ありふれてはいけない職業で“世界”超越   作:ユフたんマン

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低評価を付ける方や面白く無いな、ここは変えた方がいいんじゃないか、等思う方は出来ればでいいのでどこがダメかなど活動報告で教えてください。改善していきたいと思います。
小説向いて無いな、やめれば?的なことはやめてください。心が折れます…


ステータスプレート

あの後は晩餐会が開かれ、異世界料理を堪能した。見た目は洋食と殆ど同じだった。味は…うん…めっさ薄かった。どんな料理もほぼ食感だけで味はしなかった。夜になって気分も体調も良くなってたんだがなぁ…

まぁその後に部屋に案内されて一眠りさ。眠くならずなかなか眠れなかったが…

天蓋付きベッドは流石にビビった。

 

そして今日から早速座学と訓練だ。

全員が揃うとメルド団長から銀色のプレートが配られた。大きさはというと小さいスマホぐらいのサイズだ。

全員に渡ったのを確認したメルド団長は直々に説明を始めた。

 

「よし、全員に配り終わったな?このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、なくすなよ?」

 

非常に気楽な話し方をするメルド団長。彼は豪放磊落な性格で、「これから戦友になろうってのにいつまでも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員達にも普通に接するように忠告するくらいだ。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。“ステータスオープン”と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。あぁ、原理とか聞くなよ?そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ。」

 

メルド団長が言うにはアーティファクトとは現在では再現出来ない強力な力を持った魔法の道具のことだ。神やその眷属が地上にいた頃に作られたと言われているらしい。

 

 

周りの皆は顔を顰めながら指に針を刺し血を流す。それを見ていると何故か腹が空いてきた。まるで昨日から何も食べていないかのように…

皆が血をプレートに擦り付けたのを見て正気に戻る。

俺は何思ってるんだ?血を見て美味しそうだなんて…

 

頭を振り変な考えを振り払う。

 

俺も血を出しプレートを擦り付ける。

 

すると…

 

 

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ディオ・ブランドー 17歳 男 レベル : 1

天職 : 吸血鬼

筋力 : 200

体力 : 112

耐性 : 65

敏捷 : 82

魔力 : 90

魔耐 : 28

技能 : 吸血・自動回復・不老不死・肉体操作・異常状態無効・痛覚軽減・剛力・豪運・五感強化・日光耐性・◼️◼️紋[◼️・◼️◼️◼️◼️]・言語理解

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表示された。あれ?文字化けしてる…というかこれ絶対隠す気ねぇだろ…

日光耐性…?あっ、これがあるから灰にならずに済んだのか…!!

 

「全員見れたか?説明するぞ?まず最初にレベルがあるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれが人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達出来る領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない。」

 

なるほど…ゲームのようにレベルが上がってもステータスが上がるわけじゃあないのか…

ところで俺ってば吸血鬼なんだが限界は100までなのだろうか…

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることも出来る。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 

別にレベルを上げなくてもステータスは上昇するのか…

装備は俺のステータスやディオの能力的にも素手の方がいいな。

 

「次に天職ってのがあるだろう?それは言うなれば才能だ。末尾にある技能と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦闘系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一つの割合だ。非戦闘系も少ないといえば少ないが…百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持ってる奴が多いな」

 

天職ねぇ…言い換えるとドラ○エの職業みたいなもんか…俺の天職って種族と間違えてない?

そういえば俺達のいた世界は、この世界よりも上位の世界らしく、その世界に住んでいた俺達は、トータスの人達よりハイスペックなのだそうだ。

 

メルド団長の説明を続ける。どうやらレベル1の平均は10程度らしい。俺のステータスを見る。…見事にチートだな…3桁超えてるし…

 

メルド団長の呼びかけに早速、光輝がステータスを報告しに前に出た。そのステータスは……

 

 

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天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

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俺よりチートじゃあねぇか…バランス良すぎだろ!ゾロ目ですね、はい。俺のは尖ってるからなぁ…

 

「ほお〜、流石勇者様だな。レベル1で既に3桁か……技能も普通は二つや三つなんだがな……規格外な奴め!頼もしい限りだ!」

 

 

 

その後、他の生徒たちも、光輝には劣るが、この世界では充分なチート揃いだった。そして俺の番が周りステータスプレートを報告する。

 

「こ、これは……聞いてはいたが…ステータスも筋力、体力においては勇者をも越している…!!それにこの技能……」

 

何やらすごく驚いているようだ。まぁ吸血鬼だしな。昨日の晩餐会でこの世界の吸血鬼について聞いたが既に300年程前に滅びているらしい。今では余り吸血鬼についての文献は多く残っていないらしく、吸血鬼を知らない人間も意外に多いらしい。

 

少し唸ったメルド団長は小声で俺に忠告する。

 

「このステータスプレートは一部を隠蔽することが出来る…だからこの自動回復と不老不死だけは隠しておけ…!確実に面倒ごとに巻き込まれるぞ…!」

 

「……わかりました…」

 

訳がわからないよ…まぁ面倒ごとに巻き込まれたくない為一応その通りにしておく。全く…吸血鬼といえば不死身ッ!!不老不死ッ!!スタンドパワーッ!!だろォ!!?

最後は違うが…

 

そして最後にハジメが乾いた笑みを浮かべながらメルド団長に報告しに行く。

 

なんであいつの笑み乾いてんだ?まさかあんま使えねーチートだったのか?大丈夫だよ。俺知ってる。使えないチートって大抵終盤で大活躍するから。ラノベで見たもん。

 

ハジメのステータスプレートを見たメルド団長は、今まで規格外のステータスばかり確認してきた為、ホクホクしていたが、「うん?」と笑顔で固まる。「見間違いか?」というようにプレートを叩いたり光にかざしたりする。そして、ジッと凝視した後、もの凄く微妙そうな表情でプレートをハジメに返した。

 

「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛治する時に便利だとか…」

 

その言葉にいつもハジメを目の敵にしていた男子達がくいつく。食いつかない筈がない。

 

檜山がニヤニヤとしながら声を張り上げる。

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛治職でどうやって戦うんだよ?メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」

 

「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国のお抱えの職人は全員持っているな」

 

「おいおい南雲〜。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

檜山がウザい口調でハジメの肩を組む。

 

「さぁ、やってみないとわからないかな」

 

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボい分ステータスは高いんだよなあ〜?」

 

メルド団長の表情からあいつハジメのステータス察して言ってんな…?嫌な性格をしてるな…

強い者に媚び、弱い者を強く出る小物臭漂う性格…前者だけなら世渡り上手なんだがな…

お前の好きな香織や雫も不快げに眉ひそめてんぞ… 俺もだかな…

 

ハジメからプレートを受け取った檜山は爆笑した。そして取り巻きの斎藤達に投げ渡し内容を見た他の生徒も失笑、爆笑なりをしていく。

 

「ぶっはははっ〜、なんだこれ!完全に一般人じゃねえか!」

「ぎゃははは〜、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな〜」

「ヒァハハハ〜、無理無理!直ぐ死ぬってコイツ!肉壁にもならねぇよ!」

 

流石に言い過ぎだ。ハジメとは外では極力不干渉を決めていたが仕方ない… 久々にカチンときた。

俺はハジメのプレートを持って笑っている生徒からプレートを奪う。

 

「何すん…だ………よ…」

 

身長190cm越えの、しかもラグビーをやっていたことで身に付いた巨体に威圧され、喉まで出かかってたいた言葉が潰れる。

 

「君達…少しやり過ぎだ… 私も今まで本人が望まないから静観していたが…流石に我慢の限界だ…!」

 

ギロリと睨まれ笑っていた生徒は焦りながら目を逸らす。そしてハジメにプレートを返しながらも俺は目を逸らさない。

 

「南雲が直ぐ死ぬ?肉壁にもならない?君達は何もわかっていない。これは人間族と魔人族による戦争だ。戦争は戦闘力だけでは成り立たない。孔明然り、黒田官兵衛然り、戦争に置いて後方支援とは最も重要なモノだ。私達は皆、規格外な力を持っている。南雲が持っていない筈ないだろう?

彼はこの世界における伝説級の武器を造り上げるかもしれない。それに私達はこの世界において数少ない同郷の仲間だ。

仲間に非戦職だからといった理由で貶し愉悦に浸るのはどうかと思うのだが…どうかね?檜山くん?」

 

「…………………ッチ……」

 

檜山はバツが悪いように顔を逸らす。

するとそこに小さな体でウガーッ!怒りの声を発する人がいた。愛子先生だ。今年で25歳となる社会科の教師で、身長150cm程の低身長に童顔という合法ロリ。ボブカットの髪を跳ねさせながら、生徒のためにあくせく走り回る姿はなんとも微笑ましく、そのいつでも一生懸命な姿と大抵空回ってしまう残念さのギャップに庇護欲を掻き立てられる生徒は少なくない。

愛ちゃん先生と親しまれているが、本人はそう呼ばれると直ぐに怒る。なんでも威厳のある先生を目指しているだとか。まずはその身長を伸ばしてから出直して来いと言いたい。

 

「こらー!!ブランドーくんの言う通りですよ!!仲間を笑うなんて先生許しません!ええ、先生は絶対許しません!!」

 

プリプリと可愛らしく怒る先生を見て毒気を抜かれ俺は下がる。

下がると隣に雫と香織が近寄り礼を言われる。

 

「私のかわりに言ってくれてありがとう。すごくスッとしたよ!」

「貴方が言わなければ香織が暴走してたわ…」

 

うん、知ってる。香織の背中になんか見えたもん。スタンド的な何か。すげー怖かった…

 

こっちで二人と話していると、先生が無自覚にチートステータスを見せ、ハジメにトドメを刺していた。

 

俺がハジメを庇ったのは何の為だったのだろうか…と天を仰いだ。コートの隙間から入る日光が痛い…




この部分の原作読んでて思ったのが、何故この時に光輝や龍太郎が何も言わなかったのか…一応正義感が強い設定でしょ?

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