スクスタの主人公が男で決闘者だったら   作:トモカズ

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第2話

 

俺「で、スクールアイドルCSの練習メニューらこんな感じ行こうと思う」

 

 

彼方「やっぱり今までに比べたらハードになるね〜」

 

果林「けど、これくらいやらないと優勝はできないんじゃない?」

 

かすみ「かすみんならこれくらい余裕です!」

 

 

璃奈「冷や汗かいてるけど」

 

 

かすみ「ち、違うよ!りな子!部室が暑いだけ!」

 

 

しずく「はいはい」

 

 

かすみ「もー、しず子までー」

 

 

エマ「でもこれがこなせれば相当強くなれそう」

 

歩夢「うん、あなたが考えたらメニューならきっと大丈夫」

 

 

愛「よーし、燃えてきたー!」

 

 

するとせつ菜が慌てて部室に入ってきた

 

 

せつ菜「す、すみません!部長今すぐ生徒会室に来てもらえますか!?」

 

 

俺「あ、あぁ…。わかった」

 

 

俺はせつ菜と生徒会室に急いだ。

 

 

 

せつ菜「着きました…どうぞ中へ」

 

 

俺「わかった…」

 

 

俺は生徒会室の扉を開けた。

 

 

そこには見覚えのある男の人が立っていた。

 

 

父親「よ!久しぶりだな」

 

 

俺「と、父さん…」

 

 

せつ菜「やっぱりご本人だったんですね…。急に訪問されたのでご本人かわからなかったのですが、あなたがそういうなら間違いなさそうですね…」

 

 

俺「なんで父さんが学校に…」

 

 

父親「ん?息子の学校訪問だよ。保護者が息子の学校を見にくるのは別におかしいことじゃないだろ?」

 

 

俺「それはそうだけど、帰ってくるなら連絡くれって言ってるだろ。それに母さんはどうしたんだよ?2人で今アメリカで仕事してるんじゃなかったのかよ?」

 

 

父親「あー、母さんは仕事でどうしてもこっちにこれなくてな。第一俺も仕事のついでに寄ったんだ」

 

 

俺「ふーん、けど連絡くらい入れろよ。こっちにも準備があるのに」

 

 

父親「あー、その件は悪かった。父さんも仕事でバタバタしててな。それに仕事が早く終わったから寄れたんだ」

 

 

せつ菜「そうだったんですね」

 

 

父親「そう、それに俺は明日の夜には再びアメリカに戻られなければいけない」

 

 

俺「そうか…」

 

 

父親「そこでだ」

 

 

俺「うん?」

 

 

父親「聞いたぞ、お前、今彼女らスクールアイドル同好会の部長をやってるんだったな?」

 

 

俺「そうだけど…」

 

 

父親「まさかお前が部長をやることになるとは思わなかったが…まぁいいだろう。だが!お前が部長に相応しいかは別だ!」

 

 

俺「どういうこと?」

 

 

父親「聞いたところによるとお前はみんなにデュエルを教えているらしいが、デュエルを教えるということは様々なデッキを使いこなせなければ務まらない!そこでお前にデュエルを申し込む!」

 

 

俺「俺にデュエルを…?」

 

 

父親「そうだ!だが、ただのデュエルではない。俺はお前の今使っているデッキを預かる!そしてお前は新しいデッキを作れ!」

 

 

俺「俺のデッキを?けど俺が持ってる他のカードも殆どがサイバース族のカードだけど…。」

 

 

父親「今使っているデッキでなければサイバース族を使っても構わない。そして俺に勝ったらお前を部長として認めてやる!」

 

 

俺「俺が負けたら?」

 

 

父親「お前をアメリカに連れて行く!」

 

 

俺「はぁ!?なんでそうなるんだよ!第一そんな急な話…」

 

 

父親「安心しろ、学校の先生には了承済みだ。第一、保護者の許可なしで日本で一人暮らしさせて学校に通わせられないだろう」

 

 

俺「たしかに…そうだけど…」

 

 

父親「なんだ?怖気づいたのか?」

 

 

俺「そんなわけないだろ。わかったやってやるよ」

 

 

父親「うむ、それでこそ俺の息子だ。では時間は明日の16時。それでいいか?」

 

 

俺「わかった…。」

 

 

父親「よし、それじゃあ父さんは先に帰ってるから。鍵貸してくれるか」

 

 

俺「あぁ…」

 

 

父親「じゃ!」

 

 

そういうと父さんは去っていった。

 

 

 

せつ菜「あなたのお父様なんというかいろいろすごいですね」

 

 

俺「ほんと、父さんの考えてることは昔からわかんねーよ」

 

 

せつ菜「でも…これからどうしましょうか?」

 

 

俺「とりあえずみんなに事情を話すよ」

 

 

 

〜数分後〜

 

 

かすみ「えー!?先輩アメリカ行っちゃうんですかー!?そんなのかすみん嫌ですー!かすみんは先輩ともっといたいんですー!」

 

 

歩夢「かすみちゃん、まだそうと決まったわけじゃないよ、可能性の話で…」

 

 

かすみ「可能性でも嫌ですー!先輩、本当に行っちゃわないですよね?」

 

 

俺「あぁ、もちろん。俺は負けるつもりはないよ。ただ…」

 

 

かすみ「ただ…」

 

 

歩夢「あなたのお父さん、デュエル相当強いもんね…」

 

 

愛「やっぱりぶちょーのお父さんなだけあるんだー。」

 

 

しずく「でも万が一部長が負けたら…」

 

 

璃奈「部長とお別れ…」

 

 

彼方「話が急すぎて彼方ちゃん、目が冴えちゃったよ〜」

 

 

果林「確かに可能性だけの話でも、可能性があるだけちょっとね…」

 

 

エマ「うん…もっともっと部長には見守ってて欲しかった…」

 

 

せつ菜「で、ですから皆さん、まだそうと決まったわけでなくて。皆さんが協力すれば部長がアメリカに行かなくてすむ可能性が上がると思うんです!」

 

 

かすみ「何を協力するばいいんですか!?かすみんにできることならなんでもします!」

 

 

せつ菜「部長のお父様との条件は、部長がいつもとは違うデッキを作成し勝利することです。つまり部長の新デッキの作成を手伝い、調整を助けることが部長に残ってもらう可能性を上げる、私たちが協力できることだと思うんです!」

 

 

愛「それなら愛さんに任せて!」

 

 

果林「わ、私だってデュエルならいろいろ協力できるわ」

 

 

歩夢「わ、私も!あなたのデュエルを一番見てきたのは私だし…」

 

 

彼方「彼方ちゃんも〜」

 

 

エマ「私も!」

 

 

しずく「私も!」

 

 

璃奈「璃奈ちゃんボード やったるで〜」

 

 

俺「みんなありがとう…。けどみんなにはスクールアイドルCSが…」

 

 

 

 

歩夢「あなたがいないのにスクールアイドルCSで優勝したって意味がないよ!!」

 

 

俺「歩夢…」

 

 

歩夢「スクールアイドルCSで優勝できるかわからない…でも私は全力で大会にのぞむつもりだよ。でもあなたには一番近いところで見ていて欲しいの。たしかにこの大会は私の知名度を上げるためのもの…でもその大会にあなたがいないなんて私は考えられない…。私たちが有名になれたとしてもその瞬間もあなたに見ていて欲しいの!あなたと同じ感動を分かち合いたいの!!」

 

 

かすみ「おぉ〜歩夢先輩…」

 

 

果林「言い切ったわね…」

 

 

俺「歩夢…」

 

 

せつ菜「歩夢さんの言う通りです!部長がいない同好会なんてあり得ません!私たちはあなたがいるから頑張れるんです!だからあなたには私たちが輝いてる瞬間を見ていて欲しいんです!そのためなら私たちはどんなことだって協力します!」

 

 

愛「そーだよ!愛さんたちにできることならなんでもするから、てゆーか、愛さんたちに協力させてよ!」

 

 

俺「みんな…わかった…ありがとう。そうしたらみんなで作るか。新しいデッキを。あの時みたいに」

 

 

歩夢「うん!」

 

 

 

こうして急遽、俺たちは新しいデッキを作ることになった。

 

 

学校が閉まったあとは来れるメンバーがうちにきた。

 

 

父親「おぉ、久しぶりだな。歩夢ちゃん!」

 

 

歩夢「お久しぶりです」

 

 

父親「うん、相変わらず健気だな。こいつには勿体ないくらいだ」

 

 

俺「なんのことだよ」

 

 

父親「なんでもない。それより君たちは同好会のメンバーか」

 

 

愛「宮下愛です!」

 

 

しずく「桜坂しずくです」

 

 

璃奈「天王寺璃奈です…」

 

 

 

父親「うん、愛ちゃんにしずくちゃんに璃奈ちゃんか。さぁ上がって上がって」

 

 

しずく「は、はい…お邪魔します…」

 

 

 

父親「こんなにお客さんがくるならなんか出前でも取ればよかったな」

 

 

歩夢「あぁ、もうご飯は食べてきたのでお気遣いなく」

 

 

父親「そうか、それにしても歩夢ちゃんも大きくなったね。」

 

 

歩夢「いえいえ、彼の方がどんどん大きくなってますから」

 

 

 

愛「ね、ねぇ歩夢…」

 

 

愛は小声で歩夢に話しかける

 

 

歩夢「何?愛ちゃん」

 

 

愛「ぶちょーのお父さんってあんなこと言うから難しい人かと思ってたけどめちゃくちゃいい人そうじゃん」

 

 

歩夢「うん、普段の彼のお父さんはとっても優しくていい人だよ。」 

 

 

愛「そんな人がなんで、ぶちょーをアメリカに連れて行きたがるんだろう?」

 

 

歩夢「それは…わからない…けど何か理由があるんじゃない?」

 

 

愛「うーん、なんだろう…」

 

 

俺「そうだ、父さん。今日は愛としずくと璃奈はうちに泊まり。歩夢も寝るまではうちにいるから」

 

 

父親「そうか、明日の決戦に備えて最終調整というわけだな」

 

 

俺「まぁそういうこと」

 

 

父親「わかった。みんな思う存分うちを使ってくれ。それじゃあ父さんは書類作ったあと寝るから。それとお前たちが起きる頃には父さんもう出てるから明日決戦の時に会おう。おやすみ」

 

 

俺「あぁ、おやすみ」

 

 

歩夢「おやすみなさい」

 

 

愛、しずく、璃奈「おやすみなさい」

 

 

璃奈「部長のお父さん、すごいいい人そうだった…」

 

しずく「えぇ、優しくて暖かい人でした」

 

 

俺「たまに暑苦しいけどな」

 

 

歩夢「あなたはお母さん似なのかもしれないね」

 

 

璃奈「そういえば部長のお母さんってどんな人なの?璃奈ちゃんボード なぞなぞ」

 

 

歩夢「優しくていつも暖かく見守ってくれる人だよ」

 

 

俺「怒ると怖いけどな」

 

 

愛「なーんだ、ぶちょーのまんまじゃーん」

 

 

俺「そうか?」

 

 

しずく「でもどうしてお父様は急に部長をアメリカに連れて行くなんて言い出したんでしょうか?」

 

 

俺「さぁね、気まぐれか。俺にもわかんないな。とにかく俺にできることは父さんにデュエルで勝つことだよ。」

 

 

愛「そういえばぶちょーのお父さんってどんなデッキ使うの?」

 

 

俺「それがいろんなデッキを使いこなすからどれがっていうのがなくて…だから対策のしようがないんだ…」

 

愛「そっかー、ならこっちのベストの状態で行くしかないってわけね」

 

俺「そういうことだ。」

 

 

 

その後、俺たちはデッキ作りと調整に明け暮れた。

 

 

俺「ん?果林からだ?」

 

 

果林「あ、もしもし夜遅くにごめんね?デッキ作りは終わったかしら?」

 

 

俺「絶賛調整中だよ」

 

 

果林「そう…ごめんなさいね私とエマは寮の門限があるからそっちにいけなくて」

 

 

俺「あぁ、大丈夫。4人もみんなの分まで頑張るって張り切ってるよ」

 

 

果林「そう…。ねぇ、本当にアメリカに行っちゃう可能性はあるの?」

 

 

俺「まぁ0ではないだろうけど」

 

 

果林「そう…。でもあなた自分がやばい状況なのに妙に冷静ね」

 

 

俺「ま、焦っても仕方ないたから。やるべきことはわかってる。それが明確な分だいぶ楽だよ」

 

 

果林「あなたってなんていうか妙に肝が座ってるわよね」

 

 

俺「そうか?まぁそれに俺は父さんだろうとデュエルで負けるつもりはないからさ。例えコード・トーカーたちが使えなくても今持ってるカードたちだって強いからな。だから心配するな。俺はどこにも行ったりしないよ」

 

 

果林「ふふ、そうね。でももしアメリカに行くことになったらどうする?何かしてくれる?」

 

 

俺「え?俺がアメリカ行くのになんかしないと行けないのか?」

 

 

果林「ふふ、冗談よ。でもちょっと安心した。それじゃあとは頑張って。あ、あと夜更かしはほどほどにね。睡眠不足でデュエルの判断力が落ちちゃうから」

 

 

俺「わかった。おやすみ」

 

 

果林「おやすみなさい」

 

 

 

 

愛「ぶちょー、誰から?」

 

 

俺「ん?果林からだよ」

 

 

愛「やっぱりみんな心配なんだね」

 

 

俺「ま、そうは言っても始まらないからな。さ、デッキ作りに戻ろう」

 

 

愛「はーい」

 

 

俺「って思ったら今度はかすみからだ」

 

 

歩夢「みんな考えることは同じなんだね」

 

 

璃奈「それだけ部長は心配されてる…」

 

 

俺「そうだな…みんなのためにもなんとしても勝たないとな…」

 

 

 

〜翌日〜

 

 

放課後になり俺たちは学校のデュエル場に向かった。

 

 

すると先に父さんが立っていた。

 

 

父親「来たか」

 

 

俺「あぁ」

 

 

父親「デッキは作れたか?」

 

 

俺「あぁ、みんなと作ったこの新しいデッキで父さんに勝つ」

 

 

父親「いいだろう」

 

 

 

しずく「運命の瞬間ですね…」

 

 

かすみ「先輩…お願い勝って…」

 

 

璃奈「璃奈ちゃんボード ハラハラ」

 

 

果林「大丈夫よ、部長ならきっと」

 

 

エマ「うん、信じよう」

 

 

彼方「彼方ちゃん、心配で昨日全然寝れなかったけど、頑張って見届けるぞ〜」

 

 

愛「ぶちょー!絶対負けちゃだめだよー!」

 

 

せつ菜「あなたたら勝つって信じてますからね!」

 

 

歩夢「大丈夫…あなたならきっと勝てる…。」

 

 

 

父親「デュエルは互いのライフ8000のマスターデュエルだ」

 

 

俺「わかった、いくぞ」

 

 

 

2人「デュエル!!」

 

 

 

父親「先攻はお前に譲ってやろう」

 

 

俺「俺のターン!手札の斬機シグマの効果!EXモンスターゾーンにモンスターがいない時、自身を特殊召喚できる!来い、斬機シグマ!さらに斬機ディヴィジョンを通常召喚!俺はレベル4のシグマとディヴィジョンでオーバーレイ!」

 

 

 

父親「ほぅ、早速エクシーズか」

 

 

俺「エクシーズ召喚!現れろ、ランク4、塊斬機ダランベルシアン!ダランベルシアンの効果!オーバーレイユニットを2つ取り除きデッキから斬機アディオンを手札に加える!続けてアディオンの効果!ダランベルシアンの攻撃力を1000上げて自身を特殊召喚する!」

 

 

せつ菜「順調に場を整えていますね」

 

 

俺「そしてダランベルシアンの更なる効果!自身をリリースすることで手札から斬機ダイヤを特殊召喚!俺はレベル4のアディオンにレベル4のダイヤをチューニング!シンクロ召喚!現れろ!レベル8、炎斬機マグマ!」

 

 

父親「エクシーズの次はシンクロか。さすがは俺の息子だな」

 

 

俺「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ。」

 

 

せつ菜「さて、部長のお父様はどんなデッキを使うのでしょうか…」

 

 

父親「いくぞ、俺のターン、ドロー!フィールド魔法 走破するガイアを発動!」

 

 

俺「なんだ、あのカードは!?」

 

 

父親「走破するのガイアの効果!手札の暗黒騎士ガイアを相手に見せてデッキから呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴンを手札に加える。そして魔法カード 螺旋融合を発動!」

 

 

 

歩夢「融合カード!?」

 

 

父親「俺は手札の呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴンと暗黒騎士ガイアを融合!魔道極めし騎士よ その魔力でドラゴンの呪いを解き放ち伝説の竜騎兵となれ!!融合召喚!!竜魔道騎士ガイア!!」

 

 

俺「なんだあのモンスターは…。竜騎士ガイアなのか…?」

 

 

父親「ただの竜騎士ガイアではない、こいつは新たな力を得た竜騎士ガイアだ!まずは螺旋融合の効果!このカードの効果で竜騎士ガイアを特殊召喚した時、そのモンスターの攻撃力を2600アップし、さらに2回モンスターに攻撃できる効果を付与する!」

 

 

俺「竜魔導騎士ガイアはまさか…」

 

 

父親「そう!こいつはフィールドにいる時、竜騎士ガイアとして扱う!さらにこいつは自分の攻撃力を2600ダウンさせることでフィールドのカード1枚を破壊する!」

 

 

俺「くっ、なんて効果だよ。だが好きにはさせない!罠発動!斬機超階乗!墓地の斬機ダイヤ、アディオン、ディヴィジョンを特殊召喚し、この3体でエクシーズ召喚をする!」

 

 

父親「ほぅ、相手ターン中にエクシーズか」

 

 

俺「俺はレベル4の斬機ダイヤ、アディオン、ディヴィジョンの3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!塊斬機ラプラシアン!!」

 

 

愛「よし!ぶちょーのエクシーズが成功した!」

 

 

俺「ラプラシアンの効果!エクシーズ召喚に成功した時、オーバーレイユニットを3つ取り除き、効果発動!相手の手札、モンスター、魔法・罠カードを1枚ずつ墓地に送る!」

 

 

父親「厄介なモンスターだな!だが、俺はここで竜魔導騎士ガイアの効果発動だ!攻撃力を2600下げラプラシアンを破壊する!」

 

 

俺「そうはさせない!斬機ダイヤをオーバーレイユニットとしたラプラシアンの効果!竜魔導騎士ガイアの効果を無効にする!」

 

 

父親「なるほど、これで俺の場はガラ空きか。おまけにお前の場にはラプラシアンが残った…。昨日作ったデッキとは思えないくらいの構築、そしてプレイングだな…。だがまだだ!」

 

 

俺「何!?」

 

 

父親「自分フィールドにモンスターがいないことにより魔道騎士ガイアをリリースなしで召喚!そしてガイアの効果!墓地から呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴンを特殊召喚する!そして呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴンの効果!デッキから螺旋融合を手札に加える!」

 

 

俺「2枚目の螺旋融合だと!?」

 

 

父親「魔法カード 螺旋融合を発動!フィールドの魔道騎士ガイアと呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴンを融合!」

 

 

俺「また竜魔導騎士が…」

 

 

父親「それはどうかな?」

 

 

俺「何!?」

 

 

父親「現れろ!天翔の竜騎士ガイア!!」

 

 

愛「おー、これはまた懐かしいカードを」

 

 

かすみ「関心してる場合じゃないです!」

 

 

 

父親「天翔の竜騎士ガイアの効果!デッキから永続魔法 螺旋槍殺を手札に加え、そして発動!」

 

 

せつ菜「螺旋槍殺は竜騎士ガイアモンスターに守備貫通効果を与え、さらに竜騎士ガイアモンスターが戦闘ダメージを与えた時、2枚ドローし、手札を1枚墓地に送る効果を持っています。さらに天翔の竜騎士ガイアは攻撃モンスターの表示形式を変更させる効果を持っています…」

 

 

果林「さらに螺旋融合の効果で天翔の竜騎士ガイアの攻撃力は2600アップし、5200…対して部長のラプラシアンの守備力は0…」

 

 

父親「バトルだ!天翔の竜騎士ガイアでラプラシアンを攻撃!この瞬間、天翔の竜騎士ガイアの効果!ラプラシアンを守備表示にする!そして守備貫通ダメージでお前に5200のダメージを与える!」

 

 

俺「ぐぁ!」

 

 

俺のライフが8000から2800に減る。

 

 

 

父親「螺旋槍殺の効果で2枚ドローし、1枚を墓地に送る。そして螺旋融合で融合召喚されたモンスターはモンスターに2回攻撃ができる…。そして炎斬機マグマの守備力も0…あっけない幕引きだったな。バトルだ!天翔の竜騎士ガイアで炎斬機マグマを攻撃!」

 

 

せつ菜「この攻撃が通ったら…」

 

 

果林「部長の負け!?」

 

 

かすみ「い、嫌です〜そんな嫌だ〜」

 

 

歩夢「(なんとかしてくれるよね、あなたなら…)」

 

 

俺「リバースカードオープン!速攻魔法!サイバネット・バックドア!マグマを除外してマグマより攻撃力の低い斬機マルチプライヤーを手札に加える!そして螺旋融合で融合召喚されたモンスターが2回目に攻撃できるのはモンスターだけ!よって攻撃対象がなくなった父さんはこれ以上攻撃できない!」

 

 

父親「間一髪で凌いだか…」

 

 

せつ菜「ふぅ…なんとか凌ぎましたね…」

 

 

エマ「ヒヤヒヤした〜」

 

 

璃奈「璃奈ちゃんボード ごくり…」

 

 

かすみ「か、かすみんは先輩のこと信じてましたからね」

 

彼方「一番騒いでたけどね〜」

 

 

かすみ「そ、そんなことないです!」

 

 

父親「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」

 

しずく「なんとか凌ぎましたが…あの伏せカード気になりますね…」

 

 

俺「……」

 

 

父親「どうした?ピンチで声も出ないか?」

 

 

俺「いや、その逆さ!」

 

 

父親「ん?」

 

 

俺「さすがは父さんだな。油断したら一瞬でやられる…けど…俺はこのデュエルを楽しんでる。手に汗握る駆け引き…やっぱりデュエルはこうでなくちゃな!」

 

 

父親「そうか…デュエルを楽しむのは何よりだが、忘れてないよな?デュエルで負けたらお前は仲間たちと別れアメリカへ行くんだぞ?」

 

 

俺「忘れてなんかいないさ。けど厳密に言うとそんなこと考えてなかった。だって俺にはまだライフも手札もデッキも残ってる!次のドローで父さんを倒すカードが引けるかもしれないんだからな」

 

 

父親「そうか…(やっぱりお前は母さんに似てるな…。穏やかに見えて本当は誰よりも周りを見て、そして誰よりも負けず嫌い…)なら見せてみろ、お前のデュエルを!」

 

 

俺「あぁ、いくぞ!俺のターン、ドロー!俺のスタンバイフェイズに炎斬機マグマはフィールドに戻ってくる!そしてメインフェイズ、墓地の斬機シグマの効果!自身を特殊召喚する!さらに斬機マルチプライヤーを通常召喚!そして魔法カード 斬機方程式を発動!墓地からディヴィジョンを特殊召喚する!」

 

 

 

俺「俺は斬機シグマと斬機ディヴィジョンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!塊斬機ダランベルシアン!ダランベルシアンの効果!オーバーレイユニット2つを取り除きデッキから斬機サブトラを手札に加える!さらに墓地の斬機ディヴィジョンの効果!天翔の竜騎士ガイアの攻撃力を半分にする!」

 

 

父親「何!?」

 

 

俺「続けて、ダランベルシアンの効果!自身をリリースして墓地から斬機ダイヤを特殊召喚!さらに天翔の竜騎士ガイアの攻撃力を1000下げて手札の斬機サブトラを特殊召喚する!」

 

 

父親「下級斬機モンスターが3体…またラプラシアンか?再びラプラシアンを出したところで俺のライフは削り切れないぞ!」

 

 

俺「それはどうかな!?それに俺が呼び出すのはラプラシアンじゃない!」

 

 

父親「なんだと!?」

 

 

俺「俺はレベル4の斬機サブトラ、マルチプライヤーにレベル4の斬機ダイヤをチューニング!」

 

 

父親「まさか、ここでシンクロだと!?」 

 

 

 

俺「シンクロ召喚!!現れろ!レベル12!炎斬機ファイナルシグマ!!!」

 

 

 

父親「ファイナルシグマ…これがお前のこのデッキのエースモンスター…」

 

 

俺「そうだ!そしてシンクロ素材となったマルチプライヤーの効果!ファイナルシグマの攻撃力を倍の6000にする!」

 

 

父親「攻撃力6000!?」

 

 

かすみ「すごい…すごいです!先輩!」

 

 

俺「さらにファイナルシグマはEXモンスターゾーンにいる限り斬機カード以外の効果を受けず、モンスターとの戦闘ダメージを倍にする!」

 

 

父親「攻撃力を倍にしただけでなく、ダメージも倍…やるな!」

 

 

 

 

俺「いくぞ!炎斬機ファイナルシグマで天翔の竜騎士ガイアを攻撃!」

 

 

父親「くっ、この瞬間、永続罠 螺旋砲撃を発動!竜騎士ガイアが戦闘を行う攻撃宣言時、フィールドのカード1枚を破壊する!俺は天翔の竜騎士ガイアを選択!これで攻撃モンスターがいなくなればファイナルシグマの攻撃はダイレクトアタックになる」

 

 

俺「そうはさせない!斬機ダイヤの効果!このカードを素材としたシンクロモンスターは特殊召喚されたターン、相手のモンスター、魔法、罠カードの発動を1度無効にできる!よって螺旋砲撃の効果は無効だ!」

 

 

父親「ぐっ」

 

 

俺「いけ!ファイナルシグマ!!天翔の竜騎士ガイアを攻撃!一刀両断!必殺の一撃を放て!!」

 

 

父親「ファイナルシグマの攻撃力は6000、それに対し天翔の竜騎士ガイアの攻撃力は1600…戦闘ダメージは4400の倍の8800か…。ふっ…強くなったな…」

 

 

 

父親ライフ8000→0

 

 

歩夢「か、勝った…」

 

 

 

 

かすみ「やったー!先輩が勝ちましたー!」

 

 

同好会のみんなが俺に駆け寄ってくる。

 

 

果林「本当、よくやったわ」

 

エマ「うんうん、本当によかった」

 

彼方「安心したら眠気が〜」

 

愛「ダメだよ、カナちゃん寝ないの!」

 

せつ菜「でも夢じゃないんですね…」

 

しずく「これでまた一緒にいられるんですね」

 

璃奈「璃奈ちゃんボード わーいわーい」

 

歩夢「よかった…本当によかった…」

 

 

 

父親「約束通り、お前は虹ヶ咲に残っていいぞ。それとお前のデッキだ。」

 

俺「ありがとう」

 

父親「いい仲間を持ったな」

 

俺「あぁ。そうだ、父さん」

 

父親「なんだ?」

 

俺「父さんは俺がみんなにデュエルを教えてるっていたけどそれは半分合ってて半分間違ってる」

 

父親「どういうことだ?」

 

俺「今回のデュエル、俺1人だったら勝てなかったかもしれない。けどみんながいたからこのデッキを作り上げることができた。いやこのデッキだけじゃない、いつも使ってるデッキもみゆなと作りあげたデッキなんだ。俺はデュエルを教えていると同時にみんなにいろんなことを教えられているんだ。だから俺はみんなの元から離れるわけにはいかない。だから父さんには絶対に負けるわけにはいかなかった。」

 

 

父親「そうか…しばらく会わないうちに大きくなったな」

 

俺「身長か?そりゃ育ち盛りだから」

 

父親「身長だけじゃないよ。そうかこの仲間たちがいればお前も安心だな」

 

俺「あぁ!」

 

 

父親「みんな」

 

せつ菜「はい、なんでしょう」

 

父親「驚かせて悪かった。こいつをこんなにも心配してくれる仲間がいたなんてな。これからも息子をよろしくお願いしてもいいかな?」

 

かすみ「もちろんですよ!おとうさん!」

 

歩夢「ね、ねぇ、この人は彼のお父さんであってかすみちゃんのお父さんじゃないんだよ」

 

かすみ「わ、わかってますよ!」

 

 

父親「ははは、本当に面白い子達だ。それじゃ息子を頼んだよ、みんな」

 

 

みんな「はい!」

 

 

父親「それと歩夢ちゃん」

 

 

歩夢「はい?」

 

 

父親「いろいろライバルが多いみたいだけど、頑張れよ」

 

歩夢「え?えぇ」

 

父親「じゃ、父さんはアメリカに帰る!またな!」

 

 

そういうと父さんはそのまま空港へ向かっていった。

 

 

せつ菜「なんか嵐のようなお父様でしたね…」

 

俺「あぁ…そうだな…」

 

愛「でーも、何はとまあれぶちょー残留でよかったじゃーん!ねぇ、このあとぶちょーの残留祝いのパーティーしようよー!ぶちょーの家で!」

 

 

果林「それはいい案ね」

 

 

かすみ「賛成ー!」

 

 

せつ菜「よろしいですか?」

 

 

俺「そうだな、今回はみんなにも協力してもらったしいいよ」

 

かすみ「やったー!」

 

俺「けど、まだ練習の時間はあるからな、やれるだけの練習はやってからだぞ」

 

 

かすみ「えー」

 

 

しずく「かすみさん、今度は私たちの番だよ」

 

 

かすみ「ぶーぶー」

 

 

愛「そうと決まったら早速部室へゴー!」

 

 

俺たちは部室へ戻っていった。

 

 

 

 

〜数日後〜

 

 

母親「ねぇ、あなた。あの子に本当のことを言ったの?」

 

 

父親「え?」

 

 

母親「本当は一緒に暮らしたいからアメリカに来てほしいって…」

 

 

父親「いや〜あの様子を見せられたら言えないよ」

 

 

母親「そう…」

 

 

父親「ま、あいつの人生はあいつのものだ。たしかに親としては一緒に暮らしたかったが、これはあいつが選んだ道だ。俺たち親はそれを応援しよう」

 

 

母親「そうね、まぁあなたがそういうならそういうことで」

 

 

父親「ちなみに母さんはあいつが大人しくアメリカに来ると思ったか?」

 

 

母親「いいえ、絶対に嫌がると思った」

 

 

父親「やっぱりあいつは母さん似だな。」

 

 

母親「ふふ、そうかしら?」

 

 

父親「あぁ、そうだ!」

 

 

母親「でもデュエルの腕はあなたに似たのかもね」

 

 

父親「ふん…そうだな…。頑張れよ…息子よ…」

 

 

 

 

to be continued…


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