第5章 番外編
〜デュエルカーニバルを終えた数日後〜
かすみ「その時〜囚われのかすみんを〜先輩が颯爽と現れて救ってくれたんですよ〜」
しずく「へぇ〜なんだが映画みたいで素敵ね」
かすみ「そーなの、しず子!かすみんはその時、これはかすみんと先輩のロマンスなんだと思ったの!」
璃奈「でもたしか愛さんに聞いたら部長とかすみちゃんが助かったのは歩夢さんがデュエルで勝ったからだって…」
かすみ「うぅ…たしかにそれもあるけど、先輩がかすみんを助けに来てくれたのも本当だもん!」
しずく「はいはい、よかったね。無事に助かって」
かすみ「うぅ…しず子まで〜」
果林「かすみちゃん、事件のショックで落ち込んだらどうしようかと思ったけど、むしろ前より元気になってるわね」
エマ「うん、部長が助けにきてくれたのが本当に嬉しかったみたいだね」
彼方「まぁ元気なことは何よりだよ。安心したら彼方ちゃん、ねむねむ…」
果林「ダメよ彼方、これから練習なんだから起きなさい」
彼方「えへへバレたか〜」
一方…
俺「はぁ、取材って長すぎ…」
せつ菜「仕方ありません。あなたと尊さんはデュエルカーニバル東京Bブロックの1位と2位なんですから」
愛「そーそー、それだけ2人に注目が集まってるってことだよ!いいことじゃん!」
歩夢「うん。それに2人が頑張ってくれたおかげで私たちの活動も広めてもらえたし、本当2人には感謝しないとね。」
俺「ま、みんなのためになってるんだったらいいんだけどさ。あ、俺のバイトの時間だ。あとは頼んだ」
歩夢「うん、いってらっしゃい」
〜カフェナギ〜
草薙「おっ、来たな有名人!」
俺「その呼び方はよしてくれよ。こっちは長時間の取材でふらふらなんだから。」
草薙「お前のおかげで客足も少し増えたからな。最近はお前目当てでくるお客さんもいるかな。」
俺「そうなんだよな、サインとか描いたことないし、正直どうしたらいいか…」
草薙「ま、その辺はせつ菜ちゃんにでも聞くんだな」
俺「せつ菜と俺とじゃ持って生まれたカリスマ性が全然違うよ」
草薙「そうか?せつ菜ちゃんもきっと相当な努力であそこまでなったと思うけどな」
俺「まぁそれもあると思うけど。とにかく俺は人気者ってがらじゃないよ」
草薙「おっ、そうこうしてる間にお客さんが来たぞ。行ってこい、有名人」
俺「はいはい」
〜その日の夜〜
草薙「さてそろそろ閉めるか」
俺「疲れた〜」
そこに1人の男がやってくる
了見「久しぶりだな」
俺「リボルバー!?」
草薙「どうしてお前が…」
了見「ふん、貴様に用があってな。」
俺「用…。そうだ、あの3人はどうなったんだ?大会が再開されたってことは…」
了見「さぁな。ただ私は彼ら自身の判断に委ねた。それだけのことだ。」
俺「そうか…」
俺「お前はこれからどうするんだ?」
了見「私は、私のすべきことをする。だが、ここにいては警察の目が邪魔だ。そこで私はこの街を離れることにした。」
俺「お前のすべきこと…」
了見「だが、この街を離れる前にやるべきことがある。」
俺「それはなんだ」
了見「貴様とデュエルすることだ。」
俺「俺とデュエル…」
了見「そうだ。ただしこれは今までのような運命に囚われたデュエルではない。これは私個人の意思であり、デュエリストとしての私のプライドによるデュエルだ。」
俺「そうか…お前も1人のデュエリストだったんだな。わかった、相手になってやる。」
了見「ふん、ならば明日のこの時間、この座標に来い。そこで決着をつける。」
俺「わかった」
了見は俺に座標を送るとその場を立ち去っていった。
〜翌朝〜
愛「えー!?今夜リボルバーとデュエルするの!?」
俺「あぁ」
かすみ「リボルバーのやつ今度は何を企んでるんでしょう?」
俺「いや、そんなんじゃないと思う。このデュエルは俺とあいつのデュエリストとしてのプライドのぶつかり合い。前とは違う、運命とかそういうしがらみのない、ただ純粋なデュエルなんだ。」
果林「デュエルの場所はどこなの?」
俺「ごめん、それは言えない。このデュエルは俺たち2人だけで決着をつけたいんだ。」
彼方「え〜もしかして彼方ちゃんたちおじゃま虫〜?」
俺「いや、そういうんじゃないんだ。ただみんなにもあると思うんだ。2人だけで決着つけたいこと。そんな感じだからさ。決してみんなが邪魔とかそういうんじゃないからさ」
しずく「確かにわかるような気がします…」
エマ「部長がそこまでいうなら仕方ないよね。みんな心の中で部長を応援しよう!」
せつ菜「はい!必ずあなたなら勝利するって信じてますから!」
璃奈「璃奈ちゃんボード 必勝!」
俺「そういうことだから、歩夢いいかな?」
歩夢「うん。あなたがそういうなら。でも気をつけてね。」
俺「あぁ。ありがとう」
〜数時間後〜
俺「まさか、こんな場所選んでくるとはな。」
了見「きたか」
俺「ここ、俺とお前が初めてあった公園じゃん。わざわざ座標なんて送らなくてもよかったのに」
了見「…」
俺「あぁ、そうだな。お前はそういうやつだったよな。まぁいいや」
了見「準備はできているか?」
俺「あぁ、もちろん」
了見「いくぞ」
2人「デュエル!」
互いのライフは4000
了見「先攻は私から行かせてもらう。私はゲートウェイ・ドラゴンを召喚。効果発動、手札からマグナヴァレット・ドラゴンを特殊召喚。現れろ、我が道を照らす未来回路!」
俺「さっそくきたか…」
了見「召喚条件はレベル4以下のドラゴン族1体、私はゲートウェイ・ドラゴンをリンクマーカーにセット、リンク召喚、リンク1、ストライカー・ドラゴン!ストライカー・ドラゴンの効果、デッキからフィールド魔法 リボルブート・セクターを手札に加える!さらに自分フィールドにヴァレットモンスターがいる時、手札からアブソルーター・ドラゴンを特殊召喚できる。」
俺「順当に場を整えてるな」
了見「再び現れろ、我が道を照らす未来回路!召喚条件はヴァレットモンスターを含むドラゴン族2体、私はマグナヴァレットとストライカー・ドラゴンをリンクマーカーにセット!リンク召喚、リンク2、ソーンヴァレル・ドラゴン!さらに自分フィールドにドラゴン族・闇属性モンスターが特殊召喚されたことにより手札からノクトヴィジョン・ドラゴンを特殊召喚する!」
俺「これでリンク2のモンスターとモンスターが2体…くるか」
了見「三度現れろ!我が道を照らす未来回路!アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター3体以上!私はリンク2のソーンヴァレルとアブソルーター・ドラゴン、ノクトヴィジョンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚、リンク4、ヴァレルロード・ドラゴン!」
俺「きたか、ヴァレルロード…」
了見「アブソルーターの効果、デッキからヴァレット・トレーサーを手札に加える。さらにリンク素材となったノクトヴィジョンの効果、デッキから1枚ドローする。私はカードを1枚伏せてターンエンド。」
俺「いくぞ、俺のターン、ドロー!自分フィールドにモンスターがいない時、リンクスレイヤーは特殊召喚できる!そしてリンクスレイヤーの効果、手札1枚を墓地に送り、リボルバーのセットカードを破壊する!」
了見「ならば墓地のノクトヴィジョンの効果、このカードを除外してこのターン、私のセットカードは破壊されず対象に取ることができない!」
俺「それは想定済みだ!今墓地に送ったドット・スケーパーの効果、墓地から自身を特殊召喚する。さらにサイバース・シンクロンを召喚!俺はレベル5のリンクスレイヤーとレベル1のドット・スケーパーにレベル1のサイバース・シンクロンをチューニング!」
了見「さっそく仕掛けてきたか」
俺「紫電一閃! 未知なる力が飛竜乗雲となる! シンクロ召喚! 降臨せよ! サイバース・クアンタム・ドラゴン!」
了見「ふん、そうこなくてはな!」
俺「バトルだ!クアンタム・ドラゴンでヴァレルロードを攻撃!この瞬間、クアンタム・ドラゴンの効果、バトルする相手をダメージ計算を行わずに手札に戻す!」
了見「底知れぬ絶望の淵に沈め!罠発動!聖なるバリアーミラーフォース!これで貴様のクアンタムは破壊される!」
俺「そうはさせない!墓地のサイバース・シンクロンの効果!このカードを除外してクアンタム・ドラゴンの破壊を防ぐ!」
了見「ふん、さすがにミラーフォースを読んでいたか。ならヴァレルロードの効果、クアンタム・ドラゴンの攻撃力を500下げる!アンチエネミーバレット!」
俺「だが、クアンタム・ドラゴンの効果は適用される!ドライブバックショット!これでヴァレルロードはEXデッキに戻ってもらう!さらにドライブバックショットに成功した時、クアンタム・ドラゴンは続けて攻撃できる!行け、クアンタム・ドラゴンでダイレクトアタック!クアンタム・エンプリクション!」
了見「ぐっ」
了見ライフ4000→2000
俺「俺はこれでターンエンド」
了見「さすがと言ってやろう。だが、私とてそうそう簡単にやられはしない。私のターン、ドロー。フィールド魔法 リボルブート・セクターを発動し、その効果で墓地からマグナヴァレットを特殊召喚。さらに2体目のゲートウェイ・ドラゴンを召喚、そして効果発動、手札からヴァレット・トレーサーを特殊召喚する!ヴァレット・トレーサーの効果!フィールド魔法 リボルブート・セクターを破壊してデッキからアネスヴァレット・ドラゴンを特殊召喚!現れろ、我が道を照らす未来回路!」
俺「ここでリンク召喚…」
了見「召喚条件はトークン以外のレベル4以下のドラゴン族2体!私はゲートウェイとアネスヴァレットをリンクマーカーにセット!リンク召喚、リンク2、ツイン・トライアングル・ドラゴン!ツイン・トライアングルの効果、ライフを500支払い、墓地からこのカードのリンク先にレベル5以上のモンスターを特殊召喚する!私はアブソルーター・ドラゴンを特殊召喚。」
了見ライフ2000→1500
俺「リンク2にモンスターが3体…」
了見「現れろ!我が道を照らす未来回路!アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター3体以上!私はリンク2のツイン・トライアングルとヴァレット・トレーサー、アブソルーター・ドラゴン、マグナヴァレット・ドラゴンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク5!ヴァレルエンド・ドラゴン!」
俺「きたか…ヴァレルエンド…こいつがやつのもつリンク5モンスター…」
了見「アブソルーター・ドラゴンの効果、このカードが墓地に送られた時、デッキからヴァレットモンスターを手札に加える。私はヴァレット・シンクロンを手札に加える。いくぞ!バトルだ!ヴァレルエンドでクアンタム・ドラゴンを攻撃!」
俺「ならクアンタム・ドラゴンの効果!」
了見「そうはさせん!ヴァレルエンドの効果、クアンタム・ドラゴンの効果を無効にし、墓地からマグナヴァレットを特殊召喚する!」
俺「くっ」
了見「攻撃は続行だ!ヴァレルエンドよ、クアンタム・ドラゴンを破壊しろ!」
俺「ぐっ」
俺のライフが4000から2500に減る
了見「さらにマグナヴァレットでダイレクトアタック!」
俺のライフが2500から700に減る。
了見「私はカードを1枚伏せてターンエンド」
俺「ヴァレルエンド…相手にしてみると想像以上だな。」
了見「当然だ。このカードは貴様を倒すために生み出したカードだからな。」
俺「だけど、俺だってまだ諦めたわけじゃない。俺のデッキにはヴァレルエンドを倒す可能性がまだ残っている!」
了見「ならば見せてみろ!お前がいう可能性とやらを!」
俺「あぁ!いくぞ、俺のターン、ドロー!レディ・デバッカーを召喚!そして効果発動!」
了見「ヴァレルエンドの効果!レディ・デバッカーの効果を無効にし、墓地からアネスヴァレットを特殊召喚する!」
俺「なら手札のマイクロ・コーダーの効果、このカードがコード・トーカーリンクモンスターの素材となる時、手札からリンク素材にすることができる!俺は手札のマイクロ・コーダーとフィールドのレディ・デバッカーでリンク召喚!リンク2、コード・トーカー!」
了見「ふん、来たかコード・トーカー」
俺「リンク素材となったマイクロ・コーダーの効果、デッキから永続魔法《サイバネット・コーデック》を手札に加える。そして発動!さらに自分フィールドにサイバースがいる時、手札のバックアップ・セクレタリーは特殊召喚できる。」
了見「これでリンク3を呼び出す準備が整ったか…」
俺「現れろ!未来を導くサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は属性が異なるサイバース族モンスター2体以上!俺は闇属性リンク2のコード・トーカーと光属性バックアップ・セクレタリーをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、デコード・トーカー・ヒートソウル!」
了見「現れたな、ヒートソウル…。穂村尊との絆が生み出したカード…」
俺「永続魔法 サイバネット・コーデックの効果!コード・トーカーモンスターがリンク召喚に成功した時、デッキからそのモンスターと同じ属性のサイバース族を手札に加える!ヒートソウルは炎属性!よって炎属性モンスター、デグレネード・バスターを手札に加える!さらにデグレネード・バスターは墓地のサイバース2体を除外することで特殊召喚できる、俺はリンクスレイヤーとドット・スケーパーを除外してデグレネード・バスターを特殊召喚!さらに除外されたドット・スケーパーの効果!このカードが除外された時、自身を特殊召喚できる!」
了見「このフィールドはまさか…」
俺「現れろ!未来を導くサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター2体以上!俺はリンク3のデコード・トーカー・ヒートソウルとドット・スケーパーをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!『まだ見ぬ世界に繋がる風を掴め!リンク召喚!リンク4!アクセスコード・トーカー!』」
了見「やはりきたか、アクセスコード・トーカー」
俺「アクセスコードの効果!リンク3のヒートソウルをリンク素材としたことにより攻撃力が3000アップし、5300となる!さらに墓地の闇属性コード・トーカーをゲームから除外し、アネスヴァレットを破壊!アクセスインテグレーション!」
了見「くっ、アネスヴァレットは対象に取る効果でないと効果が発動できない…アクセスコードの破壊効果は対象を取らない…」
俺「続けて炎属性デコード・トーカー・ヒートソウルを除外して、セットカードを破壊!」
了見「ぐっ」
俺「セットカードはやはり魔法の筒だったか。相変わらずとんでもないカードを伏せるな」
了見「ふん、これが崇光なるハノイの力だ。」
俺「いくぞ、バトルだ!デグレネード・バスターでマグナヴァレットを攻撃!」
了見ライフ1500→800
俺「これでとどめだ!行け!アクセスコード・トーカー!ヴァレルエンド・ドラゴンを攻撃!!!」
了見「(ふ…さすがだな…)」
了見ライフ800→0
了見「やはり貴様は私の想像を超えてくるな。」
俺「今の俺は1人じゃない。同じ痛みを分かちあってくれる仲間がいる。あいつらと一緒ならどこまでも強くなれる気がするんだ。」
了見「ふん、仲間か…」
俺「お前にもいるんだろ。仲間が」
了見「そうだな。だからこそその仲間たちに次会う時、恥じぬように私はこの街を去りなすべきことをする。」
俺「そうか…」
了見「だが、これだけは言える。貴様とのデュエルは私の魂を燃やさせる。私も1人のデュエリストであることを思い出させる。」
俺「リボルバー…いや、了見…。俺もだ、お前とのデュエルはいつもハラハラして、けど最高に熱くなれる。だから…俺はお前とのデュエル、何度でも受けてたってやる!お前が次この街に戻ってきた時、その時俺はもっともっと強くなってる。だから必ずまた俺に挑みに来い!」
了見「ふん、そうだな…。その時がくるのを楽しみにしてるがいい」
俺「あぁ!」
了見「さらばだ…」
そういうと了見は去っていった。
俺が見た了見の最後の顔はとても晴れやかだった…。
俺「また会おう了見…。」
俺は帰路についた。
明日から再びデュエルフェスティバルに向けての練習が再開される。
デュエルフェスティバルがどうなるかは俺たち次第だ。
俺たちが諦めない未来ならいつでも変えられる。
俺たちはただ前を向いて進むだけだ。
〜fin〜