バイラ「さぁ、始めましょうか」
歩夢「えぇ、私はあなたたちを許さない」
2人「デュエル!」
互いのライフは4000
バイラ「私の先攻、私はカードを1枚セット、そして永続魔法 王家の神殿を発動。このカードの効果により私はセットしたターンに罠カードを発動できる。罠カード、針虫の巣窟を発動!デッキからカードを5枚墓地に送る。デッキから墓地に送られたのは《屍界のバンシー》《死霊王 ドーハスーラ》《馬頭鬼》《グローアップ・ブルーム》《アンデット・ストラグル》!」
歩夢「一度にデッキから5枚もカードを…」
バイラ「私は墓地の屍界のバンシーの効果!このカードを除外してデッキからフィールド魔法 アンデットワールドを発動!このカードの効果によりフィールド、墓地のモンスターは全てアンデット族になる!さらに今墓地に行った、グローアップ・ブルームの効果発動、場にアンデットワールドが存在する時、デッキからレベル5以上のアンデットモンスター1体を特殊召喚する。死霊王 ドーハスーラを特殊召喚する!」
歩夢「ドーハスーラ、あれがエースモンスター!?」
バイラ「まだよ!墓地の馬頭鬼の効果!墓地のこのカードを除外することで、手札からアンデットモンスターを特殊召喚する!現れなさい!2体目のドーハスーラ!」
歩夢「ドーハスーラが2体も!?」
バイラ「さらに除外されているバンシーをデッキに戻して墓地のアンデット・ストラグルを場にセット。私はこれでターンエンド」
歩夢「でも負けない。私のターン、ドロー。私は海晶乙女ブルータンを召喚!ブルータンの効果」
バイラ「そうはさせない!ドーハスーラの効果!アンデットモンスターが効果を発動させた時、その効果を無効にする!アンデットワールドの効果で場と墓地のモンスターは全てアンデット族になる。よってあなたのモンスター効果も無効にできるのよ」
歩夢「なんて効果なの…。でも、輝け!愛と絆のサーキット!召喚条件はレベル4以下の海晶乙女1体!リンク召喚!リンク1、海晶乙女ブルースラッグ!リンク素材となったブルータンの効果、デッキから3枚めくり海晶乙女カード1枚を手札に加える、私は海晶乙女シーホースを手札に加える!さらにブルースラッグの効果」
バイラ「2体目のドーハスーラの効果、ブルースラッグの効果を無効にする!」
歩夢「なら私はブルースラッグのリンク先にシーホースを特殊召喚!そしてシーホースでリンク召喚!リンク1、海晶乙女シーエンジェル!シーエンジェルの効果でデッキからフィールド魔法、海晶乙女の闘海を手札に加える。さらに私はブルースラッグとシーエンジェルでリンク召喚!リンク2、海晶乙女コーラルアネモネ!コーラルアネモネの効果で墓地からブルースラッグを特殊召喚する。さらにフィールド魔法 海晶乙女の闘海を発動!」
バイラ「(ここまではデータ通り)」
歩夢「輝け!愛と絆のサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は水属性モンスター2体以上!私はリンク2のコーラルアネモネとブルースラッグをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、海晶乙女マーブルド・ロック!墓地のコーラルアネモネの効果で墓地からブルータンを手札に加える。さらにバトルオーシャンの効果、墓地のコーラルアネモネ、ブルータン、シーエンジェルを装備!これで攻撃力は4500!さらにマーブルドロックの効果で墓地のシーホースを手札に加える。」
バイラ「実質手札消費0でここまでやるとはね。敵ながら見事よ。」
歩夢「バトル!マーブルドロックでドーハスーラを攻撃!」
バイラ「くっ」
バイラライフ4000→2300
歩夢「カードを1枚セットしてターンエンド」
バイラ「私のターン、ドロー。この瞬間、ドーハスーラの効果!互いのスタンバイフェイズにこのカードが墓地に存在し、場に表側表示のカードが存在する時、このカードを墓地から特殊召喚できる!」
歩夢「そんなせっかく倒したドーハスーラが…」
バイラ「私はカードをセット!そして再び王家の神殿の効果、今セットした針虫の巣窟を発動!デッキの上からカード5枚を墓地に送る。」
歩夢「送ったカードは全てモンスター」
バイラ「私はタツネクロを召喚、タツネクロの効果!通常召喚したこのカードがシンクロ素材となる時、私の手札のモンスター1体も素材にすることができる。私は手札のレベル4牛頭鬼にレベル3タツネクロをチューニング!」
歩夢「手札のモンスターとシンクロ召喚!?」
歩夢「シンクロ召喚!現れろ!レベル7!真紅眼の不屍竜(レッドアイズ・アンデットネクロドラゴン)!アンデットネクロドラゴンの効果、フィールド、墓地のアンデットモンスター1体につき攻撃力が100アップする!さらに速攻魔法 異次元からの埋葬 を発動!除外されているタツネクロ、グローアップ・ブルーム、馬頭鬼を墓地に戻す!これにより互いの場、墓地にはアンデットモンスターが13体いることになる!さらにリバースカードオープン!アンデット・ストラグル!これによりアンデットネクロドラゴンの攻撃力は1000アップ!よって攻撃力は4700!」
歩夢「マーブルド・ロックの攻撃力を上回った…」
バイラ「バトル!アンデットネクロドラゴンでマーブルド・ロックを攻撃!」
歩夢「うぅ」
歩夢ライフ4000→3800
歩夢「マーブルドロックが破壊されたことにより、罠発動!海晶乙女雪花!自分のマリンセスリンクモンスターが破壊された時、EXデッキからそのリンクモンスターよりリンクマーカーが低いマリンセスリンクモンスターをリンク召喚扱いで特殊召喚する!私はリンク2の海晶乙女コーラルアネモネを特殊召喚!バトルオーシャンの効果で攻撃力は2200!」
バイラ「いくら壁モンスターを出したところで!ドーハスーラでコーラルアネモネを攻撃!」
歩夢ライフ3800→3200
バイラ「2体目のドーハスーラでダイレクトアタック!」
歩夢「きゃあ」
歩夢ライフ3200→400
バイラ「私はこれでターンエンド。」
歩夢「負けない…絶対…」
バイラ「そうよ、あなたが勝たないとこの2人の命はないわ」
バイラがそういうとある立体映像が流れる
歩夢「これは彼とかすみちゃん!?2人に何をしたの?」
バイラ「そうね、彼がいるコンテナは今海の上、あなたがデュエルで負ければそのコンテナは海に沈む」
歩夢「そんな、なんてひどいことを!それにそれじゃあなたの仲間も巻き添いなるんじゃ」
バイラ「ファウストには脱出装置とボードが用意してある。つまり海に沈むのはあなたのお仲間2人だけ」
歩夢「ひどい…1度だけじゃなくて…2度も彼を苦しめて…それに関係ないかすみちゃんも巻き込んで」
バイラ「どう?私たちが憎いかしら?」
歩夢「憎い?それとは違う…でも許せないのは確か…。あなたちは許せないことを3つした」
バイラ「3つ?」
歩夢「1つ…大会を中止にしたりかすみちゃんを誘拐したりして関係ない人たちを巻き込んだ。2つ…私たちの未来を勝手に決めようとした。しかも望んでいない未来を…。そして1番許せないのが…」
バイラ「何かしら?」
歩夢「3つ!私の大好きな彼を傷つけようとした!彼はもう十分に傷ついてきた…あなたたちは知らないだろうけど、ようやく過去の自分を精算して新しい人生を歩みだしてきた。なのにあたなたちはそれを壊そうとしてる!それどころじゃない!あなたたちは彼の命まで奪おうとしてる!だから許せない!私は誓ったの、今度は彼を私が守るって!だからあなたには絶対に負けない!私は…彼のために戦う!」
バイラ「そう、でもあなたの場にはモンスターは0、それに私の場にはモンスター効果を無効にできるドーハスーラが2体いる!さらにさっきの針虫の巣窟の効果でもう1体墓地に行っている。よってあなたのスタンバイフェイズにドーハスーラは3体になる!あなたはモンスター効果無効を3回乗り越えなければいけないのよ。展開をモンスター効果に頼りきりなあなたにそれができるからしら?」
歩夢「そんなのやってみなきゃわかんないよ」
バイラ「そう…その風前の灯のライフでどこまでできるか。私はこれでターンエンド」
歩夢「私のターン!(大丈夫…このデッキは彼と一緒に作った最高のデッキ…だからきっと応えてくれる…)ドロー!」
バイラ「この瞬間、3体目のドーハスーラの効果!自身を墓地から特殊召喚する!」
歩夢「私は海晶乙女ブルータンを召喚!効果発動!」
バイラ「無駄よ!1体目のドーハスーラで効果は無効!」
歩夢「輝け!愛と絆のサーキット!リンク召喚!リンク1、海晶乙女ブルースラッグ!リンク素材となったブルータンの効果!デッキから3枚めくりその中からマリンセスカード1枚を手札に加えることができる!」
バイラ「2体目のドーハスーラの効果!効果は無効!」
歩夢「手札の海晶乙女シーホースの効果!ブルースラッグのリンク先に特殊召喚!私はシーホース1体でリンク召喚!リンク1、海晶乙女シーエンジェル!さらに手札の海晶乙女マンダリンは自分の場にマリンセスリンクモンスターが2体以上いる時、水属性リンクモンスターのリンク先に特殊召喚できる!きてマンダリン!そして、輝け!愛と絆のサーキット!召喚条件は水属性モンスター2体!私はブルースラッグとシーエンジェルをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、海晶乙女コーラルアネモネ!」
バイラ「3体目のコーラルアネモネ…余程そのカードが好きなようね!(やはり出してきた、そしてコーラルアネモネの効果で攻撃力1500以下の水属性モンスターを墓地から特殊召喚できる。だが…)」
歩夢「コーラルアネモネの効果発動!」
バイラ「無駄よ!3体目のドーハスーラで効果発動!ドーハスーラにはもう一つ効果がある!それはアンデットモンスターが効果を発動した時、自分または相手モンスターを除外できる!私はコーラルアネモネを除外する!」
歩夢「でもこれでドーハスーラの効果は全て使いきった!私はこの時をずっと待ってた!」
バイラ「なに!?」
歩夢「魔法カード 死者蘇生!墓地から戻ってきてマーブルド・ロック!」
バイラ「くっ、エースモンスターが…」
歩夢「私は魔法カード 貪欲な壺を発動!墓地のブルースラッグ2体、コーラルアネモネ2体とシーエンジェルをデッキ戻して2枚ドロー!さらに魔法カード おろかな副葬を発動!デッキから罠カード 海晶乙女瀑布を墓地に送る!さらにマーブルドロックの効果で墓地の海晶乙女瀑布を手札に加える!」
バイラ「(この状況で何をしようというの…上原歩夢の切り札、海晶乙女ワンダーハートはクリスタルハートとのコンボで完全耐性の攻撃力4400にすることができる。だがこの盤面からワンダーハートを召喚する意思が感じられない…何が狙い…?)」
歩夢「(今の私にはあのカードがある…。彼との特訓で手に入れた私の新しい切り札…。使うなら今がその時…お願い、私に力を貸して)」
バイラ「とてもじゃないけどあなたの切り札、ワンダーハートを呼び出す場面じゃないわね、一体何を企んでるのかしら?」
歩夢「それはこれからわかるよ。輝け!未来を導くサーキット!」
バイラ「未来を導くサーキットですって」
歩夢「アローヘッド確認!召喚条件は水属性モンスター2体以上!私はリンク3のマーブルドロックとマンダリンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!母なる大海の深き青よ、我が手に集い慈愛と浄化の力を与えよ!リンク召喚!現れろリンク4!
海晶乙女グレート・バブル・リーフ!」
バイラ「グレート・バブル・リーフ…こんなカード、データにはなかったはず…」
歩夢「当たり前だよ、私たちは日々成長してるんだから。だから昨日までの過去のデュエルデータなんて意味がない。命あるものは常に前に進んでいる。そう彼に教わったから。だから私たちの未来は誰にも壊させはしない!私のデュエルすることに意味があるとしたら、それはデュエルで誰かの幸せを守ること。それが私にとっての幸せだから。だからあなたに絶対に負けない!彼との絆で生み出したこのグレート・バブル・リーフで私は未来を掴む!」
バイラ「でもたかが攻撃力2600じゃ私のモンスターは倒せない」
歩夢「海晶乙女の闘海の効果!グレート・バブル・リーフの攻撃力を200上げ、さらに墓地のマーブルド・ロック、コーラルアネモネ、シーエンジェルを装備させる!そして装備されたモンスターは装備カード1枚につき攻撃力600アップ!よってグレート・バブル・リーフの攻撃力は4600!」
バイラ「だが、例えドーハスーラを攻撃しても私のライフは残る!」
歩夢「グレート・バブル・リーフの効果!手札から海晶乙女モンスター1体を墓地に送り、除外されている海晶乙女モンスターを特殊召喚する!私は手札から海晶乙女バシランリマを墓地に送り、除外されているコーラルアネモネを特殊召喚!」
バイラ「だがコーラルアネモネを呼びもどしたところで…はっ!」
歩夢「私はフィールドにリンク3マリンセスがいることにより手札から罠カード 海晶乙女瀑布を発動!フィールドのコーラルアネモネを除外してグレート・バブル・リーフの攻撃力をコーラルアネモネのリンクマーカー×300アップ!コーラルアネモネはリンク2、よって攻撃力は600アップ!さらにグレート・バブル・リーフの効果!モンスターが除外されたことにより攻撃力600アップ!」
バイラ「それじゃあグレート・バブル・リーフの攻撃力は…」
歩夢「そう、グレート・バブル・リーフの攻撃力は5800!バトル!グレート・バブル・リーフでドーハスーラを攻撃!」
バイラ「(これがデータにはない前に進む力…)」
バイラライフ2300→0
バイラ「約束通り彼らがいるコンテナは元に戻すわ」
歩夢「どうしてあなたたちは鴻上博士の意思を継ごうとしたんですか?リボルバーは自分の意思で自分の道を決めようとしたのに」
バイラ「大人になったらね、不確実な物がとても恐ろしく感じるのよ。だからこそ過去のデータに頼る。その結果、私たちは未来のためとはいいながら結局、過去のことばかりに固執してしまった…。それが私の敗因ね。若さゆえの未来に進む力は時として恐ろしく感じてしまった。でも本当に恐ろしいのはデータしか信じられなかった私たちだったのかもしれない」
歩夢「あの、バイラって本名なんですか?」
バイラ「いいえ、違うわ。本名は滝響子。」
歩夢「滝さんか…。滝さん、今ならまだやり直せます。罪を償ってください」
バイラ「そうね、でもそれはまだできない。まだファウストが倒れていない。1人でも生き残っているなら私たちの野望はまだ潰えてない。」
歩夢「そんな…」
バイラ「あなたとのデュエルで痛感したわ。命あるものの前に進む強さ、そしてあなたの戦う意味。でも私にも譲れないものがある。ファウストがまだ残っているならまだ私が罪を償うわけにはいかない。私たちが罪を償い、あなたたちの大会が再開されるのはまだ夢の話よ」
歩夢「それでも私は彼とそして滝さん、あなたを信じます」
バイラ「本当、若さっていうのは時に恐ろしく感じるわ。見守りましょう、ファウストと彼のデュエルを」
歩夢「はい(大丈夫…あなたならきっとかすみちゃんを助けられる…)」
to be continued …