ジードライブ!~進むぜ!未来!!~   作:キータ

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μ’sのキャラクターは基本的にアニメ版準拠です。一人称やメンバーの呼び方もアニメ版に合わせています。ジードのキャラクターは適宜いじりますが、根幹は原作と変えないつもりです。


1話 神社の地下へ

音ノ木坂学院のアイドル研究部の部室

 

この部で唯一の男子学生、朝倉 陸はレムと呼ばれる球体に語りかける。不慮の事故で失われた記憶を思い出してもらうために。

 

「いいかい、レム。君が教えてくれたんだ、僕がウルトラマンだってこと。君のおかげで僕は、僕の運命を知ることができたんだ」

 

陸はそう言いながら、赤と黒で彩られたアイテムをレムに見せた。

そして思い出す、このアイテム――ライザーを初めて手にした日のことを

 

~~~

 

3月末、春休みも終わりに近づいたある日

 

僕は和菓子屋「穂むら屋」で店の手伝いに来ていた。

 

「ごめんね、りっ君。急に助っ人をお願いしちゃって」

「ううん、特に予定もなかったし。それにおじさんやおばさん、雪穂にも会いたかったし」

「やっぱり慣れている人が来てくれると助かるわ。むしろまた毎日手伝って欲しいくらい」

 

昨日の夜、幼馴染の高坂 穂乃果から手伝いに来てほしいと電話があった。どうやら店に大量注文が入ったらしい。

 

僕は赤ん坊の時に穂乃果の家に引き取られ、中学卒業まで一緒に暮らしていた。

ちなみに今は学生寮で暮らしている。理由は色々あるが、高校卒業したら1人暮らしをしたいのでその練習と伝えてある。

その頃はよく店の手伝いをしていたから、今も忙しくなりそうな時は呼ばれたりする。

 

午前いっぱいかかったが、ようやく注文分が完成した。

 

「お疲れ様、お昼にしましょ!陸も食べていくでしょう?」

「うん、いただきます!」

「ふー、働いた、働いた」

 

僕らが居間に行こうとすると、穂乃果の妹の雪穂が中学校から帰ってきた。

 

「ただいま。あ、陸兄さん来てたんだ!」

「おかえり雪穂。部活帰り?」

「うん!お腹すいたー」

「ちょうどよかった。これからお昼だって」

 

食事の支度をしに居間に行くと、穂乃果がテレビを観ていた。

どうやら都市伝説の真相を究明する番組らしい。

 

「おい、サボるなよ」

「だって面白そうなんだもん」

 

都市伝説のテーマはクライシス・インパクトの真実について

 

クライシス・インパクト――世間的には数十年前に起こった、巨大隕石の落下による未曾有の大災害。

ただし、当時の資料はほとんど存在しないため様々な説がある。

今回取り上げているのは宇宙人襲来説

 

コメンテーターがその証拠写真が見つかったと視聴者に見せている。

その写真には燃え盛る街の中に、黒い巨人が写っていた。

不鮮明な写真なので姿はよくわからないが、その凶悪そうな目つきがやけに印象に残った。

コメンテーターはその黒い巨人のことを『ウルトラマンベリアル』と呼んでいた。

 

コメンテーターがその写真にケチをつけられ、論争がヒートアップしていくのを見入っていると突然テレビが消された。

僕と穂乃果が振り向くとおばさんがいた。とても素敵な笑顔で……

 

「食事の支度もしないで何やってるの?」

「「……ごめんなさい」」

 

 

 

 

 

「「「ご馳走さまでした!」」」

 

(やっぱりおばさんの作るご飯は美味い。そういえばここ最近カップ麺しか食べてなかったなぁ……あいつも僕も料理できないし)

 

現在の食事事情を反省していると、雪穂がデザートのカップアイスを冷蔵庫から持ってきた。

 

「わーい、アイス、アイス♪」

 

穂乃果が笑顔でアイスを受け取る。いつも和菓子屋の娘のくせに「あんこは飽きた」って文句を言っているから嬉しいのだろう。

 

「いっただきまー、あれ?」

「どうしたの?」

「これ……」

 

穂乃果がアイスの中身をみんなに見せる。

アイスは何故か全て溶けて液体になっていた。

 

 

 

 

 

「不思議だよな、冷蔵庫は壊れてなかったのに雪穂の持ってきたアイスは全部溶けてるなんて」

「一応調べたけど、特に壊れたところはなかったよ」

 

僕は先ほどの出来事を、影の中の同居人と話しながら学生寮に戻った。

同居人――ペガッサ星人のペガは寮に着くと僕の影の中から出てきた。

これが1人暮らしをした理由の1つ、宇宙人が一緒にいるのを隠し通すのは大変だったから。

 

「あっ、おばさんが夕飯に食べろってくれたおかず置いてきちゃった」

「えー、おばさんのご飯、ペガも食べたかったのに」

「仕方ないだろ、さっきは目の前にみんながいたし、冷蔵庫事件もあったんだから。

 ていうか、そろそろ料理を覚えてよ」

「それは陸もでしょ」

 

料理担当を押し付けあいながらテレビを点けた。この時間はドンシャインの再々放送がやっているのである。

 

「爆裂戦記ドンシャイン」――僕が生まれるより前に放送された特撮作品で、今も多くのファンに愛されており、ついに4月からファン待望の新作が決定している。

 

僕は幼稚園の時に再放送で観て大ファンになった。

子供の頃は擦り切れる程ビデオを観たし、今でもバイト代で映像ソフトやグッズ収集は勿論、ネット配信も追いかけている。

 

主人公のドンシャインは僕の憧れだ。

いつか自分もあんな風に颯爽と現れて人を助け、正義のために戦うヒーローになれたら……

でもドンシャインは架空のヒーロー、本当にいないことくらいは分かっている。

だからペガに訊ねたんだ、正義のヒーローが本当にいることを願って。

 

「本当にいるのかな、ウルトラマン?宇宙の平和を守るためにベリアルと戦ったていう」

「都市伝説だよ、ウルトラマンもベリアルも」

「でも、ペガのように宇宙人はいるじゃないか!」

 

ペガが素っ気無く内職の造花を作りながら答えたことにちょっとムッとなった。

でもペガは気にした様子もなく続けた。

 

「君だって宇宙人じゃないか」

「僕は地球人だ!」

「君は自分が地球人だと思い込んでいる。君だけがペガの『助けて』って声を聴いてくれた。

 それに身体能力だって人間離れしているじゃないか」

 

またこれだ。何度も言うが僕は地球人だ。きっとペガの声が聴こえたのだって、他の人よりちょっと勘が良いだけだし、身体能力はきっと産みの親の遺伝子が良かっただけだ。

 

ピンポーン!

 

呼び鈴が鳴った。誰だ?

 

「りっくーん、忘れ物のお届けだよー!」

「ヤバい、穂乃果だ。ペガ、隠れろ」

 

ペガが影の中に隠れるのを確認して、扉を開けた。

外には穂乃果の他に南 ことりと園田 海未――幼馴染3人組が揃っていた。

 

「えへへ、びっくりした?」

「さっき穂乃果ちゃんと偶然会ったの」

「陸の家に行くというので、春休みでだらけていないか見に来ました」

「海未ちゃん、りっ君のお母さんみたい」

「誰がお母さんですか!」

「はい、りっ君。忘れていったおかず。もう、ドジだな」

 

(3人寄ればかしましいとはいうが、一気に賑やかになったな。

でも穂乃果の家からここまで、結構な距離があるのにわざわざ届けてもらったんだし、玄関先で騒いでいると周りの迷惑だからとりあえず入ってもらうか……他の男子学生の嫉妬も恐いし。あ、でも部屋を片付けてないから海未に怒られるかも)

 

などと考えていると、

ドッカ―ン!!!!!!!!!!!!!!!!

突然、轟音が響いた。

 

「な、なに!?」

「爆発!?」

「あ、あれ……」

 

ことりが信じられないといった表情で何かを指している。

 

(何だ、あれ!?)

 

その指の先には、ビル20階相当の巨大な生物――怪獣がそこにいた。

しかも怪獣はこっちに向かってきている!

 

「逃げろ!」

 

僕は3人を連れて急いでその場を離れた。

押した拍子に穂乃果が持ってきたおかずの箱を落として中身が辺りに散らばり、避難する寮の生徒に踏みつぶされていく。

 

僕らがその場を離れたすぐ後、学生寮は踏みつぶされた。

 

 

 

怪獣出現から2時間、夕日が沈みかけている。

 

未だに怪獣が僕の住む街を蹂躙している。

ネットラジオからは被害状況が次々に流れてくる。

それをただ見ていることしかできない自分が許せなかった。悔しかった。

 

(力が欲しい!僕にヒーローの力があれば!!)

 

自分の無力さに腹を立てていると、穂乃果達が電話を終えて帰ってきた。

家族と連絡が取れたようだ。

 

「お父さんにお母さん、雪穂も無事だって」

「良かった。ことりと海未の家も平気だったみたいだね」

「ええ、避難所に指定されている音ノ木坂学院に避難したとのことです」

「お母さんも被災者の受け入れで大変みたい」

 

ことりのお母さんは音ノ木坂学院の理事長だ。

対応に追われてさっきまで連絡が取れず心配していたが、ようやく話すことができて安心できたようだ。

穂乃果と海未の家族も無事で学院に避難したと連絡が取れた。

幸い、怪獣の通過した所に3人の家はないので家も無事だろう。

 

ホッとしたところで再び怪獣を見る。

すると、あの巨大な姿が光の粒子となって消え失せた。

 

逃げていた人々は何が起こったのか分からず茫然としていたが、助かったのだと認識すると次第に歓声が上がった。

 

「なんだか分からないけど、とにかく助かったんだよね」

穂乃果が安堵してことりに抱き着くと、気が抜けたのかへたぁと座り込んだ。

そんな穂乃果をことりは撫でる。

 

「陸はこれからどうするのですか?良ければ……」

「まずは3人を学院まで送るよ。その後は友達の家に泊めてもらうから」

「そうですか。それにしても本当にいたんですね、怪獣」

 

海未が寮を壊された僕を心配してくれたが、流石に同い年の女子の家に行くわけにもいかないので、適当にごまかした。

 

その時、僕は気付かなかった。不思議な球体が僕達を観察していたことを。

 

 

 

 

 

3人を学院に送り届けるとすっかり夜になっていた。

 

「友達の家に泊まるんじゃなかったの?」

 

ペガが聞いてくるが、こんな大事件の後に連絡がつくはずもないだろう……

 

「ジーッとしてても、ドーにもならない。それに野宿も悪くないよ、きっと」

「……穂乃果の家に行けばよかったのに」

「迷惑かけちゃうだろ。ただでさえ面倒かけてるのに……」

 

おじさんやおばさんには本当に感謝している。だからこれ以上迷惑をかけないために1人暮らしを始めたし、学費も国から奨学金を借りることにした。

 

行く当てもなく街を歩いていると神社に着いた。ここは……

 

「陸、どうしたの?」

「僕はここに捨てられていたんだ……」

 

赤ん坊の僕はこの神社で捨てられているところを見つけられた。

何故、僕の親はここに僕を捨てたのだろう?

 

ミョン、ミョン、ミョン……

 

何かの気配を感じ頭上を見ると、手玉サイズの機械の球体が浮かんでいた。

不審に思い球体に触れようと手を伸ばす。

ビシッ!

指先に刺されたような鋭い痛みが走り思わず飛びのくと、ペガが驚いて影から出てきた。

 

『Bの因子、確認。基地をスリープモードから通常モードに移行します』

 

球体がそう言うと僕達の目の前に10人位の人が入れるスペースのある筒が現れた。

これは……

 

「エレベーター?」

『お乗りください。秘密基地へようこそ、マスター』

 




何書こうか迷いましたが、ここは次回予告かキャラクターや世界観の設定を載せていくコーナーにでもしようと思います。

~次回予告的な~
陸「神社の地下に広がる秘密基地、再び出現する怪獣。
  僕が何とかしてみせる。だって僕はウルトラマンだから!」

次回、「ヒア・ウィー・ゴー」
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