ありふれてはいけない職業で“世界”超越   作:ユフたんマン

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待たせたな!

…すいません…他のssやリアルの事情により更新が遅れてしまいました…

他のssもみてね!(露骨な宣伝)
久しぶりに執筆したので少し書き方が変わっているかもしれないですが悪しからず


引力

「ハジメ…君は“引力”を信じるかい?」  

 

ハジメには意味がわからなかった。突如DIOの雰囲気が変わり、自分に問いかけて来たからだ。

今は“天国”の話をしていない。それなのにいつも天国について話すDIOと同じ威圧感を放っているのだ。

 

「“引力”…?一体何を…」

 

先程震えが治まっていたシアも再び震えだし、目尻には涙を浮かばせている。当然だろう。耐性のあるハジメ達でさえぶるってしまう程の威圧感なのた。気絶しないだけでも大したものだ。

 

「ハジメは万有引力というのを知っているか?」

 

「まぁ…何となくは…たしか全ての物体は互いに引力を及ぼし合っている…っていう法則だったか…?」

 

「そうだ。“全ての”…つまりその中に当然人にも備わっている。我々人間は互いに引き合っている。そして互いに引き合っているからこそ、我々は“出会う”んだ。

しかしこの世界には何億という数の引力によって常時引き寄せられ続けている。出会える者もいれば出会えぬ者もいる。それは何故か…

それはおそらく、出会った人間同士が、特別に強い“引力”で引き合っていたからだと思っている。

『特別な引力』…それを我々は“運命と呼んでいる」

 

「運命…私は…信じる…」

 

DIOに圧倒されながらもユエは答える。ユエはハジメとの出会いを運命と感じている。運命でなければなんだというのだ!という気迫が込められていた。

 

「まぁ…ユエとの出会いは俺も運命だと思ってるしな…信じるしかねーよな」

 

ハジメもユエに信じているという趣旨を伝えると、DIOの雰囲気は元に戻り普段のDIOへと変わる。

 

「そうか、君たちは信じているんだね?ならシアとの出会いはどうだい?私達と同じように魔力操作という技能を持ち、さらにはユエと同じ先祖返り。この出会いを運命と呼ばなくては何と言えばいい…“運命”というものは既に決められている。それは拒否しようがすまいが結果が覆ることはない。そしてーーーー…」

 

雰囲気が元に戻ってもなおDIOは続ける。ハジメは直感的にヤバイと感じ、話を遮る。

 

「わかった…DIOがそこまで言うならコイツを助けてやる。だがやるのはコイツらを帝国兵から守り樹海へと送るだけだ」

 

「…樹海の案内に丁度いい」

 

ハジメはユエに真っ直ぐな瞳を向けて、DIOに聞こえないように告げた。

 

「運命と引力は禁句な?」

 

「…ん」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ふぅ〜、少しスイッチが入ってしまったな…恥ずかしい、、、何故こんなに運命について語ったのだろうか…厨二病かな?いや、ハジメのほうが厨二病っぽいからセーフかな?

 

まぁいい。あれから私達一行は樹海へ向けて出発した。因みにシアは俺の車の隅っこで震えながら縮こまっている。何故だろうか…

唐突だがシアは未来視が出来るという。断片的にらしいがなかなか強力だと思うよ。俺TUEEEEEE出来るよ。私が保証する。だってラノベで見たもん。

 

まぁ使いどころを間違えてピンチになったとかでハジメ達に残念ウサギと呼ばれていた。まぁ私は言わないでやるが…

というかここまで怯えられたら流石に私も少し傷つく。さっきまでは魔力操作を持っている同類に会えて喜んでいたというのに…

 

 

少し車を走らせていると、魔物に襲われているシアと同じ耳をつけた集団が視界に入る。その瞬間にハジメはドパンッドパンッとワイバーン型の魔物を撃ち殺していき、私もハジメに続きザ・ワールドを出し、適当にコロコロしていく。すると、またもやハウリア族の連中に怯えられた。一体私が何をしたというのだ!!因みにハジメは怯えられていない。

適当に人数を数えてみると、だいたい数十人といったところか。

 

「み、みんな〜…助けを呼んできましたよぉ〜…!」

 

「「「「「「「「「…シア!?」」」」」」」」」

 

車の窓から上半身を乗り出したシアは私の機嫌を窺っているのか知らないが、こちらをチラチラと横目で見ながらハウリア族のウサギ共に声をかける。それに反応したウサギ共は驚きながらシアの名を呼ぶ。

…おい、少し待て…なんだその目は…こんな恐怖の権化のような人が自分達を助けに来ただって!!?という目は…!誤魔化そうとしても無駄だ。

 

シアは車に降りてすぐにハジメの方に走り出し猛抗議する。

 

「あぁんまりですぅぅぅううう!!!私もハジメさんと一緒に乗らして下さいぃぃい!!D、DIOさんと一緒だと恐怖で死んじゃいますよ私は!!」

 

結構傷つくんだがそれは…普通本人の前で言うか…?吸い殺してやろうか。…おっと冗談だよ冗談。だからそう怯えないでくれ。

 

「シア!無事だったのか!」

 

「父様!」

 

硬直から解けたシアの父と思われる男はシアと抱き合う。目尻には涙を浮かべている。感動的だな、だが茶番だ。

 

ウサミミおっさんという色物を眺めていると、互いの無事を喜んでいた二人は私達の方へ向き直った。

 

「ハジメ殿、DIO殿、ユエ殿でよろしいか?私はカム。シアの父にしてハウリアの族長をしております。このたびはシアのみならず我が一族の窮地をお助け頂き、何とお礼を言えばいいか。しかも脱出まで助力くださるとか…父として、族長として深く感謝致します」

 

そう言って頭を下げる。ハジメがあっさり信用したことに疑問を抱くが、シアの信用する相手だから我らも信用しなくてどうする、といった警戒心0である。野生を忘れたのか?

ウサギ共は私と目が合うとすぐに地面へと落とす。やはり私は獣人族に怯えられているようだ。私の前からの夢、警戒心0、私に心を開いている獣人娘と戯れる行為が不可能であるという現実がわかった瞬間である

 

 

 

 

あとハジメはツンデレ。はっきしわかんだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

 

 

あれから、わた…俺達はウサギ共42人を連れて峡谷を進んでいった。出てくる魔物は全てハジメがヘッドショットで撃ち抜き瞬殺。強い…

 

道中にハジメが自分をおちょくっていたシアをゴム弾で撃つなどいろいろあったが、今ついに、ライセン大峡谷から脱出出来る場所へと辿り着いた。

 

というかウサギ共の子供はハジメのことをヒーローのように見ている中で、私…俺だけに畏怖の目を向けるのやめてくれないか!?スゲー悲しい。

 

「…いるな」

 

「ああ…」

 

強化した聴覚で人間の声が聞こえた。恐らく帝国兵だろう。ハジメもその気配に気付いていた。それよりもこの気配……足しにはなるか

 

「おいおい、マジかよ。生き残ってやがったのか。隊長の命令だから仕方なく残ってただけなんだがなぁ〜、こりゃあいい土産が出来そうだ」

 

約30人くらいか…質より量を取るなら妥当なあたりか…

 

「小隊長ォォォォオオ!!?」

 

突如、一人の帝国兵の腹に風穴が空く。

 

「どうしたァァァラバッ!!」

 

また一人…

 

「み、見えない何かに…!!ギャァアアアアッ!!!」

 

また一人…

 

「た、たすけブルァアア!!?」

 

また一人…

 

「し、死にたくないィイイィイイァァァ!!?」

 

また一人…

 

 

命乞いする帝国兵すらもザ・ワールドで無慈悲に殺していく。こいつらは善悪を10で分けるとすると平均で4:6程のカスも同然の食糧共だ。

 

「光栄に思うがいい!このDIOがネズミの糞にも匹敵するその腐った脳味噌をした貴様らに引導を渡すということをなァッ!!

貴様らは我が目的の為の糧となってもらうッ!!」

 

残った帝国兵に宝物庫から多数のナイフ型の魔剣を取り出し投擲する。それは全て残った兵達の眉間を貫き、絶命させる。

 

死体の頭からナイフを抜き取り回収した私は、死体には目もくれず周りを確認する。見える、死に輪廻の輪に向かう魂達が…!!   

 

『大切なことは『認識』することですじゃ!スタンドを操るという事は出来て当然と思う精神力なんですぞッ!』

 

頭に老婆の声が響く。かつて言われた言葉が…

 

ザ・ワールドは淡く発光し、この世に留まる魂を一つを除いて全て吸収する。

 

 

 

 

 

出来た…我がスタンドに魂を取り込ませることが…ダービー兄弟のスタンドがなければ出来ないと思ってはいたが…それは杞憂に終わったようだ。

 

私は小隊長と呼ばれていた男の首に手を差し込み、吸血鬼のエキスを流し込む。その瞬間、死体の頭上にあった魂は何かに縛られるように動きを止め、死体の方へ引きづられていく。

たちまち小隊長だった男の肉は爛れていき、人間だったとは思えない異形へと成り果てる。

 

URRRY…

 

所謂、屍生人というやつだ。

周りから悲鳴が聞こえるが無視し、必要なことを聞いていく。

 

「他の兎人族がどうなったか教えろ。結構な数が居たはずだが…全部帝都に移送済みか?」

 

…恐らく…全て…移送済み…かと…売れそうに…ない、老人共は…殺した…から…

 

「そうか…御苦労」

 

私は屍生人を蹴飛ばし炎天下の下に晒す。

 

ぎゃあああっ!!!

 

屍生人はジュージューと肉を鉄板で焼く時のような音を立て、断末魔をあげながら灰になった。

 

 

「だ、そうだが…ハジメ、どうする?」

 

ハジメに声をかけるが返ってこない。一体どうしたんだ?

 

「ハジメ?」

 

「…ああ!?すまん、ちょっと考え事をな…」

 

本当か〜?まぁいいか。よし、さっさと行こうぜ!

 

ハジメは魔力駆動二輪、バイクを帝国兵が使っていたであろう馬車に連結し、ハウリア族を乗せ樹海へと進路をとった。

 

いざ、樹海へ!!レッツラゴー!!

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ハジメとユエは戦慄していた…いや、この場にいた者全てが目の前の惨劇を起こした張本人に恐怖していた。

 

DIO…彼一人で帝国兵の部隊は壊滅した。それだけならハジメとユエは何も思わない…自分達でも容易に出来るからだ。

彼らが驚き恐怖したのは、それを嗤い、まるで息をする様な当たり前の行為のように成し遂げた事だ。

 

ハジメは邪魔する者は全て殺すと決めてはいるが、やはり人の子。ほんのちょっぴりだが抵抗はある。出来れば人を殺したくないとも思っている。

 

だが彼、DIOは違った。彼は作業をする様に平然と人を殺したのだ。しかも殺した人間を醜い姿へと変貌させ生き返らせるという死者への冒涜、そして意識があるゾンビから情報を聞き出し、聞き終えると、もう一度、日光に当てて殺したのだ。

 

断末魔が峡谷に響いた。ハジメの周りのハウリア族も顔を青ざめ震えている。無理もない。彼らは元々温厚な種族で虫を殺すのも泣いて謝りながらするという優しすぎる性格だ。それがこんな惨劇を見たらどうなるか…子供はチビり気絶、大人も意志力が弱い者は気絶している。それほどまでに残酷な行いをしていたのだ。

 

「…眷属を造るのはほんの一握りの吸血鬼だけ。…しかもそれは神話級。…私には出来ない」

 

ユエの言葉でゾッとする。その話が本当なら、この世界の神、エヒトとも劣らない有力者ということになる。

かつて天才とまで言われたユエを超える化け物に…

 

 

 

(もうDIOは人間じゃない…)

 

その事実を受け止めたハジメは親友のDIOへの警戒を高めた。雰囲気が戻っても威圧感や残虐性は衰えていない。

 

確実に…汚染されている…

 

 

 

 


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