とりあえずミルクはスプーンで飲ませればいいのか?」
オムツを替えて気持ちをよくしたのか、シエスタは元気にあぶあぶ喋っている。うん、理解不能な言語だ
シエスタを片手で起用に抱き直しながら、もう一方の手で村人からもらった育児用品の山を物色する。その仕草が自分でも妙に馴染んできたように感じて、つい苦笑が漏れた
「おお、哺乳瓶だ!」
森で人目を忍ぶように育児用品をくれたおっちゃんグッジョブだ!伊達に黒髪はしてなかったな!
「あぶぶぶぶ」
「はいはい、もうちょっとまっててな」
Lv100超合金ロボスーツ一着を犠牲にして作った鍋?の中でミルクを入れた哺乳瓶を暖める。適当に温まった哺乳瓶を手に取る。布で水滴を拭き取り、抱いたシエスタの口に近づけるが……
「ぶええ、ええええ、えええええええええええええええええええええええ……!」
小屋全体を揺るがすほどの声でシエスタが泣き始めた。どうしたものかと困惑しつつ、育児用品の中に何かないかと漁る。ん?数枚の紙片が出てきたな。書かれているのは簡潔にまとめられた育児方法のようなもの。えーと、なになに……
まとめるとだ
生まれたばかりのシエスタはまだ離乳できていない
よって離乳食だと不安がり泣き喚く
離乳食と母乳を併用しないといけない
どうしても泣き止まない時は乳をしゃぶらせて安心させること
要するに、まだ十分に離乳の終わっていないシエスタを安心させるためには乳房が必要らしい。思い返せば、腹が膨れたのに母親の乳房から口を離さない赤ん坊の姿など、さして珍しいものではなかった。あれは母親がそうやって赤ん坊を安心させていたのだろう
しばらく、「なるほどなー」なんて関心してみる。ただただ関心して、半ば現実逃避じみたことをしてみる
だけど、シエスタは腕の中で今も泣き続けている。自分の腕の中で苦しそうにひくひくと息継ぎをする嫌な音が耳に届く
シエスタが何を求めているのか十分にわかっている。出なくても口に含ませてやれば安心するのだろう。ためらっている間もシエスタの泣き声は止まない
「おのれ……、プリンさえ無くならなければこんなことには…………」
プリンがなくなるまではこんな事態にはならなかったのになぁ……。どんなに泣いてもプリンやればおとなしくなってたのに
まあでも苦渋の決断とまでは不思議と思わなかった。シエスタが求めるならば仕方ないと開き直った自分がいる
片手でシエスタを抱き、仕方ないんだと自分に言い聞かせながらもう片方の腕で胸元をめくる
それは『俺』が『私』になり、シエスタの『母』となった、記念すべき一歩を踏み出した日となったのだった
ギンガサイドはこんな感じで育児やら過去話やらをやっていきます
プリンと乳房しゃぶらせとけは実姉の体験談からw
超合金ロボスーツ
ディスガイア2における最強防具の一つ
ディスガイアの装備はLv200まで成長させることができる