我らエンリ将軍閣下が配下!   作:セパさん

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・このお話には独自解釈があります。苦手な方はバックしてください。


宝物殿での一幕

 ナザリック宝物殿。全10階層からなるナザリック地下大墳墓において、どの階層からも足で赴くことが叶わない場所。その内部はギルド“アインズ・ウール・ゴウン”が溜め込んだ財宝が収められている。 天高く積み上げられた燦然と煌めく金貨・宝石・宝剣の山々を保管する第一の部屋。

 

 そこを抜けた先に、談話室があり、アインズは遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)で、宝物殿領域守護者であるパンドラズ・アクターと共にカルネ村の様子を見ていた。

 

「この村がアインズ様御自ら、人間統治の実験場として培われた村に御座いますか。」

 

「ああ、民の忠誠度は高く、機密性も高い。現在はンフィーレアという薬師にこの世界でのユグドラシルポーションの作製、そしてドワーフを移住させ【ルーン】の研究に着手させている。」

 

「なるほど、アインズ様がお認めになるとは、余程優秀な薬師なのですな。」

 

「そして彼にはもう一つ……この世界特有の力、生まれながらの異能(タレント)を有して居る。」

 

「おおおお!〝武技〟に並ぶ、アインズ様の叡智を以てして未だ謎に包まれたる生まれながらの異能(タレント)に御座いますか!?」

 

「ああ、〝ありとあらゆるマジック・アイテムを使用可能〟というものだ。」

 

「な、なな、ななな、なんと!?それは即ち世界を変える世界級(ワァーールド)アイテムや、アインズ様や我々領域守護者クラス以外使用の叶わない神器級(ゴッズ)アイテムまでもということですか!?」

 

「そうなるな。その気になれば我らがナザリックの証、【スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン】さえも扱えることを意味する。」

 

「そのような危険な存在!放置しても……。」

 

「慌てるな。確かに危険な能力だが、シャルティアを洗脳した勢力が未確認である現在、ンフィーレアはこちらの武器にもなりえる。だからこそ感謝という鎖で縛り、あれほどに強固な村に隔離しているのだ。」

 

「なるほど!流石はアインズ様!!……そしてアインズ様が宝物殿へ足を運んで下さった理由が良く解りました。」

 

「ああ。ナザリックの中で〝武技〟〝生まれながらの異能(タレント)〟を扱える者はいない。だがお前は別だ。その能力を以てして様々な実験を行いたい。」

 

「おおお!畏まりました!アインズ様!」

 

 

 ●

 

 

「おおおおおおおお!!!たっち・みー様のワールドチャンピオンたる証!!純白に煌めく鎧、コンプライアンス・ウィズ・ロー!!まさか本物をこの身に着飾れる誉れを賜る日がこようとは!」

 

 パンドラズ・アクターはンフィーレアの姿のまま、魔法で身の丈に変化したワールドチャンピオンの証を纏って乱舞していた。

 

(この装備は完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)を使えば使用可能ではあるけれど……。戦士職のせの字もないンフィーレアが装着出来るなんて……。改めて恐ろしい能力だな、〝生まれながらの異能(タレント)〟っていうのは。)

 

「ふむ……。もし敵が我々で言う【スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン】……破壊されればギルドが崩壊するほどのアイテムを有していた場合、大きな力となるな。その際はお前に動いてもらうことになるだろう。まさか敵陣地にンフィーレアを乗り込ませる訳にはいくまい。」

 

「畏まりました!!我が創造主にして偉大なるアインズ様!」

 

 その後パンドラズ・アクターは宝物殿に存在する、ありとあらゆる装備実験を行い、狂喜乱舞の様相を呈していた。

 

(しかしカルネ村では宝の持ち腐れだよなぁ……。本当、星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)で奪い取ろうかな。)

 

 アインズは光がひとつ消えた流れ星の指輪(シューティングスター)を眺めた。しかし星に込められた力は残りたった二つ。パンドラズ・アクターで代用が利くならば、まだもったいない。

 

 

 ●

 

 

「んで、ンフィーによく解らない帽子と服が届いたんだけれど……。着てみてどう?」

 

「凄く精巧な服だ。南方の国にあるって聞いたスーツとやらに似ているけれど、ポケットが多いね、それに丈夫な生地だ。そして凄く動きやすい。」

 

「ンフィー何かしたの?」

 

「う~ん……心当たりが無いなぁ。今日はベータさんが変にテンション高かったし、何かゴウン様のお城で良いことでもあったのかなぁ。」

 

 エンリは首を傾げる。何時もハイテンションのルプスレギナさんが更にテンションが高いという状況が想像出来なかった。

 

「でもンフィー結構似合っているわよ?正装にもなりそうだしいいんじゃないかしら?」

 

「いやぁ……多分エンリの方が似合うんじゃないかなぁ。ちょっと着てみてよ。」

 

「絶対いや。」

 

 後日興味本位で着てみた髪を下ろしたエンリの軍服姿をゴブリン達に見られ、謎の絶賛を受けたのは余談である。




・ンフィーレアのタレントをナザリックが奪い取らない理由の筆者なりの独自解釈でした。

・今までの世界なら兎も角、ナザリックやぷれいやーの概念が残るスレイン法国からすればンフィーレアの能力って正に鬼札ですよね。
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