Fate/GTS~ぐだぐだ・たまに・シリアス~   作:カガヤ

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おまたせしました!
第2部5章、色々と笑って泣けて面白いです!
第2部をするかどうかは未定……たぶんやらない方向でいくかと。


第3話「飛んで異世界、またか!」

月日は流れ、俺は11歳になった。

オルガマリー、もといガマちゃんは、実は10歳の誕生日に初めて会ってからずっと我が家にいる。

何でも、最初からマリスビリーはガマちゃんを草薙家に預けに来たようだ。

 

『いいかい、オルガマリー。私には大事な使命がある。その使命を果たす為の準備をするためにもしばらく多忙になる。なので君の成長の為にも草薙家に預かってもらうのが一番なんだ』

『分かっています、お父様。私はお父様の邪魔にも足手まといにもなりません。私の事は忘れて使命を全うしてください』

 

とこういう親子の一時の別れの挨拶をして、マリスビリーは去って行った。

何をする気なのか父さん達も教えてくれなかったけど、マリスビリーがこれからやろうとしている事は命がけの事なんだろうとは十分に分かった。

で、そんな父親の役に立とうとガマちゃんは草薙家で毎日魔術の修行を俺と一緒に仲良く行っている。

 

「なぁ、ガマちゃん」

「………」

 

仲良く……

 

「ガマちゃーん?」

「その名前で呼んだら答えないって言ったでしょ」

 

仲良く、一緒に、毎日楽しく過ごしている!

 

「だってオルガマリーって長いんだもん」

「だったらオルガでいいでしょ。レフは私をそう呼ぶわよ?」

「ほかの人と同じ呼び方なんて嫌だ」

「我儘か! はぁ、もう……なんで好きに呼んでって言ったのかしら私のバカバカ!」

 

ガマちゃんってやっぱり見てて楽しい子だよな。

でもガマちゃんって呼んだらダメか。

なら他にどんな呼び方あるかな。

 

「リーちゃん?」

「中華系っぽいから似合わないわよ」

「ルガちゃん!」

「尚更言いにくくない?」

「じゃあ……マリー」

「なんでそんな不満げなのよ」

 

ガマちゃんって言いやすくて可愛いと思うんだけどな。

 

「相変わらず楽しそうね、あなた達は」

「うひゃぁ!?」

 

と、その時突然ガマ、マリーの背後に人影が現れ抱き着いてきた。

 

「姉さん?」「麗衣さん!?」

 

突然現れたのは姉、麗衣だ。

姉さんは、マリーが気に入ったらしくよく玩具にしている。

まだ16なのに大人顔負けの豊満な胸に埋もれてマリーが窒息しそう。

俺もよく抱きしめられて窒息しかけた事あるから、哀しいかな慣れてしまった。

昨日仕事でアフリカに行ったはずだけど、もう帰ってきたのかな?

 

「ぷはっ、れ、麗衣さん。もう仕事終わったんですか? 確かアフリカのテロ組織への密売品にまぎれた魔術礼装の回収、でしたよね?」

 

仕事内容を他人に話していいのかよ。

 

「あ、それならばっちり回収して終わったわよ。ついでにテロ組織も壊滅させてきたし」

「つ、ついでで組織壊滅ですか!?」

 

あれ? 結構大きいテロ組織って聞いていたんだけど?

 

「大丈夫大丈夫。目に付いたアジトを片っ端から潰して、リーダーっぽい男や幹部達を纏めて現地政府に引き渡しただけ。誰も殺してないわよ」

「いや、問題はそこじゃないんですけど……」

 

流石姉さんは、まだ16なのに武術だけじゃなく特異能力である「魅了」や「潜入」を使い、女007とかザ・ボスとか言われてるだけあるな。

 

「それじゃこれから時計塔へ報告と礼装の引き渡し行ってくるから、また後でねー」

 

そう言って姉さんは去って行った。ホント、嵐のような人だ。

 

「つくづく規格外よね、草薙家って」

「我が家族ながら驚くよな」

「あんたも十分規格外よ」

「なんで?」

 

俺まだドラクエ呪文だって満足に使えてないのに。

 

「どこの世界に、魔術も礼装もなしで月1で散歩感覚でアルプスをジョギングする11歳児がいるか!」

「えー、これくらい普通だろ。兄さんだってエベレストによく行くし」

「重しつけてうさぎ跳びで登頂するのを普通って言うな! せめて魔術使いなさい!」

 

そうだったのか。みんな似たような事してるからこの世界では普通だと思ってた。

 

 

そして、それから更に一年が過ぎ、マリスビリーがやってきた。

使命とやらはまだ終わっていないけど、ひと段落は付いたようだ。

マリーも草薙家の滞在が終わり、父親と戻ることになった。

と言っても、互いの家は知っているし会いに行く事も多分出来る。

なのにマリーはとても落ち込んでいて、今にも泣きだしそうだ。

 

「……」

「ほらほら、そんな顔しないで元気でね、マリーちゃん」

 

と言ってマリーの涙をふく姉さんも寂しそうだ。

 

「ほら、健人。あなたも挨拶しなさい」

 

母さんに背中を押される形でマリーの前に出た。

正直、寂しいって言う気持ちはあまりない。

だって、()()()()()わけじゃないから、だから俺は寂しいとは思えない。

 

「泣くなよ、マリー」

「な、泣いてなんかないわよ……あんたは私がいなくなって寂しくないの?」

「ん、別に? だって会おうと思えばルーラで会えるし」

 

最近ルーラを覚えたから移動は楽なんだよな。

 

「気軽に魔術で会おうとするなぁ!」

「あ、そうだった。ルーラは人じゃなく場所へと跳ぶから直接マリーの所へ行けるわけじゃなかった」

「ちがーう! 神秘の秘匿は常識でしょう!」

「大丈夫だって、昼間は使わないから」

 

割と一瞬で行けるけど、空を高速移動して目的地へと跳ぶから目立つんだよなぁ

初めてルーラを使った時は、ちゃんと透明か認識阻害使いなさいって怒られたっけ。

でも、レムオルってドラクエ3だけの呪文だから多分俺覚えれないだろうな。

タイガー神からはドラクエ6って限定されて言われたしな。

 

「そういう問題でもないでしょ! はぁはぁ、全く、なんで最後まであんたにツッコミしなきゃいけないのよ」

「マリーがいるから安心してボケが出来るよ。あ、でもこれからは、誰にボケればツッコミしてくれるんだ?」

「知らないわよ!? そんな事に真剣に悩むなぁ!」

「私はツッコムより突っ込まれる方が好きだしねぇ。兄さんもボケ派だし、マリーちゃんがいないと確かにボケ甲斐がなくなるわね」

「麗衣さんも変な事、ってかさらっと下ネタ言わないでください!」

 

さっきまで泣きそうな顔をしていたが、俺と姉さんへのツッコミで忙しいな。

仕事で南極へ行った兄さんがいないのが残念だ。

 

「驚いたな。オルガマリーをここに預けたのは正解だったようだ」

「そうだろうそうだろう。健人とよく修行をさせたが、お互いにいい刺激になっていたようだぞ。まぁ、草薙家の秘術を学ぶという目的の事は忘れいてたようだけどな」

「気付いていながら娘を預かったのかい。恐ろしい男だよ。いや、君達草薙家は」

「最も、その目的の為にマリーに何か仕込んでいたのならば、私も妻も放ってはおかなかったけどね」

「……肝に銘じておくよ」

 

などと保護者達が不穏な会話をしていたとは知らず、俺達は別れ間際の漫才を続けていた。

 

なお、マリーを草薙家に預けている間、マリスビリーは父さん達がひそかにバックアップしていた事もあり、冬木の聖杯戦争に参加して見事勝利していた事を俺とマリーが知るのはしばらく後の事だった。

 

 

それから更に年月が過ぎ、俺は16歳となった。

数年前、時計塔へは席は置いたが便宜上の事だけであって、行く事は稀でそれもなぜかオルガマリーの用事の付き添いという形でだ。

父さん曰く、護衛の代わりだそうだ。

6年前から始まった武術訓練も順調で、剣と格闘を中心に一流の執行者とも互角以上に渡り合えるほどに強くなった。

たまに兄さんの付き添いで死徒狩りへと行かされる事も多くなった。

だが、反面魔術訓練の方は順調とはいかない。

魔術の知識や歴史は大体覚えたが肝心の魔術の才能が開花しきっていない。

俺の使える魔術はドラクエ呪文が、メラ・バギ・ホイミ・キアリー・ルーラの5種類と一般的で初歩的な魔術だけ。

魔力量だけなら時計塔でもトップクラスなのだが、使える魔術が少ないなら宝の持ち腐れでしかない。

厳しい訓練もいくつもクリアしてきたし、俺を狙ってきた魔術師を何人も倒してきた。

なのに一向に成果が出てこない。

ドラクエ風に言えば、経験値が増えまくってレベルアップしても魔法も技も覚えないという状況だ。

 

『草薙家は特異能力のせいで成長の仕方は人と違う時がある、焦ることはない。まだお前は若い』

 

って父さん達は慰めてくれるけど、鍛えても鍛えても手ごたえがないのはなかなかにキツイ。

死徒とかそこらへんの魔術師相手なら、今使える呪文と剣や格闘で倒していけてるけど、少し強い相手には苦戦する事も多い。

マリーと一緒にいるところを狙われた事もあった。

俺が狙われるならまだいいけど、マリーまで巻き添えになるのはダメだ。

それから更に、がむしゃらに鍛えまくったりしたのだけど、そんな俺を心配して、じいちゃんが異質な力に詳しい旧友に相談して一度見てくれるそうだ。

その旧友と言うのが、じいちゃんとばあちゃんの恋のキューピット役になったのだというけど、父さんや母さんたちはあった事がないそうだ。

 

そして、家にやってきたじいちゃんの旧友と言うのが……

 

「うむ、まだまだ未熟だが内に秘めた力は相当なもののようだな。流石はお主の孫だけはあるな、皇伽」

「そうだろうそうだろう。だが健人だけではないぞ。昂祁や麗衣も草薙の名にふさわしい逸材ばかりだぞ、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ」

 

そう、型月世界の事を知っている人ならだれでも知っている超有名人、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。

現存する魔法使いの一人であり、第二魔法の使い手。また死徒二十七祖第四位でもある。

「魔道元帥ゼルレッチ」「宝石翁」「万華鏡(カレイドスコープ)」「宝石のゼルレッチ」ほか多数の二つ名を持つこのとんでもないじいちゃんがなんでうちのじいちゃんの旧友なのか!

 

「………」

 

すげぇ、いつも冷静沈着で余裕な態度を崩さない父さんが口を大きく開けてしばらく硬直している。

 

「ふむ、お初にお目にかかるぞ、現草薙家当主殿」

「は、はい。私もお目に掛かれて光栄です。魔導元帥殿」

 

流石の父さんも緊張していて声が増えている。こんな父さん初めて見た。

 

「あはははっ、ゼルっちを見て固まるようではお前もまだまだだな、天藍」

「ゼルっち!?」

 

魔法使い相手にそんな呼び方していいんだ……

 

「仕方あるまい。この世界に来たのはお前とキトラの結婚式以来だからな。さて、では早速用を済ませるとしよう」

 

そう言って、ゼルっち、ゼツレッチは俺に目を向けた。

その目を見ていると、心の奥底、魂まで見透かされているような気分になった。

そして、父さんやおじいちゃんに聞こえない程の小声で俺に声をかけてきた。

 

「ほう、ほうほう。これはまた面白い……健人、お前()() ()したか」

「っ!?」

 

これまで誰にもバレた事がないのに速攻で俺が転生者ってバレたー!?

 

「そう警戒する必要はない。皇伽や天藍に話したり時計塔の連中に密告はせんよ」

「……ほっ」

 

転生者ってバレても問題ないような気がするけど、タイガー神の事とか知られない方がいい事があるしな。

 

「しかしそうなると、ここではお主はこれ以上強くはなれないな」

「むっ、どういう事だゼルっち」

 

じいちゃん、ゼルっち呼びはやめてぇ。

 

「健人の力はこの世界のものではない。お前達草薙家の中でも特に異質だ。ゆえにこの世界では、成長が鈍いのだ」

「なんと、それでは健人はこれ以上才を伸ばせないと!?」

 

ドラクエの呪文や技はこの世界じゃ覚えられないって事かな。

まぁ、5種類だけでも使えるのはすごい事なんだろうけど、やっぱりもっと色々覚えたい。

 

「いや、1つ手立てはある。健人の力の根源にある世界へと行き、そこで成長の糧を手に入れればよい。そうすれば健人の力は完全に健人の物になり、子孫へも受け継がせて成長させることもできるだろう」

「ふむ、並行世界ではなく全くの異世界の力だったか。ならば儂でも解析できないのも無理はなかったか。ならばゼルっちよ、1つ頼みがある」

「みなまで言うな。もとよりそのつもりだ。このような珍しい力をここで腐らせるのは惜しい。それに、健人にはこの力がこれから必要になるだろうからな」

 

ゼルレッチって第二魔法の使い手だよな。

あ、なんかいやなぁーな予感してきた。

 

「健人よ。お前はその力の根源である世界へ行き自分の力を学ばなけれならない。行く気はあるか?」

 

つまり、強くなるにはドラクエ世界へ行かなきゃいけないのか。

 

「はい、行ってもっと強くなりたいです!」

「うむ、その意気やよし!」

 

そういうとゼルレッチは懐から光り輝く宝石のような短剣を取り出した。

あれは、もしや宝石剣ゼルレッチ?

って事はまさか!?

 

「では、検討を祈るぞ」

 

次の瞬間、ゼルレッチが取り出した短剣から発せられた眩い光に俺は包まれ、この世界から消えた。

 

 

 

……

………ここは、どこだ?

 

どれくらい気絶していたのか分からないけど、次に目を覚ますとそこは何もない草原だった。

ついさっきまで家にの居間にいたはずなのに、なぜこんなところにいるのだろう。

答えは一つ。俺はゼルレッチによって異世界に飛ばされた。

さらに、予想すると、ここはドラゴンクエストの世界か

 

「そりゃ強くなりたいとは言ったし、行くとも言ったけど、準備もなしにいきなり飛ばさないでよ、ゼルっち」

 

現在、所持金0、礼装も武器も所持品何もなし。

こんな状態で手ごわいモンスターが出てきたら、って早速草むらの陰から数匹のスライムが飛び出してきた。

スライムでちょっと安心。でも数が多い。

 

「面倒だ。バギ!」

 

手から放たれた突風がスライムたちを遠くへと吹き飛ばした。

あれで倒せていればいいけど、スライムだしな。

と、その時草原の向こうの森から誰かが走ってくるのが見えた。

モンスターかと思ったけど、どうやら人の様だ。

1人、いやその少し離れた後ろに2人いるな。

 

「おーい! そこの君―!」

 

先頭を走る逆立った青髪が特徴的な俺と同い年くらいの少年が声を張り上げている。

何をそんなに慌ててるんだろ?

あ、背後から俺に奇襲を仕掛けようとしているモンスターの事を知らせようとしているのかな?

生憎様、この程度の奇襲には

 

「慣れっこなんだよ!」

 

背後に振り向きざまに後ろ回し蹴りを放つ。

 

「ぐぎゃ!」

 

モンスターは手に持ったフォークのような槍で俺を刺そうとしていたが、それより速く俺の回し蹴りが胴体にめり込み、そのまま倒れた。

 

「えっと、これ確か、ベビーゴイルだったかな」

 

生前、もう十何年前の事とはいえ、攻略本は穴が空くほど読んでいたのでまだ忘れてはいない。

 

「おーい、大丈夫……みたいだね」

 

青髪の少年は、倒れているベビーゴイルを見て驚いた表情を浮かべた。

 

「あぁ、ありがとう。コイツの事知らせようとしてくれてたんだろ?」

「そうだけど、いらぬお世話、だったかな」

「そんな事ないよ。ありがとう。俺は、健人だ」

 

ここがドラクエ世界ならフルネームを名乗らなくてもいいだろう。

って、まてよ。目の前にいる青髪の少年、それに向こうからこっちへ走ってくる2人の男女ってもしや……

 

「へへっ、どういたしまして。ボクの名は……「おいこらポッツ! 何1人で先走ってるんだよ!」……あ」

「全く、真昼間から流れ星が見えるなんて走り出したから何事かと思ったぜ」

「行くなら3人一緒じゃないと危ないじゃない」

「ごめん、ハッサン、ミレーヌさん」

 

ポッツ、ハッサン、ミレーヌ、やっぱり!

この3人ドラクエ6の主人公達だ!

って事はここはドラゴンクエスト6の世界!?

 

 

続く

 




さて、FGO世界に来たと思ったらドラクエ世界に飛んでしまった件。
一応このドラクエ世界は少年ガンガンで連載していた幻の大地と思ってもらえれば……

ちなみにバギはダイの大冒険みたく突風を起こすか、ロトの紋章みたく風の刃を飛ばすかは調整可能という設定です。
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