第1話
???「スクールアイドルなんて、叶わない夢を追いかけたって…」
〜部室〜
愛「いや〜2ndライブ大成功だったね〜」
しずく「はい、あの光景今でも思い出します」
果林「あれからファンレターの数もかなり増えたわね」
エマ「スイスの家族からもよかったよって連絡きたよ」
彼方「彼方ちゃんも遥ちゃんに褒めてもらっちゃった〜」
かすみ「ふふ、かすみんも連日声かけられちゃってしょうがないですよ〜」
歩夢「あれ?今日せつ菜ちゃんは?」
果林「たしか生徒会の日だったよね」
エマ「生徒会とスクールアイドル両立してて偉いよねー」
かすみ「か、かすみんはスクールアイドル一筋ですからね」
果林「こら、そんなことで張り合わないの」
かすみ「はーい。そういえば先輩も見かけませんね?」
歩夢「あれ?さっきまでいたのに…」
〜廊下〜
俺「うん、わかってるよ母さん。うん、でももうちょっとだけ待ってくれ。うん。」
かすみ「電話中…みたいですね」
歩夢「うん…」
かすみ「あ、終わったみたいですよ」
かすみ「先輩、誰と電話してたんですか?」
俺「え?あぁ、大したことじゃないよ」
かすみ「も、もしかしてかすみんが知らない人…まさか彼女さんとかじゃないですよね!?」
俺「違うよ。ていうか俺彼女いないし」
かすみ「よかった〜」
するとせつ菜が部室に来る。
せつ菜「すいません!遅くなりました!生徒会の仕事で遅くなってしまいました!」
エマ「ううん、全然平気。ちょうどせつ菜ちゃんがね、生徒会長とスクールアイドルを両立してて偉いねって話をしてたんだよ」
せつ菜「そ、そんな私なんてまだまだですよ…」
しずく「そんなことはありません。せつ菜さんは普段は生徒会長として学校の先頭にたち、ひとたびスクールアイドルになれば圧倒的なパフォーマンスで見てる人たちを魅了する。本当尊敬しかありません」
せつ菜「そ、そんな褒めすぎですよ…」
???「なるほどそういうことですか」
部室のドアが開く。
せつ菜「あ、あなたは…」
栞子「1年の三船栞子です」
俺「三船栞子…どっかで聞いた名前だな」
歩夢「たしか、デュエルカーニバルで私たちと一緒に虹ヶ咲の代表に選ばれてたよね」
俺「あぁ、そうだそうだ思い出した」
栞子「覚えていただいて光栄です。それで話は戻りますがあなただったのですね、優木せつ菜の正体は。中川さん」
せつ菜「え…それは…」
栞子「なんとなく察しはついていましたが、先程の会話を全て聞かせていただきました」
せつ菜「そこまで聞かれたなら仕方ありません。そうです、私中川菜々が優木せつ菜の正体です」
栞子「やはり、ですがこれで気兼ねなく同じができます。率直に言って、中川さん、あなたには生徒会長の資質がないと思います」
かすみ「ちょ、ちょっといきなり何言ってるの?」
栞子「ではお聞きします。中川さんあなたが生徒会長になってから何か成果は現れましたでしょうか?」
果林「成果が現れたかどうかわからないけど、でも私たちが知ってるせつ菜はいい加減な仕事をする子じゃないわ」
栞子「過程はいいのです。問題は結果に現れるかどうかです。あなたは生徒会長として生徒の模範になるべくなのにも関わらずスクールアイドルなどに現を抜かしていたとは。」
果林「現を抜かしてただなんて」
愛「せっつーのことよく知りもしないのになんでそんな上から物言えるの」
かすみ「それにスクールアイドルなどに ってどういうこと!かすみんたちは本気でスクールアイドルをやってるの!」
栞子「ではスクールアイドルをやっていて将来何か役に立つのでしょうか?今私たちがやることは将来にむけての準備じゃないでしょうか?そんな大切な期間になんの意味もないスクールアイドルに時間を費やしていていいのでしょうか?」
エマ「なんの意味もないだなんて…」
彼方「ちょっと言い過ぎじゃ〜」
歩夢「そうだよ、私たちは今しかできないからスクールアイドルを本気でやってるのに、それが意味のないことだなんて…」
かすみ「せ、先輩も何か言い返してくださいよ」
栞子「あなたはたしかこの同好会の部長でしたね。あなたのデュエルは拝見しました。あなたに部長としての実質がないとは思いませんが、あなたの力はもっと別のことに使えばいいのではないでしょうか?」
かすみ「ちょ、何言ってんの!」
栞子「あなたのその実力と実績があればプロのデュエリストになることは難しくないでしょう。それにあなたの調整力があればもっと将来のことに役に立てることができると思うのですが」
かすみ「むきー!もう先輩黙ってないでなんとか言ってくださいよー!」
俺「三船さん、どうして君はそう思ったの?」
栞子「はい?」
俺「どうして、俺がプロのデュエリストになった方がいいと思ったの?どうして俺が同好会の部長じゃ将来の役に立たないと思ったの?」
栞子「それは…その方が適正だと思ったからです」
俺「けどそれは三船さんがただそう思ったことだよね。実際はもっと違うかもしれないよ」
栞子「え?」
俺「ただデュエルが強い人だけがプロのデュエリストになれるわけじゃない。ただ調整力があったからって他の場所で活躍できるわけじゃない。俺はそう思う。俺がここにいるのはここに居たいと思ったからだ。スクールアイドルが意味のないことなんて思わない。きっと未来に向かって突き進むことができる。そう思ったから俺はここにいるんだけど」
かすみ「先輩…」
愛「さすがぶちょー」
果林「えぇ」
栞子「適性のある人はほんとに自分の適性があるところに行くべき、それがその人にとって一番の幸せだと思います。いくら本人が希望したところで適性のないことをただ続けてはかえってその人を苦しめることになると思いますが」
俺「そうかな?君の言いたいことは分からなくないけど、結局はその人次第じゃないか」
栞子「えぇ、ですからその人が将来、悔いの残らないように今のうちから自分の適性を把握し、それに見合った行動をすべきだと私は思います。」
俺「それでみんなのスクールアイドルは適性じゃないってこと?」
栞子「えぇ、意味のないことにいくら力を注いでも本人に後悔を残すことになるだけですから」
せつ菜「待ってください!」
俺「せつ菜」
せつ菜「話は聞かせてもらいました。三船さんあなたの言ってることはわかりました。たしかにその人にとっての適性は大切だと思います。しかしスクールアイドルが無意味なものというのは納得できません!スクールアイドルは意味しかできないんです!学生の私が限られた時間でやるからこそ意味があるです!」
栞子「そうですか…。どうやら話していても無駄なようですね」
せつ菜「え?」
栞子「デュエルです。デュエルでスクールアイドルなんてしているとどうなるのか、それを教えてあげましょう」
せつ菜「わかりました…。」
栞子「では早速デュエル場へ」
〜デュエル場〜
かすみ「せつ菜先輩絶対に負けないですね!あんなやつけちょんけちょんにしてください!」
果林「そうよ、スクールアイドルが無駄じゃないって証明して」
せつ菜「はい、任せてください!このデュエル、絶対に勝ちます」
歩夢「三船さん、どんなデッキを使うんだろう」
俺「あぁ、俺も彼女のデュエルは見たことがないからな」
かすみ「どーせ、ガッチガッチのロックデッキですよ!」
栞子「ご想像にお任せします」
かすみ「むきー!」
せつ菜「行きますよ、三船さん」
栞子「えぇ」
2人「デュエル!!」
栞子「先攻は中川さん、あなたに譲ります」
せつ菜「私のターン、フィールド魔法 トリックスター・ライトステージを発動します!発動時の効果処理としてデッキからトリックスター・キャンディナを手札に加えます。そしてトリックスター・キャンディナを召喚します。キャンディナの効果、デッキからトリックスター・マンジュシカを手札に加えます。そして手札のトリックスター・マンジュシカの効果、フィールドのキャンディナを手札に戻すことで自身を特殊召喚します。」
愛「よし!せっつーのフィールドいい感じだね」
せつ菜「そしてカードを1枚伏せてターンエンドです」
かすみ「ふふふ、これで三船栞子がドローした途端大ダメージですね」
栞子「相変わらずですね」
かすみ「な!?」
栞子「トリックスター・マンジュシカとライトステージによるバーンダメージ、そしてそのセットカードはおそらくトリックスター・リンカネーション。そのカードを使い相手にダメージを負わせて勝負を有利に持ち込む。ですがはっきりって進歩のない戦略です」
しずく「な、何もそこまで言わなくても」
栞子「中川さん、いえ今は優木さんと言うべきでしょうか。あなたは入学してからずっとその戦術ですよね。それから全く進歩していない。だから対策を取られて最近は負け越している。違いますか?」
せつ菜「それは…」
栞子「所詮、スクールアイドルに現を抜かしているあなたには進歩ができないということです。」
かすみ「むきー!なんなの三船栞子のやつ〜」
愛「そうだね、せっつーの戦術だって立派な戦術じゃん!」
栞子「戦術を否定しているのではありません。進歩がないことを指摘しているのです。」
かすみ「じゃ、じゃあ三船栞子は余裕だっていうの?」
栞子「えぇ。」
かすみ「むきー!」
栞子「断言します。私はこのターンであなたを倒します」
果林「ずいぶんと大きく出たわね」
栞子「別に虚勢を張っているわけではありません。事実を述べているだけです。それを今から証明します。私のターン、ドロー」
せつ菜「なら、この瞬間、マンジュシカとライトステージの効果で三船さんに400のダメージです」
栞子ライフ4000→3600
せつ菜「さらに三船さんのスタンバイフェイズ、私は罠カード トリックスター・リンカネーションを発動!三船さんは手札を全て除外してその分ドローしてください。」
かすみ「三船栞子の手札は6枚、よってマンジュシカのバーンダメージは2400!」
栞子ライフ3600→1200
愛「よし!大ダメージを与えられたよ!」
栞子「言ったはずです。その戦術は分かりきっていると。そして手札にはおそらくトリックスター・キャロベインかオネストがいるはず。さらに墓地のトリックスター・リンカーネーションは墓地からトリックスターを特殊召喚する効果を持っています。一見フィールドにはマンジュシカいませんが相手を迎えむつ準備は万端ということですね」
エマ「すごい、そこまでせつ菜ちゃんを知り尽くしてるなんて」
歩夢「まるで昔のせつ菜ちゃんみたいだね」
俺「あぁ…けどどこか違う…」
栞子「私は手札の竜輝巧(ドライトロン)ーアルζをリリースして手札から竜輝巧ーバンαを特殊召喚します」
かすみ「な、なんですか!?あのカードは!?」
俺「ドライトロン…見たことないカードだ」
栞子「バンαの効果、このカードが自身の効果で特殊召喚された時、デッキから儀式モンスター1体を手札に加えます」
せつ菜「ですが、三船さんがカードを加えたことによりマンジュシカとライトステージの効果で400のダメージです!」
栞子ライフ1200→800
栞子「続けて墓地のアルζの効果、手札のラスβをリリースすることで自身を特殊召喚します。そしてその後、デッキから儀式魔法を手札に加えます」
愛「でもまた彼女がカードを手札に加えたから」
璃奈「マンジュシカとライトステージの効果でさらに400ダメージ」
栞子ライフ800→400
かすみ「よし!あと1枚でも三船栞子がカードを手札に加えればせつ菜先輩の勝ちです!」
栞子「ここまでは必要経費です」
せつ菜「!?」
果林「たしかに彼女はここまで大きな動きはしてない…」
エマ「でも確実に準備はしてたよね」
彼方「もしかしたら次ですごいモンスターが出てくるとか〜?」
かすみ「むむむ、三船栞子のやつ、がっちがちのロックデッキだと思ったけど」
しずく「ここまではせつ菜の妨害は一切していませんね。むしろその逆で」
歩夢「あなたはどう思う?」
俺「ドライトロンモンスター、効果モンスターはステータス、種族、属性が全て一致してなおかつ自身を特殊召喚することができる固有効果を持っている…」
かすみ「そのキチッとしたところは三船栞子らしいですね…」
俺「けどさっき手札に加えた儀式モンスターと儀式魔法。きっと彼女の本領発揮はこれからだ」
栞子「その通りです。ここまでは優木さん、あなたを倒すための下準備です。そしてこれでデュエルを終わらせます。」
せつ菜「!?」
栞子「私は儀式魔法 流星儀巧群(メテオニス・ドライトロン)を発動!自分の手札・フィールドの機械族モンスターの 攻撃力 が儀式モンスターの攻撃力以上になるようにリリースし手札・墓地から儀式モンスターは儀式召喚します!!」
歩夢「え!?」
せつ菜「儀式召喚するのにレベルではなく攻撃力を参照するカード!?」
栞子「私は攻撃力2000のバンαとアルζの2体をリリースして儀式召喚!星列に眠る記憶、覚醒の刻。降臨せよ、レベル12!竜儀巧ーメテオニス=DRA!!」
愛「嘘…マジ…」
しずく「レベル12の儀式モンスターを…」
エマ「レベル1のモンスター2体で儀式召喚…」
果林「なんてカードなの…」
栞子「そして本来このカードを入れるつもりはありませんでしたが優木さん、あなたを倒すためです。私は永続魔法 次元の裂け目を発動!」
せつ菜「次元の裂け目!?」
かすみ「これじゃせつ菜先輩はオネストの効果が使えないじゃないですか」
俺「ドライトロンの効果を見る限り、墓地を利用するテーマでもある。次元の裂け目がある限り両プレイヤーの墓地にいくカードは除外される…。自分のテーマの強みを無くしてでも相手を倒す。これが彼女がせつ菜を倒す覚悟なのか…」
栞子「肉を切らせて骨を断つ。優木さん、いや中川さん。あなたにはこれほどの覚悟はありますでしょうか?」
せつ菜「それは…」
栞子「えぇ、そうです。ないはずです。だから生徒会長として成果をあげられなかった。そんなあなたに私は負けません。バトルです。メテオニス=DRAでトリックスター・マンジュシカを攻撃です」
愛「でもメテオニス=DRAの攻撃力は4000、
この攻撃を受けてもせっつーのライフは残るよ!」
栞子「それはどうでしょう?」
せつ菜「え?」
栞子「速攻魔法 リミッター解除を発動!メテオニス=DRAの攻撃力を倍にします!」
メテオニス=DRA攻撃力4000→8000
せつ菜「そんな…」
栞子「これで終わりです!メテオニス=DRAでトリックスター・マンジュシカを攻撃!」
せつ菜ライフ4000→0
愛「そんな…」
歩夢「せつ菜ちゃんが…」
せつ菜「まけ…た…」
果林「せつ菜!」
エマ「せつ菜ちゃん!」
彼方「大丈夫〜?」
栞子「これでわかったでしょう。スクールアイドルなどに現を抜かしているからこうも簡単にやられる。」
愛「そんな。今回はそっちがせっつーを露骨にメタったからじゃん!」
栞子「対戦相手の対策をするのは当然ではないでしょうか?」
愛「それは…」
栞子「とにかくこれで気兼ねなく言えます。中川さん、私は三船栞子は次期生徒会長に立候補致します。すでに理事会の承認は済んでいます。投票は今から3週間後、それまでにこれからのことをしっかりと考えるといいでしょう」
かすみ「そんなこと急に言われても」
栞子「ですが理事会には話をつけています。今更あなた方にどうこう言われる筋合いはありません。それでは私はこれで失礼します。」
そう言って三船栞子は去っていった。
愛「せっつー気にすることないよ、今回はたまたまだって」
璃奈「璃奈ちゃんボード ファイト」
しずく「えぇ、そうですよ。あの三船さんの強引なやり方ではきっと他の人もせつ菜さんの味方をしてくれるはずです」
せつ菜「…」
俺「せつ菜…」
せつ菜「すみません。少し、1人にしていただけますでしょうか…。ちょっといろいろと考えたいので…」
歩夢「せつ菜ちゃん…」
そう言って今度はせつ菜までもどこかへ行ってしまった。
かすみ「先輩、止めなくていいんですか?」
果林「あの状況じゃかなり落ち込んでるわね…でも今すぐに止めるのもよくないわね」
俺「せつ菜…」
to be continued…