ルイズは早馬から身を乗り出すようにして、先にある上空のアルビオン艦隊を睨んでいます。どうやら母さまとの交渉は上手くいったようですね。そして、アルビオン艦隊が目指すのトリステインの活気溢れる城下町と王宮。ルイズの守りたいもの
すでにタルブ領を抜けたアルビオン艦隊は容赦なくトリステイン軍に砲撃を浴びせています。トリステイン軍も応酬して幾ばくかの成果を挙げているものの、やはり制空権を奪われていては被害は広まる一方ですね
敵軍はアルビオンで見かけたあの巨艦レキシントン号に、戦列艦が確認できるだけで十数隻。陸戦兵は数えるのも無駄なほどたくさん
さてルイズ、この状況をあなたはいったいどうす…
「シエスタさん、貴方をたった今この場で言い値で雇います!」
ると思えばそうきましたか。ヴァリエール家の者ですから私のことは聞いている可能性も考えてはいましたよ。私の最初の依頼主はヴァリエール家でしたからね
「私は高いですよ」
「少しはまけてくれると嬉しいわ」
「仕事の内容によります」
「アルビオン艦隊をどうにかして!」
「エキュー金貨で一万」
「ちょっとした城が買えちゃうわね……でも、うん。それで雇うわ」
ルイズは笑って言った。本当ならこの内容なら五万は貰わないと割りに合いません。でもルイズからの初依頼ならこんなところでしょう
「それじゃあシエスタさん…………どうしよう?」
「船を落とすのなら船が必要です」
トリステインの主要艦隊がラ・ロシェールの艦隊戦で全滅したことは使者からの報告で聞いていました。ならば、トリステインにあるのは艦隊とは名ばかりの間に合わせの船の群れです。とても期待はできないでしょう
「ルイズ、タルブの森まで馬を走らせますよ」
「シエスタさんっ!」
「落ち着きなさい。逃げるわけではありません。言ったでしょう、船を落とすなら船がいると」
母さまなら船など必要ないのでしょうね。むしろ船など邪魔なだけでしょうか。せっかくの故郷のものなのに私にくれるくらいですから
「だから船を取りにいきます」
「え……、だって森に船なんか」
「それがあるのですよルイズ。タルブの森にはあの上空に浮かぶ巨艦を墜とせるだけの性能をもつ船が存在するのです」
まあルイズにいろいろと聞かれるかもしれませんが、『カトレア』のことを引き合いに出せば黙っていてくれるでしょう。もしそれでルイズとの関係が変わってしまっても、私はやれるだけのことをやるだけです
「なんなのよ、そのわけわからない船は」
私用にと大事な家族たちが徹底的に改造してくれた船です。母さまにも乗りこなせない私だけの愛機
「ルイズ、あなたに本当の空中戦というものを見せてさしあげましょう」
そう、私の愛機
「ゼロセン・プチオークカスタムで」
改造済みのゼロ戦w