「……と、以上の様にエ・ランテルのスラムであぶれた貧民たちをカルネ村に移住させたいと、アインザックより報告が御座いました。」
ナザリック玉座の間。玉座に鎮座する
「ふむ、悪くない意見に思える。」
(ってそうだよな。スラム潰したらそこに住んでた人どうすんの?ってなるよな。なんで気がつかなかったんだ。もう街を造り直しなんて任せっぱなしだった俺も悪いけれどさぁ。はぁ、何だか困った時のカルネ村になりかけてるな。ぷにっと萌えさんの〝領地戦略ゲーム〟の攻略本を見返すか……。)
「アインズ様、あの村はアインズ様御自ら造り上げた下等生物統治の実験場。下等種の中でも更に愚劣で蒙昧な部類をその偉大なる実験場へ赴かせるのは如何なものでしょう?」
(ああ、やっぱそういう扱いになってたんだ。)
「あの村はエンリ・エモットへ管理を任せている。ルプスレギナからの報告で目に余る行動が過ぎるならば、処分させればいいだけの話だ。好きにさせておけ。」
「畏まりました。ではそのように進めさせて頂きます。……そしてもう一件、エ・ランテルの都市改造に際して技術指南にドワーフを派遣して欲しいとの要望です。これはカルネ村のドワーフも同意しております。」
「なるほど、ドワーフにはルーンの開発へ専念して貰いたいものだが……。ドワーフがどれほどの技術と可能性を持ち合わせているかのテストにもなる。許可しよう。」
「承りました。……アインズ様、開発の専念という事でしたらもうひとつ懸念が。アインズ様がポーション作製を一任しているンフィーレアですが、作業が順調でない様子に御座います。」
「なに?何か病でも患ったか?」
「いえ、あの下等種は族長と結婚して以来、毎晩獣の様に……ああ、羨ま……失礼致しました。アインズ様から賜ったポーション作製にうつつを抜かし、毎夜交尾に励んでいる有様です。」
「お……、おう。」
(何それ!?爆発しろ!)
「ま、まぁ新婚なのだ。少しは大目にみてもいいだろう。ただ、肝心の仕事にまで支障を出されては困る。」
アインズは空中に歪曲した空間を作り出し、精緻な瓶に入れられた黄玉色に光るポーションを取り出した。傷を癒すポーションではなく、疲労ゲージを回復させるユグドラシルのポーションだ。
「ルプスレギナにこれを渡し、ンフィーレアにくれてやれ。……もし気に入ったならば、独自に作製することを許可するとも伝えるように。」
「はい、ご命令のままに。」
(なんで俺が新婚夫婦のケアをしなきゃならないんだよ……。というか、夜のってどうなってるんだ?いや、好奇心で覗くものでもないな。2人に対する印象が変わってしまいそうだ。)
見てはいけない……となると見たくなってしまうのは、アンデッドになっても変化しない心理状態らしい。
「アインズ様……、そんな下等種同士を気にするくらいでしたら……是非わたしを……」
「あ、用事を思い出した!」
「さぁアインズ様!アインズ様の欲望を是非わたくしにぶつけて下さいませ!さぁ!」
「あ、ちょ、押し倒し!?」
アインズ様係のメイドはその様子を羨ましそうに眺めていた。