間停止]】・魔力操作・威圧[+圧迫]・裁縫[+精密裁縫][+生地見極]・生成魔法・高速魔力回復・投剣・血飲強化・言語理解
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ついに今日、DIO達は地上へ出る。
屋敷の三階にある魔法陣を起動させながらハジメはユエに小さな声で告げる。
「俺がユエを、ユエは俺を守る。それで俺達は最強だ。DIOもいるが途中で抜ける可能性が高い。最悪は敵になるかもしれない…あいつにはなるべく“天国”の話を振るな。呑まれるぞ。」
「ん…DIOが“天国”について話す時…何かおかしい…」
「あぁ…抜けるだけなら全然気にしないんだが…敵となると俺達二人がかりでも倒せるかもわからない。それ程の力だ。」
ハジメとユエはDIOから漏れ出る微々たる狂気を、この二ヶ月で感じ取っていた。普段は何も感じないが、“天国”の話になるとDIOはおかしくなるのだ。
無意識に威圧感を放ち、幾らか耐性を持っているハジメとユエさえも震え上がらせる。
何か考えごとをしているのか、日光対策のコートを羽織り、静かに目を閉じているDIOを見ながら再度ユエに告げる。
「敵は誰であろうと全部なぎ倒して、世界を越えよう」
ハジメの言葉に、ユエは背後からハジメに抱きしめ、いつもの無表情を崩し、花が咲くような笑みを浮かべた。そして少し寂しい表情になる。
「んっ!!………でも無理はしないで……私はハジメが傷つくところを見たくないから…」
ハジメはDIOから目線を落とし、俯きながら答えた。
「わかってる…」
そして次の瞬間、眩い光が三人を取り込んだ。
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俺の“天国”へと到達する条件は既にいくつか揃っている。
必要なものは私のスタンドである。
これはザ・ワールドがある。
必要なものは信頼出来る友である。
これはハジメだ。多分大丈夫だろう。…いや、神の法を尊んでいないな…大丈夫だろうか…
必要なものは14の言葉である。
これは何十年も前に見たのにも関わらず、全て覚えている。
・らせん階段
・カブト虫
・廃墟の街
・イチジクのタルト
・カブト虫
・ドロローサへの道
・カブト虫
・特異点
・ジョット
・
・紫陽花
・カブト虫
・特異点
・秘密の皇帝
だ。これを特定の場所で言えばいいだろう。
足りないものは極罪を犯した36名以上の魂、そして勇気だ。
俺は天国へ行くと言ったものの、まだそのことに関して恐怖心が消えていない。何かが胸の中でモヤモヤとし、何かを引き止めているようだ。一体何を止めているのだろうか…
スタンドを捨て去る勇気を出すにはまだ時間がかかりそうだ。
36の魂はこれからの道中に集めればいいだろう。この世には屑が溢れているからな。神父みたいに収監所のような場所へ赴くのもいいかもしれない。
やはり質の悪い魂より、高純度の魂が欲しい。その方が天国へ到達した時に得られる力は大きい。
あれ…?なんで俺、そんなこと知ってんだ…?というか俺が天国に到達したら神父みたいに時を加速して、世界を一巡させるのか?…わからん。
俺達のいる魔法陣が光を放ち始める
おっ、そろそろ転移か…少し名残惜しい気もするが早く美味い血を吸いたい。まずは近場の村や町の人間共を手当たり次第に殺さないように吸血して回るか。
この際男でも構わない。ハジメの血は流石に飽きた…!
そこで光が俺達を包み込み、転移の術式が発動した。
オリ主はアイズオブヘブンを知りません。というかオリ主の元いた世界では存在していません。所謂パラレルワールドってやつですね。