ありふれてはいけない職業で“世界”超越   作:ユフたんマン

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転生?した世界でさらに転移しました…

唐突だが高校生になった。

小学校から一緒だったタカキくんとは別の高校に入った為、かなり寂しい今日この頃。連絡は今でも取り合ってるけど。

入学当初など顔馴染みといえばタカキと同じく小学校から一緒の天之河光輝、八重樫雫、白崎香織と、中学の時に光輝繋がりで知り合った坂上龍太郎の4人ぐらいだ。

しかもその中の2人が二大女神と呼ばれるようになり、話しかけ辛くなった。

 

1人目は白崎香織。いつも微笑の絶えない彼女は、非常に面倒見がよく責任感も強いため学年問わずよく頼られる。黒髪ロングで少しおっとりとした印象を受ける。

 

そして2人目は八重樫雫。香織の親友であり、ポニーテールにした黒髪がトレードマークだ。切れ長のの目は鋭く、しかしその奥には柔らかさも感じられる為、冷たいというよりもカッコいいという印象を与える。

香織と光輝と知り合ったのも雫のおかげだ。

最初に出会ったのは小学生の時だな…なんとなく体育館裏に行くと雫を含めて女子が4人程いたんだ。俺を女子達が見ると雫以外が慌てふためき何処かへ走り去った。何かやってしまったのかとすぐにその場から離れたが…それから雫が話しかけて来るようになったな。なんでだろう?今でもわからん…

まぁそんなこんなで雫達と知り合った。

 

 

あと紹介を忘れていたが天之河光輝。彼は俺と同じくイケメン、さらに運動、勉強もサラッとこなせる超人だ。思い込みの激しい欠陥付きだけど…

 

そして坂上龍太郎。身長190cmの巨体を持つ、努力、熱血、根性が好きな人間だ。因みに俺の身長は193cmだ。

 

さて、そんな感じで現在は知り合いも増え第二の高校生活も楽しくやっている。

俺の最近の楽しみは読書と香織を観察することかな。おっと!!その11と打っているスマホを放そうか!誤解だ!観察といってもストーカーじゃあないぜ?

もうそろそろ来るんじゃあないかな?

 

始業チャイムが鳴るギリギリで教室が開かれる。入って来たのは南雲ハジメ、極めて平凡な容姿をしている。彼が教室に入ると、男子生徒の半数が舌打ちし、鋭い目で睨み付ける。女子生徒も友好的な表情をする者はいない。

 

「よぉ、キモオタ! また徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ?」

「うわっ、キモ〜。エロゲで徹夜とかマジキモいじゃん〜」

 

何が面白いのかゲラゲラと笑い出す男子生徒達。

声を掛けたのは檜山大介といい、ハジメに絡むのが日課となっている生徒達の筆頭だ。近くで馬鹿笑いしているのは斎藤良樹、近藤礼一、中野信治という3人で、大体この4人がハジメに絡む。

 

だがハジメはオタクではあるがキモオタと罵られる程、身だしなみや言動が見苦しいという訳ではない。

世間一般ではオタクに対する風当たりは確かに強くはあるが、本来なら嘲笑程度はあれど、ここまで敵愾心を持たれることはない。

では何故男子生徒全員が敵意や侮蔑をあらわにするのか。

 

その答えが香織だ。

 

「南雲くん、おはよう!今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 

ニコニコと微笑みながらハジメの方へ歩いて行った。

 

香織は何故かよくハジメに構うのだ。俺や雫は何故か知っているが…

徹夜のせいで居眠りの多いハジメは不真面目な生徒と思われており、生来の面倒見のよさから香織が気にかけていると思われている。

これでハジメの授業態度が改善したり、あるいはイケメンなら香織が構うのも許容出来るかもしれないが、生憎、ハジメの容姿は極々平凡であり、態度改善も見られない。

このような理由で男子からは嫉妬向けられ、女子からは不快さを感じられている。

 

そして光輝と雫、そして龍太郎がハジメの方へ歩いて行くのを後ろから眺める。

俺は趣味方面でハジメとの繋がりもある為、ある程度は彼がどんな人間かは知っている。なので学校では大抵は不干渉だ。

 

手元の推理小説を読みながらチラチラとハジメ達を見る。

 

「? 光輝くん、何言ってるの?私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」

 

光輝が香織に甘えるのはやめろ。香織はお前に構ってばかりいられないぞと言うと、香織から爆弾を投下される。

その言葉で教室が騒つく。やはり彼女らを見るのは飽きない。

 

「え?……ああ、ホント、香織は優しいよな」

 

どうやら光輝の中で香織の発言はハジメに気を遣ったと解釈されたようだ。

なんと都合の良い耳だろうか……あいつは自分の正しさを疑わないところがあるからな…

 

聞き耳を立てていると一つの足音が聞こえて来た。

 

「ディオはまたあの2人を見ているの?飽きないわねぇ…」

 

本から視線を上げるとそこには雫が呆れたような顔で立っていた。

 

「まぁな。香織達を見ていると大抵は光輝がやらかすじゃあないか。なかなか滑稽だとは思わないかい?」

 

「いい性格してるわね」

 

フフフッと2人で笑うと周りから視線が向いていることが分かり少し恥ずかしくなる。

周りから見れば美男美女が笑い合っているいい絵になっているが。

 

そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。そして空気のおかしさには慣れてしまったのか何事もないように朝の連絡事項を伝える。そしていつものようにハジメが夢の世界に旅立ち、当然のように授業が開始された。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

四時間目が終わると購買組はさっさっと教室を出ていった。おそらく限定の焼きそばパンを狙っているのだろう。

 

そんなことは関係ない俺は鞄から小さめのバスケットを取り出し、読み挿しの小説を読みながらバスケットの中にあるサンドイッチを手に取り咀嚼する。ふとハジメの方を向くとやっと起きたようだ。鞄から十秒でチャージ出来るゼリーを啜ったハジメは再度寝ようとしていた。座った体勢でよく寝れるな…と呆れつつ香織の方を見ると、彼女は珍しく教室にいるハジメを見て弁当を持ちハジメの席へと向かって行く。

また面白いことが始まりそうだな…とニヤリと笑う。

 

「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当?よかったら一緒にどうかな?」

 

再び不穏な空気が教室を満たし始める。

 

ハジメは抵抗を試み、ゼリーのパッケージをヒラヒラさせ、もう食べたから、と言うがーその程度の抵抗など意味をなさないとばかりに女神は追撃をかける。

 

「えっ!お昼それだけなの?ダメだよ、ちゃんと食べないと!私のお弁当分けてあげるね!」

 

さらに周りの圧力が増していき、ハジメから冷や汗が流れる。この圧力に気付かない香織はある意味大物だな…

そんな時にハジメの救世主が現れた。光輝だ。

 

「香織。こっちで食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?

ディオもそこで1人で食べてないで俺達と食べないかい?」

 

爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。少々鈍感というか天然が入っている彼女には俺のイケメンスマイルも効果はない。従って光輝のイケメンスマイルやセリフも効果はないようだ。

それを見た俺は読んでいた本を閉じ、バスケットを持って光輝達がいる席へと向かう。

 

「あぁ、一緒に食べようか。」

 

雫の横に椅子を置き座る。

 

「さぁ、香織も」

 

「え?なんで光輝くんの許しがいるの?」

 

素で聞き返す香織に思わず雫が「ブフッ」と吹き出した。かくいう俺も少し吹き出してしまった。過去一番のお笑いだ。コントでもしているのか?

 

笑いを堪えていると突如、純白に輝く模様、俗に言う魔法陣らしきものが出現した。それは徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大される。

自分の足元まで異常が迫って来たことでようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。

教室に残っていた四時間目の社会科教師である畑山愛子先生が咄嗟に「皆!教室から出て!」と叫んだのと魔法陣が爆発したように輝いたのは同時だった。

 

 

 

あれれれれ?このパターンってもしや……

 

 

とんでもない光量に目を瞑り手で庇う。

そしてザワザワと騒ぐ無数の気配を感じて目を開く。するといきなり体に倦怠感と吐き気が襲う。

 

数十秒の死闘の末に、どうにか山場を乗り切り、安堵の溜息をつく。あの光に呑まれてから体調が優れない。そんな俺に気付いた雫が俺に肩を貸してくれた。ありがたいが身長差が激しくて少し辛い。

 

少し楽になり周りを見ると見覚えのない人たちが神に祈るように跪いていた。

突如のことに混乱していると、豪奢で煌びやかな衣装を纏った七十代くらいの老人が進み出てきた。

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いております、イシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

そう言って、イシュタルと名乗った老人は、好々爺然とした微笑を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

拝啓、前世のお母さん。どうやら俺は転生と転移、どちらも体験したようです。違う世界の地球から今回は異世界のようです。

 

 

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