スクスタの主人公が男で決闘者だったら   作:トモカズ

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第8話

 

 

俺「かすみ、待ってろよ。今行くからな!」

 

 

 

 

〜第7倉庫〜

 

 

ファウスト「すまない、関係のない君を巻き込んで」

 

 

かすみ「すまないって思ってるんだったら早くかすみんを自由にしてください!」

 

 

ファウスト「それはできない。彼が来るまでは」

 

 

かすみ「もーなんなんですかー!」

 

 

 

 

俺「かすみ!」

 

 

かすみ「先輩!すいません、私、このおじさんの口車に乗ってまんまと捕まっちゃって…」

 

 

 

俺「ファウスト!約束通り1人できたぞ。かすみを自由にしろ!」

 

 

ファウスト「あぁ、そうだな。だがその前に」

 

 

 

その時、倉庫が揺れる

 

 

 

俺「なんだ、今の揺れは」

 

 

ファウスト「このコンテナは港から離れ海に向かっている」

 

 

俺「海だと…」

 

 

ファウスト「そうだ。君と上原歩夢どちらかが負ければこのコンテナは海に沈む」

 

 

俺「なんだと!関係のないかすみまで命の危機に晒すなんて」 

 

 

ファウスト「助かりたければ私とデュエルをするんだな」

 

 

俺「あぁ、わかっている。だがコンテナが沈めばお前もただじゃいられないぞ」

 

 

ファウスト「心配は無用、私には脱出の準備ができている。」

 

 

かすみ「自分だけ勝っても負けても助かるなんて、それって大の大人がやることですか!?」

 

 

ファウスト「なんとでもいいたまえ。我々は手段は手段を選ばない」

 

 

俺「やるしかなさそうだな」

 

 

かすみ「でも、先輩が勝っても歩夢先輩が負けたら」

 

 

俺「その心配はない。歩夢は必ず勝つ」

 

 

かすみ「どうしてそう言い切れるんですか」

 

 

俺「うーん、強いて言うなら勘?」

 

 

かすみ「勘って!こんな時にそんな悠長なこと言ってる場合じゃ」

 

 

俺「どの道、歩夢が勝たないと助からないなら歩夢を信じるしかないだろ。それに俺の幼馴染がそんな簡単には負けないよ。この戦いの前だって2人で特訓してるんだし」

 

 

かすみ「また2人で秘密の特訓ですか!?歩夢先輩だけずるいです。」

 

 

 

ファウスト「取り込み中のところすまない。デュエルの準備はできたか?」

 

 

俺「あぁ。いくぞ、ファウスト」

 

 

 

2人「デュエル!」

 

互いのライフは4000

 

 

俺「俺のターン、手札のレイテンシを墓地に手札からビットルーパーを特殊召喚!さらにROMクラウディアを召喚。ROMクラウディアの効果、墓地からレイテンシを手札に加え、レイテンシ自身の効果で特殊召喚する。

現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件はサイバース2体!俺はROMクラウディアとビットルーパーをリンクマーカーにセット!

リンク召喚!リンク2、スプラッシュ・メイジ!スプラッシュメイジの効果、墓地からビットルーパーを特殊召喚する!」

 

 

かすみ「これで先輩のエースを呼び出す準備は整いましたね!」

 

 

俺「再び現れろ!未来を導くサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター2体以上!俺はリンク2のスプラッシュメイジとビットルーパーをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、デコード・トーカー!」

 

 

ファウスト「早速きたか、君のエースモンスター」

 

 

俺「さらにレベル1のレイテンシ1体でリンク召喚!リンク1、リンクリボー!デコード・トーカーの効果、リンク先のモンスター1体につき攻撃力500アップ。デコード・トーカーのリンク先にはリンクリボーが1体。よってデコード・トーカーの攻撃力は2800!パワーインテグレーション!さらにレイテンシがリンク素材になったことにより1枚ドローする。俺はこれでターンエンド。」

 

 

 

ファウスト「(こちらが攻撃すればリンクリボーの効果で攻撃力を0にされ、効果の対象に取ればデコード・トーカーの効果で無効にされる。牽制としては実にいい戦術だ。だが、それもデータの内。)」

 

 

俺「(ファウストのやつ、どうでてくる)」

 

 

 

ファウスト「私のターン、ドロー。私は甲虫装機ダンセルを召喚。ダンセルの効果、手札の甲虫装機ホーネットをダンセルに装備する!さらにホーネットの効果!ダンセルに装備されているこのカードを墓地に送ることでフィールドのカードを1枚選択し破壊する!私はデコード・トーカーを破壊する!」

 

 

俺「ならデコード・トーカーの効果!自分のモンスターが相手の効果の対象になった時、デコード・トーカーのリンク先のモンスターをリリースすることでその発動を無効にする!俺はリンクリボーをリリース!」

 

 

ファウスト「だが、ホーネットが墓地に行ったことによりダンセルの効果!デッキから甲虫装機センチピードを特殊召喚する!センチピードの効果、墓地のホーネットをセンチピードに装備する!再びホーネットの効果!このカードを墓地に送り今度こそデコード・トーカーを破壊する!」

 

 

俺「くっ」

 

 

かすみ「ホーネットの効果って1ターンに1回じゃないんですか!?」

 

 

俺「ホーネットの効果は名称指定のターン制限じゃないからな。墓地に行けば何度でも使える。それが甲虫装機デッキの真骨頂。」

 

 

 

ファウスト「さすがだな、そこまでわかっているとはな。私はセンチピードの効果!装備されていたホーネットが墓地に行ったことによりデッキから2体目のダンセルを手札に加える。魔法カード 二重召喚!このターン、もう一度モンスターを召喚できる!私は2体目のダンセルを召喚、そしてダンセルの効果でホーネットを装備。ホーネットが装備されたことによりダンセルの攻撃力は500アップ!」

 

 

かすみ「やばいですよ、先輩の場はガラ空き…この攻撃を受けたら先輩のライフは0…」

 

 

ファウスト「バトルだ!1体目のダンセルでダイレクトアタック!」

 

 

俺「ぐっ」

 

 

 

俺のライフが4000から3000に減る。

 

 

ファウスト「センチピードでダイレクトアタック!」

 

 

 

俺のライフが3000から1400に減る。

 

 

 

ファウスト「これで終わりだ!」

 

 

俺「まだだ!俺が戦闘ダメージを受けたことにより手札からインタラプト・レジスタンスを守備表示で特殊召喚する!」

 

 

ファウスト「くっ守備力2100のモンスターか…(これは想定外だったな…)だが手はある!」

 

 

俺「なに」

 

 

ファウスト「どうやら私の切り札を呼ぶ時が来たようだな。私は装備モンスターが装備されている昆虫族モンスター、甲虫装機ダンセルをリリースして速攻魔法 超進化の繭を発動!現れろ!我が最強の女王!究極変異態・インセクト女王!!」

 

 

かすみ「うわわ、でっかい虫が出てきちゃいましたよぉ」

 

 

ファウスト「このカードは場に他の昆虫族がいる時、自分の昆虫族は相手の効果の対象にならず、効果で破壊さない!」

 

 

俺「(これでファウストのモンスターに破壊耐性がついた…)」

 

 

 

ファウスト「バトルだ!インセクト女王でインタラプト・レジスタンスを攻撃!」

 

俺「くっ」

 

 

ファウスト「私はこれでターンエンド。この時、インセクト女王の効果でインセクトモンスタートークンを守備表示で特殊召喚する。」

 

 

 

かすみ「先輩〜フィールドがガラ空きになっちゃいましたよ〜」

 

 

俺「そうだな」

 

 

かすみ「そうだなって!もうちょっと危機感持ってくださいよ!」

 

 

俺「危機感か…どうだろうな」

 

 

ファウスト「…被験体001、君は自分が置かれている状況がわかっているのか?このピンチを乗り越えなければ君たちの命は…」

 

 

俺「ピンチ?たかがライフが削られただけだ。こんなのいつものことだ。全然ピンチじゃない」

 

 

ファウスト「なんだと!?」

 

 

俺「人の心配するくらいなら自分の心配をしたらどうだ?あんたのデータがどうなっているか知らないけど俺はあんたをこのターンで倒す。」

 

 

ファウスト「馬鹿な…」

 

 

俺「関係ない人たちを巻き込み、俺たちから未来を奪おうとしたあんたを俺は許さない。だからとっととかたをつける。」

 

 

ファウスト「くっ…」

 

 

 

俺「そういえばかすみ」

 

かすみ「なんです?」

 

 

俺「最初にあった日、あの時、同好会の部室がなくなりそうだった。そしてせつ菜と初めてデュエルしたとき、同好会の存亡がかかっていた。リボルバーと2回目に戦ったとき、俺の未来がかかっていた。絶対に負けられない大事なデュエルの時っていつもかすみがいたなって思って」

 

 

かすみ「たしかに…言われてみればそうですね」

 

 

俺「今日だって負けたら俺たちの命はないデュエルだ…」

 

 

かすみ「でもそんな時でも先輩はいっつも勝ってくれましたよね」

 

 

俺「そうだな。案外かすみは俺の勝利の女神なのかもな」

 

 

かすみ「私が勝利の女神!?も〜先輩ったら〜そう思ってるなら早く言ってくださいよ〜そしたら〜かすみんが〜毎回応援してあげるのに〜」

 

 

俺「いや、可能性の話だから」

 

 

かすみ「むー」

 

 

 

ファウスト「ふん、お楽しみところ悪いが、君の威勢もどこまで持つだろうか。君の手札は1枚。リボルバー様との戦いで使った切り札アクセスコード・トーカーを呼び出してもインセクト女王の効果で私のモンスターは破壊されない!この布陣を簡単に突破できまい」

 

 

俺「それはどうかな?」

 

ファウスト「なに!?」

 

 

俺「いくぞ、ファウスト!俺のターン、ドロー!俺はサイバース・ガジェットを召喚!そして効果発動!墓地からレイテンシを特殊召喚!そしてサイバースガジェットとレイテンシでリンク召喚!リンク2、コード・トーカー!さらに墓地のサイバースガジェットの効果、ガジェットトークンを特殊召喚する。現れろ!未来を導くサーキット!」

 

 

ファウスト「この状況でリンク3だと…」

 

 

俺「アローヘッド確認!召喚条件は属性が異なるモンスター2体以上!俺は闇属性リンク2、コード・トーカーと光属性ガジェットトークンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!ファウスト!これが俺と尊の絆が生んだコード・トーカーだ!リンク召喚!リンク3!デコード・トーカー・ヒートソウル!」

 

 

 

ファウスト「新たなコード・トーカー…だがそのモンスターだけで何ができる!」

 

 

俺「墓地のビットルーパーとインタラプト・レジスタンスをゲームから除外して手札からデクレネード・バスターを特殊召喚する!いくぞ、バトルだ!ヒートソウルでダンセルを攻撃!ヒートソウルの攻撃力はリンク先のモンスター1体につき攻撃力500アップ!よって攻撃力は2800だ!」

 

 

ファウスト「ぐぅ」

 

 

ファウストライフ4000→2200

 

俺「続けてデクレネード・バスターでセンチピードを攻撃!」

 

 

 

ファウストライフ2200→1300

 

 

ファウスト「だが、私の場にはまだインセクト女王が残っている!」

 

 

 

俺「わかっている!俺はヒートソウルの効果発動!ライフを1000支払い、デッキから1枚ドローし、この時ライフが2000以下の時、ヒートソウルを除外してEXからリンク3サイバースリンクモンスターを特殊召喚する!俺が呼び出すのはこいつだ!ストーム・アクセス!現れろ!パワーコード・トーカー!」

 

 

 

俺のライフが1400から400に減る。

 

 

 

ファウスト「ここでパワーコード・トーカーだと…!?(この戦術はデータ以上…)」

 

 

俺「バトルだ!パワーコード・トーカーでインセクト女王を攻撃!この瞬間、パワーコードの効果発動!リンク先のデクレネードバスターをリリースしてパワーコードの攻撃力を倍にする!」

 

 

ファウスト「なに!?」

 

 

俺「撃ち抜け!パワーターミネーションスマッシュ!」

 

 

ファウスト「ぐぁ!!(この私が負けた…シュミレーションでは完璧に勝利していたのに…)」

 

 

 

ファウストライフ1300→0

 

 

 

 

 

ファウスト「バカな、完璧なデータは揃っていたはず」

 

 

俺「データっていうのは過去のものだ。未来っていうのは今の瞬間瞬間の積み重ねできている。データやシュミレーションの結果だけが未来を決めることじゃない。未来はいつだって変わるし、いつだって変えられる、自分の意思でな。だからこそ、データやシュミレーションだけに固執したあんたらに負けるわけにはいかないし、負けるはずがない。俺たちは未来に進んでいる。それが幼稚だと言うならそれでいい。だが少なくとも今のデュエルで俺はあんたの想像の上を行くデュエルをした。だから勝った。それが一つの答えだ」

 

 

ファウスト「……なら私たちは間違っていたのか」

 

 

俺「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。実際、人類をこのまま放っておけば地球は滅びるかもしれない。それは子供の俺でもわかる。でもだからと言って俺たちの未来を奪われるのが許せなかった。だからデュエルした。ただそれだけなんだ。そして未来は変えられる、シュミレーションだって必ずそうなるとは限らない、それをあんたたちに伝えたかった。」

 

 

ファウスト「…私の負けだ…それにどうやら上原歩夢の方も勝利したようだな」

 

 

 

かすみ「本当ですか!?やったー!!」

 

 

俺「歩夢…ありがとう」

 

 

ファウスト「我々は君たちを侮っていたようだ。君たちの未来を変える力、我々大人はそれに力を貸し委ねるべきだったのかもしれない…」

 

 

俺「ファウスト…」

 

 

ファウスト「私はデュエルで負けた…私もデュエリストだ…。負けたからには罪を償わないとな」

 

 

俺「最後に教えてくれ。どうしてリボルバーに黙っていた」

 

 

ファウスト「我々は了見様を巻き込みたくなかった。我々は了見様を我が子のように育ててきた。そしてあの方は立派に育った…しかし父親が亡くなられたあと彼は父親からの運命から逃れられなくなった。そして君とのデュエルで了見様は自分の道を進み始めた…。おそらく彼を運命の囚人にしてしまったのは我々のせいだ。だからこそ、彼を今回の件に巻き込みたくなかった…」

 

 

俺「リボルバーはきっとあんたたちを心配していたはずだ」

 

 

ファウスト「わかっている。だがこれしか道はなかったんだ…」 

 

 

俺「でも本当は気づいていたんじゃないのか。自分たちがやっていることが間違ってるって。だからリボルバーを巻き込まなかった。だかこそ、今あなたは自分の負けを認め罪を償おうとしている。」

 

 

ファウスト「そうかもしれない。だが覚えておいてくれ。人間は時に引けない時もある。私の場合、それが今だったんだ…」

 

 

俺「…罪を償って…あなたたちも自分の道を見つけてください…。」

 

 

ファウスト「そうだな」

 

 

 

 

 

しばらくしてコンテナはさっきの港に無事戻ってきた。

 

 

ファウスト「さぁ仲間が待っている。君は元いた場所に戻るんだ」

 

 

俺「あぁ。行こう、かすみ」

 

 

かすみ「はい!」

 

 

俺たちは歩夢が待つ倉庫に向かった。

 

 

 

to be continued…


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