討論会前日、喫茶アイネ ブリーゼ
カランカランッ ドアが開いて赤髪の女子高生が入ってくる。
「「ゲッ」」
指定された席には見知った男の顔があった。
「どうしてお前がここ来るんだよ!」
「それはこっちのセリフよ、なんであんたがあたしの呼ばれた場所にいるのよ?!」
「俺は達也にここにいるように言われたんだよ」
「あんたも?あたしもそうよ。達也くんに今日この時間にここに来るように言われたのよ」
そう言って、レオの隣に座った。
「そうか・・・。何があるのか聞いてるか?」
「いいえ、あたしは何も聞いていない」
「「・・・・・・」」
カランカランッ
2人の沈黙を破るようにまた、新たな来訪者がやってきた
「お待たせ、エリカ、レオ」
「陸久」「陸久くん」
「急に呼び出してすまなかった。今日は奢るから好きな物を頼んでいいよ」
しばらくすると、陸久の前にはコーヒー、エリカの前にはアイスティーとデザートトースト、そしてレオの前にはナポリタン、ハーフピザ、チョコレートパフェ、コーラが置かれていた。
「ははっ、いい食べっぷりだね」
「あんた、遠慮ってもんを知らないの?普通、こういう時は簡単ものを頼むのよ」
「うるせえな、そういうお前は甘いもんばっか食ってていいのか?」
ここで太ると言わなかったのはレオがデリカシーというものを知っていたからだろう。(恐らく)
「な、なんですって?!」
「いいからエリカ、遠慮はいらない。エリカも足りなかったら追加してもいいんだよ」
「いいえ、ありがたいけど私はコイツみたいに常識知らずじゃないからね。これだけで十分よ」
「お、おい常し」
「そっか、じゃあそろそろ本題に入ろうか」
レオが突っ込もうとしたところで話題が切り替わった。
「単刀直入に言う。明日の公開討論会まず間違いなくテロが起こる。そこで2人にも手を貸してほしい。」
「テロ?」
「おいおい、随分、物騒だな」
「詳しいことは話せない。だが、間違いなく相手の中には壬生沙耶香がいる。」
エリカの顔が変わり、低い声で言った。
「それ、本当?」
「ああ、それで2人にも頼みたいことはそれぞれにひとつずつ。レオは俺と一緒にテロの鎮圧。エリカは壬生先輩の相手を頼みたい。」
「おう、任せとけ」
「ええ、わかったわ。けどなんで?陸久くんが相手した方がはやいんじゃないの?」
「恐らくだが、壬生先輩はマインド・コントロールを受けているでは無いかと思っている。そうなると、エリカ、君に相手をしてもらうのが1番いい」
「わかった、詳しいことは聞かない。」
「ありがとう。それともうひとつ。2人が交戦する時、俺の魔法を使おうと思っている」
「陸久の魔法?」
「『零令』の魔法だ。《
「はん、疑ってんのか?陸久は他の一科生とは違う。信頼してるぜ」
「ありがとう。《
「わかったわ」
「おう」
エリカとレオの返事を聞いた陸久は満足したような顔で席を立った。
「よし、それじゃあ明日はよろしく。あ、会計は済ませておくから、ゆっくりしていってな。」
「おう、ありがとな」
「ごちそうさま」
なかなか進まないんだよな・・・
入学編だけで何話いくんだろ・・・