俺「鴻上博士の意思を継ぐって」
ファウスト「そう、君との戦いのあとリボルバー様は戦う意思がなくなりネットワークを監視するようになってしまった。だが、私たちは彼の父、鴻上博士が行おうとした意思を持ったAIが人類の後継種となることが最前の策だと考えている。いくら詭弁を並べたところで人類は過ちを繰り返しやがてこの地球を滅ぼす」
俺「だから俺たちを再び実験を使おうっていうのかよ」
ゲノム「その通り!」
尊「ふざけんな!誰がお前らの実験台に二度となるかよ!」
バイラ「だが、あなたたちが楽しみにしていた大会は中止、そして大会があなたたちの犯行予告があったとしれば必ずあなたたちは動く。特に被験体001、あなたは真っ先に動くと思っていたわ。人一倍責任感の強いあなたなら必ず真相を突き止めるべく動くと。そして我々の誘いにまんまと乗りここまできた」
ゲノム「えぇ、我々のデータを取られていると知らずにねぇ」
ファウスト「君たちには悪いことをしたと思っている。だが、これは全て未来のため」
尊「ふざけんな、人の人生をめちゃくちゃにしておいて何が未来だ」
俺「あんたらがやってることがたとえ未来のためだとしても俺たちの未来は俺たちが作る。だからあんたらに捕まって実験台にされる未来なんてまっぴらだ」
ゲノム「やはり子供のあなたたちには我々の崇高な目的が理解できないようですね。」
バイラ「あなたたちの犠牲によってどれほど多くの命が救われるか」
ファウスト「人類の歴史は常に誰かの犠牲によって成り立ってきた。未来へ進むには必ず犠牲が付きまとう。」
歩夢「そんなの間違ってるよ」
尊「だからって俺たちが犠牲になる必要がどこにある。俺たちは散々苦しんできたんだ」
俺「そうならないために人は犠牲になってきたんだろう。あんたらが計算によって導き出した答えだってただの可能性の一つでしか過ぎない。それこそ詭弁だ。」
ファウスト「…やはり簡単には捕まってくれないか…なら仕方ない。この手は使いたくなかったのだがな。」
ファウストがそういうと、立体映像の横に別の映像が流れ出した。
そこにはここと同じような倉庫の中に1人の少女が映っていた。
尊「あれは、綺久!?なんで綺久があんなところに!?お前ら綺久に何をした!?」
ファウスト「彼女に危害は加えていない。ただ人質になってもらっただけだ。」
尊「ふざけんな!今すぐ綺久を自由にしろ!」
ゲノム「それはできませんねぇ、彼女は返して欲しければ私がいう場所まであなた1人で来てください。もちろん、途中助けを呼んだりしたら彼女の命はありませんよ」
尊「くっどこまで卑怯な…」
俺「これがお前たちのやり方…」
バイラ「リボルバー様は昔からお優しい方だった…だが我らは違う、使える手はとことん使う。」
尊「くっ、2人ともここは任せていいか」
俺「あぁ、尊は早く綺久ちゃんのところへ」
尊「あぁ、すまない。」
ゲノム「おぉ、なんとも美しい友情ですね〜私はこの近くの第4倉庫でお待ちしておりますよ」
尊「てめぇ、すぐに行ってぶっ倒してやる」
尊はすぐさま入ってきたのとは別の出口からゲノムに示された座標に向かった。
バイラ「相手の戦力を分散、消耗させること。これこそ勝利への鉄則」
俺「お前ら」
バイラ「苦境に立たせれているのは穂村尊だけではないわ。あなたたちもよ」
俺「なんだと…」
するとハノイの騎士が2人倉庫の奥から出てくる。
バイラ「言ったはずよ、消耗させることが勝利への鉄則と。さぁハノイの騎士たちよ、2人の相手をしてあげなさい」
ハノイの騎士A「敵は2人、我々も2人。ならここはタッグデュエルと行こうじゃないか」
ハノイの騎士B「お互い即席のコンビ、しかも1度のデュエルで2人まとめて倒せる。貴様らにとっても悪い話ではないはずだ」
俺「歩夢、ここはやるしかない」
歩夢「うん。あなたとだったら負ける気がしないよ!」
俺「あぁ、俺もだ。俺たちの最強のコンビネーション見せてやろう」
歩夢「うん!」
ハノイの騎士A「交渉成立ということだな。ならいくぞ」
4人「デュエル!!」
互いのライフは4000
フィールド、墓地、ライフは共有のタッグフォースルール
先攻はハノイの騎士A
ハノイの騎士A「私のターン、手札から手札断殺を発動!互いのプレイヤーは手札を2枚墓地に送り2枚ドローする。このタッグデュエルでそれが適用されるのは私と次のお前たちのターンプレイヤーだ。」
歩夢「なら、私が適用する。」
ハノイの騎士A「私はジャックワイバーンを召喚。ジャックワイバーンの効果、場のこのカードと墓地のハックワームを除外して、墓地にいるクラッキング・ドラゴンを特殊召喚する!さらにカードを2枚伏せてターンエンド。」
歩夢「いきなり攻撃力3000…。でも負けない!私のターン、ドロー。私は海晶乙女シーホースを召喚。」
ハノイの騎士A「この瞬間、クラッキングドラゴンの効果!相手がモンスター1体を召喚、特殊召喚に成功した時、そのモンスターのレベル×200攻撃力を下げ、その数値分相手にダメージを与える!シーホースのレベルは4、よって800ダメージだ!」
俺たちのライフが4000から3200に減る
歩夢「これくらい…。輝け!愛と絆のサーキット!召喚条件はレベル4以下の海晶乙女1体!リンク召喚、リンク1、海晶乙女ブルースラッグ!リンクモンスターにレベルは存在しない、よってクラッキングドラゴンの効果は適用されない。」
ハノイの騎士A「くっ、早速クラッキングドラゴンの隙をついてきたか」
歩夢「ブルースラッグの効果、墓地のシーホースを手札に加える。続けてシーホースの自身の効果でブルースラッグのリンク先に特殊召喚!」
ハノイの騎士A「性懲りもなく。クラッキングドラゴンの効果、800ダメージ」
俺たちのライフが3200から2400に減る
歩夢「うっ、まだまだ。私はシーホースでリンク召喚!リンク1、海晶乙女シーエンジェル!シーエンジェルの効果、デッキから海晶乙女の闘海を手札に加える。」
歩夢「輝け!愛と絆のサーキット!召喚条件は水属性モンスター2体、私はブルースラッグ、シーエンジェルをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、海晶乙女コーラルアネモネ!コラールアネモネの効果、墓地からブルースラッグを特殊召喚!さらにフィールド魔法 海晶乙女の闘海を発動!」
俺「これで準備は整ったな。いけ、歩夢!」
歩夢「うん!輝け!愛と絆のサーキット!アローヘッド確認、召喚条件は水属性モンスター2体以上!私はリンク2のコラールアネモネとリンク1のブルースラッグをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、海晶乙女マーブルド・ロック!」
ハノイの騎士A「敵のエースのお出ましか」
歩夢「コーラルアネモネの効果で、墓地のシーホースを手札に加える。そしてバトルオーシャンの効果、墓地のコーラルアネモネ、ブルースラッグ、シーエンジェルをマーブルド・ロックに装備。これでマーブルド・ロックの攻撃力は4500になる。バトル!マーブルド・ロックでクラッキングドラゴンを攻撃!」
ハノイの騎士A「ふん、かかったなリバースカードオープン!罠発動!魔法の筒!これでマーブルド・ロックの攻撃力分のダメージを受けて貴様らの負けだ!」
歩夢「なら私はフィールドにリンク3の海晶乙女がいることにより手札から罠カード、海晶乙女瀑布を発動!次の私たちのスタンバイフェイズまでマーブルドロックを除外してそのリンクマーカー1つにつき、場のモンスターの攻撃力をターン終了時まで300アップする。私はクラッキングドラゴンの攻撃力を900アップ」
ハノイの騎士A「魔法の筒の効果ダメージを避けつつ、攻撃できないクラッキングドラゴンの攻撃力をあげることで無駄をなくしたか。ふん、命拾いしたな。」
歩夢「私はカードを4枚セットしてターンエンド」
ハノイの騎士B「おやおや、結局何もできなかったか。これは圧勝か。俺のターン、ドロー。魔法カード 手札抹殺、互いのプレイヤーは手札を全て墓地に送りその枚数ドローする。」
歩夢「タッグフォースルール下ではこの場合も私に適用される」
ハノイの騎士B「そして俺はジャックワイバーン召喚」
俺「こいつらまさか同じデッキを」
ハノイの騎士A「その通り、我らはハノイの騎士の中でもタッグデュエルに秀でた者同士。同じデッキを使うことで戦略も全て共有しているのだ」
俺「嘘くさいと思ったがやはり即席タッグは嘘だったのか」
ハノイの騎士B「その通り!俺たちは勝利のためならなんでもするのさ。ジャックワイバーンの効果!墓地のハックワームとこのカードを除外して墓地より出よ!2体目のクラッキング・ドラゴン!バトルだ!1体目のクラッキングドラゴンでダイレクトアタック!」
歩夢「リバースカードオープン!永続罠 リビングデットの呼び声!墓地から海晶乙女コーラルアネモネを特殊召喚!そしてバトルオーシャンの効果で攻撃力200アップ!」
ハノイの騎士B「ちっ、だがバトル続行だ!コーラルアネモネを攻撃!」
俺たちのライフが2400から1600に減る。
歩夢「コーラルアネモネが戦闘破壊されたことにより罠発動!海晶乙女雪花!EXデッキから海晶乙女ブルースラッグをリンク召喚扱いで特殊召喚する!さらにバトルオーシャンの効果で攻撃力200アップ!」
ハノイの騎士B「しつこいやつらだ。バトルだ!2体目のクラッキングドラゴンでブルースラッグを攻撃!」
俺たちのライフが1600から300に減る。
ハノイの騎士B「ちっ、仕留めそこなったか。カードを1枚セットしてターンエンド。」
歩夢「ごめんなさい、私のせいでライフを大きく削られちゃった。」
俺「気にするな、歩夢の伏せてくれたカード、俺は信じて戦うからさ。」
歩夢「うん!」
俺「いくぞ、俺のターン、ドロー!スタンバイフェイズ、マーブルド・ロックは俺たちの場に戻ってくる。」
ハノイの騎士B「ふん、お前の伏せカード使わせてもらうぞ」
ハノイの騎士A「あぁ、存分に使え」
ハノイの騎士B「リバースカードオープン!永続罠 魔封じの芳香!これによりこのカードの発動後に互いのプレイヤーは魔法・罠を発動するにはセットする必要があり、発動できるのは次の自分のターンとなる!」
ハノイの騎士A「これで貴様のこのターンの魔法カードを封じたもの同然!」
ハノイの騎士B「さらにリバースカードオープン!永続罠 御前試合!このカードの効果により互いのプレイヤーは1つの属性しか場に存在させられない!つまり貴様らは水属性しか場に出せないのだ!被験体001、貴様のデッキは属性がかなりバラけていることはデータに入ってる!これで貴様はリンク召喚できまい!」
俺「それはどうかな?」
ハノイの騎士B「何!?」
俺「俺は手札のコード・ラジエーターを墓地に送り、リバースカードオープン!魔法カード サイバネット・マイニングを発動!」
ハノイの騎士B「サイバネット・マイニング…あれは被験体002が伏せたカード…」
俺「俺と歩夢はサイバースデッキ、だからサイバースをサーチするカードがお互い入っていてもおかしくない。そこまで読めなかったのはお前たちのミスだな」
ハノイの騎士B「くっ」
俺「サイバネットマイニングの効果でデッキからシーアカイバーを手札に加える!さらにリバースカードオープン!罠カード 海晶乙女波動!クラッキングドラゴン1体の効果を無効にし、さらに俺たちの場にリンク2以上の海晶乙女リンクモンスターがいる時、ターン終了時まで俺たちの表側表示のモンスターは相手の効果を受けない。俺たちの場にはリンク3の海晶乙女マーブルド・ロックがいる!よってクラッキングドラゴンの攻撃力減少とそれによるバーンダメージは発生しない!」
ハノイの騎士A「ば、馬鹿な我々の戦術が…」
俺「さらにマーブルド・ロックの効果!墓地から海晶乙女シーホースを手札に加える。そしてシーホースの効果、海晶乙女リンクモンスターのリンク先に特殊召喚できる!そしてこの瞬間、手札のシーアカイバーの効果!リンクモンスターのリンク先にモンスターが特殊召喚された時、手札・墓地からこのカードを特殊召喚できる!こい、シーアカイバー。現れろ、未来を導くサーキット!」
ハノイの騎士B「何!?まさか」
俺「アローヘッド確認!召喚条件はサイバース2体!俺は海晶乙女シーホースとシーアカイバーをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、スプラッシュ・メイジ!」
ハノイの騎士B「くっ、ことごとく水属性モンスターを」
ハノイの騎士A「こいつら互いのデッキを知り尽くしてるのか。まるでこうなるかを予想していたような動き…」
俺「当たり前だ!俺と歩夢がどれだけ一緒にいたと思ってるんだ。お前たちにはわからないだろうな、俺と歩夢がどれだけの絆でここに立っているかを。」
歩夢「即席のコンビだからって侮らないで。私たち2人の絆は誰にも負けないんだから!」
ハノイの騎士A「くっ」
俺「いくぞ!スプラッシュメイジの効果、墓地のサイバースを効果を無効にして特殊召喚する!俺は墓地からコード・ジェネレーターを特殊召喚する!再び現れろ!未来を導くサーキット!」
ハノイの騎士A「再びリンク召喚だと!?」
俺「アローヘッド確認!召喚条件はサイバース族モンスター2体以上!俺はリンク2のスプラッシュ・メイジとコード・ジェネレーターをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク3、シューティングコード・トーカー!」
ハノイの騎士B「水属性のコード・トーカー…」
俺「フィールドからリンク素材となったコード・ジェネレーターの効果、相手フィールドのモンスター2体の効果を無効にして攻撃力を0にする!俺はクラッキングドラゴン2体の効果を無効にし、攻撃力を0にする!」
ハノイの騎士B「なんだと!?」
俺「バトルだ!この瞬間、シューティングコードの効果!このカードのリンク先のモンスター1体につき1回、モンスターへの攻撃回数を増やす!シューティングコードのリンク先にはマーブルド・ロックがいる!よってモンスターへの2回攻撃が可能!いけ、シューティングコード・トーカーで1体目のクラッキングドラゴンを攻撃!」
ハノイの騎士B「ぐっ」
ハノイの騎士ライフ4000→1700
俺「これで終わりだ!シューティングコードのこの効果を適用した後、相手の場のモンスターが1体の時、このカードの攻撃力は400下がる。だが、お前たちを倒すのには十分だ!いけ、シューティングコード・トーカーで2体目のクラッキング・ドラゴンを攻撃!シューティングコンプリート!」
ハノイの騎士A「ば、馬鹿なー!!!」
ハノイの騎士B「ぐぁ!!」
ハノイの騎士ライフ1700→0
俺「やったな、歩夢」
歩夢「うん!あなたならきっと私のカードも使いこなしてくれるって信じてたよ」
バイラ「ふん、まずはおめでとうとでも言っておこうかしら。でもこれを見て喜んでいられるかしら」
綺久の時と同じように倉庫の映像が映される。
そこに映っていたのは
俺「かすみ!?」
歩夢「どうしてかすみちゃんが…」
ファウスト「彼女にもまた人質になってもらった」
かすみ「先輩〜ごめんなさ〜い。私、捕まっちゃいました」
かすみは泣きながら訴えていた。
俺「お前らよくもかすみを!」
ファウスト「彼女を返して欲しければ第7倉庫に君1人で来てもらおうか」
俺「くっ」
歩夢「行って」
俺「え?」
歩夢「かすみちゃんはきっとあなたを待ってる。私なら大丈夫。だから行ってあげて」
俺「わかった…ここは任せた」
歩夢「うん!」
俺「待ってろかすみ!今助けに行くからな!」
俺は急いで倉庫を飛び出した。
バイラ「これで残ったのは上原歩夢あなただけ」
歩夢「最初から私たちを離れ離れにするのが目的だったのね…」
バイラ「えぇ、そうよ。それともう隠れている必要もないわね。」
そういうとバイラはついに歩夢の前に姿を現す。
歩夢「あなたがバイラ…」
バイラ「さぁ、上原歩夢。残りは私たちよ。あなたを捕まえるためデュエルを申し込むわ。もちろん受けて立つわよね?」
歩夢「えぇ。かすみちゃんを誘拐して彼を苦しめるあなたを私は許さない。」
バイラ「その目、すごくいい目をしているわ。いくわよ」
歩夢「えぇ、絶対にあなたに勝つ。」
尊、歩夢、俺のそれぞれの戦いが始まった。
to be continued…