すぺーすびーすと!~ネクサス怪獣擬人化作戦~   作:地獄星バロー

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私は愛を知らなかった。

私は愛することが分からなかったの。

でもね、古紋さん。あなたのお陰なんだよ。

あなたにあってから、私は心が毎日熱くなる。

ずっと一緒にいたい。絶対に離したくない。誰にも渡したくない。一つになりたい。

この気持ちは嘘じゃない。

古紋さん……、古紋さん………、古紋さん!

私達はもう運命の赤い糸で結ばれてるんだよ。

だから待っててね、古紋さん。……いいえ、



アキちゃん。





#7光と闇の驚愕の正体!?(ワーニング!影が襲ってくる!?)

「もぉう! なんでこんなことになってるのよ〜!!」

 

わたしの名前は古紋アキ、どこにでもいるような新人OLの女性!

ひょんなことから異生獣(スペースビースト)と名乗る娘・ノスフェルとわたしは一緒に暮らすことになってしまった。そんなノスフェルと敵対する光の勢力であるネクサス。その正体はなんといつも付け回してくるカメラマンの姫さんだった。ってもう! そんなこと思い出してる場合じゃない! なにがなんなのよぉ〜!!

 

『伏せて! 古紋さん!!』

 

ネクサスの姿になった姫さんがそうわたしに叫んで前方に走り出す。言われた通り、わたしは迫りくる攻撃から避けようとするが、間に合わない。間一髪、ネクサスが攻撃を防いでくれたが、その影響で大きな爆発が起きる。思わず尻もちを付いてしまった。そして爆発した上方から何かが現れる。その容姿を見て、わたしは思わず叫び声を上げてしまう。

 

「きゃああっっ!!」

 

やはり、その正体は少女だ。それも昆虫のような鎧を纏っている。そう、異星獣(スペースビースト)だ。や、やだ……。虫とか苦手なの!!

 

「無理無理無理!! わたしああ言うのホント無理! しかもなんかGっぽいしぃぃ!!!!」

 

『落ち着けって古紋さん! その、なんだ……幼い頃なら虫とか苦手じゃないもんだろ?』

 

「確かにそりゃそうだったかもしれませんけど、無理なもんは無理なんですぅぅぅぅ!!!!」

 

『あらあらぁ。私のことこんなにも夢中になってくれてぇ、私どうにかなりそうだわぁ。ネクサスゥ、同胞達の無念を今ここで終わらせてもらうわよぉ?」

 

「……バグバズン。言いだろう、望むところだ!』

 

ネクサス、つまり姫さんからバグバズンと呼ばれるビーストが激突する。素早い格闘戦が次々と目の前で展開されるけどそんなことしっかりと見る余裕なんて虫嫌いのわたしには微塵もなく、ピエピエ言いながらひたすら逃げ回るしか出来なかった。仕方ないよ……。というか! なんでまた異星獣の刺客に襲われなきゃいけないわけ!? それも出勤中に! しかもわたしの大きらいな虫みたいな格好で来る必要ないじゃない!! 前回あんなこと言っちゃったばかりだけど、虫っ娘と仲良くなろうなんて無理無理!! 絶対嫌ぁぁぁああああ!!!!!

 

『じゃっ、やっぱ殺るしかないよな!!』

 

そう言うと姫さんは前回のペドレオンを倒した時と同様、両腕をL字に組んで破壊光線を放とうとする。はっと我に返ったわたしは虫という恐怖に体が震えつつも、勇気を振り絞ってネクサスに向けて近くに落ちていた小石を投げつける。

 

「やっぱり、そんなこと、ダメですよ!!」

 

小石はネクサスに命中し、姫さんは動揺する。しかしその一瞬をバグバズンは見逃さない。鋭い爪をギラリと輝かせる。

 

「いただきぃ!」

 

爪がネクサスの足を突き刺す。その攻撃に傷付いて、姫さんは喘ぐ。

 

『グハァァッーー!!』

 

「あっ、ごめんなさい姫さん……」

 

『はぁ……はぁ……だから姫さん、言うなっての……』

 

「あらあらぁ。仲間割れなんてゾクゾクするわぁ! もう、ムラムラさせないでよねぇ?」

 

そうバグバズンが勝ち誇ると彼女の尻尾がわたしに絡みついて拘束する。尻尾に付いていた口から舌を伸ばしてわたしを舐め回す。わたしの全身に寒気が巻き起こる。

 

「いやああああああああああっっっっーーーー!!!!!」

 

「いい反応だわぁ。その調子でもっと私に恐怖の音を聞かせてよぉ、美味しいんだぞぉ?」

 

私の脳内がフリーズし、パニック起こしたくてもきつく尻尾に縛られて身動きがとれない。バグバズンは自身の爪で歯を掃除し始めながら羽を羽ばたかせる。ダメ……このままじゃ、わたし……。そこにネクサスが立ち上がって、腕を十字に構えて小型の破壊光線を放つ。

 

『逃して、たまるか!!』

 

小型の破壊光線はわたしを上手くすり抜けてバグバズンの背中に見事命中。

 

「ああ……あらあらぁっ……!!」

 

しかしそのままわたし達は落下する。

 

「いゃあああああああもうだめええええええええええ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

『ジェイヤァッ!!』

 

スレスレのところでネクサスがわたしを救出して地面に降ろしてくれた。バグバズンはどうやらそのまま墜落してしまったようだ。そうなるときっともう助からないだろう。でも今回は相手が虫だったこともあってか、助けられなかったというより、その、なんとも言えない気持ちだ。ネクサスは姫さんの姿へと戻る。姫さんの足にはバグバズンの攻撃を受けた傷が残っていた。

 

「ごめん姫さん。わたしのせいで、姫さんが大変な目に……。待ってて、今絆創膏貼るよ」

 

「いや、このくらいかすり傷さ。それよりそろそろ時間、ヤバイんじゃないか?」

 

姫さんが腕時計を見るような動作をする。それを見てわたしは慌ててスマホを開く。はわわ……もうすぐ会社が始まっちゃう!! わたしは慌てて鞄を持って立ち上がった。

 

「本当だ! ごめん姫さん、わたしもう行かなきゃ!!」

 

慌てて数歩走り出してから、わたしは後ろを振り返ってもう一言姫さんに言った。

 

「……あと、今日は助けてくれてありがとう!」

 

お礼は言わなくちゃだもんね。蝉が鳴き止まず、全国の学生なら夏休みを満喫してきる真っ只中であろうこの猛暑日和で汗を垂らしながらわたしは全速力で再び疾走し始めた。姫さんはわたしの後ろ姿を見つめて、ちょっとだけ照れ臭そうに呟いた。

 

「感謝なんて絶対されないと思ってたけど……流石古紋さんだな。光の長さんが眠っていることだけはある」

 

________________

_______

__

 

 

結局始業には間に合わず、漸くTLT社に付くや否やわたしの部署、ナイトレイダAの課長である若蔵英里(わくら えいり)さんからこっぴどく叱られてしまった。普段は温厚なひとなのに。きっと夏季の人手不足で少しイライラしているんだろう。わたしは溜息を吐きながら仕事を始める。すると隣の席からクスクスと笑い声が聞こえた。

 

「ふふっ、古紋さん。気にすることなんてないよ」

 

「佐大さん……。そうね、メリハリ付けないといけないもんね。ありがと」

 

 

 

 

 

「良いのよ。だって私、古紋さんのこと愛してるんだから。始めて会った時から」

 

 

 

 

リコの言葉に心がゾクっとする。わたしは慌てて笑顔を作って言葉を返した。

 

「や、やだなぁ。また冗談はやめてよ。ちょっとそっちの毛の人かと本気で思っちゃったじゃない」

 

いつもなら笑顔で「なんてね」ってリコは返してくる。返してくるはずだった。でも、今日のリコは何かがおかしかった。

 

「どうかしらね。さっ、仕事も溜まっているんだし、作業再開しましょ」

 

「……うん、そうだね」

 

仕事に再開するも、何かいつもと違うと感じる。でもそれが一体なんなのかは分からない。分からなくてもその違和感はずっと残り続ける。わたしは本能的に何かそう感じていた。警告なのか、さっきからずっとわたしの体内にサイレンが無情に鳴り響く。うーん。わたし、どうしたんだろう……。徐々にそれは腹痛に変わり、やがて我慢の限界が近づいて来たわたしは女子トイレに向かった。

部屋を出た部署では、その様子を見て不思議に思ったナギサ先輩がミキにヒソヒソ声で話す。

 

「今日の古紋さん、どこか調子悪そうに見えない? あんなに遅れてきたり、突然トイレ行ったりして……。もしかして古紋さんって……」

 

「えっ!? じょじょじょじょ条井先輩イィイ!?!?……あっ、ははっ、アキりんはきっと女の子の日なんじゃないかなーなんてね……」

 

「あー、なんかゴメン」

 

「せっ、先輩!? 違うんです、ただの推測ですからぁーー!!」

 

そんなやりとりをしていたら、リコは立ち上がって二人に言った。

 

「私、古紋さんの様子見てきます」

 

「あ、ああ……ごめん」

 

リコは無言でアキに続いて部屋を出る。残された二人は不思議に思うも、すぐに仕事に再開したのであった。しかし、そのときのリコの顔は終始、アキと喋っている時よりも何倍も冷血で、目の色にハイライトのような光が無く、無表情であった。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……わたし、一体どうしちゃったんだろう」

 

トイレで用を足した後、洗面所で手を洗いながらわたしは鏡に映る『わたし』を見つめる。

 

わたしって一体なんなんだろう。

 

ある日たまたまノスフェルと出会って、一緒に暮らすことになっちゃって。

 

それでガルベロスに襲われたりしたけどちゃんと和解して。

 

そしたら今度はネクサス、姫さんに付け回されたり助けられたりして。

 

同時に異星獣の刺客たちがわたしを狙い始めるようになって。

 

最近、わたしは自分のことがわからなくなる。最早全てが単なる偶然とは片づけられない。姫さんはわたしのことを光と闇の勢力との戦いの中で中心に立ってるって言ってたけど、そんな記憶なんて覚えてもない。それともわたしには何か、本当の別のわたしがいるのだろうか。もしわたしの身に何かがあるのだとしたら、それは一体何なのだろう。

 

何も分からない。さっきわたしの中に響いたサイレンみたいな気分も、何もかも。

 

「あーもう! 何なのよ、このモヤモヤする気持ち……」

 

「それはね、恋って言うのよ。古紋さん」

 

「うわぁっ!? さ、佐大さん!?」

 

いつの間にかわたしの真後ろにリコが立っていた。びっくりして声が出る。

 

「ど、どうしてこんなところに……」

 

「そんなことはどうでもいいの。それよりさ、古紋さん。誰もいないんだし恥ずかしがらずに私のこと、リコって呼んでくれても良いんだよ」

 

「別に恥ずかしいわけじゃ……」

 

「照れちゃって。可愛い」

 

思わず赤面する。わたしは慌てて頬を叩く。何動揺してんの、わたし。これはいつものリコの冗談に決まって……。

 

「ねぇ、呼んで良いかな。アキちゃんって」

 

へ?

 

「私ね、ずっとずっとアキちゃんのこと、そう呼びたかったの。でも私ったら恥ずかしくて……私、この気持ちに気付けなかった。素直になれなかった」

 

何か、おかしい。

 

「でもね。そんなことは有り得ないって思ってても、気が付いたら私、いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもアキちゃんのことしか見てなかった。だから私、分かったんだ。これって運命なんだよ。私とアキちゃんは一つになる運命だったんだよ」

 

おかしい。おかしいよ。リコの様子がおかしい。わたしは後退りしながらドアへ近づこうとするが、両手をがっしりと掴まれて、リコに真正面から抱きつかれる。

 

「ちょっと!? 佐大さん……?」

 

「だからさ、一つになろう? 今ここで」

 

「待って待って! 意味が分からないよ!! リコ、私はそっち系なんじゃ」

 

「やっとリコって呼んでくれたね。私、嬉しい」

 

リコはピエロのようにニッコリと笑う。わたしは変な表情になりそうになって、思わず顔を逸らした。横に映る鏡には、鏡の『わたし』と道化師のような顔をしたリコがいた……。えっ……、どういう……。驚いてわたしは凝視する。

 

「最近のアキちゃんはさ、ちょっとおかしかったんだよね。わたしという相手がいながら、あんな私の部下なんかとイチャイチャしゃっててさ。分かってるよ、あの娘達が悪いんだもんね、アキちゃんは何も悪く無い。それにもう、そんなことはどうでもいい。私の部下なんて、私の自身の手で始末すればいいんだから。……そう、私がアキちゃんと先に一つになっちゃえば良いんだッッ!!」

 

「リ……、コ……?」

 

わたしは恐る恐るリコに顔を向けた。そこにはいつものリコはいなかった。鏡に写っていたのと同じ、道化師みたいな格好になって、全身は赤と黒のツートンに染まっている。わたしは突発的に振り解こうともがくが、もう遅い。リコは女子トイレ全域に闇のオーラを蔓延させて、空間を歪ませ始める。これって、確か前にガルベロスがやってた、

 

「ダークフィールド、なんで……」

 

「よく知ってるね。さっすがアキちゃん! もしかしてもう一人の私の部下とも接触してたのかな?」

 

「そっ、それは……。さっきから部下部下って……もしかして、リコはッ!?」

 

以前ノスフェルから聞いたことがある。

 

〜他にですか。そうですね……闇の勢力には異星獣ことスペースビーストの他にも、ウルティノイドという私達を使役できる闇の種族がいますよ〜

 

リコが言う部下。それはきっとノスフェルやガルベロスのことで間違いないだろう。彼女らの上司、みたいな位置に該当するものは多分ウルティノイド。じゃあ、そんな、リコが……そんな……!!

 

「そう。わたしは無限に広がる闇の権化、ダークファウスト。アキちゃんを追い回す忌まわしいカメラマンの影って言ったら分かるかしら?」

 

「リコ……嘘って言ってよ! こんなのおかしいよ……」

 

「何言ってるの? 私はあなたに恋をした。その運命は変えられないんだよ? だって私はこの力を得る前からあなたのことが大大大好きだったんだから」

 

そう言いながらリコはダークフィールドから生まれた触手でわたしを捕らえて蝕んでいく。身動きがとれず、声も出すのが辛くなってきたわたしは必死になって声を出す。

 

「ど……どういうこと?」

 

「半年前、私とアキちゃんが始めて会社にあった時から、私はアキちゃんが好きだった。私ね、レズなんだ。昔から周りに合わせようとして頑張ってみたんだけど、やっぱり男に興味なんて湧かない。女の子にしか異性の気持ちを持てなかったの。でもその直後、私よりもアキちゃんは条井ナギサとか言う男に惚れているんだって私は気づいちゃった」

 

「違うよ、あれは先輩として憧れで……」

 

「嘘。私アキちゃんのことなら全部知ってるんだから。いつどこで何をしているのかなんて、私は全部知っているもん」

 

そう言ってリコはポケットみたいなところからカメラを取り出す。大量のSDカードも一緒に落ちる。まさか、姫さん以外にもわたしのストーキングしてた人がいたなんて……。

 

「ひぃっ……!!」

 

「それからね、いつしか私にはモヤモヤした気持ちばかりが体を巡らせていたの。でもあるとき、闇の勢力のウルティノイドから私は力を得ちゃった☆そう、アキちゃんを私のものだけにする力が――」

 

リコは話を続ける。

 

「私の中にいるウルティノイドはね、この会社の何処かに眠るレーテを壊したいんだって」

 

「レーテ? なんなの……それ」

 

「えーっと……確か光の勢力の来訪者っていう人達が作った大型メタフィールド……だったけ? あれのせいで私の部下達が地球に入るとみーんな人間になっちゃうんだよ〜。なーんでこんな会社なんかにあるんだろうね。でも今の私『たち』にとって、そんなことはどうでもいい」

 

来訪者? 確か光の勢力ってネクサスの他にも何かいたんだっけ。……そっか。そういうことなのね。やっと分かった。そのレーテっていうおっきなバリアーが地球全体を覆ってたからノスフェルやガルベロス、他の異星獣達もみんな人間みたいになっちゃってたんだね……。でも、いまそんなこと知ったからって、この状況、ホントにヤバい……。なす術もなく、触手はどんどん体をしめつけていく。リコはわたしに微笑みながら言う。その笑顔は恐怖すらも感じさせられてしまうほどだ。

 

「愛の告白も済んだところだし、それそろ始めよっか。私とアキちゃんの永遠の愛を誓う、ウェディングセレモニーを始めないとね♪」

 

「待って、リ……」

 

言い終わる前に、わたしは身体中に侵食する闇に完全に囚われてしまう。必死に足掻こうと踠いても、いつのまにかきつく縛られた触手からは脱出できない。もう、ダメ……。わたしは最後の力を振り絞る。

 

「はぁ……はぁ……助けて……ノスフェル、ガルベロス……姫さ、ん……………!!」

 

 

そして、わたしは果てしない無限の闇の中で意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

〜アキの家〜

 

「ふんふんふーん♪今日もアキちゃん様に一杯ご奉仕しなくては〜♡……ん、この波動、まさか……!!」

 

アキの家を掃除するノスフェル。アキが最後に叫んだ助けを求める声は、ダークファウストとなったリコが無意識に放つ闇の波動・ダークフィールドを通じて、奇跡的に伝わっていた。ノスフェルはビースト振動波を使ってガルベロスと連絡を取った。

 

「ガルベロス……ガルベロス、聞こえますか! アキちゃん様が緊急事態です、力を貸してください!!」

 

 

〜江抜高校〜

 

なんだかんだで赤点を取ってしまい、夏休みなのに補講を受けていた軽部露乙津ことガルベロス。補講が終わり、いつも振り回している気弱な男友達と共に下校しようとしたその時、ノスフェルからの振動波を受けて彼女も漸くアキの状況とその裏に潜む存在に気付く。

 

「……ダーク、ファウストだと? なんでアキがアイツに捕まっちまってるんだよ!? おいおい、やっと補講が終わったってってのに……」

 

「軽部さん、今度はどうしたの……? さっきから一人でブツブツと……」

 

「悪りぃ千、俺ちょっと用事思い出した!」

 

「え!? ちょっと困るよ軽部さんっ!!」

 

 

〜東都日報新聞社〜

 

光と闇は対極。常に反発し合う存在である。朝からネクサスとして戦ったばかりにも関わらず、この男もまた、光の波動を放つことによってファウストの闇の波動を感じていた。彼は机にドンと叩いて勢いよく立ち上がる。

 

「クソッ……俺が守るって言っときながら古紋さんを守れなかった……アイツ、俺の影と言ったな。なら、こんなところで諦めて溜まるか!」

 

ノスフェル、ガルベロス、そして姫隼也は同じ一点の場所に向かって走り出す。

 

「俺が……!」

 

「ファウストから……!」

 

「アキちゃん様を取り戻す!!」

 

 

リコから、ダークファウストからアキを救うために……。


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