今朝、スクスタ開いた時のセリフが歩夢ちゃんで運命感じましたよ……。
「もう、ビックリしたんだからねっ!」
「ご、ごめんって。」
あれから歩夢ちゃんに半ば無理矢理リビングへと連れてこられて、テーブルへの着席を言い渡された僕。
今現在、歩夢ちゃんを驚かせたことへのプチ謝罪会見を行なっている所です。
ちなみに僕と歩夢ちゃんは決して同棲してる訳じゃない。彼氏、彼女の関係でも無い。ただの幼馴染だ。
だからこそ、夢の内容(主に歩夢ちゃんのキス)に驚愕しあれほどの声が出たと言うわけです。
だからといって歩夢ちゃん本人にキスがうんたらかんたらと説明できるわけもなく、ただ謝るばかり……。
などとしている間に、
「はい、あなたの大好きな玉子焼きどうぞ♪」
「おおー! 歩夢ちゃん、また腕上げたね!」
「えへへ〜そうかな?」
運ばれてきた朝食達。僕はその魅力に呆気なく胸踊らしていた。
今朝の献立は白米にお味噌汁、ソーセージと目玉焼き……ではなく玉子焼き。
小学校の運動会で僕が玉子焼きの味に駄々を捏ねたのを覚えていてくれた歩夢ちゃんは、それからずっと玉子焼き作りを練習してくれてた。今ではすっかり僕の中で歩夢ちゃんのが一番になっている。
「ささっ、食べて食べて! はい、あーん」
「うん。いただきます……ん〜美味しい!」
「よかったぁ♡」
色良し、焼き加減良し、味付け良し、今の僕にとってはこれこそが玉子焼きの理想系とも言える歩夢ちゃんの玉子焼き。それを毎日食べられる幸せを噛み締めて、他の料理にも手をつけ始める。
「どれも美味しくて最高……」
「ふふっ」
すっかり手料理に夢中になっていると、向かいに座る歩夢ちゃんと目が合った。
「どうしたの?」
「食べてる時のあなたってすっごい嬉しそうな顔してて可愛いんだよ」
「え……そ、そうなの? 自分じゃ分からないからな」
頬が緩んでるのは若干分かるけど、具体的にどんな顔をしてるのか物凄い気になる。変な顔を見られてないか心配だな……。
「私だけの特権だねっ♪」
「ねぇーどんな顔してるのさ」
「なーいしょ」
「えぇ……」
これはちょっとだけ背伸びした小悪魔系歩夢ちゃん(僕が命名)だ。高校の時に歩夢ちゃんが入っていたアイドル同好会のメンバーの一人からの入れ知恵で出来たもので、だいたいからかう時に使ってくる。
ガチガチの小悪魔じゃなくて、背伸びして小悪魔ぶってる感じがまた可愛い。
そんな歩夢ちゃんを眺めていると、
「あ、口の横にご飯粒」
「え? どこどこ」
「もう、私が取ってあげるからじっとしてて」
自分で……、と言う暇もなく、瞬く間に歩夢ちゃんの顔がすぐ側まで来ていた。
高校を卒業して大学生になった今、歩夢ちゃんはさらに可愛さを増した。アイドルをやっていたことが彼女の魅力を引き立てているのか、すれ違う人によく見られている。
それは歩夢ちゃんの幼馴染として大変嬉しいけど、同じクラスの男子たちが歩夢ちゃんを変な目で見ているのを聞くと胸の辺りがチクッとする。
「 ……ん、どうしたの?」
「え……?」
「何か悩み事? 私でよければ相談に乗るよ」
君の事で悩んでる。なんて、そう素直に言えたら楽なんだろうけど、どうしても恥ずかしさが勝って口に出せない。
「……ううん! なんでもないよ! ちょっと寝起きでボーッとしてただけだよ」
「そう……?」
それでも歩夢ちゃんの心配そうな表情は取れることは無かった。でも、なんとなくだけどこれは自分で解決するべき事なんだって気がする。だから歩夢ちゃんには悪いけど……。
なんて考えていると、
「はい、ご飯粒取れたよ!」
「……えっ? あ、ありがと! ごめんね、わざわざ」
「遠慮しなくていいよ? 私たち幼馴染なんだから」
歩夢ちゃんは取ったご飯粒を自身の口元に持っていき、ぱくっと食べてしまった。それは、さっきまでモヤモヤしていた僕の悩みとかその他もろもろを一瞬にして吹き飛ばしていくほどの威力を持っていた。
「ふふ、ご馳走様♡」
舌をぺろっと見せ、淫靡に微笑む歩夢ちゃんは正しく小悪魔で、
「お、お粗末さま……でしゅた……」
僕はたじたじになる他無かったのだった。
どうやら小悪魔系歩夢ちゃんの前には僕の悩みなどちっぽけに過ぎなかったみたいです。
上原歩夢をすこれ!