魔法科高校の劣等生 零の物語   作:Touli

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今更ですけど、入学式に初めて会った人の家に普通上がりますかね?いや、上がりませんね。まあ、細かいことは気にしない。さあ、本文です。


入学編 IV

高校生活2日目、今はお昼の時間だ。

さて、ここで一悶着。達也たちE組の生徒が昼食を食べているところに深雪がやって来た。一緒に昼飯食べようとしたんだろう。しかし、A組のクラスメイトが深雪と相席することに執着して、無理矢理交流を測っているのだった。

「あいつも大変だな。」

「司波さんのことですか?」

「ああ。」

「深雪ちゃん、美人さんだから人気でるよね〜。ちょっと気の毒。」

「陸久とあやなは司波さんと知り合いなの?」

「うん。5年前からね。」

「助けなくていいんですか?」

「まだ、口で言い合ってるだけだからいいんじゃない?口でオニイサマに叶うわけないよ。適当にあしらわれると思うよ。」

達也たちが出て行ったのを見届けて、俺達も昼食を食べ始めた。

【放課後】

「さて、どうしよう。」

「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないですよ!?」

ほのかからツッコミが入る。まあ、そうだろう。何故なら、達也たちと、A組生徒が対峙しているからだ。さあ、また一騒ぎ起きるぞ。ここで、レオ達と知り合いになるきっかけを作っておきたい。そんなことを考えていると。

「同じ新入生じゃないですか。あなたたちブルームが、今の時点で一体どれだけ優れているというんですか!」

美月の声が響いた。お互いが手を出すきっかけのセリフとなる。

「どれだけ優れているか、知りたいなら教えてやる!!」

「ハッ、おもしれえ!是非とも教えてもらおうじゃねぇか」

「だったら教えてやる!」

売り言葉に買い言葉だ。森崎とレオ、両者のCADから魔法式が構築される。

「あやな。」

「うん。気をつけて。」

そう言った瞬間に、自己加速術式を展開し、騒ぎの中心へと向かう。

両者の間に入り込み(この時の両者はエリカと森崎だが)森崎のCADを蹴り飛ばす。そして、エリカの振り下げられる手首を掴む。

一瞬のうちに何が起こったのか分かっているのは、達也、深雪、あやなそして当人のエリカ、4人だけだった。

「ふぅ。危ないところだった。」

「な、なんだお前は!?」

「自己紹介はいらないほど、有名だと思っているんだが・・・自営目的以外の対人魔法攻撃は犯罪行為だと知ってるだろう。だいたい、くだらないと思わないか?」

一科生(ブルーム)のくせに二科生(ウィード)の肩を持つのか!」

そういった一科生のの何人かは魔法式を展開した。視界の端にいる、ほのかも展開していた。それを確認した瞬間に、ほのかの式が霧散した。

「止めなさい!自営目的以外の魔法による対人攻撃は校則違反である以前に、犯罪行為ですよ!」

うん。今言った。七草会長だ。お粥あんま好きじゃないんだよな。いや、なんでもない。失礼。

「風紀委員長の渡辺摩利だ。1-Aと1-Bの生徒だな。事情を聞きます。ついてきなさい。」

さあ、達也言っておやりなさい。

「すみません、悪ふざけが過ぎました。」

「悪ふざけ?」

「はい。森崎一門のクイックドロウは有名ですから、後学のために見せてもらおうとしたんですがろあまりにも真に迫っていたので手が出てしまいました。」

「では、そこの1-Aの生徒が攻撃性の魔法を発動しようとしていたのは?」

「驚いたんでしょう。しかし、魔法自体は威力の十分抑えられた、閃光魔法でした。」

そこで俺も口を挟む。

「条件反射で起動プロセスを実行できるとは、さすが一高の生徒ですね。」

ここで俺が一科生とか言うと角が立つからな。

「ほう、どうやら君たちは展開された起動式を読むことができるらしいな。」

「実技は苦手ですが、分析は得意です。」

達也が答える。

「摩利、もういいじゃない。2人ともただの見学だったのよね?」

「ええ。俺もみてましたが、見学でしたよ?」

「そうか、今回だけは不問にしよう。お前たち2人の名前は?」

「1年E組司波達也です。」

「1年A組零乃陸久です。」

俺の名前知らんの?入学式前でたのに。寝てたのかな?

「覚えておこう。」

さあ、ここからが重要だ。

「借りだなんで思わないからな」

「貸してるだなんて思ってないから安心しろよ。」

達也が言う。俺は黙ってよ。

「僕の名前は森崎駿。僕はお前たちを認めないぞ!司波達也!零乃陸久!」

は~、やっぱり俺も入るか。まあ、これでレオ達とも仲良くなれるだろうし良しとするか。

「ケガ人もでずによかったな、達也。」

「ああ、お前が止めてくれたおかげだ。感謝する。」

「いやいや。それより、一緒しても構わないか?」

「ああ。もちろん。」

 

 

〜下校時〜

 

「じゃあ、深雪さんのCADを調整しているのは達也さんなんですか?」

「ええ。お任せするのが、一番安心ですから。陸久さんにも、見てもらうこともあるわ。」

「陸久さんもですか?」

「ああ、そうだね。達也が忙しいときに、俺が見ることもあるよ。深雪は処理能力が高いから、手がかからないんだ。」

「その処理能力が高い深雪より、上の陸久ってなんだよ・・・」

呟くようにしてレオが言うが、聞こえているぞ。

「ねえ2人とも、アタシのも見てくれない?」

「無理。あんな特殊な形状のCADをいじる自信はないよ」

「あはっ、やっぱりすごいね。これがホウキだって分かっちゃうんだ。」

「え?その警棒、デバイスなの?」

「普通の反応をありがとう。美月。陸久くんはどう?」

「見たところ、柄以外は全部空洞だな。刻印型の硬化魔法が組まれてる。それと、さっきの一件の動きから考えると兜割りの原理かな?すごいね。」

「すごい、一目見てそこまで分かっちゃうんだ。でも、兜割りだからねそんなに消耗しないわ。ってみんなどうしたの?」

呆れ顔の周りを見て尋ねたエリカに全員を代表して深雪が答えた。

「エリカ・・・・・・兜割りってそれこそ奥技とかに分類されるものだと思うのだけど。単純にサイオン量が多いより余程すごいわよ。」

「うちの高校って一般人の方が珍しいのかな?」

「魔法科高校に一般人はいないと思う。」

美月の天然気味な発言と、それまで発言していなかった雫の的確すぎるツッコミで、色々と訳ありの空気は霧散した。

「今度、機会があったらね。みさせてもらうよ」

「うん、よろしく」




はい。ということで、主人公、人間やめたんですかね?
自己加速術式使ってCAD蹴り飛ばして、手首掴んで。
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ではまた。

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