三船栞子とのデュエル以降、せつ菜は生徒会の準備を理由に部活に来なくなった。
かすみ「せつ菜先輩今日も休みですか…」
彼方「ただデュエルに負けたなら慰められるけど生徒会のこと出されると立ち入りにくいよね〜」
果林「そういえば三船栞子、彼女はどうなの?」
愛「それなんだけどさー、愛さんの友達にいろいろ聞いてみたら割と評判良くてさー」
かすみ「えぇ!?あれでですか?」
愛「うん、なんでもちゃんとその人の適性を見ててくれてちゃんと自分たちのことを理解してくれてるってみんな言ってるんだよねー」
エマ「適性か〜」
しずく「たしかにその人の長所を認めてもらえば嬉しいですけど、ただそれだけで何もかも決めていいでしょうのか」
彼方「でもせつ菜ちゃんだって生徒たちにちゃんと向き合ってたよね〜?」
エマ「うん、せつ菜ちゃんはスクールアイドルも生徒会もどっちも頑張ってたよね」
璃奈「私だったら到底できない 璃奈ちゃんボード ガクブル」
歩夢「ねぇ、あなたならどうする?」
俺「一回俺だけでもちゃんとせつ菜と話さないとな」
歩夢「うん…」
〜屋上〜
せつ菜「三船さん…すごい気迫だったな…。三船さんに比べれば私は生徒会長としての自覚が足りなかったのかもしれない…。冷たっ!って部長!?」
俺「何1人でぶつくさ言ってるんだよ。ほらこれ激甘コーヒー」
せつ菜「あ、ありがとうございます。でもどうしてこれを?」
俺「俺の勝手な主観だけど、落ち込んでる時に激甘コーヒーを飲むとちょっと気分がよくなるんだ。まぁ多分疲れてるから身体が糖分を欲してるんだろうけど」
せつ菜「そうですか…。そのすいません…」
俺「選挙の準備は進んでる?」
せつ菜「え?ま、まぁ…」
俺「そうか。せつ菜もわかってると思うけど、相手は結構強敵だぞ」
せつ菜「えぇ、わかってます…」
俺「自分より三船栞子の方が生徒会長に相応しいんじゃないかなって思ってるな。さては」
せつ菜「えぇ、三船さんの評判は耳に入ってきますから。ちゃんと自分たちの適性を見てくれている。自分たちのことを知ってくれているって。私は多分そこまで皆さんのことを考えていなかったと思います…。ただ自分が大好きなことを続けられる学園にしたい…そう思って私は生徒会長になりました。でも結局は自分が過しいやすい学校にしたかっただけかもしれません。ただ自分のエゴを皆さんに押し付けてただけなんです、私は…」
俺「そうか…」
せつ菜「はい…」
俺「せつ菜がそう思うならそうなのかもな」
せつ菜「えぇ、きっとそうです…」
俺「けど全員がそう受け取ってるとは限りないけどな」
せつ菜「え?」
俺「まぁたしかに三船栞子が言うみたいに、向き不向きは人によってあるだろうな。けど肝心なのはその人がどうしたいかだと思うんだよな。たとえ向いていなかったとしてもそれでもそれが大好きから続けている人もいっぱいいるはずだ。同好会に入る前の俺だってそうだ。俺が部長なんてできると思ってなかった。俺の頃の俺は自分のことで手一杯で周りをみている余裕がなかった。けど同好会に入ってみんなと過ごしていくうちに余裕ができてみんなのいろいろなところが見られるようなった。それって多分、俺はニジガクの部長をしていることが好きなんだと思う。だから今でもこうして続けられている。だから大好きなことを続けられる学校にするせつ菜の思いは決してエゴなんかじゃないって思う」
せつ菜「部長…」
俺「けど三船栞子の言ってることも間違ってないと思う」
せつ菜「えぇ」
俺「思うに彼女は彼女なりに全校生徒と向き合ってる。だから彼女を支持する人たちもいる。」
せつ菜「はい…」
俺「だから、こうなったらあとはせつ菜ができることを投票日までやるしかない。正直俺はどっちの言うこともわかる。だからあとは投票の結果次第だ。そのためには準備を怠らないこと、できることは全てやること。それで負けたらしょうがない。その時は落ち込むかもしれない。けれど落込んでも俺たちには励ましてくれる仲間がいる。そうだろ?」
せつ菜「それは…」
俺「虹ヶ咲だけじゃない、俺たちの知り合いには2人も生徒会長がいるからな。その2人にもいろいろ相談するっていうのも手だと思う。まぁ要するに今度の選挙は三船栞子とのデュエルだと思えよ。自分ができる準備をしてあとはその時次第さ。」
せつ菜「はい…」
俺「それじゃあ俺は部活に戻るから。それと…」
せつ菜「それと…?」
俺「俺たちはいつでも待ってるからな」
せつ菜「!?」
俺「それじゃ」
せつ菜「…」
〜練習場〜
かすみ「どうでした?せつ菜先輩?」
俺「とりあえず伝えたいことは伝えた。あとはせつ菜次第かな」
かすみ「な、なんですかそれ〜。ちゃんと連れてきてくださいよぉ〜!」
俺「そうだな。でも案外早く戻ってくるかもな」
かすみ「え?」
練習場の扉が勢いよく開く
かすみ「うわ!びっくりした!ってせつ菜先輩!?」
歩夢「せつ菜ちゃん…」
愛「せっつー…」
せつ菜「皆さん!遅くなりました!その…練習、私も入っていいですか…?私…私、皆さんと練習がしたいです!!」
果林「ふふふ、それっていちいち許可取らないといけないことかしら?」
彼方「うんうん」
エマ「だってここはせつ菜ちゃんの居場所だもんね」
しずく「はい!ずっと待ってました…」
璃奈「璃奈ちゃんボード わーいわーい」
歩夢「せつ菜ちゃん…。おかえり。練習しよっか」
せつ菜「…はい!」
果林「それならこれまでせつ菜が練習サボってた分ビシバシ行くわよ」
せつ菜「はい!よろしくお願いします!」
俺「ほら言っただろ?」
かすみ「か、かすみんはせつ菜先輩が戻ってくるって信じてましたから」
愛「まーまーぶちょーもかすかすもせっつーが帰ってきたんだから練習するよー」
かすみ「かすみんです!」
久々の俺と9人の練習光景。
そうだこれがニジガクのあるべき姿だ。
〜練習後〜
せつ菜「皆さん、この度はご迷惑をおかけしました。」
エマ「ううん、全然気にしてないよ。むしろせつ菜ちゃんが戻ってきてくれて本当に嬉しかった」
彼方「彼方ちゃん安心したら眠くなってきちゃった〜」
愛「ダメだよ、カナちゃん起きて!」
果林「それで生徒会長選挙の準備は順調なの?」
せつ菜「それが…」
果林「まあなんとなく察してたけど」
せつ菜「すみません…」
しずく「せつ菜さんが謝ることではないですよ」
せつ菜「はい…ですが正直何をすればいいのか分からなくて。こんな状況今までなかったので…」
果林「たしかにうちの学校の生徒会長って選挙っていうよりも誰か1人が立候補してそのまま大体決まっちゃうわよね」
俺「こういう信任投票は余程のことがない限り落選しないからな。まして昔の生真面目〜な中川菜々さんならまず落選することはなかっただろうし」
せつ菜「はい…」
璃奈「できた、三船栞子の公約とか方針をまとめてみた」
愛「おーりなりーすごいー!」
璃奈「璃奈ちゃんボード えへ」
果林「やっぱりその人の適性について、結果と数字ばかりね」
しずく「適性ばかりがそんなに大切でしょうか。今すぐに結果が出なくても大好きなことを続けていればいつかはきっと…」
俺「けど三船栞子の言うことは一理あると思う」
かすみ「せ、先輩、あんなやつの味方するんですか!?」
俺「味方っていうか、彼女は彼女なりに人を見てるんだなって思っただけさ」
せつ菜「そうなんですよね…三船さんはちゃんと全校生徒と向き合おうとしている…」
俺「けど1つ引っかかることがあるんだよな」
果林「何かしら?」
俺「彼女、あまりにもスクールアイドルを目の敵にしてる気がする」
愛「愛さんもそれ思った!スクールアイドルのことを否定するときは適性どうこうよりスクールアイドルはとにかくダメって感じだよね?」
俺「あぁ、彼女はスクールアイドルに何か恨みがあるのか…ちょっと調べる必要がありそうだな」
その時、
璃奈「みて、学校の掲示板、こんなの載ってる」
しずく「現生徒会長、生徒会長立候補者討論会のお知らせ…?」
かすみ「えー!?なんですかそれ?」
璃奈「えーとね、要するにせつ菜さんと三船さんの2人で今後の生徒会について討論するみたい」
彼方「つまりそれって公開デュエルみたいな感じ〜?」
俺「そうだな」
せつ菜「開催日は…一週間後…」
エマ「せつ菜ちゃん大丈夫…?」
せつ菜「でもやるしかありません…。私は自分のできることをやるだけですので」
彼方「彼方ちゃんが協力できることはなんでもやるよ〜」
しずく「はい!遠慮なく言ってください!」
せつ菜「皆さん…ありがとうございます!」
愛「よーし、そうしたらこれから愛さんたちはせっつーを全力バックアップするぞー!」
みんな「おー!」
〜翌日、放課後〜
尊「よ!」
俺「おぅ、尊」
尊「これからバイト?」
俺「あぁ」
尊「せつ菜ちゃんあれからどう?」
俺「ひとまずは元気になってよかったよ。今はみんなが生徒会の仕事を手伝いながら選挙に向けてバックアップしてるよ」
尊「そっか。それはよかった。あ、そうだ僕もカフェナギ行っていいかい?」
俺「あぁもちろんだ。」
島「おっ!いたいた!お前ら〜」
尊「島くん?」
俺「久しぶりだな、島」
島「お、おうって違う!ここであったが100年目!俺とデュエルだ!」
俺「俺今からバイトなんだけど、尊お願いしていい?」
尊「いいけど…」
島「いや、穂村尊、お前はまた今度だ。今日はお前だ!」
俺「いや、だからバイトが…」
島「ははーん、お前さては俺の強さの前にビビって逃げるつもりだな。スクールアイドル同好会の部長とあろうやつが敵に背を向けるなんてな。」
俺「俺のことなら良いけどみんなの名前を出されちゃ黙ってられないな。わかった、相手になってやるよ。」
島「よし、それじゃあ行くぞ!」
俺「あぁ」
2人「デュエル!!」
互いのライフは4000
俺「俺のターン、自分フィールドにモンスターがいない時、手札のリンクスレイヤーは特殊召喚できる。さらにドット・スケーパーを通常召喚。続けて手札のバックアップ・セクレタリーは自分フィールドにサイバースがいる時、特殊召喚できる。現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件は効果モンスター2体以上!俺は3体のモンスターをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、デコード・トーカー!」
尊「早速きたねエースカード」
俺「墓地のドット・スケーパーの効果、このカードが墓地に送れた時、自身を特殊召喚する。続けてドット・スケーパーでリンク召喚!リンク1、リンクリボー!」
島「連続リンク召喚か」
俺「俺はこれでターンエンド」
島「俺様ターン、ドロー!ふふふきたぞ!俺のデッキの新たなカード!獣の王!自分フィールのモンスターの攻撃力の合計が相手より少ない時、このカードを特殊召喚できる!こい!獣王アルファ!」
尊「獣王アルファ…あれが島君の新しいカード」
島「さらにスクラップ・コングを召喚!スクラップ・コングの効果!自身を破壊する!もうわかるよな」
俺「グリーン・バブーンか」
島「その通り!手札の2体のグリーン・バブーンの効果!ライフを1000ずつ支払い自身を特殊召喚する!」
島ライフ4000→2000
島「そして獣王アルファの効果!グリーン・バブーン1体を手札に戻してデコード・トーカーを手札に戻す!この効果は対象を取らない効果!よってデコード・トーカーの効果は発動できない!」
俺「くっ、やるな」
島「バトルだ!獣王アルファでリンクリボーを攻撃!アルファは効果を使ったターン、ダイレクトアタックはできないがモンスターへの攻撃はできる!」
俺「くっ、ならリンクリボーの効果!このカードをリリースしてアルファの攻撃力を0にする!」
島「ふふん、ここまでは計算通り、いけ!グリーン・バブーンでダイレクトアタック!」
俺「ぐっ」
俺のライフが4000から1400に減る。
島「俺はこれでターンエンド」
尊「すごい、島君、彼のカードの効果を把握してそれを見越した戦略を立ててきた…」
島「当然よ!お前らに何回負けてきたと思ってるんだ。だが!男、島、果林さんのハートをゲットするまでは何度でも立ち上がる!そしてこのデュエルでお前を倒す!」
俺「なるほどな、少しは強くなったみたいだが俺もだってこのデュエル負けるつもりはない。俺のターン、ドロー。サイバース・ガジェットを召喚!サイバース・ガジェットの効果、墓地からドット・スケーパーを特殊召喚する。現れろ!未来を導くサーキット!リンク召喚!リンク2、スプラッシュ・メイジ!墓地のサイバース・ガジェットの効果、ガジェットトークンを特殊召喚する。さらにスプラッシュ・メイジの効果、墓地からリンクスレイヤーを特殊召喚する!現れろ!未来を導くサーキット!」
尊「くるか」
俺「アローヘッド確認!召喚条件は属性の異なるサイバース族モンスター2体以上!俺は水属性スプラッシュ・メイジと光属性ガジェットトークンをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、デコード・トーカー・ヒートソウル!」
尊「よし!ヒートソウルがきた!」
俺「さらに墓地のドット・スケーパーとサイバース・ガジェットをゲームから除外してデグレネード・バスターを特殊召喚する!そして除外されたドット・スケーパーの効果、自身を特殊召喚する。続けてデグレネード・バスターの効果、このカードと獣王アルファをゲームから除外する!」
島「何!?」
俺「そしてヒートソウルの攻撃力はリンク先にリンクスレイヤーとドット・スケーパーがいることにより1000アップする!パワーインテグレーション!」
島「こ、攻撃力3300だと!?」
俺「バトルだ!ヒートソウルでグリーン・バブーンを攻撃!」
島「くっ」
島ライフ2000→1300
島「だがこれでお前が攻撃できるモンスターはいないぞ!」
俺「それはどうかな?」
島「何!?」
俺「デコード・トーカー・ヒートソウルの効果!ライフを1000支払いデッキから1枚ドローする!」
俺のライフが1400から400に減る。
俺「そしてこの効果を使用した後、ライフが2000以下の時、このカードを除外してリンク3以下のサイバースをEXデッキから特殊召喚する!ストームアクセス!俺はEXデッキからこいつを呼び出す!再び現れろ!デコード・トーカー!!」
島「な、ここでデコード・トーカーだとぉ」
俺「デコード・トーカーの効果!リンク先のモンスター1体につき攻撃力を500アップさせる!デコード・トーカーのリンク先のモンスターは2体!よって攻撃力1000アップ!パワーインテグレーション!!」
島「う、うそだろぉ」
俺「とどめだ!デコード・トーカーでダイレクトアタック!デコードエンド!!!」
島「ぐぁぁぁ」
島ライフ1300→0
俺「ふぅ」
島「くっ、くそ〜また負けか〜覚えてろよ〜」
俺「全く相変わらず困った奴だな」
尊「でも島君も成長してるみたいだね」
俺「そりゃあれだけ負けてればな」
尊「負けてもなお這い上がりそして強くなる。彼のメンタルは見習うところがあるね」
俺「まぁ…そうだな… 」
尊「そうだ、バイトはいいの?」
俺「あぁ、そうだ、急ごう」
尊「うん」
〜公園〜
尊「この調子だとなんとか間に合いそうだね」
俺「そうだな」
尊「ん?あれ、ねぇ。あれって三船栞子さんじゃない?」
俺「え?本当だ…こんなところで何してるんだ。大事な選挙前なのに…」
尊「どうやら小さい子供たちといるみたいだよ。ボランティア活動かな?」
俺「あぁ、そうみたいだな」
尊「にしても普段学校で見せない顔だね。子供たちにはちゃんと笑顔で接してる」
俺「そうだな…」
尊「あの笑顔、とても作り笑顔とは思えない…。心のそこから笑っているというか」
俺「あぁ…」
尊「ってバイトか」
俺「あぁ、そうだな、急ごう」
〜カフェナギ〜
草薙「よぉ、2人とも遅かったな。時間ギリギリだ」
俺「悪い草薙さん、道中いろいろとトラブルがあって」
草薙「そうか、まぁいいさ、早速準備してくれ」
俺「あぁ、了解」
草薙「尊は何にする?」
尊「とりあえずコーヒーをもらおうかな」
草薙「はいよ」
〜数分後〜
俺「お待たせ、はいコーヒー」
尊「ありがとう。さっきのことだけど」
俺「三船栞子のことか?」
尊「彼女、やっぱり良い人なんじゃないかな?」
俺「え?」
尊「子供たちにあんなに笑顔で接しててさ、たしかにスクールアイドルが無意味なんて言うのはちょっと酷いけどさ、生徒会長としての公約は結構まともだし、言ってることもわかる。だからその一概に嫌な人とは言えないっていうか…」
俺「たしかに彼女は決して嫌な人じゃないって俺は思う。さっきのボランティアの姿を見てそう思ったよ。だからこそ引っかかることがあるんだ。」
尊「何?」
俺「明らかに彼女はスクールアイドルを目の敵にしている。スクールアイドルのことを話す時、適性どうこうよりもとにかくスクールアイドルの存在が気にいらないっていうか。」
尊「たしかに言われてみれば…」
俺「だから彼女とスクールアイドルとの関係を調べてみようと思う。」
尊「もしかしたら彼女もスクールアイドルをやってて挫折した経験を持ってるとか?」
俺「その線も捨て切れないな。とにかく俺はいろいろと調べてみるよ」
尊「うん、僕も手伝えることがあったら手伝うよ」
俺「あぁ、頼んだ。そういえば綺久ちゃんは元気?」
尊「あぁ、あれから田舎に帰ってデュエルを始めたらしいんだ」
俺「へぇそれはよかったな」
尊「この前もさ」
〜回想〜
綺久「もう尊強すぎ、少しは手加減してよ」
尊「悪いな俺は相手が誰だろうと手は抜かないからな」
綺久「まぁそこが尊のいいところなんだけどね」
尊「ば、バカ何言ってるんだよ」
綺久「ふふ」
〜回想終わり〜
尊「今はリモートでどこでもデュエルできるようになって便利になったよ」
俺「そうだな」
尊「あ、お客さんみたいだよ」
俺「あぁ。いらっしゃいませ」
〜数時間後〜
草薙「よし、そろそろ店閉めるか」
俺「あぁ」
草薙「それでせつ菜ちゃんどうだ?」
俺「だいぶ元気になったよ。あとは今度の討論会のためにみんながバックアップしてる」
草薙「そうか。大変だな。お前もバイト来てて大丈夫なのか?」
俺「あぁ、限られた時間の中でもやることはやってるし、いざとなったら休むなりここに連れてくるなりするさ」
草薙「そうか。お前も逞しくなったな」
俺「そうか?」
草薙「あぁ、なんというか部長が板についてきたというか」
俺「まあそれに関しては俺じゃなくてニジガクみんなのおかげだよ」
草薙「あの頃のお前じゃ考えられなかったかもな」
俺「あぁ、多分ハノイの事件もきっと同好会に入っていなかったら終わっていなかった。たとえリボルバーを倒してもそこには虚しさしか残っていなかっただろうな」
草薙「そう考えると感慨深いな」
俺「あぁ」
俺「さて」
草薙「何するんだ?」
俺「これから三船栞子について調べる」
草薙「そうか、手伝おうか?」
俺「いや、今回は俺だけで調べたい」
草薙「わかった。俺は明日の仕込みをしてるよ」
俺「あぁ」
〜数分後〜
俺「これは…」
草薙「どうかしたか?」
俺「三船栞子、どうやら名家の出身らしいな…」
草薙「そうなのか…」
俺「それに気になるのがこれだ」
草薙「ん?この人は名前が似ているな…」
俺「あぁ、この人についても調べてみる」
〜数分後〜
草薙「さてこんなもんか。家まで送って行くよ」
俺「あぁ、よろしく」
〜週末〜
かすみ「あの先輩?練習始めないんですか?ちょっとここで待機って」
俺「あぁ、もうじきくると思う」
かすみ「もうじき?」
部室のドアがノックされる。
俺「来たか、どうぞ」
絵里「失礼します」
果林「絵里ちゃん?」
ダイヤ「私もいますわ」
彼方「おお〜ダイヤちゃんまで〜」
しずく「これは…」
璃奈「音ノ木坂と浦の星の生徒会長が勢揃い」
絵里「話は聞かせてもらったわせつ菜」
ダイヤ「はい、私たちはせつ菜さんの味方ですわ」
俺「困った時は先人たちにいろいろ教えてもらった方がいいかなと思ってな」
絵里「先人たちって…」
ダイヤ「大袈裟ですわ」
せつ菜「お2人とも…ありがとうございます!」
それから俺たちは絵里とダイヤを交えて話し合った。
討論会のこと、三船栞子のこと、せつ菜が目指す学園のことを。
決して1日で終わるないようではなかった。
だからできるだけ空いてる時間に何度も話し合った。
ダイヤは毎日、こっちに来るわけにはいかないからリモートで話し合いに参加した。
時には穂乃果や千歌たち、ほかのμ'sやAqoursのメンバーの励ましもあった。
みんなせつ菜、そしてスクールアイドルのために必死に協力してくれた。
そして討論会当日を迎える。
せつ菜「ふぅ」
俺「大丈夫、ここまで準備してきたんだ。あとは当たって砕けろだ。どんな結果でも俺たちはせつ菜の味方だから」
せつ菜「はい!ありがとうございます。それでは行ってきます」
そして討論会は終わった。
生徒A「ねぇ、今日の討論会すごかったね。あの1年の三船栞子さんって人、今の生徒会長にビシバシ言ってさ」
生徒B「そうそう、公約も政策もはっきりしててわかりやすかったしね」
生徒A「これは次の生徒会長、三船さんで決まりかな〜」
そして投票日、最終演説…
栞子「私が生徒会長になった暁には、生徒1人の適性にそった学園生活を送れるようにし、皆さんの未来を輝かしいものにすることをお約束します。」
アナウンス「続きまして現生徒会長、中川奈々さん、よろしくお願いします」
せつ菜「はい、私は皆さんに大好きなことを続けられる学園生活を送っていただきたいと思います。そのために学園限定のアプリを作成し、皆さんからの意見を共有し迅速な対応で皆さんサポートできるようにしたいと考えております。それから…」
せつ菜の演説は続いた。
せつ菜「以上で私の発表を終わりたいと思います。」
アナウンス「ありがとうございました。それでは全校生徒の皆さん、教室に戻ったあと投票用紙を記入し、速やかに提出してください。」
そして…
アナウンス「投票の結果、立候補者の三船栞子さんを新生徒会長に任命致します。」
〜屋上〜
俺「やっぱりここにいたか」
せつ菜「えぇ」
俺「ここ1人で考えことするにはすごいいいところだよな」
せつ菜「はい」
俺「その…聞きづらいんだけどさ…」
せつ菜「はい、なんでも聞いてください」
俺「そっか…今の気分は?」
せつ菜「そうですね…。自分でもよくわかんないんです。けど不思議となんだかスッキリしています。」
俺「やっぱりそうか。なんかそんな顔してたからさ」
せつ菜「はい。やれることは全てやりました。その結果がこれなんです。だから悔いはありません。それに…」
俺「それに?」
せつ菜「三船さんだったら安心して次の生徒会長を任せられると思うんです」
俺「せつ菜が言うならそうなんだろうな」
せつ菜「えぇ。彼女ならきっと今よりももっといい学園にしてくれると思います」
俺「そうか」
せつ菜「すいません、練習行かないとですよね?」
俺「そうだな。行けるか?」
せつ菜「もちろんです!」
〜練習場〜
せつ菜「すみません、遅くなりました」
エマ「ううん、全然平気」
彼方「それよりもう大丈夫なの〜?」
せつ菜「はい!これからは思う存分スクールアイドルに力を注げますから!」
歩夢「そっか…」
せつ菜「さぁ!練習しましょう!」
〜練習後、自宅にて〜
俺は絵里とダイヤと電話していた。
絵里「えぇ、せつ菜から連絡あったわ」
ダイヤ「残念でしたね」
俺「けど、せつ菜もこれで吹っ切れたみたいだ」
絵里「そう」
ダイヤ「それはよかったですわ」
俺「2人にはいろいろ協力して貰っちゃったな。ありがとう」
絵里「気にしないで、困った時はお互い様よ」
ダイヤ「そうですわ、あなたたちにはこちらもいろいろと助けていただいてますから」
絵里「けどいくら表面上は取り繕ってても本当は辛いかもしれないわ。しばらくの間はせつ菜を気にかけてあげて」
ダイヤ「そうですね、特にせつ菜さんは責任を感じやすいと思います」
俺「あぁ。そうだな」
絵里「それとあなたもね」
俺「俺も?」
絵里「えぇ、この前あった時、なんだかちょっと疲れているみたいだったから。大変な時は仲間を頼ることも大事よ」
俺「あぁ、わかってる」
絵里「ならいいんだけど」
俺「それじゃあ、もう遅いし。2人ともありがとう」
絵里「えぇ」
ダイヤ「それではおやすみなさい」
〜数日後〜
せつ菜「さて、今日も張り切って練習しましょう!」
俺「せつ菜、張り切るのもいいけど無理はするなよ」
愛「そうそう、せっつーはもっとリラックスしていいんだよ」
彼方「なんなら彼方ちゃんの枕貸そうか〜?一緒にお昼寝しよう〜」
果林「どさくさに紛れて昼寝しようとしないの」
彼方「えへへ」
そこへ
栞子「失礼致します」
かすみ「げげげ!三船栞子!?なんでここに」
栞子「今日は皆さんにお話があってきました」
歩夢「話って?」
栞子「率直に言います。私はスクールアイドル同好会を廃部したいと考えています」
せつ菜「!?」
かすみ「な、な、なんてことを!」
せつ菜「三船さんどうして?」
栞子「前にも言ったはずです。スクールアイドル同好会は無意味な物だと。それにここ最近、皆さんは大規模な配信ライブをしたり、大会入賞していますよね?」
愛「それって実績を残してるってことじゃん!何がいけないのさ?」
栞子「今後、あなた方が活動を続けていけば学園に叶いしもない夢を追いかける生徒たちが増え始め悪影響を及ぼします。それだけではない、これからこの学園に入る新入生たちにもそのような生徒になってしまう恐れがあります。ですので、悪影響を及ぼす前に私はスクールアイドル同好会を廃部にしようと思っています。」
しずく「そんな…そんなのあんまりですよ」
璃奈「璃奈ちゃんボード 断固拒否」
栞子「それにあなた」
俺「俺?」
栞子「はい、あなたはデュエルカーニバルにて輝かしい成績を残しました。それは素直に称賛します。ですが、はっきり言って今のこの同好会はあなたがそういうならそうなんだと部員の皆さんは信じて疑わないですよね?」
俺「そんなこと…」
栞子「あなたが違うと思っていても側から見ればそう見えます。率直に言ってあなたがこれ以上、同好会にいると、あなたから同好会へ、同好会から全校生徒へと叶わない夢を追いかける悪影響を及ぼすと思ってます」
歩夢「そ、そんなことないよ!たしかに彼の言うことはいつもためにけるど、私たちはそれに従ってるだけじゃないよ!」
栞子「そうですか。ですが、あなたに一目を置いてる生徒も増えてきているのも事実です。ですので、私はここであなたを倒します」
俺「俺を倒す…?」
栞子「はい、デュエルです。デュエルで私が勝てばスクールアイドル同好会は廃部、そして今後あなたはスクールアイドルに関わらないでください」
かすみ「な、なんて条件なの!」
歩夢「うん…」
俺「俺が勝てば?」
栞子「とりあえずスクールアイドル同好会を廃部にすることから手を引きます」
かすみ「それってそっちのリスク低過ぎない?」
栞子「低くはありません。私にとっては同等のことだと思っています。それだけの覚悟は私にはあります」
歩夢「どうする…?」
俺「どの道、ここでデュエルしなかったら彼女は同好会を廃部にするだろうな。なら…」
果林「まさか…」
俺「わかった、三船さん。そのデュエル受けて立つよ」
かすみ「いいんですか?先輩」
俺「あぁ、俺は負けるつもりはない。全身全霊を持って三船さん君を倒すよ」
栞子「そうですか、それでデュエルはいつにしますか?」
俺「今からだ」
せつ菜「え!?」
かすみ「ちょ、ちょっと先輩、ちょっとは準備をした方がいいんじゃ…」
俺「準備ならできてる。多分三船さんとデュエルすることになるだろうとは思ってた。だからデッキは思うできている。そしてそれは三船さん、君も同じだろ?」
栞子「えぇ」
俺「なら話は早いな。」
歩夢「本当にいいの?」
俺「あぁ、なぁ歩夢覚えてるか?」
歩夢「え?」
俺「俺が負けられないデュエルで負けたことが今まであった?」
歩夢「それは…。ううん、あなたは絶対に負けられないデュエルではいつも勝ってた。そんなあなたが私には希望だった」
俺「そうだ。だから今回も俺は負けない。必ず勝って同好会を守ってみせる」
歩夢「でも気をつけて。きっと三船さんはあなたのデッキを研究し尽くしてる」
俺「わかってる。けどそういうのは慣れっこだからな」
栞子「それでは早速デュエル場に向かいましょう」
〜デュエル場〜
生徒A「なになに?デュエル?」
生徒B「これからスクールアイドル同好会の部長と新生徒会長の三船さんが同好会の存続をかけてデュエルするんだって」
生徒A「マジ?けどたしか同好会の部長ってデュエルカーニバルの決勝出てなかったっけ?これじゃ同好会の部長よ圧勝じゃない?」
生徒B「それがさぁ三船さんって相手のデッキを知り尽くしてる時ってめちゃくちゃ強いんだって〜。だから多分今回も相手のデッキを知り尽くしてるだろうから実際はわからないっぽいよ」
生徒A「マジか〜?どっちが勝つんだろう」
かすみ「うわわ、なんか人が集まってきちゃいましたね」
果林「新生徒会長のデュエルとなるとみんな注目してるみたいね」
せつ菜「部長…」
歩夢「お願い…勝って」
栞子「それでは行きましょう。ルールはライフ8000のマスターデュエルでどうでしょう」
俺「あぁ、わかった」
栞子「それでは」
俺「あぁ、いくぞ!」
2人「デュエル!!」
to be continued…